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Look Back in Wonder ~1976年パリ・テイスティングと2004年ベルリン・テイスティングを振り返る~ [来日したワイン生産者&関係者]

世界のワイン界を驚愕させた出来事
ひとつは、当時無名に近かったカリフォルニア州ナパ・ヴァレーのワインがフランスの銘醸ワインを抑えて、白&赤ともに第1位になった「1976年のパリ・テイスティング」。もうひとつはベルリンを舞台に行われたブラインド・テイスティングで南米チリの赤ワインがボルドーの第1級格付けワインに圧勝した「2004年ベルリン・テイスティング」です!

当事者ふたりが語る歴史的テイスティング
アカデミー・デュ・ヴァン東京校が主催した『Look Back in Wonder』で、仕掛け人であるおふたりから当時の背景、エピソード等について伺うことができました。まさしく貴重な歴史の証人!

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スティーヴン・スパリュアさん&エデュアルド・チャドウィックさん

パリ・テイスティングの主宰スティーヴン・スパリュアさんは1972年にアカデミー・デュ・ヴァン(ADV)のパリ校創設、同東京校は1986年オープン。デキャンター誌のコンサルタント・エディター、デキャンター・ワールド・ワイン・アワードのチェアマンとして活躍中

ベルリン・テイスティングの主宰エデュアルド・チャドウィックさんはヴィーニャ・エラスリス社長、ヴィーニャ・チャドウィック創業者・社長、ヴィーニャ・セーニャ共同創立者として世界レベルのチリワインを伝道中


記念すべきヴィンテージも登場!
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スパリュアさんがイギリスで生産しているスパークリングも披露されました!

第1フライトはパリ・テイスティング、第2フライトはベルリン・テイスティング
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左から順に#1~ #12

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(左から順に)第1フライト 6本、第2フライト 6本

1976年の出来事に至るまでの裏話
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スパリュアさんはパリでワインショップ『カーヴ・ド・ラ・マドレーヌ』を経営しており、店にはフランスの銘醸ワインを数多く揃えていました。当時パリには英語で対応できるショップが他になかったので、来店するカリフォルニアのワイン生産者たちから、「自分たちのワインを評価して欲しい」と頼まれることが多かったとか。そのような経験を通して、彼はカリフォルニアで質の高いワインが造られていることを実感します。
1975年9月、ワインショップでのパートナー、アメリカ人のパトリシア・ギャラガーさんがバカンスでカリフォルニアに行き、その折、様々な生産者を訪問します。そこで、スパリュアさんはテーマを模索。パトリシアさんからの「来年(1976年)はアメリカ建国200周年なので、それをテーマにしては」との提案を受け、1976年4月夫妻でカリフォルニアに向い、最終的にCSとCH各6本のワインを選択します。

パリでのテイスター9名はすでに決まっていました。いずれも著名な方ばかりでしたが、カリフォルニアワインを飲んだことのある人はひとりくらいしかいなかったようです。テイスティング開催の2週間前に、公平にカリフォルアワインを試飲してもらうため、店にあるワインのなかからボルドーとブルゴーニュのトップクラスのワインを選択。テイスターには事前に「カリフォルニアワインを試飲していただきます」と話していたので、テイスティング当日に「今日はルールを変えて、ブラインドでフランスワインとカリフォルニアワインを試飲していただきます」と提案。全員から「問題なし」との返答があったので、5月24日午後、アメリカ建国200周年を記念して、白と赤10種類ずつのテイスティングが行われました。

この時、スパリュアさんはブラインドで無名なワインが上位に入れば、高い品質のワインが造れられていることが証明できると考えていました。しかしながら、結果は全く予想していなかった事態に! 白も赤もカルフォルニア産が1位を独占。ワイン界を仰天させます。ワインの世界を激変させたこの出来事は以後、長く語りつがれています。※末尾のデータ参照
今年はパリ・テイスティングから40周年の記念年になります。

過去20年の変革は過去200年の変化より目覚ましい
スパリュアさんは1986年にロンドンで行われたアンティノリ設立650周年イベント(スパリュアさんは650年と発言していましたが、アンティノリの創業は1385年なので600周年だと思います)で使われていた「過去20年間のワイン界の変革は、過去200年の変化より目覚ましい」というフレーズを引用して、1976年当時まだ無名だったカリフォルニアワインの変革に言及。そして今、注目すべき変化は英国のスパークリングワインであると述べました。

英国産vsカリフォルニアのスパークリング
#1:2013 Bride Valley, Blanc de Blancs
#2:2009 JCB by Jean-Charles Boisset, No. 9 Brut Sparkling

1990年代初め、英国産スパークリング『ナイティンバー』が話題になり、その後も素晴らしい泡ものが産出されるようになります。スパリュアさんは2007年にV&Sでジャン=シャルル・ボワセさんと出会い、それが縁でプロジェクトを立ち上げ、スパークリングワイン造りに着手。妻が南ドーセットに土地を購入、2009年に植樹、ボワセさんの協力のもと、ブラン・ド・ブラン(#1)を生産。 理想は「フレッシュで、白い花を彷彿とさせるアペリティフに合うスパークリングワイン」とのこと。
南ドーセットは冷涼気候でシャンパーニュ地方と同じ石灰質(チョーク)土壌。ここではボワセさんのNo9ブリュットスパークリング(#2)との利き比べ。カリフォルニアのラシアン・リヴァー・ヴァレー内のグリーン・ヴァレーAVAのCH100%、エレガントで温かい年を反映したふくよかな味わい。

パリ・テイスティングの優勝白ワイン『シャトー・モンテレーナ』
#3:2013 Chateau Montelena Napa Valley Chardonnay
#4:2009 Chateau Montelena Napa Valley Chardonnay

「パリ・テイスティングは20点満点の採点法でした。9名のうち、6名がモンテレーナ、3名がシャローンを1位に。4年後の1980年、ロンドンで同じ銘柄(ヴィンテージは若干若い)で行ったテイスティングではシャローンが1位、モンテレーナが3位になり、2つのワイナリーには一貫性があることが証明できました」とスパリュアさん。モンテレーナはMLFをしないワインなので、フランス人の味覚にあったスタイルだったようで、2013年(#3)は若々しくフレッシュ。2009年(#4)はきれいに開いたワインで、まだ果実感もあり、エレガント

優勝赤ワイン『スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ』

#5:2013 Stag's Leap Wine Cellars S.L.V. Cabernet Sauvignon
#6:1998 Stag's Leap Wine Cellars S.L.V. Cabernet Sauvignon

「白ワインの結果でテイスターに動揺が見られ、赤ワインの審査では同じミスをしないようにしようとしていました。それにもかかわらず、スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ(SLWC)が快勝。ムートン・ロートシルトと0.5点差とは言え、審査員は確実にフランスワインだと思っていたようです」とスパリュアさんは述懐。
今年の5月24日に行った40周年目の記念テイスティングでも結果は同じで、SLWCが1位だった由。「畑のぶどうをそのままワインにした印象。#5はピュアな果実味。アルコール度数が14.5%ありますが、それを感じさせないバランスの良さ。 #6 の1998年は18年経過し、カシス、胡椒、スパイスなど熟成のニュアンスを感じます」とコメント


なにごとも一番最初が大事
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チリはワイン造りの歴史はあっても、世界市場に向けての輸出は1990年からであり、日本は1995年頃で、わずか20数年しか経っていません。チャドウィックさんはチリワインのポテンシャルを理解してもらおうと試行錯誤しながら様々な挑戦をしますが成功に至らず、最終的に確固たる地位を得ているワインと比べることで存在価値を示そうと決断します。
パリ・テイスティングの仕掛人スパリュアさんを紹介してもらった彼はベルリン・テイスティングの構想を立ち上げ、テロワールを表現したワインを選択。「自分が造る5つのワインがトップ5のなかにひとつでも入れば上出来」ということで覚悟を決めテイスティングを開催。ところが1位、2位を独占する結果になり、彼自身も、スパリュアさんも、会場にいたすべての人が驚愕! この出来事も先のテイスティング同様、ワイン界の偉業として語りつがれています。※末尾のデータ参照

「ブラインドだったことに意義がある」と語っていたチャドウィックさんは、月面着陸のニール・アームストロング船長の話を例にして「なにごとも一番が肝心」と先人の重要性を力説。「チリワインがワールドクラスのワインと拮抗するまでになったことをわかってもらえました」と述べました。

ドン・マキシミアーノ・ファウンダーズ・リザーヴ
#7:2013 Viña Errazuriz, Don Maximiano Founder's Reserve Cabernet Sauvignon
#8:1984 Viña Errazuriz, Don Maximiano Founder's Reserve Cabernet Sauvignon

エラスリスの創始者ドン・マキシミアーノは1970年にはCS100%でワイン造りをしていました。チリは東にアンデス山脈、西に太平洋があり、冷たい海流の影響を受けています。ドン・マキシミアーノのぶどう畑は海から65㎞内陸のアコンカグア・ヴァレーに位置する85㌶のぶどう畑(チリ初の斜面に耕作した畑)で、CS等ボルドー品種を植樹、灌漑(ドリップイリゲーション)を行い、沖積土壌で粘土の多い場所にはカルメネール、砂利の多い場所にはCSを。もう少し海岸寄りの冷涼エリアではSBやPNを栽培しています。
#7の2013年(CS79%、マルベック10%、カルメネール6%、PV5%)は過去10年間で一番涼しかった年。冷涼年はエラスリスの求めるワインスタイルを反映。凝縮感がありエレガント、カシスやブラックベリー、酸味があり、切れがあってバランスの取れたワイン

スパリュアさんは「2013年は素晴らしいワインです。私は2004年から見ていますが品質の向上を感じます。ぶどう畑の特徴、テロワールを反映しています。ボルドーのトップシャトーもテロワールを重視、そこではぶどうを語るより、畑をいかに表現するかです。標高は400~500㍍、素晴らしいブレンド比率で、マルベックはワインにフレッシュな果実感を、カルメネールはスパイス感、PVは力強さ。このワインはパワフルでエレガント、調和が取れていて長熟が期待できます」とコメント

チャドウィックさんは「32年経過した1984年(#8)は2回目のヴィンテージで、当時15㌶しかなかった畑のぶどうの質の高さを感じて欲しいです。1960年代のボルドーと同じ造り、今より早いタイミングでの収穫でした。今より軽いスタイル、レザーのニュアンス、酸味、複雑味」と。

2005年からビオディナミ農法を導入したセーニャ
2015年セーニャ20周年のヴァ―ティカル・テイスティング・ディナーがありました。ここでは世界市場に向けての試行錯誤、故ロバート・モンダヴィさんとの対面からセーニャ誕生までの経緯、ベルリン・テイスティングでの快挙についてチャドウィックさんが多くを語っていますので、ご一読いただけると嬉しいです。 http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2015-04-12

#9:2013 Seña
#10:2000 Seña
1995年に初めてセーニャが誕生。この時はヴィーニャ・エラスリスが所有する畑のぶどうから造りましたが、その後、海から内陸に40kmの場所に45㌶の畑を購入。岩が多い土壌で、CSやカルメネールが成熟する畑。2013年はサックリングが99点を付けています。ファミニンなワイン、エレガンスとフィネスを追及するエラスリスが、それを見事に証明したワイン。2000年は16年経過していますが、柔らかみがあり、スパイス、鉛筆、甘草のニュアンス

スパリュアさんは「2013年(#9)は冷涼年を完璧に表現したワイン。美しく、シームレス(継ぎ目がなく滑らか)。絶賛したいワイン、ワクワクするワイン。また2000年(#10)はスケールが大きなワインでリッチなスタイル。2013年と比べると2000年は温暖。フレッシュ感、果実感もあり」

ベルリン・テイスティングで活躍したヴィニエド・チャドウィック
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左が2014VT、右が2000VT

#11:2014 Viñedo Chadwick
#12:2000 Viñedo Chadwick
アコンカグア・ヴァレーから南に100km、マイポ・ヴァレーにあるプエンテ・アルトはチリの伝統的なぶどう栽培のエリアで、CSの銘醸地。1880年代からぶどう生産をしていた経緯があります。彼の父親はポロの名選手であり、競技場を所有。生涯をワインとポロにかけていました。1992年、父親がリタイアし、チャドウィックさんは会社に入社。ポロの競技場をぶどう畑にした変換した翌93年に父親が逝去。 
2014年(#11)はチリワインの歴史上の快挙100点評価。2014年は霜害を受けた年で50%の収穫減、夏は暑すぎず、ゆっくりと熟成させることができたので、カシス、ピュアな果実味 バランス良好。「2014年はまだ若さを感じるワイン。故ポール・ポンタリエさんが〝若い時に良いワインはいつまでたっても素晴らしい〟と表現していますが、このワインにはその形容がふさわしいです。偉大なワインは熟成で変化します。セーニャと比べると筋肉質、男性的、例えればラトゥール的。CS100%でこのようなエレガントさは素晴らしい」とスパリュアさん


2004年のベルリン・テイスティングで1位だった記念すべき2000年ヴィンテージ
「ブラインドでいつ飲んでもわかるワイン。残り数本となりましたが、皆さんと共有したかったので持参しました」とチャドウィックさん

12種類のそれぞれに意味あるワインをテイスティングしましたが、マイベストは2000年のヴィニエド・チャドウィック(#12)。スパリュアさんがセミナーのなかで何度か使っていた最適表現〝シームレス(継ぎ目のない)〟、滑らかな舌触り、ドライフラワー、スパイス等、複雑味のある熟成に耐えうるワイン。残り数本しかないという、2004年当時のヒーローワインを味わえたことは感無量!

