シャンパンメゾン『ピエール・ぺテルス』の美味しさの秘密はマス・セレクションにあり! [オープンカレッジ]
近年高い評価を受けているメゾンの1つが『ピエール・ペテルス』です。11月のなかば、シャンパン編講座で同メゾンを取り上げたのですが、タイミングよく、輸入元の中島董商店さんの招聘で、当主のロドルフ・ペテルスさんが初来日していたこともあり、セミナーでは貴重なお話をたくさん伺うことができました。まずは、ロドルフさんが語っていた内容を、まとめておきます。

ワインやシャンパーニュのコンサルタントをしていたロドルフさんは2007年当主に
ピエール・ペテルスの沿革
1858年、ガスパール・ペテルスがル・メニルにぶどう畑を所有するドゥエ女史と結婚、約2haからぶどう栽培を開始します。初ヴィンテージは1919年で、当時の当主はカミーユ・ぺテルス。初めて自分の名をシャンパンに冠して販売しました。
1930年、ピエール・ペテルス(祖父)は、ル・メニルの卓越したクリュ『レ・シェティヨン』を購入。全部で2.5ha、ここには3区画あります。ピエール・ペテルスは1946年に自分の名前で最初のヴィンテージシャンパン(1944年)をリリースしますが、この時点で、今までの『カミーユ・ペテルス』から『ピエール・ぺテルス』にメゾン名を変更。
自社畑は18haあり、9割がGCグランクリュで、ル・メニル・シュール・オジェ、オジェ、アヴィーズ、クラマンに位置しています。現当主はロドルフさんで、彼の父フランソワ・ペテルスはヴーヴ・クリコの元醸造長ジャック・ペテルスの実弟です。
マス・セレクションを行っているのはシャンパーニュ地方全体の10%以下
マス・セレクション=マサルMassal(集団の)・セレクションは、畑から優秀な株を複数選び、穂木を取って苗を作り、もとの畑に戻す方法です。これを行うには、クローン苗を使っていない畑を選ばなければなりません。以前、ワインメーカーの安蔵光弘さんから、「クローン苗が一般的になる前に植えられた、50年を超える樹齢のぶどう樹であれば、様様な株が混在しているので、樹にウイルスがいないことを確認して苗を作ることができます」と教えていただきました。ペテルスでは65%がマス・セレクション。レ・シェテイヨンの区画は100%がそれで、樹齢は47年~70年です。

参考:昨年12月に訪問したスペインのトマス・クシネでもマス・セレクションを行っていました。ペンキやリボンで優秀な株の幹に印をつけます。ここでは赤いリボンが目印。冬に枝を採取し、それを研究所に預けて、苗を作ってもらっているそうです。
ピエール・ペテルスには「マス・セレクションで増やした50種類以上のシャルドネがあり、それらが複雑味にあるシャンパンを生み出します」とロドルフさんは強調していました。フラッグシップシャンパンの『レ・シェティヨン』は100%マス・セレクションのぶどう樹から造られていますが、それを表現するのはテロワール(土壌、微気候、人間)!
(1)表土がほとんどなく、すぐに石灰質土壌が広がっている。(2)西から冷たい雨や風が吹き込んでくるが、この3区画は南東向きなので地形的に守られている。(3)世代に引き継がれてきた知識とマス・セレクションによるぶどう樹に蓄えられた味わいの結晶
これら3つがテロワールとロドルフさんは語っていました。
マス・セレクションで増やされたシャルドネは様様なタイプが混在しているため、栽培には手間がかかります。ペテルス家は、この方法を続けていくことでメゾン代々のメモリーを伝承しています。

テロワールを色で表す
ロドルフさんが考える4つのグランクリュの色のイメージは、
ル・メニル・シュル・オジェ:グレー。石や石灰、牡蠣殻のニュアンス、フルオーシャンフレーバー、ミネラルを感じるイメージ
オジェ:ホワイト。軽快でエレガントなニュアンスを備えつつ、シトラス、白い花、ホワイトピール、白い果実、完熟した洋ナシなどのイメージ
アヴィーズ:オレンジ。グレープ・フルーツや熟したマンダリンオレンジ。他の畑よりミネラルは少ないものの、フルボディーのシャルドネのイメージ
クラマン:ブラウン。若いうちはフレッシュでクリーミー。熟すとシナモンやドライフラワー、ナッツ、ブラックティー、森の下草のイメージ

