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注目の生産者 若手の気鋭ユレ・フレールのフランソワ・ユレ来日、セミナー&シャンパン講座 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]



10月末、モンターニュ・ド・ランスの東、リュード村に位置する『ユレ・フレール』から4年ぶりにフランソワ・ユレ当主が来日しました。シャンパン界の次世代を担う30代です!
輸入元テラヴェール主催の特別セミナーで、フランソワさんは「家族経営の若いメゾンで弟と切り盛りしています。祖母がシャンパン造りを始め、父親が跡を継いだ1970年代から現在のようになりました」とあいさつ。
ユレ・フレールは3年前、昭和女子大カレッジのシャンパン講座で4アイテム出したことがありますが、今回気鋭のフランソワさんから直接お話を伺い、興味ひかれることが多々あったので、「これは是非講座で反映させねば」と決断。ということで、まずは当主のセミナー、その後に11月のシャンパン講座の様子をまとめます。

北向きの畑のメリット
ユレ・フレールの所有畑は10ha、年間8500本を生産しています。メゾンの業態はNMですが、相続によって叔父たちに分与された畑の管理はフランソワさんが行っているので実質的にはRM
フランソワ:モンターニュ・ド・ランスにある畑は北向きです。ぶどうはゆっくり熟すので、シャンパンにフレッシュさをもたらし、粘土を多く含む土壌は、ぶどうに厚みと豊かさを与えてくれます。

メゾンのこだわりは4つ
■除草剤は使わない・・・根が地中深く伸びる、奥深さが出る
■区画ごと(現在47)に分けて仕込む ・・ブレンド時に個性(テロワール)を表現できる
■長い瓶熟期間
■リザーヴワインはソレラシステムで保存


カナダのモントリール、アメリカ訪問後、日本にいらしたフランソワさん

第1フライトでは1g違いのドザージュの利きわけ

左から#1~#4
#1はインヴィタシオン・ブリュットNV(現行のシャンパン/ベースワインは2011年/デゴルジュマンは2016年1月)、他の3グラス(#2~#4) は今回のセミナーの為に用意されたシャンパンでベースワインは2012年。ドザージュ量は順不同で5g、6g、7g。 1g違いを利きわける訓練!

正解は、#2=7g、#3=5g、#4=6gでした!
#2のみ正解だった私、#3を6gと答えてしまったので全問正解ならず(悔)


フランソワ:ドザージュはシャンパン造りの最後の締めであり、すべてが決まる大事な作業。わずか1gの違いですが、香りと味に明確に現れます。ごくまれに色に出ることがありますが、基本的には色は影響しないと思っています。

私は#3の香りが好みでした。味わいについても豊かな印象を受けました。フランソワさんは2012年ベースのインヴィタシオン・ブリュットNVのドザージュ量も6g/Lにしましたが、7gや5gを選ばなかったのは?
  
フランソワ:インヴィタシオン(ピノ・ムニエ45%、ピノ・ノワール40%、シャルドネ15%、リザーヴワインはソレラシステムで保存しているワインを約30%使用、最低36ヶ月熟成)の味わいを決める時は弟とふたりで、10度に保った部屋で、ドザージュ違いを6種類ブラインドで試して決めます。このシャンパンはメゾンの顔なので、ユレ・フレールのスタイルが表現できるドザージュ量にしています。その意味から言うと、7gは繊細さに欠ける印象。5gは私が好む香りなのですが、アフターに軽いえぐみが出ます。ゆえに全体のバランスが一番良い6gにしました。香りは7gのものからは青リンゴ、6gのほうはもう少し熟したニュアンスがあります。ちなみに2012年は少収量とはいえ良年で、十分な酸を備えたエネルギーにあふれた年でした。2012年のような年が毎年続くと嬉しいです。一方、2011年はやや難しい年で、今はまだ少し閉じています。