ベルリン・テイスティング時の正直な気持ち
チャドウィックさんは当時を振り返って「本当にサプライズ」と表現。1回目はチリのテロワール、ポテンシャルが伝われば良いと思っていたそうです。特にフランスとイタリアのワインは2000年VTを選んでいて、シャトー・マルゴーにしてもシャトー・ラフィットにしても当時は100点をゲットしていたワインであり、それでチリのワインが1位になったのは運命だったと。

「1回目は何も失うものはなかったので、本当のチャレンジは2回目以降。1位で終わっていれば、素晴らしいストーリーで完結です。でも、2回目以降のチャレンジにはリスクがあり、正直言って怖かったのですが、ブラジルでも2位、3位を取り、日本でも1位のシャトー・ラトゥール以降、2位から5位まですべてチリワイン。ここには一貫性があり、それが真実を物語っていますし、今はそれが確信に変わっています」


この日いただいた本のあとがきは2016年6月付、何と日本語訳でビックリ! 
翻訳を担当したのは『パリスの審判』の訳者葉山考太郎さんだそうです。お疲れ様でした!

2006年に東京でベルリン・テイスティングの再現を行いましたが、当時の功労者はワインジャーナリスト、ヴィノテーク創始者の有坂芙美子さんでした。セミナーを仕切ったスパリュアさんとチャドウィックさんと有坂さんの3人が揃ったのは、東京で開催したベルリン・テイスティング10周年記念ディナー以来です。
一期一会の時間を共有させていただき、光栄でした!!!

参考データ
1976年5月24日開催パリ・テイスティングの結果
白ワインの部
1位:シャトー・モンテレーナ1973、2位:ムルソー・シャルム ギー・ルロー1973、3位:シャローン1974、4位:スプリング・マウンテン1973、5位:ボーヌ・クロ・デ・ムーシュ ジョセフ・ドルーアン1973、6位:フリーマーク・アベイ1972、7位:バタール・モンラッシェ ラモネ・プルドン1973、8位:ピュリニー・モンラッシェ ルフレーヴ1972、9位:ヴィーダー・クレスト1972、10位:デイヴィッド・ブルース1973
赤ワインの部
1位:スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ1973、2位:シャトー・ムートン・ロートシルト1970
3位:シャトー・モンローズ1970、4位:シャトー・オー・ブリオン1971、5位:リッジ・モンテ・ベロ1971、6位:シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ1971、7位:ハイツ・マーサズ・ヴィンヤード1970、8位:クロ・デュ・ヴァル1972、9位:マヤカマス1971、10位:フリーマーク・アベイ1969

2004年1月23日開催ベルリン・テイスティングの結果
主催:スティーヴン・スパリュア、ルネ・ガブリエル、エデュアルド・チャドウィック
1位:ヴィニエド・チャドウィック2000、2位:セーニャ2001、3位:シャトー・ラフィット・ロートシルト2000、4位:シャトー・マルゴー2001、同点4位:セーニャ2000、6位:ヴィニエド・チャドウィック2001、同点6位:シャトー・マルゴー2000、同点6位:シャトー・ラトゥール2000、9位:ドン・マキシミアーノ・ファウンダーズ・リザーヴ2001、10位:シャトー・ラトゥール2001、同点10位:ソライア2000


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12月発売!! パイパー・エドシックのブノワ・コラール代表が語る極上シャンパン『レア ロゼ2007』 [シャンパン]

シャンパンの名門パイパー・エドシックの『レア ロゼ2007』
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左から
12月にデビューする『レア ロゼ2007』
初リリースから8番目のヴィンテージになる『レアヴィンテージ2002』
PHの顔 エッセンシエル キュヴェ ブリュットNV

今年の12月、パイパー・エドシック(PH)から華やかなロゼがデビューします。
ティアラをまとったボトルの『レア ロゼ2007』です!
ファーストヴィンテージの2007年は、17のクリュのぶどうをブレンドし、8年以上の熟成を経てリリースされます。ぶどう品種はシャルドネ56%、ピノ・ノワール44%、ドザージュ量10~11g/L、総生産量1500本、希望小売価格は6万円(税別)、レアヴィンテージのデビュー以降、40年近い歳月を経て登場する新製品。日本への割り当て本数は未定ですが、争奪戦になりそうです!

来日したブノワ・コラール新代表に個別インタビュー

フランス東部ベルフォール生まれのコラールさんは1973年生まれの精鋭。ネスレ社で管理部門業務を経験後、1997年モエ・ヘネシーに入社。同社シャンパーニュ、アメリカ、フランス、ドイツ支部に勤務、2000年にMHDフランスで大手流通担当ディレクターとして営業部門に就き、その後、2011年までMHDの主要部門で活躍。2012年にCLSレミー・コアントローに入社し、オントレード・セールス・ディレクターを務めた後、2015年10月パイパー・エドシック代表に就任。今は長年の経験を生かし、世界的流通網の再編成に注力中です。

今世紀最も受賞歴が多いメゾン
PHは今世紀で最も受賞歴の多いメゾンと言えます。その源は、英国ロンドンのインターナショナルワインチャレンジ(IWC)で8回もスパークリングワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを受賞しているシェフ・ド・カーヴのレジス・カミュさんです。ゆえにパイパーを知るためにまずカミュさんをご紹介しておきます。
2010年来日して行ったブレンドセミナー時、インタビューした記事が最後の部分に掲載してあります。彼の〝人となり〟が良く出ているので、その箇所だけは是非ご覧ください。
>>>http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2010-07-12
2016年4月から輸入元が日本リカーに変わり、その直後行ったセミナーです。PHの最新情報になります。>>>http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2016-05-25


なぜ今、2007年ヴィンテージのロゼなのか

~ レア ロゼはずっと造りたいと思っていたものであり、2007年ヴィンテージの中に自分が長年探し求めていたものを見つけることができた。~ レジス・カミュ

コラール:レジスはレア ロゼに対するヴィジョンを持っていました。力強さ、複雑味であり、それを毎年のキュヴェのなかに探していました。そして2007年ついに見つけることが出来ました。ご存知のようにPHは100以上のクリュのワインをブレンドし、全てを別々に醸造しているので、キュヴェとリザーブワインのタンクを数えると300以上あります。その中にあった小さなタンクの赤ワインを飲んだ時に、果実味、酸味が理想通りだったので、レジスはこれだとひらめきました。

レア ロゼはその赤ワインがベースになり、その周りに他のクリュを加えていくという発想です。
それはオーブ県コート・デ・バール地方リセ村のピノ・ノワール(PN)。2007年のPNを試飲した時、果実味、力強さ、酸味、つまり彼が探していたこれら3つの要素が備わっていたので、彼はこの赤ワインに恋をしました。「ルールを破った」と表現していますが、それはモンターニュ・ド・ランス地方のPNではなく、9割がリセのPNだからです。熟成のポテンシャルのあるシャンパンを造りたいということで、CHはヴェルジ村のぶどうを使っています。北のエリアなので美しい酸を備えています。


12日パリでお披露目されたレア ロゼ2007


「パリでのプレゼンテーションではどんな反応がありましたか?」との私の質問に、「参加者には驚きも喜びも感じてもらえました」とコラール代表。
生産量が少ないアイテムなので大きなイベントにはしないで40名という招待者。カミュさんは素晴らしいキャリアを持っていますが、つつましやかな方なので、少人数の集まり、小規模なものにしたかったそうです。

お披露目会の開催に関して、コラール代表がカミュさんに「ではどうしたら良いだろう?」と問いかけると、彼は「インドに行くべきだ!」と答えたそうです。

なぜインド? 
これはレア ロゼを試飲した時に最初に感じるスパイス、果実味、ラズベリー、ハーブ等、アジアをイメージさせる香りがあったから、というのがその理由。12日はシークレットガーデンということで、お庭にユニークな小宇宙をつくり、ゲストをもてなしたそうです。

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ティアラを作成中の銀職人

インドには行きませんでしたが、お披露目されたディナー会場の画像を拝見するとインド風の装飾
PH側は、銀職人(シルバーをカッティングしティアラを作る)、フレグランスのメーカー、フローリストを揃え、ゲストは銀職人によるティアラに触れ、調香師の香りを利き、花の色や香りを体感。さらにはシェフの料理を味わうことで味覚も加わり、ゲストの五感を刺激したようです。
カミュさんの意図するところは「ワインメーカーは銀職人であり、フレグランスのメーカーであり、フローリストであり、シェフでもあります。グラスのなかのシャンパンにはそれらの要素が詰まっているので、レア ロゼを飲んだ時にそれらを感じて欲しかった」とのこと。興味惹かれます!

創業100周年はファベルジュ、200周年はヴァンクリフのボトル装飾

ティアラを手掛けたのは若手デザイナーのアルテュス・ベルトラン
ぶどう畑の葉や樹を表現した、まさにジュエリーのぶどう畑です!

PHでは創業100周年にあたる1885年に、当時のオーナーだったフェルディナン=テオドール・クンケルマンが宝石職人ピエール=カール・ファルベルジュに依頼し、ユニークなジュエリーボックスを完成させます。その100年後(200周年)の1985年にはヴァンクリフがボトル装飾を担当。ヴィンテージは1976年。この200周年ボトルの推定金額は100万フラン超。レアヴィンテージとレア ロゼのティアラは若手デザイナーのアルテュス・ベルトランさんが手掛けており、ぶどう畑からインスパイアされて、葉や樹を表現しています。

日本市場への戦略
コラール:PHにとって戦略国は6つあり、日本はそのなかのひとつです。これからは輸入量だけでなく、メゾンのイメージを構築したいと思っています。日本は世界一ソムリエの数が多い国で、ワインへの深い知識もあり、また、ガストロノミーの国であり、高品質なキュヴェのニーズもあります。最適の場所でPHの存在を示したいと思います。

エッセンシエル キュヴェ ブリュットはガストロノミーのためのシャンパンであり、味がわかる人たちに向けてのシャンパンです。弊社のブリュットより熟成していて、ドザージュ量も低め、味わい的にはエクストラ・ブリュットで、レジスがフランス本国と日本のために生産したシャンパンです。ヴィンテージものやレアヴィンテージ等、PHのシャンパンは日本の質の良いレストラに入れるべきだと考えていますので、今後はレストラン市場に進出していきたいと思っています。


コラール代表お気に入りのマリアージュ
エッセンシエル キュヴェ ブリュットNV × 帆立とネギのバター炒め
有塩バターで帆立とネギを炒める。調味料は塩と胡椒を少々、シンプル&ナチュラルが基本
ロゼ ソバージュNV × 鴨胸肉とマッシュルームの串焼き
鴨胸肉、マッシュルームをそれぞれ金串に刺して焼く。鴨の肉の部分と脂分がロゼ ソバージュの果実味とタンニンと。また、マッシュルームのソフトな食感とジューシーさもロゼの果実味とナイスハーモニー
 レア ロゼ2007 × ラムフィレのクラスト
フライパンにラムフィレ全体を軽く焼き(中のお肉は柔らかくてジューシー)の外側にマスタードを塗り、そこにハーブとレモン皮を加えたパン粉をまぶしてオーブンで焼き上げる。ロゼの持つ果実味と良く合い、付け合せのナスのピュレの柔らかさがラム内部の肉質とも良い相性に

表現しすぎないことでエレガントさが際立つ
レア ロゼの色調はオレンジを含む濃いピンク、野イチゴやラズベリー、アジア的なスパイス、酸味は穏やかで、口中では継ぎ目のない状態(シームレス)で旨味が広がり、余韻も長い。グラス内の温度があがると、味わいはより複雑になり、赤系果実の美味しさが長く残ります。
「一本芯がありながら主張しすぎないスタイル。それは日本の〝やまとなでしこ〟のようです」とコラール代表に伝えました。彼から「強さ、複雑さ、エレガントさを備えたレアロゼ。表現しすぎないことでよりエレガントになります」との返答が。

カミュさんの外見から受けるイメージに反して、レア ロゼのボトルや味わいから受けるイメージはとてもファミニン。それをコラール代表に話したところ、「そう考えていただけるのであれば、レジスが次を任せる人材として女性を選んだのは不思議ではない」と。すでに15年間カミュさんのもとで修業しているセヴェリーヌさんとのことでした。これは思わぬスクープ!!
ここ2~3年、PHの味わいが洗練されてきたと感じている私ですが、次期シェフ・ド・カーブのスキルで、よりファミニンになっていくかもしれません。

私的感想

12日のパリでの発表後、その足で日本に来日したブノワ・コラール代表
超ご多忙にも関わらず、インタビューの時間を割いてくださったことに深く感謝です。コラール代表は、質問に対してとても丁寧に、そして、必ず付随するキーポイントに言及してくださる気配り名人でした。
インタビュー終盤、コラール代表がお好きという料理話になった時には、ハッピーフェイスに。終始弾んでご自身のお気に入りマリア―ジュ情報を語ってくださったことも嬉しかったです。
新代表の指揮下、パイパー・エドシックの新たな躍進が楽しみです。

EPiグループの本間様、PHのウィラハン・マミ様、日本リカーの佐々木様&内藤様、お世話になりました!
 
