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冬講座の〆はポル・ロジェ、アンリオ、ドラピエのマグナムで! [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

NHK文化センター青山校の冬講座最終回は素敵なメゾンのマグナム
時間を大事にしているポル・ロジェ、アンリオ&ドラピエ!
NVのシャンパンでも長い熟成期間を誇るメゾンです。
それらのマグナムなので大いに期待していました。

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左から
ポル・ロジェ2006、アンリオ2000、ドラピエ1998&1995

第1フライト
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#1ポル・ロジェ ブリュット・ヴィンテージ2006
生産者:ポル・ロジェ(NM)
拠点:シャンパーニュ地方エペルネ
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%(20のグラン・クリュとプルミエ・クリュのぶどうを使用
ドザージュ:9g/L
価格:26,000円(税別)/ジェロボーム

2006年は幸いにも春に霜害が発生しなかったので、ぶどう樹の成長も、6月の開花も順調に進みました。8月は涼しく湿っていましたが、9月は温暖だったので、ぶどうの房も粒も非常に健全で、良い状態で収穫できました。
若干ベージュを含んだ色調、気泡は規則正しく繊細、グラス表面の泡沫は活発。白い花、柑橘果実、フレッシュバター、蜂蜜、ミネラル、口中ではスムーズ&クリーミー、アフターに軽いビター感、ドザージュの糖分もワインに溶け込み、品の良い甘やかさ、時間の経過で味わいに広がり、バランス良好。
聴覚を大事にしている講座生(外科医)が、#1の奏でる音を、雪がしんしんと降っている情景に例えていましたが、まさに言い得て妙! 極小の気泡が舌の上に広がる様子がイメージできました。

#2アンリオ ミレジメ2000
生産者:アンリオ(NM)
拠点:シャンパーニュ地方ランス
ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール各50%
ドザージュ:7g/L未満
価格:27,600円(税別)/ファインズ

2000年は温暖な気候からスタートし、6月初旬に満開。7月激しい雷雨に見舞われましたが、8月は好天、収穫期まで順調に推移。ピノは力強さとまろやかさ、シャルドネは豊かな香りと爽やかさを備え、多収量&高品質。
輝きのあるイエロー、気泡細やかで視覚的にもワインに溶け込んでいる印象、熟成によるアロマ豊か、カリン、果実のコンポート、バター、ナッツ、ブリオッシュ、ミネラル、モカ、口中滑らかで旨味、複雑味、エレガント

ポル・ロジェの#1はピノ・ノワールとシャルドネのみを使用。アンリオはムニエを使わないメゾンなので、 #2も2品種のみ。ブレンド比率もドザ―ジュ量も近値だったので比較試飲にはナイスなアイテムになりました。

第2フライトの前に・・・
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ドラピエのみが造るメルキゼデック

Photo by Fumiko (2010年)
1152年のサン・べナール修道士が造ったワイン熟成庫、歴史の重さを感じます!
ボトルはこの地下セラーで一度も外気に触れることなく、長期間静かに瓶内熟成され、出荷前にデゴルジュマンが行われています。


Photo by Fumiko (2010年)
ミッシェル・ドラピエ社長自ら見せてくださった動瓶作業


Photo by Fumiko (2010年)
アンドレ・ドラピエ前当主の横のボトルの大きさにびっくり!
シャンパンメゾンのなかで唯一30㍑(40本分)の“メルキゼデック”を生産しているドラピエ

シャンパンボトルの容量
カール188ml    ドゥミ375ml    ブテイユ750ml    マグナム1,500ml(2本分)
ジェロボアム3,000ml(4本分)     レオボアム4,500ml(6本分)
マチュザレム6,000ml(8本分)     サルマナザーム9,000ml(12本分)
バルタザール12,000ml(16本分)   ナビュコドノゾール15,000ml(20本分)
サロモン18,000ml(24本分)      プリマ27,000ml(36本分)


第2フライト
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カルト・ドールの初リリースは1952年

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(左から)カルト・ドール1998、同1995

#3ドラピエ カルト・ドール1998
生産者:ドラピエ(NM)
拠点:シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区ウルヴィル
ぶどう品種:ピノ・ノワール90%、シャルドネ7%、ムニエ3%
価格:30,000円(税別)/テラヴェール

紆余曲折の多かった年、収穫は好天下で行われ、ぶどうの成熟も上々。オレンジ色を含むゴールド、気泡は列をなして連なり、スピード感あり。若干酸化のニュアンス、黒蜜、ドライフルーツ、カリン、アーモンド、スパイス、タンニン、軽いビター感、黒ぶどう由来の重心が低いスタイル

#4ドラピエ カルト・ドール1995
生産者:ドラピエ(NM)
拠点:シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区ウルヴィル
ぶどう品種:ピノ・ノワール90%、シャルドネ7%、ムニエ3%
価格:32,000円(税別)/テラヴェール

春先に冬のような冷え込みがあり開花は若干遅れ気味。その後は一転して非常に暑い夏を迎え、理想的気候に。『ギッド・アシェット2012』でクール・ド・クール獲得。「調和のとれた熟成からくる蜂蜜や果物のコンフィ。力強いが軽やかで、驚くほど長い余韻。食中にぴったりのシャンパーニュ(ギッド・アシェット)」、『ベタンヌ・ドゥソーブ・ガイド2012版』で17/20 (テラヴェール情報
輝きのあるゴールド、熟成状態の良さを予感させる若々しい色調。気泡はゆっくり繊細。洋梨、マロン、ナッツ、乾燥イチジク、スパイス、バランスの良い酸味、リキュール的なニュアンス、豊潤で複雑、まろやかな印象でフィニッシュ。数年後に再会したいと思ったマグナム!

