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スペイン最高のワイン・ガイドブック『ギア・ペニン』の最優秀ワイン・テイスティングセミナー2017  [来日したワイン生産者&関係者]

2017版の取扱いアイテムは11,650以上


『ギア・ペニン』はスペインワインの権威、ワイン評論家・ジャーナリストとして42年間活動しているホセ・ペニン氏が1990年に創設したワイン・ガイドブックで、スぺインワインに関して最も充実しており、スペインワインの国際取引においても影響力があります。スペイン政府が認めているガイドブックで、唯一、表紙に同国の国旗が記載されています。

創始者ペニン氏は3年ほど前からテイスティングに関わっていませんが、氏の意志を継いだ専従者7名、うち4名が試飲を担当しています。現在、スペイン語、ドイツ語、英語版があり、近々中国語版が仲間入りの予定。webでワインは検索可能 http://suscripciones.guiapenin.wine/ 

最新版『ギア・ペニン2017』の取り扱いアイテムは11,650以上(スペインで造られているワインの85%に相当)。赤6,451本(55%)、白3,044本(26%)、スパークリング990本(8%)、ロゼ759本(7%)、酒精強化407本(3%)。価格満足度抜群のワイン5,700本以上(全体の49%)、東京で開催されたプロ向けのセミナーには95点以上の最優秀ワイン(175本)から8本が供出されました。
 
スペインの多様性を感じるトップワイン

(左から順に/最後の数字は点数)
#1:ラ・リオハ・アルタ・グラン・レセルバ890 2004(ラ・リオハ・アルタ)98
#2:レセルバ・レアル2010(ボデガス・トーレス)95
#3:エル・カベルネ・フラン・デ・チョサス・カラスカル2014(チョサス・カラスカル)95
#4:1902 センテナリー・カリニャン2012(セリェール・マス・ドイシュ)96
#5:スカラ・デイ・マスデウ2013(セイェールス・デ・スカラ・デイ)95
#6:エノテカ・グラモナ2001 グラン・レセルバ(グラモナ)99
#7:マヌエル・ラベントス・ネグラ2010(ラベントス・イ・ブラン)95
#8:V ドゥルセ・デ・インビエルノ・ベンディミア・タルディア(ハビエル・サンス・ビティクルトール)95


(左から)#1~#8

95点以上の最優秀ワイン


95点以上の最優秀ワインと90点以上の高品質ワインとはどう違うのかという質問に対して、「他と差別化できるものが95点以上。個性、アイデンティティーが大事」とペニン氏。175本の最優秀ワインからセレクトした8本は「各産地の特徴がわかるもの。土壌、品種、造り方がポイント」と述べていました。

#1:ラ・リオハ・アルタ・グラン・レセルバ890 2004(ラ・リオハ・アルタ)

DOCa:リオハ、品種:テンプラニーリョ95%、グラシアーノ3%、マスエロ2%
古典的なワイン。色調は時間の経過と樽からの変化で茶色がかったルビー。スパイス香(ロウ、杉、皮等)、続いて煮詰めた果実の香り。タンニンはオイリーでビロードのように滑らか。マスエロからの酸味、グラシアーノのハーブ系のアロマのニュアンス。


アメリカンオークで6年間熟成、下の文字が読める色の明るさ

#2:レセルバ・レアル2010(ボデガス・トーレス)
DO:ペネデス、品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン
地中海に面した産地、2年樽熟させたグラン・レゼルバ。トーレスは世界的に知られているボデガで、スペインで最初にCSを栽培。ブラックチェリーのような濃い色調、香りも黒系果実。乾いた土地、ハーブ&干し草、これらは土壌(カコウ岩質の痩せた土壌)に由来。タンニンは2年間の熟成により非常にソフト

#3:エル・カベルネ・フラン・デ・チョサス・カラスカル2014(チョサス・カラスカル)

VDP:ピノ・デ・パゴ・チョサス・カラスカル、品種:カベルネ・フラン
スペインの格付けのビノ・デ・パゴ。赤い果実とフレッシュ感。標高が高いのでボルドーとは異なるCFの印象、暖かいエリアで育ったぶどう(ぶどう自体が熟した印象ではない)のニュアンス。スペインでは雨が少ない地方が多いので、ぶどう樹は水を求めて根を地中深く張り、地盤まで到達。土中のミネラル分、微生物等、様々な影響を受けるのでそれが味わいに反映。CSよりCFはストラクチャアがソフト

#4:1902 センテナリー・カリニャン2012(セリェール・マス・ドイシュ)
DOQ:プリオラート、品種:カリニェーナ100%
ワイン名は国際的に通用するようにカリニャンを使用。多くは標高の低いところで栽培する品種、地中海沿岸に生息、暑くても育てやすく、高温への耐性あり。フィロキセラ以前のぶどう樹、古樹なので収量は少なく、凝縮したワインに。新樽率16ヶ月、ペニン氏は「私なら古い樽を使う」と。香りは熟した黒い果実、暑い地域の乾いたリコレーリャ土壌に感じる焼けたニュアンス。「カリニェーナで果実感を出すのは難しいが、このワインはその特徴が良く出ている。他のワインより個性的、それが高く評価できる」とペニンコメント。

#5:スカラ・デイ・マスデウ2013(セイェールス・デ・スカラ・デイ)

DOQ:プリオラート、品種:ガルナッチャ・ネグラ、ガルナッチャ・ペルーダ  
カリ二ェーナもガルナッチャもスペインワインの特徴的な品種。ガルナッチャ・ネグラはエレガントでタンニンはソフト、ガルナッシャ・ペルーダは野生味があり、タンニンも感じる。丁寧な造りの長熟可能なワイン。土壌は粘土石灰質。オークを使うと品種の個性を隠してしまうことがあるので、セメント槽を使って熟成。標高800㍍の高いエリアで造られた印象は感じられず、ゆっくりと熟したぶどうの質感。ユーカリやバルサミコ、ハーブはぶどうの梗に由来(全房発酵)。3つの容器フードル、セメント槽、素焼きの壷で熟成させ、最後にブレンド。赤い果実(ストロベリー、ラズベリー) ミネラル、ハーブ的要素


「お気に入りを1本持って」とお願いしたら、スカラ・デイ・マスデウを選んだペニン氏
スペインにおける全房発酵について伺ったところ、「昔回帰の動きと重なり、それに挑戦していこうという動きが増えているのは確か。梗由来の土の感じが果実味と溶け合わさることにより深みが出るので、導入する造り手は少しずつ増え始めている」とのお返事でした。

#6:エノテカ・グラモナ2001 グラン・レセルバ(グラモナ)

DO:カバ、品種:チャレロ75%、マカベオ25%
ビオディナミ農法。2001年VTながら口中フレッシュ、長い余韻。ボトル内で熟成したナッツ、アミノ酸由来の旨味。長い年月を経て複雑味を増した、シャンパンに比肩しうるエレガントで上品なアイテム!
本当は100点をつけたかったが、ギア・ペニンは100点を付けない主義なので99点、これは最高点。ワインの個性が良く出ていて、これから10年、20年熟成可能なカバ。味、香り、造り、すべての面でバランスが取れていて、気泡も繊細」とペニン氏。

#7:マヌエル・ラベントス・ネグラ2010(ラベントス・イ・ブラン)

DO:ビノス・エスプモソス、品種:チャレロ70%、マカベオ20%、パレリャーダ10%
ビオディナミ農法、ラベントスはカバの先駆者のひとり、カバから脱却した泡もの(カバ非表示)、果実味、イースト香、ハーブやミント、ラベンダー。まとまりのある繊細な気泡。土壌は砂質、粘土質、石灰質。
「スペインでは瓶内2次発酵で造るスパークリングワインをカバと呼んでいたが、ラベントスではピノ・デ・パゴのコンセプトと同様に〝ここの土地で造るスパークリングワイン〟ということで、他のカバとの差別化を強調。スパークリングワイン呼称にしている」と。

#8:V ドゥルセ・デ・インビエルノ・ベンディミア・タルディア(ハビエル・サンス・ビティクルトール)

DO:ピノ・デ・メサ、品種:ベルデホ80%、モスカテル20% 
ぶどうの糖分を3つの方法(遅摘み、冷凍、自然乾燥)で濃縮させたワイン。蜂蜜、オレンジジャム、モスカテル由来の甘い香り、「オーク樽の使い方に造り手の技が反映されており、甘味が酸味と絶妙なバランスになっている」とペニンコメント。
  

第4回ギア・ペニン・セレクションTOKYO会場から

来場者から質問を受けるペニン氏


酒質の良さが際立ったロゼはセイェールス・デ・スカラ・ディ(プリオラート)のプラ・デス・アンジェールス


ボデガス・プロトスはルエダのベルデホとリベラ・デル・ドゥエロのテンプラニーリョ
9月1日からファインズが販売開始http://www.fwines.co.jp/news/pdf/20170801_Protos.pdf


エレガントなアバディア・レトゥエルタのパゴ・ネグララーダ2014(カスティーリャ・イ・レオン)

マイ・ベスト・カバ『グラモナ』

スペイン最高のカバの造り手グラモナ


ワインのこころFBでも紹介し、シャンパン講座でも特別参加させたグラモナ
カバの主要品種の1つ、パレリャーダは絶対に使わない生産者。シャンパンに負けないポテンシャルがあるので、泡好きの皆さまには注目していただきたいと思っています!
関連記事:https://www.facebook.com/heartofwinefumiko/posts/624915374352106

ギア・ペニンに関する窓口は(株)アケヒ ℡03-3303-3789

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冷涼地シラーの先駆者チリの『マテティック』 × ロオジエ [来日したワイン生産者&関係者]

上質なワイン造り、その基本はビオディナミ


チリの首都サンチャゴの西に位置するサン・アントニオ・ヴァレーとカサブランカ・ヴァレーに広大な敷地16000㌶を有するマテティック・ヴィンヤーズは、1999年にチリの資産家マテティック家が興したワイナリーです。
4つの自社畑160㌶はいずれも太平洋から13~19kmの距離にあります。
レンジはEQとコラリージョの2つ。前者はequilibrium(均衡の意)の略で、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ピノ・ノワール&シラー。後者はその昔、ミッション用ぶどうでワインを造っていた古いワイナリーの名前に由来し、シャルドネ、ゲヴュルトラミネール、シラーを生産しています。なかでもシラーは従来からのチリのシラーの概念を根底から覆し、冷涼産地で造るシラーの底力を世界に示しました!



チリ唯一のビオディナミ100%ワイナリー
マテティック家はワイン業界に参入するにあたり、1年間かけて、世界の主要な産地を視察。最終的にカリフォルニアに注目しました。ビオディナミ農法のコンサルタントのアラン・ヨーク、ワインメーカーのケン・バーナーズ、栽培コンサルタントのアン・クレイマーとの出会いから彼らを招聘、指導を受けることに。ワイナリースタート当初からオーガニック&ビオディナミに取り組み、その結果、2004年にオーガニックの認証を。2001年から導入したビオディナミについては2013年にすべての畑が“デメター”を取得したので、チリ唯一のビオディナミ100%ワイナリーになりました。

ロオジエの料理に合わせた3アイテム

左から)コラリージョ・ゲヴェルツトラミネール2015、EQ・シャルドネ2014、EQ・シラー2012

マテティックが本拠地サン・アントニオヴァレーで経営するホテル&レストランは、富裕層を対象にした国際的な大手旅行代理店のネットワーク『バーチオソ・グループ』に登録されているので、世界各地からの来訪者も多く、そのため、地元の料理と上質なワインとのマリアージュには全力を注いでいます。


質の良いワイン造りを理念にしているマテティックのワインをロオジエで実証!

