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Rediscover BORDEAUX  ボルドーと和食を科学する [ワイン]

2016年は〝和食〟、そしてボルドーからスタート!

ボルドーと和食を科学する

来日した(左から)CIVBのベルナール・ファルジュ会長、国際広報担当セシル・ア、マーケティング・ディレクターのフランソワ・ジュモ各位

ボルドーワイン委員会(CIVB)はボルドーワインの生産者と販売者の集合体で、ボルドーワインの販売マーケットの分析、品質向上のための研究、国内外の広報など、ボルドーワインに関する経済、技術、販促面での活動を展開しています。日本語の公式ホームページも整っています。

冒頭、7500の生産者と300のネゴシアンを代表して来日したファルジュ会長は「2015年は素晴らしいヴィンテージなのでクレマンから白、ロゼ、赤まで期待できます。また、2016年には大きなイベントが2つあり、6月1日にオープンするワイン博物館ではワインの文明を紹介。新しいテクノロジーに触れるチャンス、ワインの世界をグローバルに知る機会になります。また、同月に4日間の日程で開催されるワイン祭りは10回目になりますが、50万人の来場者が予定されています」と躍動中のボルドーを紹介しました。
詳細はhttp://www.laciteduvin.com/accueil.htmlで!


第一部では4種の料理と4種のワインを合わせて
昨秋開催された『ボルドーと和食を科学する』は2部構成で、第一部は京都『木乃婦』の3代目髙橋拓児さんがマリアージュのポイント&料理デモンストレーションを担当。第2部はボルドーのブドウ栽培・ワイン醸造研究所の醸造学博士で〝マダム・ヴァン・ブラン〟と呼ばれているヴァレリー・ラヴィーニュ=クリュエジュさんが髙橋講師とトークディスカッションを行いました。

脳が感知する香りと味覚の関係というタイトルで、ワインのこころに要点をまとめましたので、導入部としてご覧ください。

人間は香りを味として認識
京都大学大学院農学研究科および長谷川香料と共に香り&味の研究を進めている髙橋拓児さんは今セミナーで、「最新の研究の結果、人間は香りを味として認識している」と言及。ゆえに、香りを分析して、好ましい香りを集め、それらを合わせていくことで〝おいしいと感じさせる〟ことができるので、料理人にとっては、香りのコントロールが重要であると述べました。

#1: AOC Bordeaux ×和梨、巨峰、柿、西瓜の奈良漬の白和え
Château Belle–Garde Bordeaux Blanc(さわやかな白)

髙橋:和食に合わせやすいエレガントな白ワイン。優しい草の香り、わずかに柑橘、和梨、熟れていないアプリコットの香り。和風柑橘は今の時期で言えば青ゆず、すだち、かぼすがあります。ここでは、はなやかではなく、やや内向的な香りの果実で、和梨、巨峰、柿、西瓜を使って合わせてみました。

#2: AOC Cadillac×鯖寿司海苔包み
Château Lagrange CadillacSweet (甘めの白)



海苔の巻き方を指導中の講師

髙橋:関西では寿司飯に多くの砂糖を使うので、ドライな白ワインを合わせると酸を強く感じます。料理とワインの糖度バランスは、ほぼ同等か、かすかにワインのほうが甘さを抑え気味のほうが良いです。そこで甘口ワインを選びました。次に香りですが、鯖のもつ金属臭はエステル香(セメダイン似)をまとっているワインと相性が良いので、ここではソーテルヌと合わせます。また、ワインにヨード香があるので海苔を巻いて。わさびの香気成分がエステル香と似ているので、たっぷりつけて食べてください!

日本人の出汁好き分析
日本人は何故かつお&昆布出汁が好きなのか。
髙橋さんは「共同で研究を進めている長谷川香料と、36リットルの一番出汁を5㏄に濃縮し、ガスクロマトグラフィー(香り分析器)で分析したところ、ヨード香、わかめ、海草系の香り、キャラメル香、洋ナシ、柿、ムスク、伽羅(お香)、ラクトン(乳製品の香り=母乳似)、動物臭(毛の薄い動物、=飼い猫や飼い犬似)等が検出でき、その結果、出汁には安堵感や安心感に通じる香り、人間にとって懐かしい香りがあることがわかりました」と語りました。
 

#3: AOC Puisseguin-Saint-Emillion×金目鯛の煮付け
Château Fongaban Puisseguin-Saint-Emillion(重厚な赤)
髙橋:赤ワインと料理を合せる時には「ソース」を考えます。一例は「醤油」、醸造工程がワインと似ています。醤油のアミノ酸量にも注視すべきです。
薄口醤油は塩分が多いので発酵が抑えられ、香気成分はシンプル。濃口醤油は塩分が少ない分、発酵が進むので、いろいろな酵母が関与して特有の香気があります。たまり醤油はたんぱく質が多く、アミノ酸が増えるので、香気成分はさらに複雑になります。そこで、香りが単調な赤ワインは薄口、ミデイアムボディは濃口、フルボディはたまり醤油、これが組み合わせの王道です。