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コルクの背くらべ、ドラピエ1995がイイ感じで味わいにも反映していました!

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普段はフランスパンだけですが、「〆にはやっぱりチーズ」ということで、フェルミエで購入したシャンパーニ地方の白カビチーズ〝シャウルス〟を用意しました。4アイテムともに魅力的でしたが、口中で渾然一体、全員を感嘆させたのはドラピエ1995。22年の底力を感じました[わーい(嬉しい顔)]

4月からの春講座もお陰様でキャンセル待ちになりました。
先程、第1回目の授業にお出しするメゾンも決めました。受講生の皆さまに驚きと喜びをお届けしたいと思っています。引き続き、宜しくお願いいたします。


6月発売のポル・ロジェ『ブラン・ド・ブラン2009』&『ブリュット・ヴィンテージ2008』をひと足お先にレポート! [来日したワイン生産者&関係者(シャンパン)]

ポル・ロジェの4アイテムをテイスティング
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ブラン・ド・ブランとブリュット・ヴィンテージは6月発売予定!
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上から
発売が楽しみな2アイテム
3月から世界に向けてリリース、日本は6月1日発売開始予定
#1:ブラン・ド・ブラン2009
シャルドネ100%、ワリー、クラマン、シュイィ、アヴィズ、オジェ、ル・メニルのグラン・クリュGCのぶどう、ドザージュ7g/L
#2:ブリュット・ヴィンテージ2008
ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%、モンターニュ・ド・ランスとコート・デ・ブランにある20のGC、PCのぶどう、ドザージュ7g/L

ポル・ロジェの最高傑作
#3:キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル2004
古樹のピノ・ノワール、シャルドネ(比率は非公開)、ドザージュ7~8g/L
#4:同2002
古樹のピノ・ノワール、シャルドネ(比率は非公開)、ドザージュ7~8g/L

光栄にもナビゲーターは来日したローラン・ダルクール社長
伝統あるシャンパンメゾン『ポル・ロジェ』の社長として世界中を飛び回っているローラン・ダルクール氏が輸入元ジェロボームの招聘で来日しました。過去3回お目にかかっていますが、今回はジェロボームのご配慮でリリース前の2アイテムと偉大なキュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル2アイテムを氏のガイドでテイスティングすることができました。

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ブルゴーニュ生まれのダルクール氏は、パリで経済と法律を学んだ後、ラブレ・ロワ社に入社し、アメリカで一年間、17以上の州の代理店や問屋のワイン・コンサルティングに従事。ブルゴーニュのディジョンに戻り、空軍将校として兵役の任務を終えた後、ムルソーのワイナリーで輸出担当として活躍。1996年にシャンパーニュ地方のブルーノ・パイヤールに入社。国内市場および輸出市場の発展に貢献。2004年~2005年ランスでエグゼクティブMBAのコースを修了後、ポル・ロジェ社よりオファーを受け、2006年に入社。2008年に輸出部長に任命され、前社長パトリス・ノワイエル氏の引退に伴い、2013年新社長として就任、現在に至っています。

〝エレガンスと複雑味〟がコンセプト
PRのコンセプトについて「相反するように聞こえるかもしれませんが、エレガンスと複雑味の双方の要素を兼ね備えたシャンパン」とダルクール氏

■エペルネを本拠地とする家族経営のポル・ロジェ(PR)社は自社畑90haを所有。ぶどうは50~55%が自社畑、25~30%が20年(3世代にわたる)以上付き合いがある栽培農家。残りは3世代には至っていない契約農家(基本5年契約)や、一部には協同組合のGC畑のぶどうやワインの状態のものを購入。ただ、ワインの場合はシェフ・ド・カーヴのドミニク・プティ氏と品質に見合うかどうか一緒に試飲して判断。一貫した供給元を確保していることがシャンパンの品質に反映しています。
■NVは3年半~4年半の長い瓶熟期間。
■ブラン・ド・ブランの歴史を振り返ってみると、このアイテムを誕生させたのは、4代目クリスチャン・ド・ビリー氏で、当初は〝ブラン・ド・シャルドネ〟という名称でした。「シャンパーニュ地方ではピノ・ノワールが主流だったので、シャルドネ主体のアイテムは歴史的には新しい」とダルクール社長。ちなみに、クリスチャン・ド・ビリー氏は3代目モーリス・ド・ビリー氏が嫌っていたロゼの誕生にも関わった人物
■現当主5代目のユベール・ド・ビリー氏が開発したアイテムはピュア(エクストラ・ブリュット)NV

容量違いのステンレスタンクで品質向上
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PRではステンレスタンクだけを使っています。ステンレスタンクをひとつのコンセプトにしているメゾンはほかにもありますが、それぞれ、畑や醸造のスタイル、細かなプロセス、シェフ・ド・カーヴやブレンドを決めるメンバー等が異なるので、各メゾンごとのユニークさがあると言えます。