中本聡文シェフソムリエが高く評価しているEQ・シラー


2014年に東京で開催された『チリプレミアムワインセミナー』で、講師を務めた中本氏は、マテティックEQ・シラーのポテンシャルの高さを語っていました。今回、中本シェフソムリエのホームベース『ロオジエ』でマテティックとのマリアージュを実現させることができて嬉しく思いました。


台湾、香港、中国、韓国と回った2週間のアジアンツアーの最終日に来日したマテティックのアルトゥーロ・ラライン ゼネラル・マネージャー(GM) 、トマス・アロンソ輸出担当マネージャー、個室担当の井黒卓ソムリエ

ウンドラーガ、コイレ、マテティック&テラプラ
大学で経済学を学んだラライン氏の最初の勤務先はウンドラーガでした。
ここは19世紀末から6世代にわたるワイン生産者の家系で、年間100万ケースを輸出するほどの大きなワイナリーでしたが、2006年に“ウンドラーガ”という商標を売却。その資金でコイレを立ち上げました。
また、『マテティック』は1999年の設立で、現在4代目のホルヘ・マテティック・ハート氏が当主(48歳)。彼の兄弟の妻がウンドラーガ家の娘なので、コイレとは親戚関係の間柄になります。
さらに、2006年に設立されたテラプラは、マテティックが100%出費しているワイナリーなので、上記3社には深いつながりがあります。
但し、コンセプトはそれぞれ異なり、■コイレはテロワール ■マテティックはビオディナミ ■“ピュア・テロワール”の意味を持つテラプラはエントリーレベルでの質の良いワイン造りを旨にしています。



料理とワインのマリアージュ


当日はヴィレッジ・セラーズが取り扱っている豪州プラム社のグラスをワインのタイプに合わせて使用。EQ・シラーは重厚感のあるハンドメイド『レッドA』で



ウェルカムシャンパンはエリス・コラン ブラン・ド・ノワール エクストラ・ブリュット“レ・マイヨンNV”
ピノ・ノワールの個性をブルゴーニュグラスで体感


生姜やフヌイユの風味、タルトやゼリーの食感、色彩でも楽しめたアヴァン・アミューズ




アミューズ・ブーシュは貝尽くし(バカ貝、ミル貝、北寄貝)にアサリのゼリー
コラリージョゲヴュルツトラミネールの総生産量は526ケース。ライチやアプリコット、南国果実、エスニックスパイス、清涼感のある酸と塩っぽさが貝と素直な相性、リーズナブルでフードフレンドリーなワイン!



ラングスティーヌのラビオリ ノワール/ブランシュ サマートリュフのラメル
フヌイユのサラダとムースリーヌ サフラン風味  コンソメ・オマールとフォワグラのエミュルション
ゲヴュルツトラミネールから感じるスパイス&ハーブ(生姜、エストラゴン、サフラン)、ミネラルが甲殻類の甘さやソースの旨味・複雑味と相乗してナイスハーモニー!


甘鯛のうろこ焼き 野菜のクロカン 
トマトコンフィとフレッシュハーブ ソースジャンジャンブル



サン・アントニオ・ヴァレーの最古の畑エル・ロサリオ・ヴィンヤード(海岸から19km)のシャルドネ、総生産量1,535ケース。種の大きな果実(白桃、アプリコット)、蜂蜜、ヴァニラ、エレガントな酸、樽(新樽率20%)の印象も心地良く、余韻に塩っぽさ。甘鯛の皮の食感と樽由来の香ばしさがマッチ、今飲んで美味しいワイン


ディナー開始1時間前にデキャンタージュしておいたEQ・シラーを中本シェフソムリエがサービス



ロンドンのインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2015で、バイオダイナミック部門トロフィーを受賞したEQ・シラー2012



フランス産仔鳩胸肉のロティ クルミとタイムのクルート もも肉のコンフィ
キャベツのエテュベ ブーダンピジョンとセロリのフイユ 甘酸っぱいスリーズのソース

シラーの複雑味を鳩のロティとコンフィに合わせて
深みのある濃紫色、最初にクミンやターメリックのようなカレースパイス、甘草やユーカリ、ヴァニラやココア、リッチで木目細かなタンニン、中盤以降酸の広がり。スリーズ(さくらんぼ)ソースの甘味と酸味はマリアージュのつなぎ役!



中本シェフソムリエ、輸入元ヴィレッジ・セラーズのリチャード・コーエン社長と中村芳子GM


ワゴンから自分好みのチーズ(白カビ、ハード、ウォッシュ)を選択、コンテが良い印象


コクリコのパルフェグラッセ グレープフルーツのフレッシュ フランボワーズとバニラのソルベ
GFやフランボワーズの酸味がシラーの酸味と重なるので、守備範囲の広さ再認識


ワインのポリフェノールとタンニンはチョコとイイ相性


ワイン王国の村田惠子編集長から〝扇子〟をプレゼントされたララインGM


(前列左から)村田編集長、中村GM、ララインGM、アロンソ氏
(後列左から)プラムグラスレンタルのテリー・ホワイト氏、コーエン社長、ヴィレッジ・セラーズ波木居恵一取締役

この8月で記念すべき100号を創刊したワイン王国、おめでとうございます!
ワイン王国101号誌上で、EQ・シラーの魅力、中本シェフソムリエ&井黒ソムリエのワインコメント、マテティック・ヴィンヤーズの秀逸性等を紹介させていただきます。
また、9月は現地チリからホットな生情報もお伝えできると思いますので、お楽しみに!


マテティックの輸出相手国第1位はスウェーデン
「チリは安価なワインの生産国というイメージが強いのですが、国内でのワインの平均価格は毎年少しずつ上がっていて、プレミアムワインも増えています。とは言え、それは本当にゆっくりとした動きです」とララインGM。

輸出相手国の第1位は、北欧のスウェーデン、以下アメリカ、オランダ、ブラジル、デンマーク、ペルーです。アルコール販売を役所が管理しているスウェーデンでは、地球環境への配慮だけでなく、産業や労働面についてもサステイナブルを大事にしている国なので、ビオディナミ100%ワイナリーは好意的に受けとめられており、マテティックのワインも順調に伸びているとのこと。

また、南米ぺルーは数年前から美食ブームに沸いており、世界中から注目されています。農作物や海産物に恵まれ、料理もスペイン、アフリカ、中国、日本等の影響を受けているので、フュージョン料理も散見できます。ペルーではニッケイ料理が人気のようですが、チリワインの躍進も期待できそうです。


■ワイン&プラムグラスに関する問い合わせ先はヴレッジ・セラーズ(株)
 ℡0766-72-8680

関連記事
■Chile Food & Wine 2014
http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2014-12-30
■美食国ペルー発! 南米6ヵ国大使館のコラボレーション
http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2017-06-15

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<第2部> 日本初開催のニュージーランド “The Family of Twelve” セミナー [来日したワイン生産者&関係者]

第2フライトはフェルトン・ロード、フロム&ペガサス・ベイ
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<第1部>ではアタ・ランギ、クラギー・レンジ、ノイドルフについて触れました。
ここからは第2フライトに登場したフェルトン・ロード、フロム、ペガサス・ベイを紹介していきます。

フェルトン・ロード
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フェルトン・ロードのブレア・ウォルター、ノイドルフのトッド・スティーヴンス両講師

1991年設立、拠点はセントラル・オタゴのバノックバーン、所有者はナイジェル・グリ―ニング(ワイナリー設立当初のオーナーはステュワート・エルムズ。2000年に現オーナーが購入)。1996年に醸造家のブレア・ウォルターが参画。南緯45度に位置するセントラル・オタゴは世界最南端のワイン産地、バノックバーンはボウル状のおだやかな盆地で、夏季は昼夜の日較差が大きく、準内陸性気候のもと、多様な微気候と地形に恵まれている。2002年からビオディナミ導入。
「私はアタ・ランギやノイドルフのようなパイオニアではありませんが、NZで26 年間ワインを造り続けてきました。⾃分自身NZのピノ・ノワールとともに成⻑してきたと感じているので、今⽇はNZのピノ・ノワールの進歩について話す機会を得て、とても嬉しく思っています」とブレアさん。

テイスティング
セレクトしたのは2015 年&2012 年のブロック5、ともにフィネスとエレガンスがはっきりと表現されたヴィンテージ
#7:フェルトン・ロードPN ブロック5 2015(12,000円) / #8:同2012(12,000円)
ブロック5は自社畑エルムズ(14.4㌶)内のピノ・ノワールの単一区画(1.7㌶)名、畑全体は13区画に仕切られている。2002 年に有機農法とビオディナミ農法に切り替えたので、ビオディナミ農法歴10 年目と13 年目のワイン

乾燥した気候で、⽇照時間が⻑く、紫外線の強いNZでは、ぶどうは簡単に熟す。過去においてはぶどうを過熟させていたが、今ではぶどうの熟度への理解が深まり、ビオディナミ農法で、より早い段階での成熟が達成され、ワインにフィネスが備わる絶好のタイミングを的確に捉えるようになっている。
両ヴィンテージとも⾃然なスタイル。これまでの学習から、最近は隣接する他の⽣産者よりも早摘みを実施。それによりスムーズで穏やか、フィネスのあるワインに。

ビオディナミがワインに与える影響について
ブレア:有機でもビオディナミでもない畑を同時に所有しているわけでないので、よくわからないのですが、近隣の畑や他の⽣産者のワインと比較することで何が変わったか想像することはできます。最大の違いは、ぶどうが早く熟すようになってきたことです。ぶどうがしっかりとした⾵味を持ち、タンニンが熟すまで以前は⾟抱強く待たなければならなかったのですが、今ではピンポイントでワインを捉えることが可能になりました。それはフィネスであり、エレガンスであり、精密さであり、そして、ミネラルがワインにはっきりと表現されています。畑らしさをより忠実に反映させること、それらはNZのトップワインの多くから感じていただけるはずです。

クローンについて
ブレア:ピノ・ノワールのクローンは選択肢が多く、ピノ・ノワールに取り組んでいる畑では、少なくとも6~8種類のクローンを使っています。フェルトン・ロードは11 種類です。他のピノ・ノワール⽣産者も同じことを⾔うと思いますが、いずれも大事なクローンです。いずれ特定のクローンを強⼒に推薦するリーダーが出てきて、植え替えに優先的に使うべきクローンが出現するとは思いますが、それは⾃分の孫の時代の問題だと思っています。


第2フライトのワイン

(奥左から右へ/手前左から右へ)#7~#12

フロム
1992年設立、拠点はマールボロ。スイスのワイナリーの4代目ゲオルグ・フロムは家族旅行で訪れたNZに惹かれ、フロムを立ち上げ、単一畑のパイオニアに。NZのリーディング・ワイナリー、最も⻑い歴史を持つ⾼品質のピノ・ノワールの⽣産者

フロムの功績はマールボロでも⾼い品質のピノ・ノワールを造ることができることを他の⽣産者に示したこと。期待する結果を得るためにはピノ・ノワールを植える場所の選定と、栽培の質に充分な注意を払う必要がある。

テイスティング
#9:フロムPN フロム・ヴィンヤード2015(6,800円)/ #10:同PNクレイヴィン・ヴィンヤード2015(8,000円)
醸造家ハッチ・カルベラーがセレクトした2種。有機栽培の認証を受けた畑と適正な⼟壌で育つピノ・ノワールの栽培への取り組みを理解することができる。
当初、フロムはソーヴィニヨン・ブランを植えた同じ⼟壌でピノ・ノワールを栽培していた。ソーヴィニヨン・ブランはマールボロの平地の河床砂利層の⼟壌でよく育つが、ピノ・ノワールにはもっと粘⼟層が必要で、⾼品質なピノ・ノワールを造るには⾼密度の⼟壌が不可⽋だった。
#9はソーヴィニヨン・ブランの畑に囲まれたワイラウ・プレインズで、ピノ・ノワールでは考えられない場所に位置している。しかし、ワイラウ川は平野いっぱいに広がり、あちこちに移動してきたことで、平野には低地と⾼地があり、結果、畑がある場所はシストと沖積⼟壌、砂利や粘⼟等が豊かで、ピノ・ノワールに適したテロワールになっている。
#10は、サザン・ヴァレーズとして知られる丘陵地の斜⾯にあり、多くの⾕間が⼭々へと⼊り込み、その⼭腹の⼟壌は粘⼟質を多く含んでいる。現在、⾼品質のマールボロ・ピノ・ノワールの多くがこの⼭腹で造られている。