製品のお問い合わせは日本リカー(株)商品部 ℡03-5643-9772


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ブレンディングの業 by ドン・メルチョーのエンリケ・ティラド × スターシェフのブルーノ・メナール [チリワイン]

チリ初のアイコンワイン『ドン・メルチョー』

2年ぶりにドン・メルチョーのワインメーカー、エンリケ・ティラドさんが来日しました。今回はスターシェフのブルーノ・メナールさんと一緒にブレンディングの業(ワザ)について語りました!

ふたりは今年の3月にチリで対面。ティラドさんは7区画のカベルネ・ソーヴィニヨン(CS)を駆使したブレンド法でワインを造りますが、最終的なブレンディングでは、長年の知識とドン・メルチョーならではの〝バランスとフィネス〟を表現するための業を発揮しています。
今回、メナールさんは、ドン・メルチョーの〝キー〟となる香り(例:スモーキー、スパイシー、コーヒー)を徹底的にチェック。レシピの構成に関しては、ワインの味わいを分析し、それぞれの要素を、使用する食材の味覚や視覚に反映させました。「ワインと料理の共通点はエモーションであり、これは機械では絶対に置き換えられない」と強調していました。これこそ、職人芸です!


ワインメーカーのティラドさん&シェフのメナールさん

エンリケ・テイラドさんは1993年、コンチャ・イ・トロに入社。1997年から同社のトップワイン『ドン・メルチョー』のチーフワインメーカーに就任し、ドン・メルチョーを世界レベルのワインに押し上げました。また、『アルマヴィヴァ』でもファーストヴィンテージから携わるなど、チリを代表する醸造家として知られています。

ブルーノ・メナールさんは2008年に東京・銀座のレストラン『ロオジェ』がミシュランガイドで3ツ星を獲得した時のシェフ。2010年にはフランス農事功労章シュヴァリエ受章、2013年シンガポールを拠点にした料理コンサルティング会社を設立し、現在、世界を股にかけた活躍をしています。昨年からドン・メルチョーのアジアのアンバサダーに就任。

なぜドン・メルチョーを造ったのか


チリ最初のアイコンワイン、それがドン・メルチョーです。
なぜ、ドン・メルチョーを造ったのか?
それはチリのCSの銘醸地マイポ・ヴァレーにあるプエンテ・アルトのポテンシャルを表現したかったからです。それで、ボルドーにワインのサンプルを送り、ボルドー大学のエミール・ペイノー教授の指示を仰ぎます。その後、教授の右腕である故ジャック・ボワスノさんが後を継ぎ、現在はボワスノさんのご子息エリックさんと最終的なブレンディングを行っています。

アンデスの麓プエンテ・アルトにある小さくてユニークなアペラシオン
畑は全部で127㌶、90%がカベルネ・ソーヴィニヨン(CS)、7%がカベルネ・フラン(CF)、2%がメルロ(ME)、1%がプティ・ヴェルド(PV)。区画は小さく分けると142、大きく分けると7。毎年のブレンド比率は異なりますが、7つの区画のぶどうを使うことで、アンデスのもたらす気候、土壌をワインに反映させています。昼と夜の温度差(日較差)により、ぶどうに十分な果実味、酸味、アロマが備わるのも利点です。

プエンテ・アルトは3つの段丘になっていますが、ドン・メルチョーの畑は最も高い段丘で最も古い畑(やせた土地)。沖積土壌で、石灰、粘土、砂質等で構成されています。
ちなみに、CSとCFは古い畑(クローンはプレ・フィロキセラ・ストック)、MEとPVは若い畑で2006年に植樹したそうです。ここのPVは2015年と2016年ヴィンテージのワインに使用しています。

[晴れ]2014年の来日時、ティラドさんはドン・メルチョーの7区画について語りました。コンチャ・イ・トロ社が拙ブログをpdfにしてリンクしてくださった内容がわかりやすいと思います。序章としてお目通しいただければ嬉しいです。
>>> http://www.conchaytoro.com/wp-content/uploads/2014/10/japon.pdf

供出されたのはワインスペクテータ―で年間TOP100ワインに選ばれたヴィンテージ

会場はリーデル青山本店。協賛グラスがリーデル・ヴェリタスシリーズのカベルネ/メルロだったことで、ドン・メルチョーの良さがより際立ちました!

ドン・メルチョーは初VTの1987年から94年までCS100%、95年がCS97% ME3%、96年から98年&2000年がCS100%、2001年以降はブレンド比率が変化しています。
(奥左から右に)1988年、2005年、2010年 (手前左から右に)2013年、2011年
#1:ドンメルチョー1988/WS91(TOP100の74)
品種:CS100%
熟成:フレンチオークで12カ月熟成(新樽60%、2回目の樽40%)
#2:同2005/WS96(TOP100の12)
品種:CS97% CF3%
熟成:フレンチオークで14カ月熟成(新樽70%、2回目の樽30%)
#3:同2010/WS95(TOP100の9)
品種:CS97% CF3%
熟成:フレンチオークで15カ月熟成(新樽76%、2回目の樽24%)
#4:同2011(新発売)/WS94 (Top Wine of Chile)/希望小売価格11,000円(税抜)
品種:CS99% CF1%
熟成:フレンチオークで15カ月熟成(新樽70%、2回目の樽30%)
#5:同2013(日本未発売)WA93
品種:CS91% CF9%
熟成:フレンチオークで15カ月熟成(新樽66%、2回目の樽34%)

ドン・メルチョーとアルマヴィヴァとの違いは
ドン・メルチョーもアルマヴィヴァもプエンテ・アルトにあり、ともに最高のワイン、最高のブレンドというスタンスですが、明確なスタイルの違いがあります。


ドン・メルチョーはCS(CFが若干)が主体、異なる7つの区画のCSが奏でるハーモニー


ドン・メルチョーの畑に隣接するアルマヴィヴァは、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドとコンチャ・イ・トロ社とのジョイントベンチャーで1998年にリリースされたワイン。こちらはカベルネ・ソーヴィニヨン、カルメネール、カベルネ・フラン、メルロー、プティ・ヴェルドをブレンド。異なる品種が奏でるハーモニー

ティラドさんとメナールさんによるブレンディングの業(わざ)
1988 × ソバの実とゆかりの黒トリュフ風味のリゾット
~スモークしたウナギとフォアグラをのせて~

オレンジ色を帯びた色調、若干の田舎っぽさ、まだ果実味もあり、タンニンはソフトで滑らか

ティラド:エルニーニョの影響を受けたヴィンテージ。複雑で、ミント、チョコレート、スモーキーでスパイシー、柔らかく滑らかなタンニン


メナールさんからのプレゼントはノルウェーの伝統的なスモーク・ヴァイキングソルト(フランス産
サーモンを燻さないでスモーキーに仕上げられる調味料で、中国茶も若干ブレンド

メナール:ソバの実とゆかり(酸味とハイビスカス似の香りが表現できる)を使った黒トリュフ風味のリゾットに、スモークしたウナギとフォアグラを加えることで、ワインのリッチさと料理の豊かさが相乗。ワインはCS100%ですが、まだまだ新鮮で、果実味やエネルギーがあります。ドン・メルチョーにはロースト香やコーヒーのニュアンスがあり、時間の経過でグラス内のワインが変化するのが素晴らしい。

2005 × みそとマーマレードを塗り込んだ鴨フィレ肉のロースト
~ヴェルジュソースとキャロットムース、きのこの包み、トリュフポテトを添えて~

濃いルビー色、インパクトがあり、甘やかで凝縮した果実味、滑らかに広がる長い余韻
14年間日本在だったメナールシェフの料理には日本のテイストが盛り込まれています!

ティラド:1988年とは異なる気候、2005年は通常より温かいヴィンテージ。ワインは甘くてタフィーのような印象。鉛筆の芯、黒鉛、コーヒー、口中スムーズで温かなアタック。タンニンは柔らかでフレッシュ

メナール:血を閉じ込めてある鴨の外側に(日本の西京焼きのように)味噌とマーマレードとヴェルジュ(ぶどう果汁)を塗り込んでローストしました。マリアージュのポイントはソースで、ヴェルジュソースの酸味はワインのフレッシュさと良く合い、鴨をキャラメリゼした後、コーヒーとカルダモン(隠し味的に)を使っています。経験から言うと、香川県のかめびし醤油の古醤油(15年、20年)を少し使うと味が引き立ちます。

2010 × グリオットと赤ワインのグラニテとチョコレートビスキュイ
~リコリスと5種のスパイスのシャンティをのせて~

深みのある濃いルビー色、赤系果実の凝縮感、エレガントな酸味、ミネラル、フレッシュな余韻

ティラド:2010年は冷涼年で、ブレンド比率は2005年と同じです。2005年(温かい年)にCFを5%使ったのはフレッシュ感を出すためで、2010年はCFを5%入れたことでバランスが良くなりました。ぶどうは遅摘み、エネルギーがあります。小粒の赤い果実、洗練されたミネラル感、口中ではまるく、まろやかなタンニン、爽やかな酸、アンデスの土壌や気候由来のフレッシュさやキャラクターが感じられます。

メナール:デザートと赤ワインを合せるのはチャレンジではありません。ワインから感じられる赤い果実を使いますが、ラズべリーやストロベリーは甘すぎるので、ここでは力強い風味で、赤い色がワインに良く合うグリオット・チェリーを選びました。層になっているデザートで、2番目の層はグラニテ。オレンジピール、バニラ、シナモン、スターアニス(八角)がブレンドしてあるので、体が温まる感じです。頂上部分の冷たいクリームの中には五香粉、甘草が入っています。最初の冷たい食感からミドル部分に降りていくにつれ温かくなる感じは、ワインを試飲した時の印象と同じです。

8月に出荷を開始した2011年ヴィンテージ

深みのあるルビー色、チョコレート、黒鉛、シルキーでバランスの良い味わい、柔らかなタンニン

ティラド:2011年は2010年より冷涼で、赤い果実や凝縮したミネラル感があります。ブレンド比率はCS99%、CF1%で、CSにとって素晴らしい年でした。デリケートでバランスが良くシルクのような感触です。
メナール:フォアグラとチョコレート(南米ヴェネズエラ産のカカオ61%)で、イチジクのピュレ、梅干(酸味とフローラルさが表現できる)、ラズベリーのビネガーと合わせています。これらのコンビネーションがワインに良く合います。現在、コンチャ・イ・トロでは南米のカカオと合せるコラボレーションや世界中の胡椒とワインを合せるコラボも実施しているところです。

2013(日本未発売) × 赤ビーツのタルタル
~カカオヴィネガーとハーブを添えて~

マイベスト! 
濃い赤紫色、アロマ豊か、乳酸のニュアンス、果実味と酸味とタンニンのバランス良好

テイラド:コンチャ・イ・トロにとって最も冷涼だった年が2013年。赤い色の果実、CSの素晴らしいキャラクター、花やミント、肉のようなニュアンスもあります。若い果実味、バランスの良いタンニン、テクスチュアがあります。

メナール:料理のすべてに〝赤〟を入れています。これはタルタルですが、肉ではなく、ビーツ。ワインに土っぽい要素があるので、トリュフ(さらに土っぽさを加える意味で)を合わせました。またフローラルな要素もあるので、2~3kgのタルタルに、ゼラニウムのエッセンスを4滴入れてブレンド。最後にカカオヴィネガーを加えることで味が引き締まります。
 
ブルーノ・メナール シェフのスペシャルメニュー

メナールシェフの料理は映像で紹介されました。
ドン・メルチョーのブレンドの妙、一品の料理の裏に隠されたブレンドの妙、お見事でした!
あまりに美味しそうなメニューだったので、ドン・メルチョーと合わせて食べてみたかったです。
まずは、いただいたスモーク・ヴァイキングソルトでウナギとワインの相性診断をすることにします。奥深いレクチャー、ありがとうございました!