昔は大きなタンク(100hl、150hl、200hl)が主流で、区画ごとに収穫しても近いエリアのものは先にまとめて仕込んでいました(プレ・アサンブラージュと呼ばれていた)。ここ15年くらい前から刷新を行い、大小様々な容量違いのタンクを導入。25hl、30hl、50hl、70hlのタンクで、例えば4,000kgのぶどうの場合、20hl前後の果汁が取れるので、25hlのタンクを使用したり、ブラン・ド・ブランに使う秀逸なオジェやル・メニル等のGC畑のぶどうは小容量のタンクに分けて仕込むといった具合です。ブレンドするキュヴェの数が増えることで、より複雑味のあるシャンパン造りが可能になります。

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(左から)ブラン・ド・ブラン、ブリュット・ヴィンテージ
色の違いがわかるように白紙を置いてくださったダルクール氏

ブラン・ド・ブランは単独で見ると、温かくて日照度が豊富だった2009年の気候を反映した黄金色ですが、ブリュット・ヴィンテージ(ピノ・ノワール60%とシャルドネ40%のブレンド)と並べてみると、白ぶどう100%に起因する色がよくわかります。

ブラン・ド・ブラン2009は溌剌&ミネラル、シャルドネの酸がエレガント。全開するまでに若干時間がかかりますが、グラス内でワインが開くと、フレッシュバターや蜂蜜のニュアンス。10~15年熟成させると、さらなる広がりが楽しめます。ブリュット・ヴィンテージ2008はピノ・ノワールがブレンドされていることで、最初から果実の香り(ピノの要素)が漂い、その後にシャルドネらしいシルクのような柔らかさが出てきます。ポテンシャルがあり、バランスも良く、余韻に軽いビター感。「余韻のビターさに熟成のポテンシャルを感じます。1988年ヴィンテージに似た特徴があります」とダルクール氏。PRは両アイテムの品質には大満足のようです!

秀逸なヴィンテージは時を経て飲む喜びを
長期熟成の共通項がある1988、1996、2002、2008、これらは特出できるヴィンテージ! 
2008年は穏やかで湿気の多い気候からスタートし、7月は嵐、8月は冷涼で晴天の日は限られましたが、9月は良好な天気に恵まれ、収穫時期が寒かったことで、ぶどうはとても良い状態で収穫できました。
長熟可能なヴィンテージは購入したらすぐに飲んでしまうのでなく、温度管理されたセラーで保存させ、10年、20年後に開栓する喜びを味わっていただきたいです。

重厚感と複雑味の2002年

キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル2002
ブルゴーニュ型の大きなグラスで試すと、ウィンストン・チャーチルの醍醐味がわかります。

チャーチル元首相はヴィンテージ・シャンパンのファンでしたが、ディテールに関しては何も聞かなかったし、言わなかったようです。チャーチル氏が飲んでいたヴィンテージ・シャンパンはPRが毎回同じレシピで生産していたわけでなく、その年、その年で最高のシャンパンと言えるものを造っていたので、今でもそのポリシーは一貫しています。チャーチル氏が生きていたら「美味しい!」と言うであろうと思えるシャンパン造りです!

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左から) キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル2004、同2002

2004年はぶどうの状態も良く、量的にもたくさん収穫できた年。「まさに〝神に祝福された年〟で、ヴィンテージものにもNV にも良質なぶどうを使用することができました」とダルクール氏。
2002年は「スペシャル年。リリースした当時は閉じて固かった(ウィンストン・チャーチルだけでなくすべてのシャンパン)のですが、今や様々な要素が感じられます。ドザージュ量は7~8g/L。ウィンストン・チャーチルは熟成期間が長いので、基本的にこの量にしています」とのことでした。

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簡潔に表現すると、
左から)凛とした優雅さ、酸味&果実のバランス、スムーズ&ストロング、豊潤&複雑味

ヴィンテージ・シャンパンの頻度を見ると

生産頻度を確認中のダルクール社長とジェロボームの山下陽子さん

気候変動、温暖化による影響で、ぶどうの熟度があがり、シャンパーニュの品質もあがっています。70年代から2000年代を見てみると、70年代は71、73、75、76、79(10年で5回)、80年代は82、83、85、86、88、89(10年で6回/89年はチャーチル非生産)、90年代は90、93、95、96、98、99(10年で6回)。2000年代になると2000、2002、2004、2006(チャーチルは2017年12月発売予定)、(以下のヴィンテージは熟成中)2008、2009、2012、2013、2015。21世紀に入ってからはハイペース!

最新の2006VTは12月発売予定
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キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチルの最新ヴィンテージ2006は本年6月ボルドーで開催されるVINEXPOでお披露目された後、12月に正式リリースされるそうです。
シャンパンラバーの皆さま、お楽しみに!

製品についてのお問い合わせはジェロボーム ℡03-5786-3280

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フィリップ・ミル氏へのインタビュー&本日オープン 『六本木テラス フィリップ・ミル』@東京ミッドタウン [シャンパン]

本日、待望のオープン!
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東京ミッドタウン ガレリア内ガーデンテラス4階に六本木テラス フィリップ・ミルオープン!

フィリップ・ミル氏に訊く

3月17日で43歳になった星付きシェフ フィリップ・ミル氏
プレス内覧会前に日本初出店のミル氏に個別インタビューをさせていただきました!