今⽇のワインを造った醸造家たちはすべて、ニュージーランドだけでなく、オレゴン、カリフォルニア、ブルゴーニュ、オーストラリア等、海外での醸造経験も豊富であり、そして今、⾃分たちの場所の気候⾵⼟にあうように微細な調整をしながらワインを造っている。より良いワインを⽣み出す魔法のテクニックというものは存在しない。The Family of Twelveは⾃分たちの畑にあう醸造⽅法を探究し続けるだけであり、10 年前、15 年前と今の違いは、その点のみ。

ペガサス・ベイ
1985年設立、拠点はワイパラ、クライスト・チャーチから約40km 北にあるエリアのパイオニアで、樹齢35 年の最古のぶどう樹の存在も。
ペガサス・ベイは“野生人”との異名がある醸造家のマシュー・ドナルドソン抜きには語れない。昔からワインは豊かで特徴あるワイパラの果実を表現していたが、違った言い方をするなら、繊細さに欠ける面があり、⼀昔前のNZのピノ・ノワールスタイルだった。加齢したマットが、以前より痩せて⽩髪が増えてきたのと同様に、彼が造るワインも変化してきた。醸造、特にピノ・ノワールへのアプローチで、強さだけでなく、今ではフィネスとエレガンスを追求しているように思える。

テイスティング
#11:ペガサス・ベイPN2015 (6,800円) / #12:同PN2013(6,800円)
ペガサス・ベイが多⽤する醸造テクニックのひとつに全房発酵の⽐率の⾼さがある。全房発酵はワインにストラクチャーとしっかりしたタンニンを加えると考える⼈もいるが、ペガサス・ベイでは、よりきめ細やかなタンニンやシルキーさが得られると考えている。ワイパラではかなり濃厚で、抽出もしっかりした、⼒強いスタイルのピノ・ノワールを造ることができるので、ぶどうを全房発酵で手なずけ、さらに柔らかさやエレガントさを追求することがペガサス・ベイにとってのおもしろい試みと言える。感受性、尊敬、⼿を加え過ぎないことは、マットだけではなく、我々メンバーにとっても、ピノ・ノワールを造る上での最近の決まり⽂句である。

全房発酵の比率について
ブレア:樹齢が⾼くなると梗の成熟も⾼まるので茎っぽさがなくなります。それにより、全房にしても味わいがワインに溶け込み、梗特有の草や野菜の⻘臭さの影響がワインに出ないのです。この⾵味が強すぎるのはワインにはマイナスだと思います。
フェルトン・ロードでは全房使⽤の率に⼤きな変動はありません。冷涼な年は全房からの野菜っぽさが多くなり過ぎ、暑い年は、果実が単純になり過ぎるのを危惧しているので、フェルトン・ロードでは常に使用率は20〜30%です。


試飲会場には12ワイナリーのワイン

ペガサス・ベイの『ベル・カント・ドライ・リースリング2014』、『アリア・レイト・ピックト・リースリング2014』、貴腐のほのかな甘やかさ、アロマチックでオイリー


ローソンズ・ドライ・ヒルズ パイオニア・ゲュルツトラミネール2015
ライチの香りが魅力的、程よい甘さが心地よく癒される味わい、入荷が楽しみ!


セミナーには登場しなかった6ワイナリー
ブレア:セミナーで紹介した6 ⽣産者の12 アイテムのピノ・ノワールはNZの中でも特別のワインであり、NZのワインすべてがこのような品質と価格ではありません。NZでワインが容易に熟すということは、中間から低価格帯ワインにとってはとても⼤事なことで、そのおかげでNZのワインは、世界市場でも競争⼒があると思っています。きれいで優しくスムーズな⼝当たり、それでいて凝縮感のあるデイリー・ワインを造るのには、ぶどうが熟す必要がありますが、例えばブルゴーニュなどでは、年によりぶどうの成熟が難しいこともあります。ですから、しっかり熟した果実が収穫できるということは、とても恵まれたことです。

ローソンズ・ドライ・ヒルズ
クメウ・リヴァー
ヴィラマリア
ミルトン・ヴィンヤーズ
パリサー・エステート
ローソンズ・ドライヒルズ
紹介できなかったワイナリーは輸入元のサイトにリンクしてあります。
NZファインワインへの関心を深めていただけましたら幸いです。


最後に

ヴィレッジ・セラーズのリチャード・コーエン社長と中村芳子専務を交えた4ショット

セミナーの終盤、ブレアさんは「ファミリー・オブ・12のセミナー開催にあたり、他のインポーターとコミュ二ケーションを取り、ワインを調達し、セミナーの資料の翻訳をしてくれたヴィレッジ・セラーズのチームの皆さんにお礼申し上げます」と述べていました。

セミナー用のピノ・ノワールだけでなく、試飲会場に用意されていた12ワイナリーの様々な品種のワイン調達のために時間を割いてくださったコーエン社長と中村専務のサポート、素晴らしいものでした。また今回のこのリポートも、中村専務の英日対訳に大いに助けられました。心から御礼申しあげます!

初開催のセミナーで講師を務めてくださったブレアさんとトッドさん、ありがとうございました!
第1部&第2部はThe Family of Twelve に報告する予定ですが、メンバーの皆さまに日本でのNZワインの浸透度がお伝えできれば嬉しいです。
The Family of Twelveの今後ますますの躍進を願っています!

■関連ページ
NZの『フェルトン・ロード』&『ノイドルフ』両醸造家によるランチセミナー
http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2017-07-02


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<第1部> 日本初開催のニュージーランド “The Family of Twelve” セミナー  [来日したワイン生産者&関係者]

ファミリー・オブ・12をご紹介

The Family of Twelve (以後ファミリー・オブ・12)は2005年に、ニュージーランド(NZ)南北にまたがる8 つの産地の家族経営の12 ワイナリーによって結成されたグループです。NZの主要産地を代表するワイナリーが協⼒し合い、プレゼンテーション、プロモーション、マーケティングを⾏いながら、各産地を代表するNZのファインワインを世界に紹介しています。

2012年の香港インターナショナルW&Sフェアで

photo by Fumiko (2012年11月)
私が初めてをファミりー・オブ・12を知ったのは香港インターナショナルW&Sフェアのセミナーでした。(左から)フェルトン・ロードのナイジェルさん、フロム・ワイナリーのウイリアムさん、ヴィラ・マリア・ワイナリーのシャルロットさん、ノーチラス・エステートのクライヴさん&ペガサス・ベイ・ワイナリーのポール・ドナルドソンさんが講師でした。


あれから5年!
東京で日本初のセミナーが開かれ、フェルトン・ロードのブレア・ウォルターさん(左)とノイドルフのトッド・スティーヴンスさん(右)が講師として来日、6ワイナリーのピノ・ノワールを紹介しました。

ブレアさんは冒頭、「グループはかなり⾃然に結成されました。どのワイナリーもニュージーランド最⾼のワインを造ろうという使命感が強く、メンバーはグループ結成前からの友⼈でした。NZのワインの歴史はまだ浅いので、我々は全速⼒で学習し、良いワイン造りをしていくために、競争ではなく、協⼒しながら前進しています」と挨拶。

ニュージーランドの地図
セミナーで取り上げたワイナリーには赤印
(クリックで拡大)

























NZにおけるピノ・ノワール

ピノ・ノワールはNZのどの産地でも栽培されています。
多くは南島、特に国内最⼤の産地マルボローに植えられており、スティルワインだけでなく、スパークリングにも使われています。栽培面積で群を抜いているのは、ソーヴィニヨン・ブランで、2番目がピノ・ノワール。過去7年間で輸出量は2倍。⽣産量は⾚ワイン全体の7割を占め、この15 年で栽培⾯積も2倍に拡大。63%は樹齢15 年以下ですが、セミナーに供出されたワインには20 年から30 年以上のものもあり、樹齢としてはNZで最も古いピノ・ノワールと言えます。

第1フライトはアタ・ランギ、クラギー・レンジ&ノイドルフ

気取りのない講師ブレアさんとトッドさん


左から順に各2本ずつ供出#1~#12

アタ・ランギ
1980年設立、拠点はマーティンボロー(マオリ語で“新しいはじまり”の意)、所有者はクライヴ&アリソン・ペイトン、フィル・パティ

北島に位置するマーティンボローは、気候的には南島に似ていて、⽇中は高温、夜間は急激に温度が下がる。乾燥した気候なので病害リスクも少ない。カイクラ(南島カンタベリー地区北東部、東海岸に面した半島)で跳ね返ってマーティンボローを直撃する南極からの冷たい南⾵サザリーズの影響を受ける産地なので、NZの栽培地の中では最も⾵が強く、結果、収穫は⾮常に少ない。⼟壌は主に古代河川の洪⽔と氷河によって形成された沖積砂利質層、地域全域では多様な⼟壌構成が散見できる。

テイスティング
醸造家ヘレン・マスターズがセレクトした良年の2013 年ヴィンテージ
#1:アタ・ランギPN2013 / #2:同マクローン・ヴィンヤードPN2013
#1は樹齢20~25 年。畑は排⽔性に優れており、800m 離れたところにある#2も土壌は#1と同じ沖積砂利層、そこに若干の含水粘⼟層が加わる。#2は樹齢13 年の若い畑だが、古いアタ・ランギの畑を念頭に置き、植樹・育成しているので、クローンの選択・組み合わせは2つのワインともほぼ同じ。「ノン・インターヴェンショナリスト(⼈的無介⼊主義)」と形容できる伝統的醸造法。#2には粘⼟質に由来するフレッシュ感、密度の⾼さ。

今後の課題:最⾼のワインを造ることを目標に、樹齢および単⼀畑にフォーカス。醸造家ヘレンは「アタ・ランギの樹齢の⾼い樹は酸がより安定している」との考えなので、樹齢への期待度大。

クラギー・レンジ
1997年設立、本拠地はホークス・ベイ。最⾼の場所からワインを造るという理念から、ピノ・ノワールとソーヴィニヨン・ブランに関してはマーティンボローのテ・ムナ(マオリ語で“秘密”、“特別な場所”の意)・ロードが拠点。ピーボディ・ファミリーとスティーブ・スミスによって設立されたワイナリー。
ぶどう畑は地震によって河床の上層に⼟が移動して形成されたテラス。畑の⼀部は緩やかに傾斜しているテラスなので、結果、収量は通常より少なめ。土壌は、茶褐⾊のローム層が河床の上層を覆い、河床には砂岩が堆積、⽕⼭灰や粘⼟がゆっくりと崩壊したユニークなもの。アタ・ランギとテ・ムナの間にある唯⼀の気候の違いは、テ・ムナの⽅が少し⾼台なので、若干冷涼。

テイスティング
#3:クラギー・レンジ・アロハPN2015 / #4:同2014
日本未発売のアイテム。ヴィンテージは2014 年と2015 年、最⾼の区画のぶどうから造られるクラギー・レンジのトップ・キュヴェのアロハ(マオリ語で“愛”の意)
醸造家はマット・スタフォード。樹齢が若かったこともあり、数年前まではぶどうをしっかりと熟させ、樹齢の若いぶどうの果実味を樽の⾵味を効かせることで、テ・ムナ・ロードらしさを表現しようとしていたが、今では畑への理解度も深まり、ぶどうの適熟に加えて、ヴィンテージによる違い、特に難しい年や暑い年への対応を深めた。全房発酵でワインにフレッシュさを。抽出を抑えることでワインにエレガントさが加わるようになった。

今後の課題:クラギー・レンジの畑は100㌶ を超え、うち、17年前に植樹したピノ・ノワールは36%を占める。残りの多くはソーヴィニヨン・ブラン。品質向上の次なる展開は有機栽培への取り組み。

ノイドルフ
1978年設立、拠点はネルソン地⽅のアッパー・ムーテリー(マオリ語で“浮かんだ地”、“浮遊した島”の意)、所有者はティム&ジュディ・フィン。 NZでファインワインを造るというヴィジョンを掲げてスタート。
最も⽇照量に恵まれた場所で、夏は穏やか、暑過ぎない気候。南島の他の産地に比べて、より温暖な気候帯にある栽培地域。⼟壌は粘⼟砂利層。陥没によって生じた窪みに、⻑年にわたる氷河や沖積河川による粘⼟と砂利が被さり形成された。砂利層の肥沃度は低いが、保⽔性に⾮常に優れているので、灌漑をしなくてもぶどう栽培は可能。