〝予想していなかった〟という名のブラン・ド・ブラン

イナタンデュ・ブラン・ド・ブラン・エクストラ・ブリュット2011(デゴルジュマン2016年6月)、同2010(デゴルジュマン2015年4月

フランソワ:ドザージュは3g/L、60ヶ月瓶内熟成、区画、醸造方法すべて同じなので、違いはヴィンテージのみ。イナタンデュは〝予想していなかった〟という意味で、その訳は通常ブラン・ド・ブランはコート・デ・ブランのシャルドネを使うことが多いのですが、このブラン・ド・ブランは100%モンターニュ・ド・ランス産。それゆえ、このエリアのブラン・ド・ブランは〝想像していたものと違うのでないですか〟との思いを込めて命名しました。
2011年は温かな年で、シャンパンは若干閉じ気味。開くまでもう少し時間が必要だと感じます。2010年は平均的な年で、収穫前に腐敗香が出たので、選果に時間をかけた分、最終的に質の良いものになりました。今飲むと、2つのヴィンテージの〝酸の質〟の違いを感じます。2010年は調和が取れています。2011年は酸がまっすぐなので、熟成を重ねていくことで旨味が出てくると思います。

冒頭の画像中央は『アンスタンタネ・エクストラ・ブリュット2008』
フランソワ:品種の比率はシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエが3分の1ずつ。ドザージュ量は3.5g/Lのエクストラ・ブリュット、瓶内熟成は7年(80ヶ月以上)。毎年生産しているのは、その年の気候&個性を反映したキュヴェを造ることが目的です。2008年は9月の収穫時は冷涼でしたが、快晴、乾燥していて、日較差もあったので、ぶどうは時間をかけて熟し、上質な酸を備えたぶどうになりました。2008年は秀逸なヴィンテージです。参考上代7,800円

良年だけ造る『キュヴェ・テール・ナタル2002』


フランソワ:ヴィンテージは2002年。良年だけ造るキュヴェで、次のヴィンテージは2008年。ドザージュ量は3g/L、40~50年の古樹から凝縮感のあるぶどうが穫れますが、最低でも120ヶ月(10年)の熟成に耐えうるぶどうでなければなりません。.
香りと味わいにギャップがあるところが気に入っています。香りを利くとかなり熟した感じですが、10年以上経ていながら、味にはフラッシュさがあり、酸がしっかり残っています。キュヴェ・テール・ナタルは食事とあわせて飲んで頂きたいシャンパンなので、カモ料理をお薦めしたいです!


『メモワール』はソレラシステムのリザーヴワインだけで生産!

1982年から2012年(30VT分)までのリザーヴワインで造ったシャンパンで、毎年2500本のみ生産。リザーヴワインをソレラシステムで保存しているメゾンはいくつかあります。ユレ・フレールではソレラシステムのリザーヴワインだけでシャンパンを造り、最古のVTが1982年。アンリオでもリザーヴワインだけの『キューヴ38』を発売していますが、一番古いヴィンテージは1990年なので、シャンパーニュ地方では、この1982年が一番古いと思います。

メモワールの初リリースは2013年で、この時は1982年から2009年までのリザーヴワインが使われていました。メゾンの歴史が詰まったメモワールは、フードル(5000L)で保存しています。ドザージュ量は2g/L、毎年NVのインヴィタシオン用に木樽から3分の1のリザーヴワインを使い、使ったら最新VTのワインを継ぎ足していくので、現在フードルのなかには、1982年から2015年までのVTが入っています。来年になると2016年が新しく加わります。30VT以上のワインがマルチで蓄えられているわけです。

「フードルで造ることを大事にしています。常に満杯(NV用のリザーヴワインを抜いたら3時間以内に補充)にしておくようにしていますが、木目からの微妙な酸化はあります。それはシャンパンの育成のための良い酸化だと思っています。食事と合せて欲しいので、トリュフのリゾットと楽しんで!」とフランソワさん

最後のシャンパンは『キャトル・エレマン・ピノ・ムニエ2012』
冒頭の画像の最後がキャトル・エレマン・ピノ・ムニエで、これは4つの要素にこだわったアイテムです。
一ヴィンテージ(現行は2012年)、一区画(リュード村のラ・グロス・ピエール/非常に石灰質の多い土壌)、一品種(ピノ・ムニエ)、そして最後の要素は〝造り手ユレ・フレール〟

木樽(600L)で発酵、瓶内熟成にコルクを使用(滑らかなテクスチュアが得られる)、非MLF、石灰質土壌由来のピュアで繊細な味わい、1600本のみ、参考上代12,800円

フランソワさんの大叔父が植樹しました。「ムニエは早熟なので、霜の被害にあいやすく、そのため、冷涼なエリアに植えることによって、ゆっくり熟成させ、結果的に霜害にあわなくて済んだ」と。昔の人の知恵が生きています!