お客さまの喜びが星につながる
Q1:(株)ひらまつとの業務提携による最大のメリットは何ですか
フィリップ・ミル:10年前に平松社長と知り合いました。Hiramatsuグループおよび彼自身を知ることで、共通の価値観があることがわかりました。シェフという職業へのリスペクト、将来への伝承という点で、これが大きなメリットだと思っています。平松氏はシェフや食材をとても尊重しているので、それが新店舗にも反映されていると感じています。

Q2:シャンパーニュ地方の名門レ・クレイエールの星返り咲きはフリィップ・ミル氏による快挙であり、3ツ星奪還への期待も高まっています。プレッシャーもあると思いますが、今後のシェフ人生の見取り図(将来図)をどのように描いていますか
フィリップ・ミル:星はお客さまの喜びと比例していると思うので、良い仕事をしてお客さまを満足させることができれば、三ツ星も取れるのでないかと思っています。これがひとつの目標です。私にはプレッシャーというより、自分の仕事を遂行していくことがすべて実になると感じています。
もう1つの将来図としては、六本木テラス フィリップ・ミルを日本のフランスレストランとして定着させ、多くの皆さまに愛されるお店にしていきたいということです。先程、お客さまを満足させると言いましたが、料理があり、ソムリエがいて、サービスがあり、チーム一丸となって進めていくことが何より大事です。加えて、日本の食材を通して、お客さまにお店をより身近に感じていただきたいと思っています。
築地には何度も行っています。フランスでは市場は文化の一部になっているので、日本の市場がどのような位置付けなのかを見たいと思いました。シェフとしては常に料理についての情熱があるので、どこに行っても素材やお客さまの反応を観察しています。

過去を使って今を創る
Q3:先月、レ・クレイエールの歴代シェフ、ジュラール・ボワイエ氏とティエリー・ヴォワザン氏と一緒にスペシャルディナーをなさいましたが、3人3様の個性を〝ひとこと〟で表現するとしたら
フィリップ・ミル:3つのジェネレーションであり、ひとことで表現するのは難しいのですが、レ・クレイエールを例にするなら、ボワイエ氏は〝歴史〟であり、ヴォワザン氏は〝与える喜び〟です。私については、あなたの判断にお任せします。
青木:若さと革新だと思います。
フィリップ・ミル:歴史がなければ前に進めないので、続いているものということであれば、〝再生〟かも知れません。

Q4:自身の名を冠した六本木テラスフィリップ・ミルのスペシャリテは何ですか
フィリップ・ミル:スぺシャリテの前に言いたいこととして・・・最終的な目的は〝お客さまの満足度〟なので、そこに辿り着く為には、まずベースのフランス料理に、日本の食材を使い、そこに私たちのチーム力やソムリエのサービス、シャンパンとのマリアージュすべてを調和させることで、ゴールに到達できるのではないかと考えています。料理に関しては、様々な味覚のバランス、口中で感じる甘味や酸味、渋味等が爆発するようなものを提供したいと思っています。素材もいろいろな食感を楽しんでいただくという意味で、滑らかなもの、硬いもの、その中間にあるもの、最後にカリッとしたもの、そのような遊び心を入れてサービスしていきたいと思っています。

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ディテールこそが真のラグジュアリー
Q5:これから桜の季節になりますし、日本には四季折々の風情があります。それらを今後、メニューのなかに取り入れていく予定はありますか
フィリップ・ミル:季節は重視していきたいです。私自身田舎で育ったので、畑で収穫されるものは季節に左右されているということを幼い頃から知っていました。一番おいしいものは、季節に合ったもの、旬のものであることを物心ついた頃から感じていたので、それを継続する形で、それを反映させたいです。

青木:撮影用の料理に桜を取り入れたアイテムがあるとお聞きしたのですが
フィリップ・ミル:デザートがまさにそれで、桜は日本を象調するものです。それをリスペクトする意味でビジュアルを重視し、器もピンクにしてみました。石田佳奈子シェフパティシェと一緒に考えましたが、口中に入れた時に、お客様がイメージする桜が再現できればと思っています。
20年前から日本の文化に惹かれ、様々な都市を訪ね、様々なものを食べ、よりオープンな気持ちで経験を積んできました。料理をする時に生産者、食材へのリスペクト、それを厨房で生かすことが、日本の文化に通じると思っています。
私はディテールにこだわっています。それこそが真のラグジュアリーではないかと考えています。ラグジュアリーというのは高級品という意味だけでなく、じゃがいもひとつ取っても、人参ひとつ取っても、生産者の思いや旬のものを食べることにつながっています。

Q6: 昨今、ノン・ドザージュのシャンパンを造る生産者が増えています。(自分の取材経験から言うと)、デザート好きのフランス人は適度なドザージュ量のシャンパンに馴染んでいるように思います。むしろ、ノン・ドザージュは味蕾(みらい)が敏感な日本人に合っていると感じています。ノン・ドゼとドザージュありのシャンパンを、それぞれ料理に合わせる場合、客側はどのような点に配慮すれば最高のマリアージュが楽しめるとお考えですか
フィリップ・ミル:確かにノン・ドゼは最近の傾向であり、シャンパンそのものを生かすという意味で存在感があると思います。ただ、すべての料理に合うわけではないですし、かなり強さもあります。日本料理で言えば魚介類には合うと思います。マリア―ジュに関してはソムリエの仕事として、お客さまをガイドすべきだと考えます。造り手からこのレストランに届いたシャンパンのストーリーを、今度はソムリエがお客さまに、どの選択が良いのかをきちんと伝えるのが、真のソムリエではないかと思っています。