テイスティング
#5:ノイドルフ・ムーテリーPN2014 / #6:同2012
#5は穏やかで暖かく、#6は冷涼年で低収量。2012 年はムーテリー地区の古樹のぶどうがベースで30年超の樹も。樹齢の⾼さはワインに緻密さや凝縮感を与えるだけでなく、ムーテリーの筋⾁質的な特徴も表現していることが理解できる。ワインはアッパー・ムーテリーの2つの畑で栽培されたぶどうをブレンド。ひとつの畑はノイドルフ所有でも有機栽培でもない。

今後の課題:2014年以降の目標として、■よりエレガントな表現 ■⾃社畑のぶどう ■可能な限り有機栽培を導入。これら3点は、今後のノイドルフの⼀層の進展にとって何よりも大事なポイント。

トッド・スティーヴンス:以前から抽出は控えめにして、バランスのよいタンニンを大事しています。醸造においても、テクニカルなことより基本的信念を優先しています。40 年を超えた今も、畑を広げ、アタ・ランギ同様、樹齢が⾼まるのを待ち、より良いクローンの選択、有機栽培を導⼊し、⾃分たちの⼟地を⼤切にすることを考えています。あまり⼿を加え過ぎないことを良しとしています。

樹齢の高いぶどう樹は皆が欲するものですが、ある意味捉えどころがなく、樹齢が⾼いから良いワインができるというわけではありません。他にも多くの要素があります。アッパー・ムーテリーの古い樹は昔のクローン・セレクションから選んでいるので、⾃分たちの気候に向いていないかもしれません。樹齢を犠牲にするのは残念ですが、⻑い⽬で⾒ると、この⼟地にあったクローン・セレクションにしたほうが良いと言えます。まだ38年しか経っていませんが、その間でやっとわかってきた⼀例です。NZは南北に⻑く、マーティンボローで良年と言われる年がネルソンでも同じように良いとは限りません。と⾔いながら、ここで付け加えたいのは、NZのヴィンテージに関しては「良い」、「悪い」ではなく、あるのは「年による違い」です。

第2フライトはフェルトン・ロード、フロム&ペガサス・ベイにフォーカスしました。
講師のブレアさんとトッドさんがとても熱く語ってくださったので、予想以上の長さに! 
第2フライト以降は、次回<第2部>でリポートいたします。

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注目! オレゴンでマスター・ソムリエのラリー・ストーン × ドミニク・ラフォンが新コラボ [来日したワイン生産者&関係者]

2016年にワイナリーも完成した『リングア・フランカ』
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輸入元ワイン・イン・スタイルの招聘で来日したラリー・ストーンMSがリリースされたばかりのワインを披露。会場はリッツ・カールトン東京の『ひのきざか』

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ラリー・ストーンさんは世界に236人(2017年現在)しかいないソムリエ界最高の称号マスター・ソムリエMSの所持者。『リングア・フランカ』はブルゴーニュの奇才『コント・ラフォン』の四代目ドミニク・ラフォンさんとのコラボレーションで誕生したワイナリーです!

ネーミングの由来はフランク王国ですが、現在は〝共通語〟としての意味で使われています。異なる文化や経歴を持つワインラバーさんにワインを通しての喜びや感動を共有して欲しいとの思いを込めて付けられました。

ブルゴーニュをイメージして造っているワイン
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左から供出順
#1:AVNI Chardonny Willamette Valley2015/6,900円(税別)
#2:Sisters Chardonnay Willamette Valley2015/14,500円(税別)
#3:Avini Pinot NoirEola-Amity Hills2015/6,900円(同)
#4:Joshua, Junichi& Siri Pinot Noir Ribbon Ridge2015/7,900円(同)
#5:Tongue's Cheek Pinot Noir Eola-Amity Hills2015/9,600円(同)
#6:Ryan's Plow Pinot Noir Willamette Valley2015/9,600円(同)
#7:Mimi's Mind Pinot NoirEola-Amity Hills2015/14,500円(同)

リングア・フランカ立ち上げまでの動き
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画像の3人は左から)ラリー・ストーンMS、ブルゴーニュ出身のコンサルタント ドミニク・ラフォンさん、ワインメーカーのトーマス・サーヴさん。トーマスさんはイヴニング・ランドやドメーヌ・デジャック、DRCで栽培やセラーの仕事に携わっていました。

ラリーさんとドミニクさんとの関わりはオレゴンの『イヴニング・ランド・ヴィンヤーズ』からです。
ラリーさんには20年前からオレゴン構想がありました。
サンフランシスコにあるルビコンのレストランでソムリエをしていた時に、お店に来てはルロワやジャイエのワインを注文する大顧客がいました。ラリーさんはフランスワインだけでなく、カリフォルニアやオレゴンのワインに興味を持ってもらおうと画策したようです。そんな折、大顧客から「フランス以外で優れたシャルドネやピノが造れる場所は」と聞かれ、彼は「サンタ・リタ・ヒルズかソノマコーストかオレゴン」と答えます。

その大顧客はハリウッド映画のプロデューサー、マーク・ターロフさんだったのですが、最終的にターロフさんはオレゴンの銘醸地ウイラメット・ヴァレーのエオラ・アミティ・ヒルズに土地を買い、『イヴニング・ランド・ヴィンヤーズ』を設立。ラリーさんがオレゴンで最高と思っていたぶどう畑『セヴン・スプリングス』も手に入れ、ラリーさんはこのワイナリーのプロジェクトメンバーとして活躍します。ここにはブルゴーニュのドミニク・ラフォンもコンサルタントとして加わり、最強のチームになりました。

そして、ワイナリーを立ち上げる夢を抱いていたラリーさんは、2010年から2年間画策し、エオラ・アミティ・ヒルズのセヴン・スプリングスの前にある畑を手に入れ、2013年にぶどう樹を植樹、2016年には建築家ローレンス・フェーラーがデザインした待望の新ワイナリーが完成。この『リングア・フランカ』はマスター・ソムリエのラリー・ストーンさんとドミニク・ラファンさんががっつり組んだ新コラボレーションです!

余談ですが、現在、おふたりとも『イヴニング・ランド・ヴィンヤーズ』からは離れています。ここを仕切っているのはラリーさんの弟子にあたるラジャ・パーさん(IPOBの創設者)だそうです。

ジョリとネカイアの土壌

ラリーさんが強調していたのはJoryジョリとNekiaネカイアの土壌。ともに風化した赤みを帯びた玄武岩で、前者は表土が深く、後者は表土が浅く、砂利質が多い土壌。ストレスを受けて育つシャルドネはネカイアに向いていて、イヴニング・ランド・ヴィンヤーズで造った最高のシャルドネもネカイア土壌でした。


緯度45度の共通項
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資料提供:リングア・フランカ
「オレゴンのウイラット・ヴァレーのなかにあるエオラ・アミティ・ヒルズはフランスならローヌ地方のエルミタージュと同じ緯度です。ワイン栽培において日照量はとても大事ですが、これは長くても短か過ぎてもダメ。その意味から日照時間と日照量が最適と言えるのが45度のエリアです。太陽の光はぶどうのフレーバーを豊かにします」とラリーさん。
オレゴンは大気を通してぶどう畑に優しい光が注がれます。それは例えて言えば、給水ホースから水を撒く時に、勢い良く出るのがカリフォルニアで、ミストのように柔らかいのがオレゴンと表現していました。

宇宙をイメージしたラベル
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AVNIシリーズのラベルは宇宙を表現した作品で、作者は版画家のタルマッジ・ドイル女史
これは〝Soil & Sun〟を意味しています。

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先附け:春キャベツ 桜海老煮浸し、鱒利休揚げ 甘長唐辛子
  
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AVNIはラリーさんのお名前“ストーン”の意味ですが、サンスクリット語でマザーアース、母なる大地。ラベルの作者はタルマッジ・ドイル女史


(左から)#3#4

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お椀:相並葛叩き 蕨 花弁人参 大根 木の芽
ラリーさんを満足させていたのが、お椀の出汁。昆布由来の塩分がピノの旨味とナイスハーモニー

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お造り:鮮魚三種

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鮪の脂分をピノが洗い流してくれる感じ、山葵を少し使ってあわせてバランス〇

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焼き物:京鰆の酒盗焼き 焼き空豆 近江蒟蒻、 南京カステラ 葉地神

#4から#7のラべルは世界的なガラス作家デイル・チフリーさんが描いています。
自動車事故で左目を失明してしまったチフリーさんは現在ガラス作品を自分で造ることができないので、下絵を描いて、それを配下の者に委ねて完成させているそうです。リングア・フランカのラベルはチフリーさんの下絵を使っています。彼の作品はサイトで見ることができますが、どれも素晴らしいです!

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#5のタングン・チーク ピノ・ノワールの旨味、厚味、複雑味

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温物:春野菜 白魚 小鍋仕立て、筍 若芽 新牛蒡 独活 芹 黒七味


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酢の物:蛍烏賊 帆立貝焼き目 寄せ若芽 酢蓮根、うるい 柚子胡椒酢味噌

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参加者全員が納得したのは、蛍烏賊とあわせても生臭さが出ることなく、魚介にうまく寄り添っていたピノの味わい。ラリーさんは「酢の物はワインに合わない」とおっしゃっていましたが、シャルドネ&ピノの品の良い酸が、酢の物の強すぎない酸とバランス〇

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食事:桜蕎麦、山菜天麩羅 蕗の薹 たらの芽 こしあぶら、大根おろし 葱
桜湯を連想させるような、桜の香りほんのりのおそば
視覚と香りで風流を楽しむ一品。天麩羅の汁(醤油と出汁の風味)、蕗の薹やたらの芽のかすかな苦みがワインのロースト感、スパイシーさと相まって

エピローグ
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その昔、ジャンシス・ロビンソンMWのワイン番組(BBC)をまとめたビデオに、ドミニク・ラフォンさんのメゾンを訪ねるシーンがありました。英国で人気の豪州産シャルドネを持参して、ドミニクさんに試飲してもらう構成でしたが、反応は、けんもほろろ。コメントもなく、吐き出しもメゾンの外で行うという具合でした。
あれから20年以上経過して・・・ブルゴーニュ至上主義のドミニクさんが、新天地オレゴンに食指を動かしたことが大きな驚きです。それだけにラリーさんとドミニクさんのコラボワインは本当に期待できます!

ラリーさんは「どれをとってもオレゴンワインですが、ブルゴーニュをイメージして造っているワインです」と語っていました。2015年ヴィンテージはすべて買いぶどうで造りましたが、ミネラル感があり、エレガント。2013年には自社畑28㌶に植樹したので、2016年産のワインには自社畑の若樹も少しだけ使うことも考えているようです。
ブルゴーニュの名醸造家たちの進出が続いているオレゴン、その動きから目が離せません!