商品についてのお問い合わせは日本リカー(株)商品部 ℡03-5643-9772

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NHK文化センター青山校の8月講座はオーダーメイドで完結 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]


後期募集(10~3月)も満席になりました。参加予定の皆さま、ありがとうございます!

前期(4~9月)は今月でひと区切り。タイミング良く、超レアなアイテムが日本上陸したようなので、現在画策しております(講座生の皆様には中旬頃、事務連絡をいたします

8月の講座は受講生からスパークリングワインのリクエストを募り、候補を決めました。なかなか面白い結果になったと思っています。

第1フライトはゼクト、カバ、シャンパーニュ
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#1:リースリング ゼクト ブリュット2012
生産者:ヨーゼフ・ビファー(ドイツ)
ぶどう品種:リースリング100%(ファルツ産)
残糖:7.96g/L
価格:3,400円(税込) 輸入元:(株)徳岡
徳岡会長の実娘ドイツ在住の史子さんが造るリースリング100%のゼクト.b.A.。昨年のドイツ訪問でお目にかかりました。生産しているワインの8割はゼクト(ドイツ産の発泡性ワイン)、#1は36カ月の瓶内熟成、気泡は繊細、グラスを上から見た時の泡沫は活発、柑橘系果実、果実内側の白皮のビター感、ブリオッシュ、ぺトロール香、中盤以降キレの良い酸、余韻に残る甘味。産経EXのワインのこころに書いたように、史子さんのスパークリングは「和食に合わせて」がコンセプトなので、お惣菜にも寄り添ってくれるタイプ。徳岡直販のボンルパで購入可

#2:〝トレス・ルストロス〟 グラン・レセルバ ブリュット・ナチュール2007
生産者:グラモナ(スペイン)
ぶどう品種:チャレロ70% マカベオ30%
瓶内二次発酵後、滓との期間は89ヵ月(7年以上)ドザージュ:0g/L
価格:7,000円(税別) 輸入元:(有)金井事務所
大好きなカバの生産者グラモナ、長い熟成期間を誇り、カバの主要3品種のうち、「パレリャーダ」は使わない主義のメゾンです。明るい麦わら色、緑がかった黄色、気泡はワインに溶け込み、口中クリーミー、ドライフルーツ、イチジク、トースト、燻製香、バター、ミネラル、上品で長い余韻。講座生がシャンパンと間違うほどの洗練された味わい。グラモナが好きな理由は、CAVAと感じさせない香りやエレガントさ。気品のあるスパークリングです!

#3:テタンジェ ブリュット・レゼルヴ
モントルー・ジャズフェスティバル50周年記念スリーヴァーボトル
生産者:テタンジェ(NM)
ぶどう品種:CH40% PN+PM60%/瓶熟最低3年間
ドザージュ:8~9g/L
価格:7,000円(税別)/日本での販売は1万本 輸入元:サッポロビール
輝きを帯びた黄金色、気泡は細やか。フレッシュで酸が芯になっている印象。白い花、柑橘系果実、バニラ、ブリオッシュ、軽快な味わいのニュアンスがジャズの軽快さと合うかも

ジャズ好きの方は要チェック
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7月26日に発売したばかりのテタンジェ ブリュット・レゼルヴ モントルー・ジャズフェスティバル50周年記念スリーヴァ―ボトル、キャップシュールには〝50〟の文字
本日(7日)のサッポロビール試飲会で、テタンジェセミナーが開催されますが、講師は当主エマニュエルさん。モントルーボトルの話も出ると思います。スイス、日本、英国の3か国限定


第2フライトは世界のブラン・ド・ブラン競演
ブラン・ド・ブランのリクエストが多かったので、「それでは」ということで世界の秀逸なシャルドネにフォーカス

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#4:クレマン・デュ・ジュラ ブリュット ミレジメ2009
生産者:グラン(フランス・ジュラ)
ぶどう品種:CH100%
価格:3,300円(税別) 輸入元:ラック・コーポレーション
ジュラ地方で17世紀末からぶどう栽培に携わってきたファミリー。フラワリー、青リンゴ、蜂蜜、甘酒、発酵物(お味噌、漬物)似の香り、ブリオッシュ、余韻は中程度、コンテチーズとのマリア―ジュを連想

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色白な日本産と英国産!

#5:安心院(あじむ)スパークリングワイン2014
生産者:安心院葡萄酒工房(日本)
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:3g/L(エクストラ・ブリュット)
価格:3,437円(税込) 輸入元:三和酒類(株)
今年の日本ワインコンクール(JWC)のスパークリング部門で金・部門最高賞を受賞した日本を代表する瓶内2次発酵のスパクーリング。ドザージュは少量ながら、ぶどう本来の甘みを感じるバランスの良い1本。色調は6本の中で一番淡く、白い花、洋梨、ライチ、和風柑橘、カマンベール、味わいは甘やか、グラス内の温度変化で、果物のコンポートのニュアンスも

#6:ガズボーン・エステイト ブラン・ド・ブラン2010

出典:BB&R
生産者:ガズボーン(イギリス・ケント州)
ぶどう品種:CH100%
価格:7,560円(税別) 輸入元:BB&R
ケント州は地図下方、右側の大きなぶどうのところです。2010年にデビューヴィンテージの2006年をリリース後、高評価を得た英国のなかでも最もエキサイティングな生産者。サイモン・フィールドMWは「タルト・タタン、アーモンド、バターを塗ったトーストの風味を感じ、澱の上で熟成させたことが良いニュアンスを与えている」とコメントしています。6つの中では淡いイエロー。元気な泡沫、白い花、サン富士、ヘーゼルナッツ、アーモンド、酸味はシャープ、旨味があり、余韻も長い。

#7:フェッラーリ ペルレ・ミレジム2008
<生産者:ファッラーリ(イタリア・トレンティーノ・アルト・アディジェ州)
ぶどう品種:CH100%
価格:5,900円(税別) 輸入元:日欧商事
1902年創業のフェッラーリは仏モンペリエとシャンパーニュ地方で栽培を学んだ初代ジュリオ・フェッラーリがトレントに立ちあげたワイナリー。瓶内2次発酵によるスプマンテの先駆者、シャルドネ(CH)を重視。輝きのある麦わら色、気泡は細やか、黄桃やカリンのような種の大きな果実、スイートアーモンド、ミネラル。きれいな酸、口中でリンゴ似の甘み、余韻に軽いビター感。上質なスプマンテ!


#8:ドン・ルイナール ブラン・ド・ブラン ブリュット2004
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コルクの締まり方からも熟成具合が伝わってきました。


生産者:ルイナール(NM)
ぶどう品種:CH100%
価格:25,000円(税別) 輸入元:MHDモエ・ヘネシー ディアジオ
1729年創業のルイナール、古代ローマ人が遺した2世紀の白亜質のクレイエールは地下25m、35m、40mの深さがあり、ドン・ルイナールは一番深いところで熟成させています。絶え間なく連なる繊細な気泡、熟成による変化と複雑味、ブリオッシュ、トースト、スモーキーさ、焼き菓子、白亜質由来のミネラル、口中を洗い流してくれる酸味。ルイナールのシャルドネの個性を完璧に表現したスタイル、素晴らしい!

#9:べラヴィスタ フランチャコルタ サテン2010
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生産者:ベラヴィスタ(イタリア・ロンバルディア州)
ぶどう品種:CH100%
価格:9,000円(税別) 輸入元:エノテカ
1976年創業のベラヴィスタはフランチャコルタのなかでもトップクラスの生産者。講座生からのリクエストの1本。所有する畑は200㌶、使用ぶどうはすべて自社畑というのが強み。色調はゴールドを帯びた淡いイエロー。気泡の連なりは美しく、香り華やか。白桃、ナッツ、アカシア、ロースト香、オリエンタルスパイス、ドライレーズン、口中ではクリーミー。ドザージュ後の馴染み方がまだ十分ではなかった印象


世界のスパークリングワインの質が向上しています。シャンパンと拮抗する泡ものも登場しています。消費者にとっては選択肢の幅が広がっているので、泡ものライフの楽しみが増えますね。Enjoy!!


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Chile Food Wine & Travel 2016@ 八芳園でのワインセミナー報告 [チリワイン]

〝白い貴婦人〟の船底はエメラルド(エスメラルダ)色

画像(c) 海上自衛隊/海上自衛隊のHPから

8月26日に東京・晴海ふ頭に入港したチリ共和国の海軍練習帆船エスメラルダ号
台風の到来と重なりましたが、予定通り30日に次の目的地韓国に向けて出港しました。
同号は来年1月8日にチリに帰還します。
それまでの航海が安全で素晴らしいものでありますように。Bon Voyage!!!



26日、艦長カルロス・シュナイット海軍大佐とパトリシオ・トーレス駐日チリ大使からのお招きで船上パーティーにお邪魔させていただきました。海軍のお船に乗るのは初体験でした! 
エスメラルダ号は9年ぶりの来航だったので、また、しばらくはお目にかかれないと思います。

船上に掲揚してあったチリと日本の国旗の間に立った記念写真を撮っていただきました。
ワインを生業(なりわい)にする身として、微力ながら、ワインを介してチリと日本のお役に立てればと思っています。そして・・・その4日後、それを実現させることに!


Chile Food Wine & Travel2016
8月30日に、チリ貿易振興局日本オフィス(ProChile Japan)が『Chile Food Wine &Travel2016』@ 八芳園を行いました。良質で安全なチリの食の世界と魅力的な観光スポットの紹介です。


左から)ヴューマネントのフェデリコ アジア輸出ディレクター、青木、ワインズ・オブ・チリ・アジアの・ファン・フランシスコ・カラスコ副代表、チリ大使館商務部・ProChileチリ貿易振興局日本オフィス ミカエル・マルスカ・ブット商務参事官

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画像提供:Wines of Chile Asia
ミカエル・マルスカ・ブット商務参事官のあいさつ


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画像提供:Wines of Chile Asia
ワインズ・オブ・チリ(WoC)アジアの・ファン・フランシスコ・カラスコ副代表のあいさつ

チリワインセミナーで10種のワインをテイスティング
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当初予定されていたプレゼンターがやむを得ぬ事情で登板できなくなり、ワインを仕切るWoCのフリオ・アロン アジア代表(上海在)からの電話依頼で急遽私がピンチヒッターに。
開催1週間前の話です。

WoCが見やすいパワーポイントを作成してくださったので、当日を迎えることができました。現在WoCには90余りのワイナリーが参加していて、ワインセミナーに出すアイテムはワイナリー側が決めているとのこと。


バックヤードに並んだワイン、抜栓はセミナー開始の2時間前には終了。バンケットサービスセクションの井上健太キャプテンのサポートでブショネチェックも完璧!
ワインの供出順、組み合わせは私のほうで決めさせていただきました。


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南北に長いチリは、北にアタカマ砂漠、西に太平洋、東にアンデス山脈、南に南極があり、4つのバリアが地形的に孤立した島のような状態を形成しています。北に行くほど乾燥し、南に行くほど湿潤、多雨の傾向にあります。

チリワインの輸入量はNo.1
財務省発表(1月28日付)の2015年貿易統計によると、日本へのワイン輸入量(スティルワイン)ナンバーワンはチリ。拮抗していたフランスを抜いて正式に首位の座におります。 数量ベースの引導役は100万ケース超、コスパワインのアルパカ(輸入元:アサヒビール)でした。金額ベースでみると、チリは193億円、フランスは505億円(出典:WANDSデータ)なので、今後は、中・高価格帯へのシフト、世界のトップワインと比肩するチリワインをハイエンドの消費者に浸透させていくことが大事です。2007年に締結した日・チリ経済連携協定(EPA/12 年間で段階的関税撤廃)の効果も出ています。