Q7:(答えにくい質問だと思いますが)好みのメゾン、好みのシャンパンのタイプ(ブリュット、ブラン・ド・ブラン、ブラン・ド・ノワール等)を挙ることはできますか
フィリップ・ミル:もちろん良いシャンパンはたくさんありますが、それは毎日変わるものであり、環境にも左右されます。その時々に合ったシャンパン、料理に合ったシャンパン、素材に合ったシャンパン、本当に様々です。私はシャンパーニュ地方のアンバサダーとして、調和があってこそ素晴らしいものができると考えています。

インタビューを終えて
すべてに即答してくださったミル氏が、少しだけ考えて答えていたのが、偉大な先輩シェフへの〝ひとこと〟でした。1時間余りのなかで、ミル氏の口から何度となく出てきた〝respect(尊敬)〟と〝histoire(歴史)〟の単語は、まさにふたりのシェフに重なります。インタビューのまとめをしていて、これら2つの単語がミル氏の人生の〝核〟になっていることがよくわかりました。

繊細さが際立つ美しい料理
インタビュー後、撮影料理として4品が披露されました。視覚、味覚、嗅覚を大いに刺激してくれた逸品!ミル氏の細部へのこだわりをお伝えしたくて、2つの角度から撮影してみました。

Œuf mollet rouge écarlate, gnocchis au caviar
赤ワインでポッシェしたポーチドエッグ ジャガイモのニョッキとキャビアを添えて
(器は有田焼)
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ミル氏は卵好きとのこと。主役は56℃に温めた半熟卵です。煮詰めた赤ワインにレッドビーツとベーコンを加えたソースを卵にまとわせ、デュクセルにしたシャンピニオンを敷き詰め、その上にソースをまとった卵を乗せてポテトのニョッキとクルトンをアクセントにした一皿。キャビアのほど良い塩味と半熟卵のまったりとしたオイリーなテクスチャーのバランスが絶妙。シャンピニオンが醸し出す森の香りはミル氏の故郷への想いが込められているそうです。
青木ナイフを入れると半熟卵が流れ出てくるトロトロ感、赤ワインのソースの凝縮感と卵の舌触り、食感が独特の世界に誘ってくれました。味わいのハーモニー、手の込んだ逸品


Palette de radis et betteraves multicolores au poivre
パレットに描いた様々な彩り野菜のマリネ 大根のジュレ
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ピクルスにしたラディッシュと、2時間かけて岩塩で丸ごと蒸し上げたレッドビーツをセルクルで丸く抜き、ラディッシュのタルトに並べて上から透き通った大根のジュレを。素材自体の味わいを大切にしているので、水はほとんど使わず、調理した野菜から出る水分を生かし野菜の旨味が詰まったベジタリアン向けの一皿。まわりに散りばめられた柑橘フルーツやミックスハーブも綺麗!
青木:ラディシュが千枚漬け似で懐かしい味わい。柑橘フルーツたちが口中で広がり、お花畑を散策しているような気分に。この一皿はその時期その時期に合わせた素材を生かして通年登場するようです。


Filet de pigeon farci laqué de coteaux champenois
フィリップ・ミルシェフのスペシャリテ 
シャンパーニュ地方の赤ワインソースを纏った仔鳩のファルシー
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ピジョン(仔鳩)の胸肉のなかに鶏のムース、フォアグラ、シャンピニオンを詰めて火を通し、旨味を閉じ込めます。ピジョンのフォンと煮詰めた赤ワインで調理し、仕上げにシャンパンを加えて、濃厚かつ甘味と酸味のハーモニーを生かしたスペシャリテ。ピジョンならではの滋味豊かな味わいと根セロリや柑橘の爽やかな香りが楽しめます。
青木:これはきちんと着席して食したいミル氏のスぺシャリテ。素材の旨さが詰まった逸品なので、シャンパン選びも楽しくなりそうな予感


Feuilles à fleur de Sakura
六本木テラスに舞い散る“ 桜 ”
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日本を象徴する桜。春を謳歌する季節にふさわしいデザートで、抹茶、ホワイトショコラ、苺のチュールガボット(薄焼きクッキー)で桜の花と葉を表現。桜のフレーバーの滑らかなフロマージュブランとサクサク感のあるガボットの食感の違いが楽しめます。六本木テラスのために考案された特別なデザート
青木:一目で恋に落ちた一皿、インタビューでミル氏が語っていたように、口中で素材感の違いが層になって迫ってきました(笑) ほんのりと桜の風味づけをしたフレッシュな苺のコンポートの美味しさが鼻腔から抜けて。五感を刺激してくれたデザート!



100アイテムのシャンパンが
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月代わりで登場するシャンパン
3月はビルカール・サルモンやデュヴァル・ルロワ等


ハウスシャンパンはドゥラモットのブリュット、ロゼ、ブラン・ド・ブランの3アイテム


ミル氏を囲んで椨(たぶ)賢太郎エグゼクティブシェフソムリエ(右)と上原陽一支配人


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解放感のある広いテラス
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内装には随所にシャンパンの優雅な動きを連想させる工夫が

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個室に通じる廊下には気泡を思わせる岡本啓氏の作品


夜景も楽しみな個室

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テラスに向うと

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テラスは贅沢な空間

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プレス内覧会で
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シャンパンの気泡をイメージさせたガラスの壁面

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ミル氏、ひらまつの陣内孝也社長、同社長谷川幸太郎取締役揃っての乾杯!