リングア・フランカのワインについてのお問い合わせは
ワイン・イン・スタイル ℡03-5212-2271


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来日したルイ・ジャドのガジェ社長が『コトー・ブルギニョン・ロゼ』&新天地オレゴンの『レゾナンス』を紹介! [来日したワイン生産者&関係者]

ピエール・アンリ ガジェ社長をワクワクさせた新プロジェクト
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ブルゴーニュの名門『ルイ・ジャド』のガジェ社長が2年半ぶりに来日し、プレスランチで、5月発売の2アイテムとブルゴーニュの最新情報について語りました。
最近ではオレゴンを年に3~4回訪問しているのですが、その理由は、昨年同社のオリビエ・マスモンデ輸出部長が発表したオレゴンワイン『レゾナンス』にありました。ワイン誕生の経緯は昨年の2月18日付ブログで報告しています。

ガジェ社長からの新情報
まずは、ニューフェイス『コトー・ブルギニョン・ロゼ』から始めます!
新アイテム『コトー・ブルギニョン・ロゼ2016』 5月9日新発売/ 2,500円(税抜)


ルイ・ジャドでは2012年(2011年ヴィンテージ)からコトー・ブルギニョンの赤と白を発売しています。これらは定番のアイテムとして人気があります。ロゼの品種に関しては、後述の定義にあるようにガメとピノ・ノワールが使えます。同社では、1985年に買収したドメーヌ・クレール・ダユのロゼ・ド・マルサネ(ピノ・ノワール主体)を造っているので、5月9日に新発売するコトー・ブルギニョンのロゼは、それとは違ったスタイルにしています。ひと言で表現するなら〝早いうちから飲めるガメ主体の辛口ロゼ〟短期間のマセレーションによってガメはフルーティかつ美味しいワインになります。

買付ぶどうから造るロゼは2016年がファーストヴィンテージ
ピュアでフレッシュ、「びりびりとしたバイブレーションを感じる、夏に心地良く飲めるワイン。フェミニンなタイプなので、1杯飲んだら、ついつい2杯目に手が伸びてしまうはず」とガジェ社長。加えて「ブルゴーニュは伝統的な面が多いので、それを打ち破って新たなものを興すのは大変ですが、このようにモダンで新しい息吹を感じるようなワインを登場させることで、地域を若返らせることができると思っています」とコメント。輸出相手国の米国、日本と欧州のいくつかの国々で発売予定

AOCコトー・ブルギニョンの定義
INAO(国立原産地・品質研究所)によって2011年11月24日に認定されたAOCワイン、2011年ヴィンテージから適用。AOCブルゴーニュ・グラン・オルディネールに代わるもので、AOCコトー・ブルギニョンはオーセロワからボージョレまでのブルゴーニュ全域のぶどうで造ることが可能、複数品種のブレンドが認められ、ブレンド比率の規定はない。
色:赤・白・ロゼ
品種:
白)Aligote, Chardonnay, Melon, Pinot Blanc,Pinot Gris
赤)Gamay, Pinot Noir, Cesar(ヨンヌ県のみ)
ロゼ)Gamay, Pinot Gris, Pinot Noir,Cesar(ヨンヌ県のみ)


オレゴンで造るレゾナンス


ブルゴーニュに特化していたルイ・ジャドが海外進出した新天地はオレゴン
ガジェ社長は「ブルゴーニュでは限界があるので、何か新しいこと&現代的なこと、情熱を傾けることはないかを考えていた時、オレゴンでのワイン造りが実現することに。弊社はガメ、ピノ・ノワール、シャルドネのスペシャリストであり、ガメはボージョレ地区なので、ピノ・ノワールとシャルドネがとても大事です。そして、この2品種にフーカスして世界全体を見回すと、素晴らしい生産地として挙げられるのは、ニュージーランド、米国のカリフォルニアとオレゴンの3ヶ所」と述べました。

2013年からの新プロジェクト
ルイ・ジャドにとって極めて大事なプロジェクトがオレゴンにおけるレゾナンスです。
2012年にルイ・ジャドの天才醸造家ジャック・ラルディエールさんが定年退職しましたが、ガジェ社長はまだエネルギーが残っているラルディエールさんのために何かを見つける必要があると考えていました。折しもガジェ社長のご子息チボーさんが入社してきたことで、1組のチームが完成。そして2013年にチャンス到来。友人からオレゴンに8㌶の畑があるとの連絡が入り、現地に向かいました。そこは1981年からぶどう樹が植樹されている自根の畑で、栽培はビオディナミと有機栽培。地元のワインメーカーの間では良く知られていた畑でした。

ルイ・ジャドは購入を決め、2013年8月に契約。翌月9月からチボーさんが総括となり、ラルディエールさんとワイン造りを開始。醸造所がないのでフレンドリーなオレゴンの生産者から施設を借り、3年間そのような状態で活動してきました。

ネーミング&ぶどう畑
ワインは昔から畑につけられていた呼称『レゾナンス』から命名。レゾナンスの畑を購入して6カ月後に2つ目の畑(6㌶)を購入。これはダンディ・ヒルズにあり、découverteデクーヴェルト(発見の意味)ヴィンヤードと命名、2015年から生産しています。そして、3つ目としてレゾナンスに隣接する畑(100㌶)を購入。 100㌶の畑のうち、半分はぶどう畑にして、ピノ・ノワール主体でシャルドネを少々植樹。ワイナリー建設も視野に入れています。レゾナンスではすでにシャルドネのトライヤルを行っており、買付ぶどうで2015年に3樽、2016年に7樽を生産。「非常に興味深いものができているので、将来的には展開する予定。ただ、比率はピノ・ノワール8割、シャルドネ2割」とガジェ社長

ピノ・ノワールは3つのレンジで構成
ブルゴーニュのヴィジョンを持って、オレゴンのおいしいワインを造る
1)単一畑のワイン/自社畑レゾナンス・ヴィンヤードと自社畑デクーヴェルト・ヴィンヤード
2)自社畑のワイン/ウイラメット・ヴァレー ピノ・ノワール(2015年ヴィンテージからリリース予定
3)買付ぶどうのワイン/ウイラメット・ヴァレーピノ・ノワール

ドメーヌ J.A. フェレ

「首掛けシールが貼ってあるのはキュヴェ・オール・クラッセかテート・ド・クリュ」とガジェ社長

1840年に設立したドメーヌ J.A. フェレ(18㌶)。2008年からルイ・ジャドが運営。フェレは初代女性当主が自らのワインを最初に瓶詰めしてリリースしたドメーヌであり、ワインをカテゴリー別に区分するというコンセプトも導入。キュヴェ・オール・クラッセ(グラン・クリュに匹敵)、テート・ド・クリュ(プルミエ・クリュに匹敵)、プイイ・フュイッセ(村名クラスに匹敵)の3区分。フェレは代代女性当主だったことから、ルイ・ジャドも女性醸造家のオドレ・ブラチーニさんを指名、一任しています。


プレスランチに供出されたワイン

(供出順、右から)
#1:コトー・ブルギニョン・ロゼ2016 2,500円(税抜)
淡いサーモンピンク、フレッシュ&フルーティ、香りはベリー系果実、味わいは柑橘系果実、凛とした酸
#2:レゾナンス・ヴィンヤード ピノ・ノワール2014 8,800円(税抜) 5月15日発売!
明るいルビー、赤系果実、ミネラル、スパイス、滑らかなタンニン、旨味、深みのある余韻、ポテンシャルあり
#3:シャブリ・プルミエ・クリュ フルショーム2013 6,400円(税抜)
輝きのある黄金色、豊潤、口中まろやか、柔らかな熟成感、包容力。今飲んでおいしいワイン
#4:プイイ・フュイッセ メネトリエール2013 8,500円(税抜)
黄金色、黄桃、カリン、蜂蜜、ミネラル、酸味は穏やかでエレガント、フードフレンドリーなアイテム
#5コルトン グラン・クリュ2008 14,000円(税抜)
ルビーオレンジ、果実の旨味、アーシー、葉巻、酸はソフトでタンニンスムーズ、単独で飲んで美味!


ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町『蒼天』の和食にあわせて
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前菜 海月芥子マヨネーズ和え 貝割菜 ポテトサラダ、芹と黄ニラお浸し ズワイ蟹 糸がき、蛍烏賊とカマンベールチーズのフライ グラナ・パダーノ
お浸しやズワイ蟹はロゼ、マヨネーズ和えやカマンべールのフライはレゾナンス


吸物 桜豆腐オニオンスープ 菜の花 白魚 繊人参 サラダクルトン
オニオンスープとレゾナンス双方の旨味が好印象


お造り 甘鯛胡麻マリネとお造り盛り合わせ、妻野菜 山葵 醤油
白身はシャブリやプイイ・フュイッセ、まぐろ(わさび添え)はレゾナンスとあわせて

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煮物 甘鯛唐墨焼き蕪蒸し 柚子味噌餡掛け
プイイ・フュイッセの複雑味と上品な甘味が味噌の餡かけや柚子の風味と◎

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焼物 栄縲プロヴァンスバター焼、甘鯛塩焼 敷トマト 鱈子ソース
レゾナンスがバターや塩と相乗して美味


天麩羅 蕗のとう 目鯒 天出汁 岩塩
シャブリは岩塩、コルトンは天出汁でバランス良好、食材では蕗のとうの苦みとロゼの相性◎

食事 桜海老と竹の子炊き込みご飯 大江戸甘味噌汁 香の物
桜海老の甘さとプイイ・フュイッセの柔らかな口当たりとミネラル感がナイスバランス

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photo by Kozaki
天豆と花巻(次の取材のため出なければならず・・・食せず・涙


最近の話題、懸念事項
■ユネスコの世界遺産に登録されたことは大きな話題。
■素晴らしいヴィンテージが続いているが、近年気象状況が悪く、収穫量減で価格上昇。
■今の時期に好天が続くと霜が発生する恐れがあり、不安要素になっている。
■若い世代の活躍は目覚ましく、海外に出て醸造を学んできた若者が新しいアイデアを提供。
■ブルゴーニュからオレゴンに進出するドメーヌが増大傾向。
ドルーアンは先駆け、ルイ・ミシェル・リジェ・ベレールやドミニク・ラフォンはコンサルタント的役割、ジャン・ニコラ・メオ・カミュゼはアメリカのパートナーとコラボ、直近ではアンリオ(ブシャールP&F)がボー・フレールの株を取得


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最後にボージョレ
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今年の2月、ルイ・ジャドが所有するボージョレ地方のシャトー・デ・ジャックにフォーカスしたイベントを行いました。日本ではボージョレと言うと、ヌーヴォーばかりがイメージされてしまうのですが、ボージョレの品種ガメの底力、実力を知るには、クリュ・ボージョレを体感するのが一番です!

イベントは日比谷・松本楼で開催しました。ガジェ社長からの多大なサポートをいただき、蔵出しの20年以上熟成させたワインたちも登場したので、テイスティングした参加者からはたくさんの賛辞を頂戴しました。

ボジョレーの本質はクリュ・ボージョレ!
2月23日のクリュ・ボージョレイベントより

4月19日のプレスランチの席上、ガジェ社長は「日本でもっとクリュ・ボージョレの良さを知って欲しいし、もっと飲まれるようになって欲しい」と語っていました。私も2月のイベントを思い返しながら、シェア2%しかないクリュ・ボージョレの伝道に力を入れねば、と気持ちを新たにしたところです。この機会にワインラバーの皆さまに、シャトー・デ・ジャックの『ムーラン・ナ・ヴァン』や『モルゴン』に関心を持っていただると嬉しいです。

シャトー・デ・ジャックについては日本リカーのURLで!
ブログ内の製品についてのお問い合わせは日本リカー(株) ℡03-5643-9770

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来日したピエール・リュルトンが語ったシャトー・シュヴァル・ブラン&シャトー・ディケム [来日したワイン生産者&関係者]

ワイン愛好家垂涎のシャトー・シュヴァル・ブラン
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2011年、建築家クリスチャン・ド・ポルザンパルクがデザインした新施設が完成!

サンテミリオンのスーパースター、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセAのシュヴァル・ブランは1998年にLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)のベルナール・アルノーCEOとアルベール・フレール男爵によって買収されましたが、1991年から支配人をしていたピエール・リュルトン氏が継続して活躍しています。1855年の格付けでプルミエ・クリュ・クラッセ・スペリウールを取得した甘口白ワインの最高峰『シャトー・ディケム』も、LVMHが1999年に筆頭株主となり、リュルトン氏はここでも社長兼CEOとして才覚を発揮しています。プレスランチの席上、来日したリュルトン氏は「シュヴァル・ブランでの仕事に関わってすでに26年、イケムに関しては12年間責任者として働いてきました」とあいさつしていました。

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ルモワンヌ マーケティング&コマーシャルディレクター、リュルトン氏、フェーブル社長

輸入元ピ-ロート・ジャパン(代表:ローラン・フェーブル氏)の招聘でピエール・リュルトン氏(シャトー・シュヴァル・ブラン マネージャー/シャトー・ディケム 社長兼CEO)とシャトー・ディケム マーケティング&コマーシャルディレクターのジャン・フィリップ・ルモワンヌ氏が来日。ピーロートのアンテナショップ『ワールドワインバーbyピーロート神楽坂店』でワイン愛好家垂涎のワインについて語りました。


プレスランチのスタートはイグレック2015
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イグレックはイケムが造る辛口ワインで、1959年から生産されています!