第1フライトはスパークリング

#1:バルディビエソ ブラン・ド・ブラン2013
輸入元:モトックス 2300円+税

2013年にチリを訪問した折、一番最初のワイナリーがバルディビエソでした。創業は1879年、南米におけるスパークリングワインの先駆者。安定した品質を誇っています。冷涼エリアのレイダ・ヴァレーのシャルドネ100%、瓶内2次発酵、瓶熟24か月、ドザージュ6g/L。色調は淡いイエロー、白い花、青リンゴ、GFの内側の白い皮をかじった時のビター感、塩味(海の影響)、素直に美味しい泡ものです。魚介類のお寿司を塩またはレモンで(醤油でなく)

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画像提供:Wines of Chile Asia
10本のうち、9本が赤ワインだったので、早めの開栓、早めのサービスを徹底
ヴィンテージ情報としては、2013年はここ10年間で一番冷涼だった年、2014年は2013年に次ぐ冷涼年、2011年も冷涼年、2012年は温暖で程よい気候

第2フライトはカルメネール、第3フライトはカリニャンvsマルベック
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第2フライトはカルメネール
カルメネールはボルドー原産のぶどう、葉が赤くなってから熟すので、深紅色を表すカーマイン(仏語カルマン)が転じて〝カルメネール〟に
#2:エラスリス アコンカグア・アルト カルメネール2014
輸入元:ヴァンパッション/3700円+税
ぶどう品種:カルメネール100%
生産地:アコンカグア・ヴァレー、マックス・ヴィンヤード
エラスリスのチャドウィック当主は「カルメネールは晩熟な品種なので、しっかり熟させないとピーマンのような青臭さが出てしまいます。それを避ける意味で、収穫は5月(北半球の11月)頃の遅摘み。場所、気候、土壌(粘土)を選ぶ品種です」と語っています。

アコンカグア・ヴァレーの年間平均降雨量は214mm(11月から4月までの乾季)と極めて少なく、ぶどうの生育期に雨が降らないので晩熟のカルメネールには理想的。樽熟成12カ月(35%新樽)、日中と夜間の日較差が16度になることで、ワインの色調は深く濃く、酸味はフレッシュ。ブラックベリー、プラム、黒胡椒、アニス、パプリカパウダー、ヨーグルト、タンニンはまるくスムーズ、心地良く、長く続く余韻
ちなみに、今回供出したワインのなかにオーガニックやビオディナミのものが多かったのですが、エラスリスが所有する『セーニャ』の畑では2005年からビオディナミ農法を導入、2008年に認証を受けています。
今春の来日時には、「ビオディナミはバランスの取れた生態系を作り出すので、根は地中深く伸び、ぶどう樹は健康に育ち、質の良いぶどうが収穫できます。それにより、素晴らしい結果が得られ、エネルギーを感じるワインが生まれています」と語っていました。

#3:ビスケルト エコス・デ・ルーロ2013
輸入元:明治屋/2500円+税
ぶどう品種:カルメネール100%
生産地:コルチャグア・ヴァレー
1978年創業のファミリーカンパニーで、現当主は2代目セバスチャン・ビスケルト。海から32kmの場所にあるマルチウエのシングルヴィンヤードのワイン。花崗岩と粘土質から成る土壌。フレンチオークの小樽と大樽で12カ月熟成。 次世代に健康な土壌をつなぐために、持続可能な農法(サステイナブル)を実施、#3#4はともにコルチャグア・ヴァレーで、年間平均降雨量は592mm。#2と比べると約2倍の降雨量があります。濃いルビーレッド、若干青草のニュアンス(アコンカグアより早めの収穫?)、プラム、シガー、紅茶や緑茶、スパイス、ロースト香、バニラ、タンニンや酸は溶け込んで口中クリーミー、まるくて心地良い余韻

#4:コイレ ロヤール カルメネール2013
輸入元:ヴィレッジ・セラーズ/3200円+税 
ぶどう品種:カルメネール85%、CF8%、PV7%
生産地:コルチャグア・ヴァレー、ロス・リンゲス

1885年から6世代にわたるワイン生産者ウンドラーガが2006年に設立したワイナリー。畑はアンデス山脈の麓、コルチャグア・ヴァレーで最も標高の高いアルト・コルチャグア地区のロス・リンゲスにあり、オーガニックとビオディナミ(2009年から導入、認証取得済)で、黒ぶどうだけを栽培。ロヤールは特定の地区のぶどうを使い、18カ月の熟成期間を経てリリースされるプレミアムクラスのワイン。深みのあるバイオレットカラー、プラム、黒胡椒、ダークチョコレート、丁子、甘草、木香、中盤から広がる酸、木目細かく、存在感のあるタンニン。時間の経過でタンニンはよりまろやかに。1時間前のデキャンターがお薦め。無濾過で瓶詰

第3フライトはカリニャンとマルベック
#5:ヴィーニャ・オッドフェル オルサーダ カリニャン2014(ピーロート・ジャパン/3130円+税)
ぶどう品種:カリニャン100%
生産地:マウレ・ヴァレー、カウケネス(灌漑なしの古樹60年~100年の畑、ゴブレ仕立て)
ノルウェーのアルマドール(船の所有者)ダン・オッドフェルさんが立ち上げたワイナリー。ワイン名の〝オルサーダ〟とは方角を定める前に向かい風のなか航海することを意味する航海用語。土壌は砂質、粘土ローム、花崗岩。環境への配慮にも注力、IMO(スイス有機栽培認証機関)から有機ぶどうの認定を受けており、2009年からビオディナミを導入、2012年にデメターを取得。ぶどうの凝縮感、果実味と酸味とタンニンのトライアングル絶妙、アルコール度数が15.5%ありながら、アルコールの強さを感じさせないバランスの良さ、南仏のガリーグ(ドライハーブ)のニュアンスも!


豆知識  エスメラルダ号と和泉の関係
オッドフェルのオーナーが船の所有者だったので、船がらみで、少しだけ、エスメラルダのお話をさせていただきました。
先日来航したエスメラルダ号は6代目なのですが、3代目にあたる同船は日本がチリから譲り受けた『和泉(日本での呼称)』です。東郷平八郎海軍大将、秋山真之海軍参謀(司馬遼太郎の歴史小説『坂の上の雲』の主人公のひとり)の指揮のもと、日露戦争で『和泉』は大活躍しています。
チリと日本はワインだけでなく、海軍とも深いつながりがあります。


#6:ヴューマネント ヴュー1 2011
輸入元:コルドンヴェール/イオン ※ヴュー1は未輸入
ぶどう品種:マルベック100%
生産地:コルチャグア・ヴァレー、サン・カルロス・ヴィンヤード(ブロック4)

1935年創業、現オーナーは3代目ホセ・ミゲル・ヴューマネントさん。スペイン移民の祖父はワインを買付、瓶詰めして販売していましたが、1966年、今の拠点サン・カルロスに畑と館を入手してワイナリーを興す。チリで初めてマルベックを発売したのがヴューマネントであり、マルベックの老舗。このヴュー1は亡き父ドン・ミゲル・ヴューマネントへのオマージュワイン&アイコンワイン。サン・カルロス畑にある100年以上の樹齢のマルベックから生産される限定品で、初リリースは2001年(1999VT)、ホセさんは「基本はマルベック90%で、残りの10%はワインメーカーの判断でブレンド比率を決める」と語っていました。深みのある紫色、ブラックチェリー、プラム、ミネラル、黒鉛、スパイス、口中豊潤でエレガント、チリを代表するマルべック!


画像提供:Wines of Chile Asia
ヴューマネントのアジア輸出ディレクター、フェデリコさんが聴講してなさっていたので、前に出てご挨拶いただきました。「日本でこのような形で我がワイナリーが、そしてワインが紹介されていて嬉しい」と。
私が同ワイナリーを3年前にお訪ねした時、その1週間後に、皇室の彬子妃がチリを公式訪問なさいました。ワイン関係では唯一のワイナリーだったので、私がそれに触れたことも喜んでくださいました。

第4フライトはマイポのカベルネ、第5フライトはプレミアムなボルドーブレンド
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第4フライト
#7:ヴィーニャ・チョカラン オリジン・グラン・レゼルバ2014
未輸入
ぶどう品種:CS90%、ME8%、PV2%
生産地:マイポ・ヴァレー
60年以上にわたり、ボトルのサプライヤーとしてワイン業界に関わり、その後、ワイン生産のプロジェクトに着手。持続可能な農法の遂行、ISO9001、ISO14001、APL(クリーン生産契約)取得。濃いガーネット、ブラックチェリー、カシス、甘草、バニラ、ヘーゼルナッツ、スモーキーさ。マイポのCSの包容力、完熟したぶどう本来の甘さを感じるワイン。ラムの香草焼きやエンパナーダと合わせて

#8:エミリアーナ ノヴァス グラン・レゼルバ CS2014
輸入元:ワインインスタイル/1850円+税
ぶどう品種:CS98%、ME2%
生産地:マイポ・ヴァレー ロス・モロス・ヴィンヤード(マイポ川の南側土手)

2015年にWoCのワイナリー・オブ・ザ・イヤー受賞
1986年設立、1998年に有機栽培とBioプロジェクトを立ち上げ、社名もヴィニエドス・エミリアーナS.A.に変更。2001年にIMOの認証を受け、チリ初のISO14001も取得、2005年にはビオディナミの認証デメターを受けた「G」ワインをリリース

現在、所有する1078㌶(カサブランカ266、マイポ102、ラペル710 )のうち、444㌶は有機栽培・ビオディナミ農法、319㌶は有機栽培、375㌶は有機栽培に移行中。800㌶以上を有機栽培、ビオディナミで行うエミリアーナは世界最大(フランス最大のビオディナミワイン生産者は南仏のドメーヌ・カズで200㌶)の有機ワイン生産者、年間58万c/s。フレンチオーク35%、アメリカンオーク35%、ステンレスタンク30%で12カ月熟成、土壌は小石を含む泥質ローム質。明るいルビー色、イチゴ、さくらんぼ、プラム、バニラ、シナモン、ココア、滑らかなタンニン、ソフトな酸味。健康志向の方にお薦めしたいカリテ・プリな美味しいワイン!


第5フライト
#9:アルボレダ CS2014
輸入元:アサビール/2700円+税
ぶどう品種:CS85% CF10% シラー5%
生産地:アコンカグア・ヴァレー ラス・ヴェルティエンテス・ヴィンヤード

アルボレダはエラスリスのチャドウィックさんの個人的プロジェクトで、1999年に創設したブティックワイナリー。拠点は海から12kmのところにあるアコンカグア・コスタで、チリウエ畑には冷涼品種のSB、CH、PNを栽培。2005年VTのアルボレダから、この畑のぶどうを使用。アコンカグア・コスタはチリのニュー・アペレーション(2011年に制定された新DO)で、土壌はシスト(片岩)。〝森の茂みや木立〟を意味し、その名の通り、緑豊かな環境で、自然に配慮した栽培を実践しています。

アルボレダのレンジでも今回テイスティングしたCSはコスタのエリアでなく、海から40kmの場所にあるアコンカグア・ヴァレー、ラス・ヴェルティエンテスの畑から産出されたぶどうで、この畑ではシラー、カルメネールも栽培しています。樽熟12カ月で新樽率20%。チャドウィックさんいわく「手掛けるワインの新樽の使用は以前より控えめ」と。深みのあるルビーレッド、カシス、チェリー、ミント、バルサミコ、きめ細かいタンニン、継ぎ目のないスムーズな味わい

#10: モンテス・アルファ〝M〟レッドワイン2012
輸入元:エノテカ/11000円+税
ぶどう品種:CS80%、CF10%、ME5%、PV5%
生産地:コルチャグア・ヴァレー アパルタ・ヴィンヤード

1988年創業、サンチャゴから南に180km、フィンカ・デ・アパルタ・エステートは風水を取り入れたワイナリー。800の樽が並ぶセラーでは熟成中のワインにBGMを聞かせています。アパルタの畑ではCS、シラー、マルベック、CF、カリニャン、PV、グルナッシュ、ムールヴェードルの黒ぶどうだけを栽培。最上部は斜面が45度もあり、担当チームは特別の道具を使って収穫を。モンテス・アルファ・エムはアイコンワイン、初VTは1996年、樽熟18カ月、少なくとも抜栓1時間前のデキャンターがお薦め。下の文字が読めない濃い色調、黒系&赤系果実と酸味とタンニンの3要素のバランスが良く、長い余韻。カシス、ラズベリー、さくらんぼ、甘草、シダ―、バニラ、ロースト、口中での果実の広がりと複雑味は魅力。2012VTはワイン・アドヴォケイトで91点、ワイン・スペクターで90点の評価、2013年や2014年とは異なる温かな気候で、ぶどうは完熟、収穫も例年より早く、質量ともに良いVT。セミナーの締めを飾るに相応しい風格のあるワインでした!