セミナーでは7アイテムをテイステイング
第1フライト
#1:キュヴェ・ド・レゼルヴ ブラン・ド・ブラン グランクリュ
ぶどう品種:シャルドネ(CH)100%
ドザージュ:6~7g/L
ぶどう畑:すべてGC特級畑(ル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、クラマン、オジェ)
#2:キュヴェ・ド・ラ・ぺルル ブラン・ド・ブラン
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ6~78g/L
ぶどう畑:GC特級畑90%(ル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、クラマン、オジェ)+セザンヌ10%
#1のべースワインは08年で、優良な15ヴィンテージをブレンド、ヴァン・ド・レゼルヴを40%使用 #2はセザンヌのシャルドネをブレンドしたタイプでガス圧が少し低めの4.5kg/cm、優しい印象
第2フライト

#3:キュヴェ・エキストラ・ブリュット ブラン・ド・ブラン
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:2g/L
ぶどう畑:すべてGC特級畑(ル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、クラマン、オジェ)
#4:キュヴェ・ミレジメ・レスプリ2005 ブラン・ド・ブラン
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:4~4.5g/L
ぶどう畑:すべてGC特級畑(ル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、クラマン、オジェ)
前述したように、ロドルフさんは“4つの色の感じ方”で、#3と#4を分けています。 #3のエキストラ・ブリュットは白のイメージでエレガント、オイスター、ライム、レモン、塩味であり、#4のレスプリはオレンジやブラウンで、クリスマススタイル(シナモンの砂糖漬け、キャンディードロップ)だそうです。また、ぺテルスのシャンパンはテイスティングの最後に必ず、塩味やライムのニュアンスがあり、アフターにはチョーク質特有の固さがぐっと広がるので、「それを感じて欲しい」と。
第3フライト