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北海道産ホタテ貝のカルパッチョ × イグレック2015
魚介類のミネラル感はもちろん、塩漬けした葉のソルティさとソースの甘さがワインの辛味、甘味、酸味を引き立てイグレックの複雑さを実感。包容力のあるヴィンテージ!

ソーヴィニヨン・ブラン主体でセミヨンが少々(貴腐ぶどう使用)、白桃やアプリコット、蜜のあるリンゴ、カモミール、フレッシュで軽快な酸が糖分をマスキングして程よいバランスに。年間1万本の希少ワイン。2015年は赤も白も甘口もすべてパーフェクトなコンディションでした。

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シャトー・ディケムはソーテルヌで400年の歴史を有し、アメリカのトーマス・ジェファーソンやロシアのロマノフ王朝、日本の明治天皇からも愛されていたワインです。ぶどう畑は100㌶、栽培比率は80%セミヨン、20%ソーヴィニヨン・ブラン。秋口になると朝方濃い霧が立ちこめ、ぶどう畑に湿気をもたらしますが、東からの風が吹き込むことで、ぶどうは乾燥し、ボトリティス・シネレア菌による貴腐化が起こります。この独自のミクロクリマによって果汁と糖分が凝縮し、比類なき貴腐ぶどうが収穫できます。

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フォアグラと鴨肉のパテ × シャトー・ディケム2014
フォアグラとソーテルヌの定番の組み合わせ
フォアグラの滑らかさと脂分がワインのオイリーさと相乗しとろける食感

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シャトー・ディケム2014 はフレッシュで酸味と糖分のバランスが絶妙
甘口ワインは酸味を残すことがとても大事。2014年は冷涼年だったので、十分な酸を備えたセミヨンが収穫できたそうです。収穫の開始は9月5日、終了は10月末で正味9週間かけています。イケムではぶどうの状態を見ながら、数回にわけて収穫していますが、隣のシャトーは、イケムの2回目の収穫時からスタートしたとのことなので、2014年がいかに早摘みだったかがわかります。9週間あまりを費やしたことで、9月時のフレッシュさと10月時の複雑さを兼ね備えたぶどうが穫れ、エレガントかつ力強さのあるワインに。若いうちから楽しむことができ、熟成にも耐えうるヴィンテージ。アペリティフでは冷たくして飲むのがおすすめです!


時を超えてメルロを招いたシュヴァル・ブラン
ぶどう畑は40㌶、栽培比率はカベルネ・フラン60%、メルロ40%。サンテミリオンの格付けでオーゾンヌと双璧のシュヴァル・ブランはシャトー・ペトリュスのあるポムロールに隣接。リュルトン氏は「カベルネ・フランが時を超えてメルローを招いた」と形容し、「シルクのような滑らかなタンニン。カシミアタッチで時を超えて長く続くエレガントさが特徴」とコメント

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(左から)プティ・シュヴァル2011、シュヴァル・ブラン2011、同2006

プティ・シュヴァルはシュヴァル・ブランのセカンド・ワイン
「セカンドですが、ひとつの銘柄と考えています」とリュルトン氏。語られることが多い2009年や2010年と比べると、やや陰に隠れた存在の2011年。リュルトン氏のお気に入りのヴィンテージということで、「洗練されています。深い色調、フレッシュで、赤系果実の要素を備えており、バランスが良く、樽の香りもワインにうまく溶け込んでいます」と。

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シュヴァル・ブラン2011はプティ・シュヴァルより色調も濃く、ブルーベリー、カシスやミント(完熟したカベルネ・フランの特徴香)、コーヒー、西洋スギ、焙煎香があり、若いうちから飲みやすく、長期熟成にも耐えるヴィンテージ。エレガントさと複雑味を併せ持つシュヴァル・ブランの特徴が出ているワイン

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シュヴァル・ブラン2006は評価が高い2000年や並外れた出来と言われている2005年のようなエキゾチックなタイプでなく、古典的なタイプ。香りは開いていて、黒系果実や甘草、滑らかでシルクのようなテクスチュア、長い余韻

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牛フィレ肉のロースト 赤ワインソース × 3アイテム
プティ・シュヴァル2011は若さがあり、素直に飲みやすいワイン。グラスワインとしても楽しめます。シュヴァル・ブラン2011は黒コショウ(スパイス類)より赤ワインソースのほうが馴染みが良くすんなり。シュヴァル・ブラン2006は酒質の柔らかさ、上品な酸、熟成状態が良好でフードフレンドリー、お肉との相性◎。グラスの減りが一番早かった2006年、今飲んでおいしいワイン!

シャトー・デイケム1987年はマグナムで
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マンゴーパンナコッタ ~フレッシュマンゴーのナリネとマンゴーのシャーべット~
美味でした。もう少し“酸”の要素が加わっていれば、ワインとの相性もより完璧になったのでは・・・

神の甘露シャトー・ディケムはぶどう樹1本からグラス1杯しか穫れない極上甘口ワイン
1987年は雨が多い年だったので、収穫についてかなり心配したそうですが、滞りなく進んだ由。ワインは黄金色に輝き、香りはアプリコットのコンフィや蜂蜜、クリームブリュレ、ジンジャー、古いイケムの特徴香であるサフラン。残糖は100g、甘さの裏に隠れた上品な酸の効果がべたつきを感じさせない味わいに。冷やしすぎないで飲みたいワイン

欠番ヴィンテージは
降雨量が多かった2012年は生産していません(イグレック2012は生産)。20世紀の欠番は1992年、1974年、1972年、1964年、1952年、1951年、1930年、1915年、1910年の9ヴィンテージですね。

贅沢な1時間のプレスランチョン
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超多忙なピエール・リュルトン氏を囲んでの1時間だけのランチタイム!
フランス・ボルドー地方のサンテミリオン地区とソーテルヌ地区を代表するワインを手掛けるリュルトン氏のガイドで、仕事冥利な時間を共有させていただき、リュルトン氏の気さくなお人柄にも触れることができました。ピーロート・ジャパンにも御礼申しあげます。

製品についての問い合わせはピーロート・ジャパン ℡03-3458-4455
https://www.pieroth.jp/

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ジャン・バティスト・レカイヨン醸造責任者が語ったシャンパン『ルイ・ロデレール』のすべて [来日したワイン生産者&関係者]

1776年創業のシャンパンメゾン『ルイ・ロデレール』

画像協力:エノテカ



初来日したルイ・ロデレール副社長兼栽培・醸造責任者のジャン・バティスト・レカイヨンさん
1989年入社、カリフォルニアや豪州での経験を経て1994年にシャンパーニュに戻り、1999年醸造責任者に就任。2006年からロデレールグループが生産する全ての総括を担っています。


同社はポルトガルの『ラモス・ピント』、シャンパンメゾンの『ドゥーツ』、ボルドーの『シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド』等を所有

ルイ・ロデレールの特徴
ルイ・ロデレ-ルは家族経営のメゾンで、現社長は7代目のフレデリック・ルゾーさんです。シャンパン業界で、ひときわ輝く存在感を誇示している同社の際立つポイントは・・・

栽培面
■ぶどうの75~80%が自社畑
現在240㌶(GC26㌶、PC87㌶)を所有。フィロキセラ禍で多くの人が畑を手放した1880年代に初めてヴェルズネイに100㌶(1845年)取得、世界恐慌でシャンパン業界が停滞していた1929年にも多くの畑を入手。これが自社畑拡大の基礎になっています。すべてのヴィンテージシャンパンは自社畑のぶどうでまかなわれています。自社畑だと細かいチェックができるので、より良いシャンパン造りのための大事な要因になります。
■ビオディナミ農法
取り組みは十数年前。すべての作業はカレンダーに添って実施。『クリスタル』と新アイテム『ブリュット・ナチュール・フィリップ・スタルクモデル』にはビオディナミのぶどうを使用
■マサル・セレクション
クリスタルを構成しているピノ・ノワールとシャルドネはルイ・ロデレールの〝メモリー〟を反映させた昔からの遺伝子的な多様性を備えた苗木を使用
マサル・セレクションはマス・セレクション、集団選抜と呼ばれるもので、畑から優秀な株を複数選び、補木を取って苗木をつくり、元の畑に戻す方法。代々引き継がれてきた自分の畑で、時間をかけて優秀な株を選抜し、それを苗木として使用するので、テロワールに即したものと言える。苗木はクローン苗が一般的になる前に植樹された畑の株でなければならない。株は例えば、果実の豊かさ、果皮の厚み、果粒の大きさ、香りや酸の強弱等、これらが混在することで、複雑味のある表現ができる(筆者記載)
■樹齢
ひとつの基準として25年超のぶどう樹はクリスタルに使用。クリスタル用のぶどう畑で25年以下の樹はブリュット・プルミエNVに使用。25年以下のワインは大樽で3年間熟成させ、リザーヴワインとして活用


醸造面
20世紀前半のワイン造り同様、できるだけ手を加えないスタイル
240㌶は410区画に分類、それぞれ単一畑と同じ捉え方で醸造を行っています。
■MLF
必要に応じて行うが、ヴィンテージシャンパンには行わない方針
近年では2010年、2011年には実施。2012年、2015年、2016年はノン・マロ
MLFをしない理由は「フレッシュな味わい、正確な味わいを残すため」とレカイヨンさん
■醸造施設
7ヶ所に施設(クリスタル、クリスタル・ロゼ、ブラン・ド・ブラン等)があり、個々に対応
■5気圧
シャンパンは通常6気圧ですが、ルイ・ロデレールのアイテムは5気圧(平均5.2気圧)。この方針は1930年頃からで、ブラン・ド・ブランは4気圧
2次発酵で添加する糖分は炭酸ガスを造るのが目的。結果的にアルコールがあがる。24gの糖分がすべてアルコールに変わった場合は約1.5%に相当。但し、この数値は2次発酵の温度、酵母によって若干変化する。シャンパンに必要なガス圧は20度で5気圧以上。 ◇4気圧(10度)=5.4気圧(20度) 補糖16g/Lあたりアルコール約1% アップ ◇5気圧(10度)=6.8気圧(20度) 補糖20g/Lあたりアルコール約1.2%アップ ◇6気圧(10度)=8.2気圧(20 度) 補糖24g/Lあたりアルコール約1.5%アップ (筆者記載)



(左から)
メゾンの顔『ブリュット・プルミエNV』、『ブリュット・ナチュール・フィリップ・スタルクモデル2009』、『ブリュット・ヴィンテージ・ロゼ2011』、『ブリュット・ヴィンテージ2009』、『ブラン・ド・ブラン ヴィンテージ2010』、『クリスタル2009』

ブレンドの妙 ブリュット・プルミエNV
PN40% 、CH40% 、M20%(5%くらい前後
ベースワイン(2012年/14GCと37PCの51区画)70%、リザーヴワイン(7VT)30%
65%前後が自社畑で残りは毎年同じ契約農家からの買付ぶどう。現行のプルミエはベースワインが力強かったので、リザーヴワインは優しいタッチのものを選択

レカイヨン:看板商品であり、ベースとなるヴィンテージの味を感じるのでマルチヴィンテージではなく、NVと呼びたい。最初に清涼感、その後、舌の中ほどから付け根にかけてソフトでベルベットのような滑らかな感触、舌の付け根に塩味。
ドザージュ量は9g、15年前は12~ 13g/ L。減量の理由は気候の変化と栽培条件(15年前から化学肥料、除草剤の不使用)で、ぶどうの熟度によるもの。ドザージュの役割は酸味と甘味のバランスを保つことであり、このシャンパンはMLFをしていないので、酸が高い。ゆえにドザージュは多め(9g/L)。MLFを行って酸味を下げた状態であればドザージュ量は4gで十分。リリースしたばかりのブリュット・プルミエはリザーヴワインの味が顕著なので、3~4年保存して、熟成のポテンシャルが出てきた頃に飲むとベースヴィンテージ(2012年)が良くわかる。1998年からアプリで詳細情報を公開中

感性に訴えかけるブリュット・ナチュール・フィリップ・スタルクモデル2009

「ノン・ドゼを造ろうと思ってトライしたのではない。ぶどうが熟したので何も手を加えないで、ミニマリズム(極限まで無駄を省く)で行こうと決め、完成したのがこのキュヴェ」とレカイヨンさん