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アミューズ用の小さな洗濯バサミ、可愛いすぎ

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軽くあぶったスモークサーモンとポワ葱のバヴァロア

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彩り豊かなプティフール、PMイニシャル入りもあり!


ガストロノミーワインとしてのシャンパン
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インタビュー後、ミルさんからいただいた限定ミル人形、これはUSBメモリー!

インタビューの最後、日本のシャンパンラバーに向けてのメッセージを伺いました。
フィリップ・ミル:シャンパンの文化を変革したいです。シャンパンと言うとアペリティフやデザートとして捉えられることが多いので、私はシャンパンを〝ガストロノミーワイン〟として位置付けたいと考えています。シャンパンはどのような素材にでも合わせて楽しむことができます。
青木:(質問に関連して)シャンパンに興味がありながら、泡が苦手な愛好家に泡を受け入れてもらうための方策は
フィリップ・ミル:シャンパンは泡があっての飲み物です。泡があることで自分を表現していますし、泡によって香りが楽しめます。苦手な方には、すこし置いておくことで(グラスのなかで変化)で、ガストロノミーワインとしてのシャンパンの様々な顔が見えてくるかも知れません。



フィリップ・ミル氏の拠点、名門『シャトー・レ・クレイエール』は時を超えた贅沢な空間なので、シャンパーニュ地方の魅力を十分に堪能できます。


その庭続きにある姉妹店『ル・ジャルダン』は肩ひじ張らないカジュアルなレストランです。

ミル氏は新店舗を、レ・クレイエールとル・ジャルダンの中間的な位置付けにできたらと考えているようです。フランス料理の伝統とシャンパンのマリアージュがコンセプトのレストランで、価格帯は食通の皆さんの手が届く設定にしているとのことでした。
ミル氏は20日まで滞在していると思います。オープン早々予約をなさったラバーさんは直接会話するチャンスもあるのではないかと思います。どうぞ素敵な時間をお過ごしください。

店舗情報
六本木テラス フィリップ・ミル
〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス 4F
ランチ3,500円・5,500円/11:00~15:30(14:00 L.O.)/サービス料10%別
ディナー8,000円・12,000円・16,000円/17:30~23:00(21:00 L.O.)/サービス料10%別
定休日:なし
席数:ダイニング80名/個室4部屋(2名~12名)
※価格等は変更になる場合があり
予約:℡03-5413-3282

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今年もファインズ主催第7回チャリティ試飲会に温かな支援の輪! [ワイン]

東日本大震災復興を願い海外からの支援の輪
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2011年3月11日に発生した未曾有の東日本大震災の被害状況を憂い、輸入元ファインズと繋がる海外のワイン生産者たちから即刻届いた支援の輪。同年7月、ファインズ主催で第1回チャリティ試飲会が開催されました。チャリティのために来日してくださったワイン生産者&関係者の皆様、素晴らしいワインを供出してくださったワイナリーの皆様。義援金はファインズ様からCivic Forceに全額寄付され、震災の復興支援に活用していただきました。

継続は力なり!
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ファインズの中西卓也社長(前列右)は「今回も多くの方にご賛同いただき、各国から駆けつけた生産者とともに過ごせることを社員一同感謝しております」と挨拶

7回目を迎えたチャリティ試飲会!
テロワールとの出会い ~飽くなき挑戦をする生産者の饗宴~ をテーマに、今年は海外から15名の生産者&関係者が来日しました。3月4日、会場の恵比寿EBis303にはワイン愛好家300名以上が集い、生産者たちと交流しました。先日、ファインズ様から、入場チケット、セミナーチケット、有料試飲などの総額は2,744,500円との報告がありました。これは例年通り、復興支援のため、Civic Forceに全額寄付される予定です。

チャリティ会場から
支援応援に駆けつけてくださったのはフランスからアンリオ、ドメーヌ ブシャールP&F、ウィリアムフェーブル、ドメーヌ アンリ ボワイヨ、ドメーヌ デュ ノゼ、ドメーヌ バロン ド ロートシルト(ラフィット) 。イタリアからはマッツェイ、チェレット。アメリカからハイド ド ヴィレーヌ そしてチリからラポストールです。

有料試飲のアイテムにはアンリオのキュヴェ アンシャンテルール1976も

長熟の極み〝キュヴェ アンシャンテルール1976〟

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シャンパンの状態をチェック中のメゾン エ ドメーヌ アンリオのジル ド ラズィエール社長

ピエモンテ アルバの食文化の伝道師

ジャコリーノジッラルディCEO()とパートナーと林茂さん

林さんは「第7回のテーマはテロワールですが、イタリアでも一番早くからテロワールに注目して実践しているのがピエモンテであり、そのなかでもチェレットは1960年代から良い畑を入手し、周囲にもその考えを伝えていったので、大事なポイントをしっかり押さえています。流行に流されず、伝統的な造りを守っています」と語っていました。

トスカーナの歴史あるワイナリー『マッツェイ』
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自慢の『フォンテルートリ シエピ』を手にする25代目当主のジョヴァンニ マッツェイさんと奥様
私のお薦めはグレーラとピノ・ビアンコから造る『プロセッコ ブリュット ミレジマート2015』