#5:キュヴェ・スペシャル“レ・シェティヨン”2002 ブラン・ド・ブラン
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:5~6g/L
ぶどう畑:GCル・メニルの単一畑のなかの最高のレ・シェティヨン
#6:※キュヴェ・スペシャル“レ・シェティヨン”2000 ブラン・ド・ブラン※参考出品(非売品)
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:5~6g/L
ぶどう畑:GCル・メニルの単一畑のなかの最高のレ・シェティヨン
熟成の度合いは違いますが、ベースの味わいには熟した果実、アーモンド、ヘーゼルナッツ、サフランのニュアンス。#5はチョーク質土壌由来のミネラル感と切れ味の良さがあり、#6には黄金糖、砂糖菓子、複雑味と旨味
第4フライト
#7:キュヴェ“ロゼ・フォー・アルバンヌ”シャンパーニュ・ロゼ
ぶどう品種:CH60% ピノ・ムニエ40%
ドザージュ:7~8g/L
ぶどう畑:ル・メニルのシャルドネとセニエ製法のピノ・ムニエをブレンド
硬質なシャルドネと見事に調和する「セニエ法のピノ・ムニエを発見」とのことでした。
ピエール・ペテルスはRMレコルタン・マニピュラン(ぶどう栽培から瓶詰まで自社で行う生産者)であり、ピノ・ムニエの畑は所有していません。なぜ造れるか・・・ピノ・ムニエの生産者とペテルスのシャルドネを物々交換しているからです。ロゼワインが好きではなかったロドルフさんですが、このピノ・ムニエと出会ったことで考えが変わったそうです。それはまさに愛娘アルバンヌちゃんの誕生を表すかのような出来事だったので、ロゼシャンパンの名をアルバンヌにしています。
シャンパーニュ地方のグランクリュのなかで、私はクラマンが一番好きです。ロドルフさんが表現していた色の区別も、大いに納得できます! クラマンは単一で造っても魅力的なシャンパンになりますよね。
最後に、ピエール・ペテルスは秀逸かつ値ごろ感のあるシャンパンメゾンですが、特に注目していただきたいのがマグナムサイズ! 冒頭の画像でロドルフさんが手にしているものです。私はシャンパンはマグナムサイズで味わうのが最高と思っていますが、このマグナムは特別、わけありのシャンパン! その理由は・・・
輸入元:中島董商店(電話:03-3405-4222)
ワインやシャンパーニュのコンサルタントをしていたロドルフさんは2007年当主に
ピエール・ペテルスの沿革
1858年、ガスパール・ペテルスがル・メニルにぶどう畑を所有するドゥエ女史と結婚、約2haからぶどう栽培を開始します。初ヴィンテージは1919年で、当時の当主はカミーユ・ぺテルス。初めて自分の名をシャンパンに冠して販売しました。
1930年、ピエール・ペテルス(祖父)は、ル・メニルの卓越したクリュ『レ・シェティヨン』を購入。全部で2.5ha、ここには3区画あります。ピエール・ペテルスは1946年に自分の名前で最初のヴィンテージシャンパン(1944年)をリリースしますが、この時点で、今までの『カミーユ・ペテルス』から『ピエール・ぺテルス』にメゾン名を変更。
自社畑は18haあり、9割がGCグランクリュで、ル・メニル・シュール・オジェ、オジェ、アヴィーズ、クラマンに位置しています。現当主はロドルフさんで、彼の父フランソワ・ペテルスはヴーヴ・クリコの元醸造長ジャック・ペテルスの実弟です。
マス・セレクションを行っているのはシャンパーニュ地方全体の10%以下
マス・セレクション=マサルMassal(集団の)・セレクションは、畑から優秀な株を複数選び、穂木を取って苗を作り、もとの畑に戻す方法です。これを行うには、クローン苗を使っていない畑を選ばなければなりません。以前、ワインメーカーの安蔵光弘さんから、「クローン苗が一般的になる前に植えられた、50年を超える樹齢のぶどう樹であれば、様様な株が混在しているので、樹にウイルスがいないことを確認して苗を作ることができます」と教えていただきました。ペテルスでは65%がマス・セレクション。レ・シェテイヨンの区画は100%がそれで、樹齢は47年~70年です。