フレデリック・ルゾー社長とフィリップ・スタルクさん 画像協力:エノテカ

PN55%、CH20%、M25%
ヴァレ・ド・ラ・マルヌのキュミエールのぶどうはビオディナミで栽培。ぶどうの特徴を最大限に生かすため、3品種を同時に収穫。発酵はステンレスタンク70%、木樽30%、5気圧弱を目安に熟成させ、ノン・ドゼで生産。
[バー]追加情報:自社畑のキュミエールではM(ムニエ)を栽培しています。ただ、極小区画なので、PNとCHを全面に出しています。

レカイヨン:フィリップ・スタルクとのコラボは、今までにないものを作りたいとの思いがあったからそれを実願するために、彼のインスピレーションを生かして、極限までそぎ落としたシャンパンを造った。2006年、2009年に続く、次のヴィンテージは2012年。粘土石灰質土壌由来のまるみがあり、早い段階から塩味を感じる。口中では幅広で密度があり、濃厚で凝縮感がある。単一畑で品種が固定しているので、ヴィンテージで個性が異なる。2006年は暑かったので力強さ、ふくらみがあり、2009年は暑かったものの、2006年程ではなかったのでシャープでエレガント



ビオデイナミへの取り組みは十数年前から


ノン・ドゼのきっかけは「10年前に自然農法の提唱者福岡正信氏の思想に影響されたから」とレカイヨンさん。福岡さんは2008年に他界なさいましたが、アンセルム・セロスも福岡シンパ

独自製法のブリュット・ロゼ2011

PN63%、CH37%
粘土石灰質土壌(キュミエール)のピノ・ノワールと石灰質土壌のシャルドネを使用
2011年は難しいヴィンテージ、生産したのはロゼとブラン・ド・ブランの2アイテムだけ
ピノ・ノワールを低温(4度)で7日~10日間マセレーション(セニエ法)。色を抽出したピノにシャルドネのジュースをブレンドしてアルコール発酵。木製発酵槽22%

レカイヨン:ピノ・ノワールは朝方収穫すると朝露がついてしまうので、午後に行う。南向き斜面で収穫したピノは酸味が低いので、フレッシュなシャルドネを加えて発酵させることで、調和がとれた味わいになり、瓶内熟成をした時にその特徴が出てくる。香りはブラッドオレンジ、酸味の印象が強いので、黒いグラスで試すとロゼではなく、フレッシュな白ワインだと思うはず。発酵に木樽を使うことで、スモーキーなニュアンスが出てくる。クリスタル・ロゼも同製法。違いはぶどうの出所で、ピノはアイ、シャルドネはアヴィズとメニル・シュル・オジェ




クラシックなスタイルのヴィンテージ2009
PN70%、CH30%
ピノ・ノワールは1845年に初めて購入したヴェルズネイの畑、北東向き斜面、冷涼エリアなので新鮮なぶどうが収穫できる。ぶどうがフレッシュなので木製発酵槽30%を使い、まろやかさを表現

レカイヨン:クラシックなシャンパンの味わい。マリアージュのヒントとして最初にピノベース、最後にシャルドネベースにするのがロデレールスタイル。フルコースで合わせるなら、最初にロゼ、次にブリュット・プルミエ、ヴィンテージ、クリスタル、そしてブラン・ド・ブランを最後にすることで、口中をリフレッシュさせることができる。このシャンパンは粘土質と石灰質土壌から構成されているので、味わいにも最初に粘土、後から石灰質のニュアンス

4気圧のブラン・ド・ブラン2011
CH100%
アヴィズ(地下水が少ない乾燥した土壌)の4区画のぶどうを使用。グラン・クリュになればなるほど石灰分が多く、土壌の特徴としてぶどうはゆっくり熟す。シャルドネは香りや果実味をより多く出すために少しだけ遅らせて収穫。発酵はステンレスタンク80%、木製発酵樽20%

レカイヨン:ルイ・ロデレールのアイテムのなかで一番ガス圧が低いシャンパン。泡が前面に出るのではなく、最初にワインの塩味を感じ、後から、泡を感じるように設計。ぶどうの熟度が高いのでMLFはしていない。石灰質土壌のシャルドネは鋭角的な味わいで、舌に直接働きかけてくるような広がりがある。2010年ヴィンテージは難しい年だったが、アヴィズのぶどうは熟度も高く、良いぶどうが収穫できた。

王者の風格クリスタル2009
PN60%、CH40%
1876年ロシア皇帝アレクサンドラ2世の要請により誕生したシャンパン。石灰土壌でPNを栽培すると低収量。結果としては香り・味わいに凝縮感が出る。PNの畑はヴェルズイ、ヴェルジ、ボーモン・シュル・ヴェスル、アイの4つのGC。すべて丘陵の中腹。クリスタルの畑は全部で45区画、実際に使うのは32区画。ぶどう樹は25~82年で平均樹齢42年。ブレンドを決めるのは収穫年の冬で1か月を要する。ピュア、チョーキー、プレサイズ(寸分の違いもない)であることがスタイルの基本。今後リリースするヴィンテージは2008年、2012年、2013年、2014年、2015年 2016年

レカイヨン:2009年はリリースの順序を入れ替えたヴィンテージで、これはメゾン初のこと。クリスタル2009は2016年に発売したが、2008年はまだ熟成中。ドザージュ量を1g減らして8g/Lにしたのも初めて。今までのクリスタルのなかで一番ドザージュ量が少ない。
クリスタルはビオディナミに転換中で2020年には100%ビオディナミのぶどうで生産する予定。ドザージュ量を下げたのは熟度が高かったことに加え、ビオディナミ農法だと、味わいに力強さと奥行きが出るので、通常年より1g下げることに成功した。
若いので奥行きはまだ出ていないが、石灰土壌由来のニュアンス、熟成のポテンシャルは感じるはず。飲む2~3時間前に抜栓を!


2008年と2009年のリリースを入れ替えた理由
順番を変えようと考え始めたのは3~4年前。2008年はタイトで、1988年(PN40%、CH60%)と似ている。通常では考えられないくらいポテンシャルがあり、熟成期間が長い。粘土質のシャンパンなら、そのままの順番で出したが、石灰質のシャンパンは熟成がゆっくり進むので決断した。
クリスタルは全部瓶詰めするのでななく、一部大樽でキープしている。樽は瓶より早く熟成するので、将来的に瓶詰めされたクリスタルの変化が予想できる。


シャンパン講座でマスタークラスセミナーを再現

2017年最初の講座で、ルイ・ロデレ-ルの6アイテムを再検証

左から
#1:ルイ・ロデレール ブリュット・プルミエNV
生産者: ルイ・ロデレール
ぶどう品種:PN40%、CH40%、M20%
ドザージュ:9g/L
価格: 6,800円(税別)

#2:ルイ・ロデレール ブリュット・ナチュール・フィリップ・スタルクモデル2009
生産者:ルイ・ロデレール
ぶどう品種: PN55%、CH20%、M25%
ドザージュ: 0g/L
価格: 15,000円(税別)

#3:ルイ・ロデレール ブリュット・ヴィンテージ・ロゼ2011
生産者:ルイ・ロデレール
ぶどう品種:PN63%、CH37%
ドザージュ:9g/L
価格: 10,000 円(税別)

#4:ルイ・ロデレール ブリュット・ヴィンテージ2009
生産者: ルイ・ロデレール
ぶどう品種:PN70%、CH30%
ドザージュ:9g/L
価格: 10,000円(税別)

#5:ルイ・ロデレール ブラン・ド・ブラン・ヴィンテージ2009
生産者:ルイ・ロデレール
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:9g/L
価格: 15,000円(税別)

#6:ルイ・ロデレール クリスタル2009
生産者:ルイ・ロデレール
ぶどう品種:PN60%、CH40%
ドザージュ:8g/L
価格:32,000円(税別)


石灰質土壌由来の〝凛〟としたスタイル、エレガント!
ブラン・ド・ブランは2009年ヴィンテージ(セミナーは2010年


シャンパンの状態も完璧、充実した2時間になりました!




ドザージュ後の瓶内熟成に興味を持っていたので、ドザージュの有無で、瓶内熟成はどのように変化するか、質問させていただきました。

レカイヨン:ドザージュすると瓶内で抗酸化(酸化を防ぐ)の働きをしてくれるので、ノン・ドゼのものは、ドザージュをしているものより、熟成のポテンシャルは短いかも知れません。ちょうど1週間前に2006年を試す機会がありました。酸化はしてなくて、健全な状態で熟成していました。(1)原料ぶどうがビオディナミで栽培されている。(2)発酵にオーク樽を使っているので木樽からタンニンが溶け込むことで、それが抗酸化の働きをしている。(3)酸が高い。
これら3つの要素で、ドザージュをしなくても、ポテンシャルはまだまだあるのではないかと思っています。

レカイヨンさんの解説を伺いながら、私は彼の優秀さに通じるある方を連想していました。
昨年3月に逝去なさったシャトー・マルゴーの総支配人ポール・ポンタリエさんです。ポンタリエさんはパリ国立農業大学に入学し、その後、モンペリエ国立高等農業大学でぶどう栽培&ワイン醸造を習得。シャトー・マルゴーで30年以上にわたり、総支配人兼最高醸造責任者として活躍なさいました。

輸入元エノテカのサイトにあった 「フランス国立農業学院で醸造と栽培の両部門を首席で卒業」というレカイヨンさんの紹介文を見て、その共通性にひとり納得。
天才醸造家とお目にかかり、お話を伺えたことはとても光栄でした!

エノテカ様にはマスタークラスセミナーでお世話になりました。またNHK文化センターのシャンパン講座でもデータ等のサポートをいただき、感謝しております、ありがとうございました!!


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〝テイスト・ナパヴァレー〟でナパワインと肉料理の相性を探る! [来日したワイン生産者&関係者]

TASTE NAPA VALLEY


ナパヴァレー・ヴィントナーズ(NVV)主催の「TASTE NAPA VALLEY(テイスト・ナパヴァレー)」が1月17日から1月20日までの4日間にわたり、東京・大阪・京都の3都市で開催されました。これは2年に1度、日本国内で催されるワイン生産者の来日イベントで、今年は15ワイナリーが参加。ワイン業界関係者対象のセミナーや試飲会およびワイン愛好家向けのメーカーズディナー等で、ナパヴァレーのワインの魅力を紹介しました。

期間中、8ワイナリーが参加したセミナー「ナパヴァレーワインと肉料理の相性を探る」にお邪魔してきたので、肉料理をメインにしたワインと料理のペアリングについてまとめておきます。
セミナーでは、CIA(カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ)を卒業後、カリフォルニア料理のスペシャリストとして活躍しているNVV日本事務所の小枝絵麻さんがMCを担当。
ペアリングに関しては、カリフォルニアワインに精通している西麻布『ルエ・ヴェル・ロール』の千葉和久ソムリエのコメントをベースにしながら、小枝さんがワインと4つの肉料理(供出順に、塩&タレの焼鳥、ハンバーグ、牛カツ、焼肉)との相性を解説しました。

セミナーに参加した8ワイナリー
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右から)トレフェセンのジョン・ルエルCEO、トゥーミー&シルバー・オークのヴィヴィアン・ゲイ インターナショナル・セールスマネージャー、サン・スペリーのエマ・J. スウェインCEO、ケークブレッドのニコール・カミングスさん、シレノスのスコット・メドウズジェネラルマネージャー、レイモンドのリ・アン・リードさん &ダリオッシュのダニエル・デ・ポロ社長

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NVV日本事務所の小枝絵麻さん

ワイナリー&ワインついて


1) トレフェセン・ファミリー・ヴィンヤード /2014ドライ・リースリング
オーク ノール地区、1968年創業、来年50周年、家族経営でぶどうはすべて自社畑、冷涼エリアでエレガントなワインを産出。ドライ・リースリングはぶどう畑をそのまま表現したぶどうなので樽は使わず、非MLF、12月に瓶詰め、料理に合わせやすいワイン