メゾン エ ドメーヌ アンリオの頼りになる東アジア輸出担当西山雅巳さん
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第1回から皆勤で応援して下さっている西山さんはブシャールとウイリアム フェーブルの顔として活躍中

オベール ド ヴィレーヌさんの妹家族が造るエレガントなサンセール
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シリル ド ブノワさんと奥様。DRCのヴィレーヌ当主の甥っ子さんで、オーガニック、ビオディナミを導入中。「来年デメターの認証を受けることができそう」とブノワさん

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ヴィエイユ・ヴィーニュから造るサンセール ブラン シャトー デュ ノゼ2013と同2012

2013年は春が温かく、ぶどうの開花がスムーズだった年。ぶどう自体に凝縮感があります。ミネラル感豊かで凛とした印象、酸のメリハリがあるので、あと2~3年寝かせてから楽しみたいワイン。2012は「温暖な年だったので糖度も上がり、2013より若干Alcも高め(表示は同じでも少数点以下は異なる)。フランスにはもう在庫がありません。久々に飲んでみましたが、今飲み頃です」とブノワさん。果実味豊かで口中での広がりもあるワイン、美味しいです。マリアージュでは2013年はアペリテイフで。2012年は甘味もあるのでチョコレート菓子等のデザートがお薦めとのことでした。

テロワールを表現する完璧主義者
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第1回のチャリーティ試飲会時にも来日して下さったドメーヌ アンリ ボワイヨのボワイヨ当主(右)とクルチエのミシェル・ガイヨさん

ブルゴーニュの雹(ひょう)害話になった時、おふたりは「昨今の雹害は局地的なもので、ポマールやヴォルネイに集中しています。単純に温暖化だけならそうはならない。今、懸念しているのは、ヴォルネイの西側にある丘の後方で自然を破壊する作業が行われていることです。森林を伐採したり、採石場を作る為に、金属性の倉庫を建設し、80㌶あまりの採石場には石が転がっている状態なので、そこに陽が当たり、温まってしまうことで、自然のバランスが崩れています。これはGoogle mapで見ればすぐわかります」と。要チェック項目でした!

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アンリオグループのワインたち

フランスの伝統とチリのテロワールの融合『ラポストール』
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昨年に続き、2度目の参加のシャルル ド ブルネ マルニエ ラポストール当主


近日登場! チャリティ試飲会でお披露目された軽快で爽やかな ル ロゼ2016

世界各地でエレガントなワイン造り
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ドメーヌ バロン ド ロートシルト(DBR)からはミシェル ネグリエ輸出部長とオリヴィエ トレゴワ海外ドメーヌ醸造責任者が来日

DRCのヴィレーヌ当主とのジョイントベンチャー

ハイド ド ヴィレーヌからはゼネラルマネージャーのジェームズ アイアーさんが来日
※DBRとハイド ド ヴィレーヌには立ち寄れませんでした。



中西社長の挨拶のなかに、「リピーターが増えています」とのお言葉がありました。
ファインズチャリティ試飲会には、毎回素晴らしいワインが供出されますので、多くのワイン愛好家から高い評価を得ています。有料試飲には日頃飲めないアイテムが揃います。
第1回チャリティ試飲会のブログリポートにも書きましたが、被災地に向けての支援活動はまだまだ続けていかなければなりません。そのような中で海外から来日するワイン生産者との絆を深めながら開催しているファインズ主催のチャリテイ試飲会はワインを生かした〝実のある〟支援活動だと確信しています。
どうぞ来年もよろしくお願いいたします。

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2月のNHKシャンパン講座は次世代を担う人気のメゾン『ベレッシュ・エ・フィス』に注目! [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

モンターニュ・ド・ランスのリュード村にあるレコルタン・マニピュラン(RM)べレッシュ・エ・フィス
年間生産本数はわずか85,000本、人気のメゾンなので入手も難しくなってきています。今回は年に1回の上級キュヴェの入荷時期にあわせて5アイテムを揃えることができました!

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供出したのは6アイテム、若手醸造家のリーダー的存在タルランのブノワ(12代目)さんの『ゼロ・ブリュット・ナチュール』(左から3番目)を用意してベレッシュと比較

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コルクの並び順は左から2番目がタルラン、3番目がベレッシュ


1847年創業のベレッシュ・エ・フィス

現当主は5代目のラファエル・ベレッシュさん(右)
伝統と革新を融合させ、テロワールの表現を主眼にしています。2004年からビオロジック(一部ビオディナミ)を導入、天然酵母による発酵、基本的にノン・マロスタイル、定番のブリュット・レゼルヴ以外は王冠ではなく、コルクで瓶内熟成。白ワイン用の樽はピエール・イヴ・コラン・モレから譲り受けたもの、赤ワイン(コト―・シャンプノワ)とロゼ((カンパニア・レメンシス)にはDRCからの古樽を使用


拠点はリュード村、所有畑は9.3㌶
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左上から時計回りに
オルム、シニー・レ・ローズ、リュード、トレパイユ、マルイユ・ル・ポールの各産地