画像提供:Wines of Chile Asia
セラ―のBGMについて、ファンさんが「あれはグレゴリオ聖歌だよ」と教えてくれました。


画像提供:Wines of Chile Asia
セミナー無事終了、ワインの状態も完璧でした!
プレゼンターのファンさんも私も時間内の着地にホント安堵、安堵、安堵、お顔もゆるみます!


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(左から) #1~#10
供出したワインはお手頃価格から高価格まで多様、TPOに合わせて楽しめます。
セミナーの冒頭、全体の9割が赤ワインであることに触れ、「次回は白ワインの検討も」と申し上げました。この時、期せずして、参加者の皆さまから拍手が\(^o^)/

WoCアジアの拠点は上海にあるので、赤ワイン主流の中国に目を向けているように感じています。日本のワイン市場は中国や韓国とは異なります。チリには繊細な〝和〟の素材と合わせて楽しめる、素晴らしい白ワイン(SB、CH等)がたくさんあるので、今後はアジア各国の食文化にフォーカスしたワインセレクトに注力していただければと思います。私はそれによってチリワインの活用度がさらに伸びると確信しています。


チリの食材、ブッフェも
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セミナーの開始時間もあったので今回は記録のための撮影、ひと口も食せず、とっても残念(涙)


ワインの試飲会場

試飲会場には白ワインや新顔のスパークリングも


台風と重なったことで、2年前より、出展ブースや参加者が若干少なかった印象

エピローグ
チリ情報はこの後も続きます!
8月31日にコンチャ・イ・トロの最高峰ドン・メルチョーの醸造責任者エンリケ・ティラドさんが来日してプレスセミナーを行いましたし、昨日(9月2日)はエラスリスのエデュアルド・チャドウィックさんとステ―ヴン・スパリュアさんによる貴重なセミナーが開催されました。チリのトップワイナリーの最新情報、どうぞお楽しみに!

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チリの練習帆船エスメラルダ〝白い貴婦人〟が9年ぶりに日本に寄港! [チリワイン]


26日はチリ共和国海軍練習帆船エスメラルダ号の艦長カルロス・シュナイット海軍大佐とパトリシオ・トーレス駐日チリ大使からのお招きで、9年ぶりの寄港したエスメラルダの寄港パーティーに!


晴海ふ頭に入港したエスメラルダ号
真っ白なその姿は〝白い貴婦人〟の愛称がぴったり、本当にきれいです!

このエスメラルダ号は6代目で、62年前にスペインのカディスにある造船所が手掛けました。世界で最も大きな帆船のひとつです。今回は61回目の航海で、6月12日にチリを出航し、来年1月8日にチリに帰還。7カ月間の長い航海途中の東京寄港です。乗員は男女合わせて314名、チリ人だけでなく、アルゼンチン、ブラジル、イスラエル、パナマ、南ア、アメリカ、ウルグアイ等の軍隊の参加者や日本からも海上自衛隊の士官候補生が乗船しています。


開会前に船内を見学

居間の中央にはエスメラルダ号のアルトゥーロ・プラット・チャコン初代艦長の肖像画



エスメラルダ号の絵の前には両国の友好の証の国旗が!

司馬遼太郎の『坂の上の雲』の時代、チリから譲り受けた『和泉(エスメラルダ号の3代目)』が日露戦争で大活躍しましたが、JICA研究所所長細野昭雄氏は「『坂の上の雲』の時代の日本とラテンアメリカ」で次のように記述しています。

「チリから譲渡された「和泉」は、日清戦争にも参加したが、日露戦争で大活躍をする。徴用商船の仮装巡洋艦「信濃丸」の不備を救ったのが「和泉」であった。バルチック艦隊との接触の当初、連合艦隊で通信上の混乱があったが、「信濃丸」電報を傍受した「和泉」は直ちに急行し、敵艦隊からの攻撃を避けながら、接触を維持した。それは、あたかも、巨大なロシア熊を刈り出す、敏捷な猟犬の如くであったという。そして、「和泉」の報告が日本海海戦大勝利の基となったことは、東郷長官から同艦に軍功第1級の賞状が与えられていることから、うなづける」(出典:『坂の上の雲』の時代の日本とラテンアメリカ

『坂の上の雲』と言うと、NHKドラマで兄弟役を好演した阿部寛(兄の秋山好古)と本木雅弘(弟の真之)が目に浮かびますが、秋山真之海軍参謀と、特に上官だった東郷平八郎海軍大将はチリ、エスメラルダと深いつながりがあります。

船上パーティーで
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チリ国旗の前で挨拶する白い制服姿のカルロス・シュナイット艦長、お隣にパトリシオ・トーレス駐日チリ大使

冒頭、シュナイット艦長は「エスメラルダの主な目的は海軍学校を最近卒業した士官候補生や船員たちの船上での訓練を実施することです。日本とチリは地理的には遠い存在ですが、太平洋を挟めば隣同士です。加えて、海軍関係において両国は長い友好の歴史があり、本船エスメラルダ号はその証となるべく、大きな役目を担ってきました。今回の4日間の滞在中に、チリ国、チリ海軍、チリ人、そして私と一緒にいる乗組員たちを皆さまに知っていただくために、我々も全力を尽くしておもてなしをしていきたいと思っています」と語りました。

自民党の二階俊博幹事長の名代として出席した武田良太幹事長特別補佐、衆議院議員は「チリは親日国であり、日本と多くの共通点があります。特に地震・津波での防災面での協力は今後ますます重要になってきます。昨年の国連における〝世界津波の日〟の設定では、日本の提案にチリはいち早く共同提案国として賛同してくれました。また日本で開催する世界津波の日にはチリから14名の若い津波防災大使が参加予定です。両国で協力していきたいと思います」と語り、海の親善大使であるエスメラルダ号の航海の無事を祈っておりますとの言葉で〆ました。

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乗員の皆さまがピスコサワーやワインをサービス

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赤ワインはTAMAYAのカベルネ・ソーヴィニヨン
果実味もあり、タンニンもきめ細かくなめらか

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エンパナーダも登場、美味

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バンドメンバーも船員さん、Abbaのマンマ・ミーア、良かったです!

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photo by Ayano Kosaka

当日アテンドしてくださったのは祖父から3代続きの海軍家系のディエゴさん
「サムライや武士道は海軍に通じるものがあるので興味がある」とおっしゃっていました。

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高い! 甲板からトップマストまで40m
ディエゴさんは毎日登って作業なさっているとか


イルミネーションでさらに魅力が増したエスメラルダ号
前方にはホストシップの海上自衛隊、護衛艦の「まきなみ」が停泊しています。


[黒ハート]ツイッターでエスメラルダ号の一般公開の最新情報を発信しています。
27日(土)、28日(日)の14時~18時ですが、28日(日)は海上自衛隊の護衛艦「まきなみ」も見学できるようです。滅多にない機会なので是非! 詳細はコチラ


華麗な泡たちをプレイバック ~お気に入りの1996年、注目の1995年にフォーカスして~ [ワインのこころ Non Solo Vino版]

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産経EXの休刊に伴い、5年間連載していたコラム【ワインのこころ】をFB(Non Solo Vino版)に立ち上げてから約5か月。現在、ニュースサイト&メディアサイトとして情報発信しています。
最新コラムは、大好きなシャンパンの1996年ヴィンテージ(VT)についてまとめています。


20世紀で最も偉大なヴィンテージ(完璧な熟度と酸の高さ)と言われてきた1996年VT
私のお気に入りVTも今年で20歳になりました!

香り&味わいともに調和が取れているもの、年とともに複雑味を増してきたもの、まだまだ若さが残っていて実力をを発揮するまでにあと10年近くかかるもの等、さまざまです。1996年は酸の存在が顕著なので、特に時間がかかりそうです。ワインやシャンパンも人間と同じで、加齢の仕方も違います。
華麗な泡たちをプレイバックのPart ⅠはFBのメリットを生かして、画像をスライドショーにしてみました。ブログとは一味違うタッチをお届けできると思いますので、ご笑覧いただけると嬉しいです!
引き続き、宜しくお願いいたしますm(_ _)m

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7月のシャンパン講座は130家族が結集したシャスネ・ダルス&自然派を謳うアンドレ・ボーフォール [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

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ひまわりが映える季節!
7月最終週に開催したNHK文化センター青山校のシャンパン講座では2メゾンにフォーカス

25名から発足していまや130ファミリー
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(左から)#1~#6
今春のプレス会見で、シャンパーニュ委員会のティボー・ルマイヨ―広報部長は、「日本はシャンパーニュ地方から遠く離れているにも関わらず、ベルギーと並んで世界一シャンパンの取扱い数が多い国」と述べていました。確かに豊富な品揃えの日本市場。昨今、さらに新顔が増えている気がします。その1つが、1956年創業の協同組合シャスネ・ダルス。最大手ニコラ・フィアットに次ぐ組合員数を誇っています。#2~#5

もう1つはアンドレ・ボーフォール。これは新顔ということではなく、輸入元ル・ヴァン・ナチュールからお薦めいただいたので2種揃えることに。私にとっては初対面のメゾンでした。 #1#6 

第1フライト
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#1:アンドレ・ボーフォール ポリジー・ブリュット・レゼルヴNV
生産者:アンドレ・ボーフォール(NM)
ぶどう品種:PN80%(ポリジー産)、CH20%
SO2合計:56mg/L
残糖:8.55g/L
デゴルジュマン:2015年6月
価格:8,000円(税別)

モンターニュ・ド・ランス地区アンボネイ村が拠点。1969年、当主だったジャック・ボーフォール(定年を迎え、現在は息子リオルさんが代表/フランスの相続の問題でRMからNM表記に変わりましたが実質自社の7㌶の畑のぶどうのみを使用)は農薬によって強度のアレルギーに。それがきっかけで1971年から一切の農薬、除草剤、殺虫剤を非使用。有機栽培で活用されているコンフュージョン・セクシュエル(フェロモンカプセルによる産卵抑制)もボルドー液(これは年による)も使わず、現在全くSO2を使わない醸造を実験中。年間の生産量は3万本

色調はゴールド、気泡は穏やかなれど口中では泡の刺激あり。鋭角的な酸、アンズ、キノコ、しょうゆ似の発酵臭。余韻にも酸が続くので、イメージしたのは漬けたてのピクルス。シャンパンだけ味わうより、酸味のあるピクルスのような食材と合せることでアタックを滑らかに。輸入元は「ベースワインは2011年が主体、例年に比べるとかなり酸味が強く、柑橘系の味わいがくっきりしているヴィンテージ」と

#2:シャスネ・ダルス キュベ・プルミエール・ブリュットNV
生産者:シャスネ・ダルス(CM)
ぶどう品種:PN60%、CH40%
ドザージュ:9g/L
価格:6,000円(税別)
シャスネ・ダルスの本拠地はシャンパーニュ地方の南端コート・デ・バール地区バール・シュル・セーヌ村にあり、年間の生産量は150万本。ベースワインは2010年、8年分のリザーブワインを30%使用。レモンイエロー、気泡の連なり元気。サンふじ、黄桃、アカシア、ナッツ、ブリオッシュ、口中クリーミー、余韻に軽いビター感


第2フライト
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#3:シャスネ・ダルス キュべ・ブラン・ド・ブラン ブリュット・ミレジメ2005
生産者:シャスネ・ダルス(CM)
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:9g/L
価格:8,000円(税別)
最低でも9年熟成させているアイテム、ゴールデンカラー、香り豊潤、グレープフルーツ、洋梨、カマンベールや乳酸似の香り、ヴァニラ、ミネラル、アロマ豊かでバランス良好

#4:シャスネ・ダルス キュベ・ピノブラン エクストラ・ブリュット2006
生産者:シャスネ・ダルス(CM)
ぶどう品種:ピノ・ブラン100%
ドザージュ:3g/L
価格:10,000円(税別)
シャンパーニュの規定7品種のなかのピノ・ブランだけを使ったアイテム。白い花、スパイス(アニス)、アカシア、細身の印象からグラス内の温度変化で若干ふっくら系に。ピノ・ブランは栽培が難しく、病害虫からのダメージも受けやすいので、シャンパーニュ地方ではマイナーな品種。シャスネ・ダルスでは1950年代後半からPBを植樹、ブラン・ド・ブランにブレンドして使っていたものを、2004年から単独で生産を開始。畑の広さは約2㌶、生産量は6~7千本