参考:昨年12月に訪問したスペインのトマス・クシネでもマス・セレクションを行っていました。ペンキやリボンで優秀な株の幹に印をつけます。ここでは赤いリボンが目印。冬に枝を採取し、それを研究所に預けて、苗を作ってもらっているそうです。
ピエール・ペテルスには「マス・セレクションで増やした50種類以上のシャルドネがあり、それらが複雑味にあるシャンパンを生み出します」とロドルフさんは強調していました。フラッグシップシャンパンの『レ・シェティヨン』は100%マス・セレクションのぶどう樹から造られていますが、それを表現するのはテロワール(土壌、微気候、人間)!
(1)表土がほとんどなく、すぐに石灰質土壌が広がっている。(2)西から冷たい雨や風が吹き込んでくるが、この3区画は南東向きなので地形的に守られている。(3)世代に引き継がれてきた知識とマス・セレクションによるぶどう樹に蓄えられた味わいの結晶
これら3つがテロワールとロドルフさんは語っていました。
マス・セレクションで増やされたシャルドネは様様なタイプが混在しているため、栽培には手間がかかります。ペテルス家は、この方法を続けていくことでメゾン代々のメモリーを伝承しています。
テロワールを色で表す
ロドルフさんが考える4つのグランクリュの色のイメージは、
ル・メニル・シュル・オジェ:グレー。石や石灰、牡蠣殻のニュアンス、フルオーシャンフレーバー、ミネラルを感じるイメージ
オジェ:ホワイト。軽快でエレガントなニュアンスを備えつつ、シトラス、白い花、ホワイトピール、白い果実、完熟した洋ナシなどのイメージ
アヴィーズ:オレンジ。グレープ・フルーツや熟したマンダリンオレンジ。他の畑よりミネラルは少ないものの、フルボディーのシャルドネのイメージ
クラマン:ブラウン。若いうちはフレッシュでクリーミー。熟すとシナモンやドライフラワー、ナッツ、ブラックティー、森の下草のイメージ
セミナーでは7アイテムをテイステイング
第1フライト
#1:キュヴェ・ド・レゼルヴ ブラン・ド・ブラン グランクリュ
ぶどう品種:シャルドネ(CH)100%
ドザージュ:6~7g/L
ぶどう畑:すべてGC特級畑(ル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、クラマン、オジェ)
#2:キュヴェ・ド・ラ・ぺルル ブラン・ド・ブラン
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ6~78g/L
ぶどう畑:GC特級畑90%(ル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、クラマン、オジェ)+セザンヌ10%
#1のべースワインは08年で、優良な15ヴィンテージをブレンド、ヴァン・ド・レゼルヴを40%使用 #2はセザンヌのシャルドネをブレンドしたタイプでガス圧が少し低めの4.5kg/cm、優しい印象
第2フライト
#3:キュヴェ・エキストラ・ブリュット ブラン・ド・ブラン
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:2g/L
ぶどう畑:すべてGC特級畑(ル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、クラマン、オジェ)
#4:キュヴェ・ミレジメ・レスプリ2005 ブラン・ド・ブラン
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:4~4.5g/L
ぶどう畑:すべてGC特級畑(ル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、クラマン、オジェ)
前述したように、ロドルフさんは“4つの色の感じ方”で、#3と#4を分けています。 #3のエキストラ・ブリュットは白のイメージでエレガント、オイスター、ライム、レモン、塩味であり、#4のレスプリはオレンジやブラウンで、クリスマススタイル(シナモンの砂糖漬け、キャンディードロップ)だそうです。また、ぺテルスのシャンパンはテイスティングの最後に必ず、塩味やライムのニュアンスがあり、アフターにはチョーク質特有の固さがぐっと広がるので、「それを感じて欲しい」と。
第3フライト
#5:キュヴェ・スペシャル“レ・シェティヨン”2002 ブラン・ド・ブラン
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:5~6g/L
ぶどう畑:GCル・メニルの単一畑のなかの最高のレ・シェティヨン
#6:※キュヴェ・スペシャル“レ・シェティヨン”2000 ブラン・ド・ブラン※参考出品(非売品)
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:5~6g/L
ぶどう畑:GCル・メニルの単一畑のなかの最高のレ・シェティヨン
熟成の度合いは違いますが、ベースの味わいには熟した果実、アーモンド、ヘーゼルナッツ、サフランのニュアンス。#5はチョーク質土壌由来のミネラル感と切れ味の良さがあり、#6には黄金糖、砂糖菓子、複雑味と旨味
第4フライト
#7:キュヴェ“ロゼ・フォー・アルバンヌ”シャンパーニュ・ロゼ
ぶどう品種:CH60% ピノ・ムニエ40%
ドザージュ:7~8g/L
ぶどう畑:ル・メニルのシャルドネとセニエ製法のピノ・ムニエをブレンド
硬質なシャルドネと見事に調和する「セニエ法のピノ・ムニエを発見」とのことでした。
ピエール・ペテルスはRMレコルタン・マニピュラン(ぶどう栽培から瓶詰まで自社で行う生産者)であり、ピノ・ムニエの畑は所有していません。なぜ造れるか・・・ピノ・ムニエの生産者とペテルスのシャルドネを物々交換しているからです。ロゼワインが好きではなかったロドルフさんですが、このピノ・ムニエと出会ったことで考えが変わったそうです。それはまさに愛娘アルバンヌちゃんの誕生を表すかのような出来事だったので、ロゼシャンパンの名をアルバンヌにしています。
シャンパーニュ地方のグランクリュのなかで、私はクラマンが一番好きです。ロドルフさんが表現していた色の区別も、大いに納得できます! クラマンは単一で造っても魅力的なシャンパンになりますよね。
最後に、ピエール・ペテルスは秀逸かつ値ごろ感のあるシャンパンメゾンですが、特に注目していただきたいのがマグナムサイズ! 冒頭の画像でロドルフさんが手にしているものです。私はシャンパンはマグナムサイズで味わうのが最高と思っていますが、このマグナムは特別、わけありのシャンパン! その理由は・・・
輸入元:中島董商店(電話:03-3405-4222)
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