一級畑リュード村、マサル・セレクションによる栽培
マサル・セレクションはマス・セレクション、集団選抜と呼ばれるもので、畑から優秀な株を複数選び、補木を取って苗木をつくり、元の畑に戻す方法。代々引き継がれてきた自分の畑で、時間をかけて優秀な株を選抜し、それを苗木として使用するので、テロワールに即したものと言える。苗木はクローン苗が一般的になる前に植樹された畑の株でなければならない。株は例えば、果実の豊かさ、果皮の厚み、果粒の大きさ、香りや酸の強弱等、これらが混在することで、複雑味のある表現ができる

第1フライト  
#1:べレッシュ カンパニア・レメンシス・ロゼ・エキストラ・ブリュットNV
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ベースワインは2012年ヴィンテージ

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生産者:ベレッシュ(RM)
ぶどう品種:PN70%、CH20%、PM10%、赤ワイン5%ブレンド
ドザージュ:3g/L 
デゴルジュマン:2016年3月
価格:12,000円(税別)
5%ブレンドしている赤ワインはオルム産のピノ・ノワールとムニエ。発酵とブレンド用の赤ワイン(コト―・シャンプノワ)にはDRCの古樽を使用。サーモンピンクの色調、気泡は活発で繊細、ドライローズ、柑橘果実の皮やすもものニュアンス、ミネラル、最初に泡の食感、その後に続く凛とした酸味と綺麗な酒質が好印象

第2フライト
#2#3の比較。ブレンド比率(3品種を3分の1ずつブレンド)は同じ、ともにノン・マロ、違いはドザージュ量とデゴルジュマンの実施年月

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#2:ベレッシュ ブリュット・レゼルヴNV
生産者:ベレッシュ(RM)
ぶどう品種:PN、CH、PM 各3分の1/ベースワイン2013年&2014年
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2016年9月
価格:7,000円(税別)

#3:タルラン ゼロ・ブリュット・ナチュールNV
生産者:タルラン(RM)
ぶどう品種:PN、CH、PM 各3分の1
ドザージュ:0g/L
デゴルジュマン:2015年10月
価格:7,500円(税別)
ベレッシュの#2 は樽60%とホーロータンク40%で醸造、土壌由来のミネラル感、ロースト風味。タルランの#3は、グレープフルーツや夏ミカンの皮、果実味、フラッシュバター、ミネラル、ぶどう本来の凝縮感。タルランの方がデゴルジュ後の期間が約1年程長かったこともあり、すべての要素が溶け込んだ印象でバランス良好

#4:ベレッシュ レ・ボー・ルガール・シャルドネNV
生産者:ベレッシュ(RM)
ぶどう品種:CH100%/2012VT(表示していません
ドザージュ:3g/L
デゴルジュマン:2016年3月
価格:11,000円(税別)
リュード村の石灰が多い土壌。当主の曽祖父が1902年に植樹して以降、マサル・セレクションによる苗木からのぶどうを使用。気泡活発、持続性あり、おしろい、白い花、ミネラル、ナッティ、蜂蜜、ロースト風味

第3フライト
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#5:ベレッシュ ル・クラン・プルミエ・クリュ・エキストラ・ブリュット2008
生産者:ベレッシュ(RM)
ぶどう品種:CH55%、PN40%、PM5%
デゴルジュマン:2015年11月
ドザージュ3g/L
リュード村の2区画のブレンド。1969年から1973年に植樹されたヴィエイユ・ヴィーニュの区画。樽発酵、バトナージュは行わず、ノンフィルターで瓶詰め。濃いベージュ色、リンゴのコンポート、カリン、カラメル、甘味と酸味のナイスバランス、温度変化によってグラス内で旨味&複雑味、当日のマイベスト、講座生の人気アイテム

#6:ベレッシュ ルフレ・ダンタン・エキストラ・ブリュットNV
生産者:ベレッシュ(RM)
ぶどう品種:PN、CH、PM 各3分の1
1985年以降のリザーヴワイン3分の2、2011年VT(3品種同量)
ドザージュ:6g/L
デゴルジュマン:2016年4月
価格:17,000円(税別)
先祖へのオマージュとして毎年リリースされるフラッグシップのシャンパン。1985年から600㍑の木樽を使い、ソレラシステムでストックしてきたリザーヴワインを3分の2引き抜き、そこに2011年ヴィンテージ(3品種同率)をブレンド。1年樽熟成させ、その後、瓶詰めして36ヶ月熟成させてから市場へ。深みのある黄金色、気泡元気で繊細、ココア、エキゾチックアロマ、塩味、旨味。酸味は極めてまるく、後に続く余韻もまるい。


裏ラベル表記について

両メゾンとも、裏ラベルにデゴルジュマンの日付&ドザージュ量を明記しています。これは#5のル・クランです。
このような表記のシャンパンは、デゴルジュマンの違うボトルを飲み比べることで、瓶内熟成の変化を知ることが出来ます。購入して少なくとも半年(1年ならさらに良い)我慢している間に、次の新しいボトルが発売されますので、裏ラベルにあるデゴルジュマンの年月を確認して比較試飲することをお薦めします。べレッシュもタルランもスタンダードなNV(3品種同率)が一番わかりやすい。

製品についてのお問い合せは豊通食料(株)℡03-4306-8539


講座生の皆さま
ブログに記載したドザージュ等の数字は各ボトルの裏ラベルを確認して書いております。配布資料と若干の違いがありますので、ご確認いただけましたら幸いです。今月は冬講座最後の回になります、お楽しみに!