酸を好む魚、好まない魚
髙橋:料理に赤ワインを入れる場合、「酸」が入るので、主たる素材が酸を好むか、好まないかを見極わめることが大事です。金目鯛は酸を好まない魚です。まぐろの漬けですが、赤身はもともと酸を持っているので、赤ワインを入れると相乗効果で伸びが出て、味わいに広がりが出ます。

寿司飯の効果
髙橋:口内調理(素材単独でその味が強い場合、ご飯を食べることでそれを緩和させる働き)では、おかずがあって、ご飯があって、それらを口のなかで混ぜるとおいしくなります。さらに寿司飯を緩和剤にした場合は、まぐろの塩分の強いものと寿司飯を合わせた段階で、素材自体を違う味に変化させ、マイルドにしてくれます。ワインのタンニンもまぐろの味わいと酸味を合せることで、ワインが勝ってしまう部分を、寿司飯があることで緩和してくれます。

#4: AOCPessac-Leognan×マグロづけの握り
Château Haut-Vigneau(重厚な赤)
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髙橋:まぐろの漬けに、たまり醤油20cc、赤ワインを2cc入れることで香りを引っ張っています。例えば、たまり醤油や白醤油等のいくつかの醤油をブレンドしてワインに合せる醤油を造り、いためた野菜も用意して、その時にワインからシャンピニオンの香りがするなら、野菜のなかにシャンピニオンを入れれば、より料理と相性が良くなります。香り成分のなかに味わいをイメージさせるものがあれば、それを足すことで確実にボルドーの赤ワインに合うと思います。


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髙橋拓児さんとヴァレリー・ラヴィーニュ=クリュエジュさん



第ニ部にはヴァレリーさん登場
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ヴァレリー・ラヴィーニュ=クリュエジさんはソーヴィニヨン・ブラン(SB)に関して次のようにコメント
ヴァレリー:髙橋さんが「SBが和食に合う」と発言していたのは嬉しいことです。ボルドーで行っている香りの研究では日本人の故富永敬俊博士が尽力してくださいました。
ボルドーの白の主要品種であるSBはぶどうの実を吐き出したり、飲み込んだりした後に、香りが爆発的に出てくるので、SBを噛んだ時に、醸造家にはワインの状態が予想できます。
髙橋さんはSBを「べジタル」と表現していましたが、確かにトマトの葉のような香りがあります。高貴さには欠ける香りかもしれませんが、柑橘類やトロピカルな香りと共に、これはSBの複雑味のひとつになっています。
ボルドーの白ぶどうは3品種あり、主たるものはSBと セミヨン(SE)で、セミヨンは豊潤ですが、奥手で香りも酸も控えめです。3番目がミュスカデル(ML)です。土壌による違いで味わいも異なり、栽培場所によって個性が出ます。SB100%がないわけではありませんが、SEとの比率次第で多様なスタイルになります。


第1部の相性に関してヴァレリーさんは「私はフランス人だから」と前置きした上で、以下のように語りました。
ヴァレリー:一番目はSBを使ったワインでしたが、相性では不一致、酸を強く感じました。(※筆者もこの意見に同意)
髙橋さんは、日本では料理は料理で完成し、ワインは脇にあるわけではないが、サポート的な存在であり、料理とワインがすべて合って完璧な形と述べていました。香りの点ではそうかもしれませんが、フランスでは、〝料理がワインの価値を引き立て、ワインが料理の価値を引き立て、2つが相乗効果を出していきます。それは香りと味わいの両方でお互いの良さを引き立て合う存在〟なのです。今日はボルドーの赤も和食に合うということで、面白い経験をさせてもらいました。

2種のテイスティングワイン
#5:AOC Entre-Deux-Mers/Château Bonnet Blanc2014(さわやかな白)
ぶどう品種:SB60%、SE35%、ML5%
年間100万本、ステンレスタンクで発酵、醸造、
ヴァレリー:2014年は夏が涼しかったので酸味もアロマも豊か。SBは香りがもろいので、暑い夏には不向き。凝縮感があり、香りの主体は柑橘類の果皮やGFで、複雑味もあります。口中で新鮮味と果実感が長く残り、1杯飲んで次にまた飲みたくなる印象。良くできた白ワイン。

#6:AOC Bordeaux/Baron de Lestac Bordeaux Blanc 2013(コクのユ対ある白)
ぶどう品種:SB70%、SE30%
ヴァレリー:ネゴシアン(ワイン商)のブランドワイン。一部樽で熟成、樽由来のタンニン、豊潤なスタイル、時間の経過で香りの変化を感じます。

セミナー後、会長に伺った印象は
来日2回目のファルジュ会長は今回のマリア―ジュがお気に召したようです。特に2番目の鯖は、わさびをたっぷり入れ、海苔を巻いた試みが新鮮な印象だった由。「人間は1日に3回食事をするので〝食〟は、身近なテーマであり、どれだけでも語れるので可能性を感じます」とおっしゃっていました。


【日本での窓口・問い合わせ先】
SOPEXA JAPON 担当:鈴木 / 吉岡
Tel: 03-5789-0083 Fax: 03-5789-0087
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