テラヴェールでのセミナー中、外から17時を知らせる音楽(夕焼け小焼け)が聞こえてきた時、話をストップし、「この音楽は何?」と真顔で聞いていたフランソワさん。
シャンパン界の精鋭には、とても不気味な音楽に聞こえたようで、「これは怖いでしょう」と言っていたのが、とても可愛らしく思いました(笑) 今後の活躍に大いに期待したいです!
貴重な機会をくださったテラヴェールの久保様、磯部様にも御礼申し上げます。



NHK文化センター青山校のシャンパン講座で再現

コルクの状態も完璧、抜栓した途端、甘やかな香りが

第1フライトにはドラピエも登場させて

左から順に
第1フライトのドラピエ カルト・ドール ブリュットNV、インヴィタシオン・ブリュットNV
第2フライトのイナタンデュ・ブラン・ド・ブラン2011、同2010

黒ぶどうの比率の多い2アイテム

#1:ピノ・ノワール90%、シャルドネ7%、ピノ・ムニエ3%、ドザージュ9g/L、赤リンゴ、グレープフルーツ、オレンジピール、白コショウ、芯の通った酸、旨味、バランス良好。参考上代6,600円
#2:ピノ・ムニエ45%、ピノ・ノワール40%、シャルドネ15%、ドザージュ6g/L、#1より淡色、グレープフルーツ、トロピカルフルーツ、ナッツ、ミネラル、リザーヴワインに由来する熟成したニュアンス。甘味と酸味のバランスが良く、膨らみあり、参考上代6,600円

第2フライトはモンターニュ・ド・ランスのブラン・ド・ブラン
フランソワさんが語っていた時間を要する2011と飲み頃の2010の比較試飲、ドザージュ量は3g/L、瓶内熟成期間は48~60ヶ月


#3:泡のあるブルゴーニュワインのイメージ、白い花、アカシア、まろやかで芳醇、余韻に若干のビター感、味わいは#4よりドライな印象、参考上代7,600円
#4:極細な気泡、グレープフルーツの白皮、石灰由来のきりりとした酸、ミネラル、香ばしさ、時間の経過でコンポート、講座生から味噌ダレとの声も、参考上代6,800円

シャンパン講座で供出したフルラインナップ

講座でお出ししたラインアップ!

第3フライトはメモワールとキュヴェ・テール・ナタル2002

#5:メモワール(1982年~2012年までのリザーヴワインから成るシャンパン)、瓶内熟成期間24ヶ月、ドザージュ2g/L、#6より淡めの色調、気泡は細やか、最初に泡の刺激があり、その後クリーミー、若々しい酸、バター、白カビ、旨味、参考上代9,800円
#6:キュヴェ・テール・ナタル2002(シャルドネ40%、ピノ・ノワール35%、ピノ・ムニエ25%)、輝くゴールド、気泡は繊細&発剌、アプリコットを連想させる酸味、ナッツ、ドライマンゴー、スパイス、焙煎香、講座生から〝もろみ〟との声。余韻に軽いビター感、素直に美味しいシャンパン、参考上代14,600円

講座後はエグリ・ウーリエで

講座終了後、表参道で有志メンバーと遅いディナー
選んだアイテムはエグリ・ウーリエ、いつ飲んでも安定したバランスが魅力!

NHK文化センター青山校シャンパン講座の皆さま
今月フォーカスするロゼ・シャンパンは皆さまからのリクエストにお応えして6アイテム決めました。
今年最後の講座、どうぞ、お楽しみに!

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gillman

今嗅覚を取り戻す手術中ですが、医者の言うにはダメもとと言うことで…。
by gillman (2016-12-10 14:29) 

fumiko

gillmanさんが退院なさったら快気祝いのワインを選びますね!
by fumiko (2016-12-11 15:48) 

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