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第3フライト
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MOF(フランス国家最優秀職人)を保有するショコラティエ、パスカル・カフェさんとのコラボシャンパン、それを証明するボトルネックのマーク

#5:シャスネ・ダルス キュベ・ロゼ・ブリュットNV
生産者:シャスネ・ダルス(CM)
ぶどう品種:PN65%、CH35%
リザーヴワイン:30%
ドザージュ:9g/L
価格:7,500円(税別)

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サーモンピンク、カシス、ストロベリー、ミネラル、ピンクペッパー、ソフトな酸、エレガント。シャスネ・ダルスのピノは重すぎず軽すぎず、それを生かした万人に薦めやすいロゼ。今講座での一番人気


同メゾンのディレクター、トマ・レクレールさんが来日した折、いくつかの料理にあわせて4アイテムを試しました。じわっと脂分がひろがる腿肉のコンフィは、口中をリフレッシュしてくれるピノ・ブランとの相性〇

第4フライト
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#6:アンドレ・ボーフォール アンボネ・ブリュット・グランクリュ1996
生産者:アンドレ・ボーフォール(NM)
ぶどう品種:PN(アンボネイ産)80%、CH20%
SO2合計:29mg/L
残糖:11.80g/L
デゴルジュマン:2015年4月
価格:30,000円(税別)
マットなトーンの黄金色。ドライフルーツ(マンゴー、パイナップル)、ロースト香、#1よりは勢い控えめな酸。1996ヴィンテージ(VT)好きなので、同VTをテイスティングする機会は多く、直近では、テタンジェ・コント・ド・シャンパーニュ、デュヴァル=ルロワ ファム(マグナム)、アンリオ アンシャンテルール(マグナム)を試していますが、それらには溌剌とした酸味&ミネラル感(時に蜂蜜、焙煎香、ヘーゼルナッツ)がありました。今回、#6からその共通項を見つけるのは難しかったです。

アンドレ・ボーフォールは基本的にPN80%、CH20%の比率のブレンドで、#6のピノはアンボネイ産。ゆるやかな南東向き斜面から収穫されるピノは高い酸味、日照度もあるので果実味も豊か。チョーク質土壌由来のミネラル感も備えているはずですが、それが反映されていたのか

ちなみに4月の講座ではフルーリーを取り上げ、最後に『ブリュット ミレジメ1990(PN100%)』を供出しました。この時の香りの印象は紹興酒そのもの。古酒由来のココア、焙煎香、ドライレーズンやスパイスのニュアンスがありましたが、シャンパンの状態として頂点を過ぎた印象。ただ、当日用意した鹿のソーセージとの相性が素晴らしく、単独で飲んだ時の酸化した印象は見事に消え、口中でのジビエと一体感から底力を感じました。フルーリーもアンドレ・ボーフォールもビオディナミ農法を導入しており、今回試飲して、この2本の熟成の仕方はとても似ていると思いました。

講座直後から、#6の表現に悩んでいた私にタイムリーな救世主が! 
ジャンシス・ロビンソンMWの直近の2つのコラムがヒントをくれました。
・1996のシャンパーニュ、その泡は健在か?(2016年7月16日付)
・硫黄を減らすということ(2016年7月23日付)
ジャンシス・ロビンソンMWの記事の公式日本語版を発信している小原陽子さんのページをシェアさせていただきながら、今回の体験について改めて追記したいと思っています。


製品の問い合わせ先
シャスネ・ダルス:伏見ワインビジネスコンサルティング ℡045-771ー4587
アンドレ・ボーフォール:ル・ヴァン・ナチュール℡03-6804-9616


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和の素材との相性を楽しみながらペルーワインをダブル探求!  [ワイン]

ペルーワインにまつわるエトセトラ
28日はペルー共和国の独立記念日でした!
本国では6月に行われた大統領選で勝利したペドロ・クチンスキ氏の就任式もありましたね。
3年前チリで、独立記念日直前まで取材をしていたことがあるのですが、その時、中南米の方々は、クリスマスと同じくらい独立記念日を重視していることを学びました。
祝 ペルーの独立記念日!!




今月、エラルド・エスカラ ペルー駐日大使のご配慮で、ペルーワインを試飲するチャンスに恵まれました。テイスティングしたのは、ペルー最古のワイナリーで在日ペルー大使館公認ワインとして知られているTacama、1880年創業サンティアゴ・ケイローロのアイコンIntipalka、1897年創業のTaberneroの3ワイナリーの、ソーヴィニヨン・ブランやシャルドネ、カベルネやメルロー、シラーやマルべック、タナ等を使った16アイテムです。


ペルーはエクアドル、コロンビア、ブラジル、ボリビア、チリの5カ国と国境を接し、西側は太平洋に面しています。地図にicaと表したイカ州はペルー最大のワイン産地。5郡(チンチャ、ナスカ、パルパ、ピスコ、イカ)に分かれていて、イカとその周辺は伝統的な蒸留酒ピスコの原産地としても知られています。イカ州の大半は乾燥地帯ですが、ワイン造りではアンデスからの雪解水が地下水として流れてくるのでそれを利用しています。

地図は画像をクリックすると拡大します
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16種のペルーワイン
大使館でのサプライズテイスティングから4日後に、私の元に16本のワインが届きました。
チリ、アルゼンチンワインと比べると、日本での侵透率はまだまだのペルーワイン。そこで、ワインサロン『フミエール』の友原範士校長と宮川文子主任講師にお声をかけ、食との相性をチェックしながら、再テイスティングすることにしました。

後列左から
白ワイン
#1:タカマ ブランコ・デ・ブランコス2013
SB37%、ヴィオニエ29%、CH34%
発酵も熟成もステンレス、洋梨、かりん、トロピカルフルーツ、ミネラル、余韻は中程度、SBのビター感とヴィオニエの白い花のニュアンスとCHのナッティさ。3品種の特徴が生かされたワイン
#2:タベルネーロ ブランコ・デ・ブランコス2014
CH、シュナン・ブラン、SB
濃いイエロー、エスニック(ハーブ)、お香、トロピカルフルーツ、凛とした酸、ミディアムボディ
#3:タカマ グラン・ブランコ2013
シュナン・ブラン、SB、CH
イエローカラー、お香、黄金糖、中盤から広がる酸と厚み
#4:タカマ ドナ・アナ シャルドネ2014
明るいゴールド、蜂蜜、 ナッツ、パパイア、樽香、バランス良好、「味わいしっかり、シンプルでありながらエレガント」と宮川講師
#5:インティパルカ シャルドネ2012
黄金色、ネクタリン、洋梨、ナッツ、ミネラル、白コショウ、まろやかな酸、軽いタンニン、クリーミー
#6:インティパルカ ソーヴィニヨン・ブラン2014
淡いイエローグリーン、ライム、グレープフルーツ、白桃、ミネラル、口中をリフレッシュさせる酸

私的感想:赤ワインより白ワインの方が完成度が高いと思いました。大使館では白ワインをサービスするまで少し時間がかかったのですが、グラス内の温度変化でも、ブレ感は少なかった印象。加えて、自宅での再検証後、飲み残しのワインを3人で分け、翌日以降もワインの味わい等、変化をチェックしました。私の手元に残っていた#1#6は雑味も出ず、適度なコンディションを維持。2,000円以下という価格から考えて、ペルーワインの実力を示せるアイテムだと思います。

前列左から
赤ワイン
#7:タカマ グラン・ティント2013
マルベック、PV、タナ
ペルーワインのエントリーレベル
#8:タベルネーロ グラン・ティント・フィナ・レゼルバ2013 
マルベック、メルロー
ブラックベリー、プラム、シダー、清涼感のある酸、「第一アロマからインパクトあり」と宮川講師
#9:タカマ セレクション・エスペシアル2013
タナ、PV
酸味と果実味の重なり、黒コショウ、甘草、ソフトなタンニン、熟成したクロミエ(白カビ)にも!
#10:タベルネーロ カベルネ・ソーヴィニヨン2013 
CS100%
色調はガーネット、熟したイチゴやカシス、ブルーベリー、ロースト、ミント、ドライイチジクと!

『インティパルカ』は2009年にデビューしたシグネチャーワイン。イタリア移民ケイローロ・ファミリーが1880年に立ち上げた『サンティアゴ・ケイローロ』の最新ブランド、ラベルもスタイリッシュ。大使館でのテイスティング時、輸入元さんから「ワインメーカーはフランス人」との情報
#11:インティパルカ タナ2012
タナ100%
グラスを透かして下の字が読めないダークカラー、ベリー系果実、アーシー、ソフトなタンニン
#12:インティパルカ マルベック2013
マルベック100%
深みのあるルビーガーネット、カシス、ブラックチェリー、心地良い果実味、Alc由来の甘さと酸味
#13:インティパルカ シラー2012
シラー100%
木いちご、ブラックオリーブ、スパイス、ハーブ、木香、木目細かいタンニン
#14:インティパルカ カベルネ・ソーヴィニヨン シラー2011 レゼルバ
CS、シラー
ブラックベリー、カシス、チョコ、黒コショウ、ミント、ほどよい酸味、無難にまとまったスタイル
#15:タカマ ドン・マニュエル タナ2013
タナ100%
ブラックチェリー、フルーツジャム、アーシー、パワフル、のどの奥に広がるAlc感(14.5%)、旨味
ロゼワイン
#16:タカマ ロゼ セミセコ・ドゥルセ・ナテュラル2013

私的感想:国際品種を数多く栽培しているペルー。個人的にはペルーのタナに興味がありましたが、わずか2回の試飲では全体像はつかめません。仏語のタンニンに由来する“タナ”は深い色調とタンニンを備えています。近年、このぶどうから造るワインをソフトに仕上げるため、発酵過程また貯蔵過程でワインに微量の酸素を補給するミクロヴィラージュが開発され活用されています。ペルーのワイン造りでは導入されているのか? 今回試飲したタナでタンニンが強すぎるというタイプはありませんでした。さて?

マリア―ジュを中心に
さわやかな印象の白ワイン

左はタカマ、右はタベルネーロ
前者はぶどう樹の植樹が1540年という歴史あるペルー最大のワイナリーで、本拠地はリマから300km南下したイカ・バレーにあります。後者は1897年創業でリマから200kmほど南下したシンチャ・バレー(イカ州)にあり、生産量の85%を輸出しています。

#1を試飲して、そのミネラル感から、てんぷら&塩を連想(レモンでもOK)。レンコンのてんぷらに塩をつけて食すと、混然一体感が広がりました!

白ワインと食材の仲介役として便利なのが塩とレモン。相性チェックをする前に・・・・塩を一口舐めて#1を試すと、ワインがお水のような状態ですんなりと入ってきます(相性が事前に察知できます)。次にレモンを舐めてワインを試すと、やはり素直な印象。実際に合わせた相性も事前チェック通りでした。

#2の場合は、塩を舐めてからワインを味わうと、#1の時の感じた素直さより、もう少し重厚な味わい。ゆえに料理も少し厚みのあるほうがお薦め。余韻に残るシュナン・ブランのビター感から、グリーンアスパラの揚げ物を連想。ちなみにペルーはアスパラガスの輸出量が世界一とか。チーズなら熟成したカマンベール&ドライフルーツ添で!

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大使公邸のディナーでサービスされた『セビチェ』

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ライムのような酸を感じさせるセビチェには断然#6がお薦め(画像最右
インティパルカは古代インカ帝国の言語で〝太陽の谷〟を意味しています。サンティアゴ・ケイローロのワイナリーは海岸線から60km内陸に位置し、標高は500m以上、ぶどうにとって大事な昼夜の日較差(20度)もあります。

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これは自家製セビチェ、私は香草(コリアンダー)を多く使います。#6にはハーブのニュアンスもあるので相性良好、前述のてんぷら&塩にも合っていました!

赤ワインにはマスタードや山椒を仲介役に
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赤ワインと食との仲介で役に立つのがマスタード
ここでもマスタードの酸のおかげで、赤ワインはハムとナイスコンビネーション


ペルー大使館公式赤ワインはタカマのセレクション・エスペシアル(トップ画像9番目のワイン)
プティ・ヴェルド&タナのブレンド、酸を感じる黒系果実、ローリエ、黒コショウ、木目細かいタンニン、小売価格2040円、リーズナブルなワイン

ペルー自慢のロモサルタード
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大使公邸ディナーのメインはペルー自慢のロモサルタード(牛肉と玉ねぎ、トマトを炒めた料理。付け合わせはライスとポテト)とセレクション・エスペシアル2013

土用の丑の日に
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大使館での試飲時にもお話したのですが、タナやシラー、マルベックと合わせて楽しめる〝うなぎの蒲焼〟。土っぽさやスパイシーさを備えたワインには、年代を経たうなぎのたれと山椒を使った蒲焼が最適。目黒不動にある『にしむら』のうなぎを友原社長と宮川講師にお出しして、タカマ・ドン・マニュエルやインティパルカの#12マルべックや#13シラーとの相性を診断。山椒効果は絶大で、マリア―ジュは成功でした。

今日は土用の丑の日! 
フジテレビのお昼のニュースでも『にしむら』が取材されていました。次回、うなぎの蒲焼を食べる時は、山椒を用意して、ぺルーワインにトライなさってみてくださ~い

感謝を込めて
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大使館から届いた記念画像
今回ペルーのワインについて調べる良い機会になりました。
エラルド・エスカラ駐日ペルー大使に、こころから御礼申しあげます。ありがとうございました!

■ペルーワインの輸入元
Tacama:キョウダイジャパン
Intipalka&Tabernero:ジーアンドシーコーポレーション


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スタートから早10年! 徳岡主催『2015年産ボルドープリムールワイン試飲会 』 [ワイン]

2015年はファンタスティック・イヤー
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ジェームス・サックリングは2015年ヴィンテージを「ファンタステック・イヤー」と評価

プリムールワインの取り扱いには十分な神経を使わなければなりません。徳岡(株)ではシャトーの協力を得て、最新の輸送と細心の管理のもと、日本初のプリムールワイン試飲会をスタートさせ、今に至っています。

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左から
バロン・フィリップ・ロートシルト コマーシャル・ディレクター エルワン・ル・ブロゼックさん(左岸
株式会社徳岡の徳岡豐裕代表取締役会長
ヴィニョーブル・クレマン・ファヤ ジェネラル・マネージャー ジャン・ミルティ・ローランさん(右岸

プリムールワインの試飲会を日本で開始して10回目
その先駆者、株式会社徳岡の徳岡豐裕代表取締役会長は「11年前、ボルドー地方以外ではプリムールワインの試飲は出来ませんでした。ただネゴシアンでは出来たので、ジャン・リュック・テュニュヴァンやグランヴァンの担当者に相談。隔月でボルドーを訪問して各シャトーを巡り、1年かけた交渉の末、41の銘柄が集まり、東京と大阪での試飲会開催が叶いました。プリムールワインは弊社の専売商品ではないので、必ずしも売り上げに結びつくとは言えません。日本にプリムールワインの文化、ボルドーのワイン文化を定着させたいという思いで行ったことですが、その意味では成果があったと自負しています。回を重ねて今年は54銘柄まで拡大しました」と述懐


2015年ヴィンテージと左岸と右岸について
2015年は2005年、2009年、2010年に匹敵するグレートヴィンテージと言われ、赤ワイン、白ワイン、甘口ワインともに良好。右岸、マルゴー、ぺサック・レオニャンが特に良いようです。

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ブロゼックさんが左岸について解説ワインは左から4 本目まで
夏の平均気温は高く、7月にはこの30年間で最も高い温度を記録、8月も乾燥した気候が続いた。暑さと乾燥はぶどう樹のストレスになったが、ぶどうはゆっくりと生育、例年に比べると実は小粒。8月末から9月に降雨で潤う。当初の予定を上回る収量。特徴的だったのは収穫期の長さ、ポイヤックでは9月14日から10月6日まで

#1:エール・ダルジャン(白)
1991年に初リリース、畑はムートンの畑のド真ん中。生産本数は極少量。ブレンド比率はSB55%、SE43%、ミュスカデル2%。醸造&熟成には樽を使用、MLF15%実施。瓶詰めは6月半ばに終了。香りのインパクト大、豊かで魅力的、白桃、パイナップル、マンゴー等の果実、クリーミー、旨味、グラス内の温度変化でより豊潤、バランス良く上品。Jサックリング96-97 、デキャンター91

#2:シャトー・ダルマイヤック
何度かの改名の末、1988年からはシャトー・ダルマイヤックに。ブレンド比率はCS60%、ME29%、CF9%、 PV2% 。ガーネット色、フルーティ、果実のニュアンス、控え目な樽香(新樽率は30%)、甘草、ロースト、ヴァニラ、素直で美味しい味わい、万人受けするワイン

#3:シャトー・クレール・ミロン
川に近いので海風の影響を受け、フレッシュなワインができる。粘土質土壌にはMEが多い。ブレンド比率はCS51%、ME34%、CF13% 、PV1% 、カルメネール1%。ボルドー全体のカルメネールの栽培面積は6㌶、うち0.6㌶がクレール・ミロンの畑にあり、1945年から植えていた古樹。カルメネール由来のタンニンは優しく、密度の濃いねっとりした果実味。ダークチョコレート、ドライフラワー、スパイス、甘草、ミント、上質な酸味、

#4:パストゥレイユ・ド・クレール・ミロン2009
業務用限定ワイン、シャトー・クレール・ミロンのセカンド(CS50%、ME36%、CF11%、PV2%、カルメネール1%)。2009年が初ヴィンテージ。ネーミングの由来は中世の頃にあった踊りの名前(羊飼いの女性&騎士)、市場に出した段階ですでに飲みやすいワインというコンセプトに沿い、果実と酸のバランスも良く、シルキー
 
ローランさんが右岸について解説ワインは最右と隣の2本
左岸とさほど変わらず、8月の降雨はメドックの北部ほど多くはなかった。サン・テミリオンは粘土質が多く、粘土質土壌には保水効果があるので、右岸には良かった。石灰岩質はCF に適しており、CFの比率の多いシャトーは成功した。2015年は日照をたっぷり受けたヴィンテージ。9月の収穫期は長かったものの、夜、温度が下がったので、ぶどうには好影響を与えた。猛暑だった2003年と比べると、日照時間は同程度でも、夜の温度に違いがあるので、ワインのフレッシュさと酸味に違いがある。2015年は若くても熟成しても楽しめるワイン

#5:シャトー・クレマン・ピション
14世紀からのシャトー。1976年から現オーナー、クレマン・ファヤが所有、60㌶のうち25㌶(現在は苗木の植え替えで実質20㌶)がぶどう畑。ブレンド比率はME85%、CS10%、CF5%。収穫期間は長くて9月21日から10月7日。新樽率40%。フレッシュさ、控えめな木香、ロースト、メルロー由来の果実感とまるみ

#6:シャトー・ラ・ドミニク
シャトーはサン・テミリオンの北西に位置し、シュヴァル・ブラン、フィジャックを左手に、レヴァンジル、ラ・コンセイヤントをポムロール側に臨む好立地。サン・テミリオンのなかでは最大の29㌶(うち23㌶がぶどう畑/サン・テミリオンの畑の平均は7.5㌶)、土壌は3タイプ(粘土質と砂利質CS、青い粘土質ME、一部CF、粘土石灰質CF)、2013年に施設改装、22の新しいタンクを導入。 ブレンド比率はME85%、CF13%、CS2%。新樽率60%。深い色調、粘性もあり、フレッシュでアロマティック、ブラックチョコレート、バニラ、スパイス、タンニンなめらか、中盤から余韻に続く酸味

 
第2部にはトルシエ監督のソル・ベーニも登場
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左から)
クロ・レオ/カレオ・フランスのオーナー篠原麗雄さん
2000年からシャトー・ヴァランドローで働いていた篠原さんは2002年にサン・テミリオン、カスティヨン・コート・ド・ボルドーに0.83㌶の畑を購入してワイン造りを開始

ソル・ベーニのオーナー フィリップ・トルシエさん
元サッカー日本代表監督、2014年にサンテミリオンの郊外に1.1㌶の畑を購入、醸造はミッシェル・ロランの元で働いていたルドウィッグ・バネロンが担当。2015年に同地区の石灰質土壌の畑も購入。ワイン名は30年前初めての海外遠征をしたコートジボワールのトレーニング・グランド名、数多くの名選手を生んだ場所。奥様はボルドー出身

クロワ・ド・ラブリのオーナー、ピエール・クーデュリさん
1990年代にジャン・リュック・テュニュヴァンさんと同時期に設立されたガレージワインの1つ。奥様はワインメーカー。サン・テミリオングランクリュの3種の異なるテロワールを生かしたワイン造り、少量生産


#1:クロ・レオ
2002年にカスティヨン・コート・ド・ボルドーに家付きの畑を購入。サン・テミリオンには砂(軽くてフルーティ)、砂利(熟した果実)、粘土石灰(ストラクチュアと酸味)のテロワールがあり、粘土質の多い土壌にメルロー、石灰質の多い土壌にカベルネ・フランを植えています。篠原さんは酸味のあるしっかりしたワインが好み。畑は北向き斜面の粘土質土壌で、他より日照度が少ない分、きれいな酸を備えた、しっかりしたワインができます。いつも収穫は他のエリアより3週間くらい遅く、ぶどうが完熟するまで待つとのこと。ブレンド比率はME80%、CF20%。新樽20~30%、2015年ヴィンテージは右岸と左岸の南部が良好。「2002年からワイン生産を開始して以降、2015年がすべてにおいてベスト。クロ・レオは3000本、ワンランク上のキュヴェ・レスは900本。樽香の出具合を考慮して、2012年ヴィンテージからボルドー樽225Lではなく、ブルゴーニュ樽350Lに変えました」と篠原さん。フルーティで黒系果実のブラックベリーやカシスのニュアンス、酸味が一本芯になった骨格のあるワインスタイル

#2: シャトー・クロワ・ド・ラブリ
1㌶、ME100%、石灰粘土質、モラス(粘土と岩のような土壌)、鉄分が入った土壌が混在、樹齢50年、新樽100%、ポムロールに似た土壌、凝縮したフェミニンなスタイル、まろやかでセクシー、余韻も長い

#3: レ・オー・ド・クロワ・ド・ラブリ
1.5㌶、ブレンド比率はME80%、CF20%、砂利と砂と石灰質の土壌、樹齢は25年、醸造はタンク(MLFも)で行い、12~14か月熟成、新樽率50%、香り豊潤、ミネラル、フレッシュなタンニン

#4:シャペル・ド・ラブリ
1.5㌶、ブレンド比率はME90%、CF9.9%+CS0.1% 。 表土に大きな石、その下は石灰粘土、砂利は全くない土壌、4列だけCSを植樹。メルローの樹齢は60年で土壌はぺトリュスと同じ青色粘土。乾燥すると粘土が固まり、馬でも耕作が大変、香りの特徴は甘草、MLFは新樽内で行い、樽熟成は14~16カ月、ワインはフレッシュ感と力強さの共存

ワイン造りのスタイルはフレッシュ、フィネス、エレガンス。サン・テミリオン・グランクリュの4㌶弱の畑を所有、耕作は馬を使い、リュット・レゾネを実践。ブルゴ-ニュ的スタイルで、3つの異なるテロワールの区画から、3つの異なるワインを生産

#5:ソル・ベニ
トルシエさんの哲学は「皆と共有すること、サッカーもワインも同じ」。2年前にサン・テミリオンに1㌶の畑を購入、小さな醸造所も造り、ブティックワイナリー的なワイン造りを実践。環境にも配慮。ワイン醸造は専門家が10日おきに来て管理。アルコール発酵後はすべて新樽を使用、ぶどうの樹齢40~60年、ブレンド比率はME80%、CF20%。3列だけCSを植樹。2014年が初ヴィンテージで今年末にリリース予定。昨年サン・テミリオンに新たなぶどう畑を購入したのでニューフェイスの生産も開始。深みのある濃い色調、メルロー由来の豊潤で厚みのある味わい、酸味のニュアンスもあり、バランスが取れたまるいワイン、ミッシェル・ロランスタイル

プリムールテイスティング会場で
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篠原さんのブースで徳岡会長もテイスティング

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ジェームス・サックリングが100点をつけたリッチで華やかなシャトー・カノン2015


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人気のスミス・オー・ラフィット、2015年ヴィンテージからシックなラベルにチェンジ

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会場には50アイテム以上の錚々たるワインが

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ワインの即売会も

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トルシエさんとボトルを一緒に撮りたくて、順番待ちをしていたことがラッキーだったようで、
「ボトルにサインをしてあげよう」と言ってスタッフに白マジックを依頼。サインボトルをいただく展開
 
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頼りになるSOPEXAの佐藤さんが撮ってくれた記念ショット!



プリムールワイン受付中

ボルドーの街は格調があってきれい!


[バー] (株)徳岡ボルドープリムールワイン購入の流れ
販売期間:2016年6月28日~9月30日
引渡期間:2018年春~秋の予定
詳細は>>>http://www.bon-repas.jp/primeur/nagare.asp


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