2) レイモンド・ヴィンヤード/2013リザーヴ・セレクション・メルロ
ラザフォード地区、1970年創業のワイナリー。創始者ロイ・レイモンドは1933年からベリンジャーで働き、当主の孫娘と結婚。ベリンジャーがネスレに買収されたのを機にレイモンド・ヴィンヤーズを興す。1974年に植樹してワイン造りを開始。2009年にレイモンドが引退、現在オーナーはジャン・シャルル・ボワセ(JCB)。リザーヴセレクションメルロはME90%、CS9%、プティ・シラー1%のブレンド、フレンチオーク熟成18ヶ月、平地のぶどうのワイン

3) トゥーミー・セラーズ/2012メルロ
1999年創業、オーナーはシルバー・オーク(CSに特化)。CS以外のワインを生産したいということで興したワイナリー。ぺトリュスやドミナスでワイン造りの経験を持つワインメーカーによる伝統的な製法。メルロはすべて単一畑。2012のメルロはME80%、CF16%、PV4%のブレンド、フレンチオーク熟成13ヶ月(32%新樽)

4) シレノス・ワイナリー/2013 カベルネ・フラン
オークノール地区、1968年創業、CS、CF、PVを植樹し、少量のワイン生産とぶどう販売(モンダヴィ・ワイナリーのリザーヴに使用されていた)を経て、本格的なワイン造りに着手。2013カベルネ・フランは年間50ケースの希少ワイン(日本へは10ケース)、5%程度アメリカンオークを使うことで、スパイシーな風味を表現。CF75%、CS15%、PV10%のブレンド

5) シルバー・オーク・セラーズ/2012カベルネ・ソーヴィニヨン
1972年ダンカンファミリーが立ち上げ、現在3代目。米国のステーキハウスで人気のアイテム。創業以来の方針は■カベルネだけを生産(現在2アイテム)■樽はアメリカンオークを使用。ミズーリー州に樽工場を所有、2012カベルネは米国(2月発売予定)より、日本先行披露。樽熟成24ヶ月(新樽100%)後、瓶詰め24ヶ月、市場に出るまで4~5年を要す。CS80%、ME10%、CF7%、PV3%のブレンド

6) ケークブレッド・セラーズ/2013カベルネ・ソーヴィニヨン
ラザフォード地区、1973年の創業以来、ぶどう栽培から販売までケークブレッド夫妻と息子夫妻が仕切るワイナリー。2013カベルネ・ソーヴィニヨンはナパヴァレー全域のぶどう(温暖なエリアから冷涼なエリアまで)を使ったワイン。契約農家の5つの異なる畑の300区画のワインを個々に100%フレンチオーク(新樽50%)で6ヶ月熟成させ最終ブレンド。仕上げたワインは再度フレンチオークに戻し12ヶ月熟成。ブレンド比率はCS81%+CF、ME、PV

7) サン・スペリー・エステート・ヴィンヤーズ&ワイナリー/2013エステートカベルネ・ソーヴィニヨン
1982年創業、ナパヴァレーに2つの自社畑620㌶(うち植樹されているのは3分の1)、ワインはすべて自社のぶどうを使用。土壌13タイプ、品種も様々。ラザフォードではCS、ME、CF、PVを栽培。2013カベルネ・ソーヴィニヨンはフレンチオーク熟成18ヶ月、CS86%、PV8%、マルベック6%をブレンド
 
8) ダリッシュ/2013カベルネ・ソーヴィニヨン
1997年創業、3つの自社畑(各30エーカー)を所有、ワイナリー周辺(スタッグス・リープ地区の南)、オークノール(ME、ヴィオニエ、シラー)、標高600メートルにあるマウントヴィーダー(CS、ME、CF)。2013カベルネ・ソーヴィニヨンはCS80%、ME10~12%、CF6~8%(年による)、山のぶどうを40%使っているので、重量感とエレガントさを備えたワイン

ナパワインとのペアリング


■ワインは8種類
前列左から1)~4)、後列左から5)~8)
■ブリッジ食材は12種類
手前左から万能ネギ、黒胡椒、わさび、フェンネルスパイス、ドライハーブスパイス
奥左から煮切り赤ワイン、とんかつソース、ゆず、たまり醤油、焼肉のタレ(甘口)
粒マスタード(左端の黒いケース)と塩(画像外

ナパワインの日本でのイメージ

果実味が強く、アルコールが高いと表現されることが多いのですが・・・
実際はバランスが良く、無数の味わい

ワインと料理の方程式

ワインのボディ、タンニン、酸の3要素と料理が同じバランスであること
ブリッジ食材(ワインと料理を結びつける食材)を活用することで幅広い相性が楽しめる

実際に試してみると


第1フライト 焼鳥×1)、2)
千葉コメント
1)はシトラス、フレッシュ、ぺトロール、ミネラル、冷涼なオークノールの個性、酸が特徴的
2)は赤系果実、ジャムまでいかない熟度、クローブ、ナツメグ、滑らかなタンニン

ペアリング
ドライリースリング:焼鳥を食し、2割残っている状態でワインを口に含む。融合するが、何か特出する印象ではない。ワインにはライムやレモンの香りはあるので、焼鳥にユズをたらして食する。まずワインの味が鮮明に変化、クリアになる、フレッシュ感、ワインを生き返らせる。余韻が伸び、アロマが豊かになる。ハーブ、白胡椒の香りも。
メルロ:最初は単体、次にハーブミックス。焼鳥は塩とタレ(奥)。焼鳥(タレ)にハーブミックスをつけると余韻が伸び、鶏肉の甘さを引き立てることができる。

第2フライト ハンバーグ×3)、4)
千葉コメント
3)赤系果実、ドライフルーツ、ココナッツ、ヴァニラ、クローブ、チョコ、2)よりこなれた柔らかいタンニン、アルコール高め(温度があがった影響)
4)赤系&黒系果実、ジャムのニュアンスはあるがフラッシュさもある、冷涼エリアのオークノールの特徴、若干ハーブ、ナツメグ、酸の印象(1~3より)、タンニンの量は3と比べ、少ないが鋭角的

ペアリング
赤ワインはデミグラスソースとは当然合うので、今回は和風系のハンバーグにしてトライ。ポン酢役として、たまり醤油と煮切り赤ワインを使用。たまり醤油は肉を食した時に旨味を感じさせてくれる。加えて樽の味わいも出てくる。ポン酢役の2食材に万能ネギを添えることで、口中に清涼感、CFのなかのハーブの要素、アロマ。さらに、たまり醤油と煮切り赤ワインにフェンネルのスパイスを添えることでハーブの香りがより顕著。
ここでは果実味に酸味を加える意味で煮切り赤ワインを使用

第3フライト 牛カツ×5)、6)
千葉コメント
5)黒系果実のブラックチェリー、ブラックベリー、カシス、熟した状態とジャムの中間、ドライフルーツ、若干杉の香り、ココナッツ、ベーキングパウダー、ヴァニラ、クロ―ブ、タンニンは豊かで滑らか、柔らかいタンニン、アルコール高め(温度があがった影響)
6)黒系果実のブラックベリー、鉛筆の芯、 杉の木、ボルドーワイン似の香り、シナモン、枯葉、供出された赤ワインのなかで一番しっかりしたタンニン
 
ペアリング
5)のタンニンが柔らかいので、とんかつソースだと余韻が途切れる。熟した果実が前に出ているので、ソースとバッティング。たまり醤油(樽を使って発酵させているので)と牛カツと合せると、とんかつソースだけでは感じなかったスパイス風味が出てくる。6)にはしっかりしたタンニンがあるので、とんかつソースと合う。たまり醤油にフェンネル(清涼感)、黒コショウ(辛味のフィニッシュ)のブリッジ食材を加えると、隠れていたワインの要素。奥行きが広がり、余韻も伸びる。 
たまり醤油がない時は普通の醤油に煮切りワインを10対1の割合で代用できます

第4フライト 焼肉×7)、8)
千葉コメント
7)黒系果実のブラックベリー、ブラックチェリー、杉、鉛筆の芯、ナツメグ、シナモン、骨格はケークブレッド似、ただし、タンニンはケークブレッドほどではない
8)黒系果実のブラックベリー、ブラックチェリー、熟した状態だがフレッシュさも出ている、清涼感、山のワインらしいしっかりしたタンニン
 
ペアリング
ジャム的要素がない7)だとあわせた時に軽い苦み。そこで、マスタード(酸や発酵した要素のあるブリッジ食材)をつけて食すと今度は余韻が伸び、アロマにはベリー系のニュアンスも。 8)にはコクと果実の甘味があるので甘口のたれとも合う。多くの要素(シナモン、ハーブ、タンニン等)があるので、わさび、たまり醤油、煮切り赤ワインであわせると、バランス良く、最後はわさびの清涼感でまとまる。また、万能ネギ、たまり醤油、黒胡椒だと、ダリオッシュの持つ果実味はもとより、ネギの旨さが広がり、最後に黒胡椒でフィニッシュ


小枝絵麻さんの経験に裏打ちされたペアリングの組み立てはお見事でした。
ブリッジ食材を使うことで、味わいだけでなく、隠れていたアロマの発見ができたことは収穫!

ナパワインのブリッジ食材

ワイナリーの皆さんはゆずやわさび、たまり醤油などの日本の食材への関心、揚げ物とCSのタンニンの関係、ネギやハーブを使った新たなアロマの発見に興味津々でした。

ダリオッシュのダンさんは「ルールを破りながら、ペアリングを楽しみたい」とおっしゃっていましたが、〝ブリッジ食材〟を使うことで、ナパワインの裏に隠れている様々な要素が発見できますので、一覧表を参考にしながら、料理とワインのペアリングをお楽しみください!


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ディズニーゆかりの『シルヴァラード・ヴィンヤーズ』&新AVAクームスヴィルの『GEO』 [来日したワイン生産者&関係者]

ウォルト・ディズニーの娘ダイアンと夫ロンが設立したワイナリー『シルヴァラード』

ロゴが映える木目の質感、自然体のシルヴァラード・ヴィンヤーズ

9日の成人式では浦安の東京ディズニーランドで、1900名余りの新成人がおなじみのキャラクターたちに門出を祝福されていました。
今回ご紹介するのは、そのディズニーゆかりのワイナリー&ワインです。

1981年、ウォルト・ディズニーの娘ダイアン・ディズニー・ミラー(2013年11月逝去)と夫ロン・ミラーによって設立されたカリフォルニア州ナパ・ヴァレーのシルヴァラード・ヴィンヤーズ
ワイナリーはスタッグスリープ・ディストリクト(以後SLD)の中心にあるシルヴァラード・トレイル近くの小高い丘に位置し、リリースするすべてのワインは6つの自社畑(植樹面積は約180㌶)のぶどうだけで生産しているエステート・ワイナリーです。ネーミングは廃鉱となってしまった〝銀の鉱山〟に由来しています。

SLDはナパ・ヴァレーで最も有名な銘醸地の1つで、この地で造られたカベルネ・ソーヴィニヨンが1976年のパリ・テイスティングで、フランスの1級シャトーを抑えて第1位に輝いた『スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ』に使われていたことはよく知られています。

16歳の少女を魅了したパリでのロゼ体験


昨秋来日したラス・ワイス総支配人はダイアンさんが、ワインに興味を持った経緯について、「16歳の時に両親から誕生日プレゼントについて聞かれた彼女はパリ旅行を希望します。念願叶ってパリを訪問した時、小さなカフェでロゼワインを口にするのですが、そこで〝ワインはぶどうから造られているのに何故イチゴのような香りがするのか〟と疑問に思い、その魅力に惹かれて、後年、ワインにかかわることになります」と説明していました。

ワイナリーのオーナーになったミラー夫妻は1983年に最初のヴィンテージ1981をリリースします。しかし、カリフォルニアは80年代後半にぶどう害虫のフィロキセラ禍が広がり、本拠地SLDにあるシルヴァラード・ヴィンヤーズのぶどう樹も大打撃を受けます。

そこで新たな畑を購入する必要に迫られ、入手したのがクームスヴィルにあるマウント・ジョージHPのvineyardsからMt.Georgeに)でした。

2011年にAVAに昇格したクームスヴィル


AVA(政府公認の栽培地域)申請でリーダー的役割を果たしたワイス総支配人は承認されるための3つの条件について言及
■産地としての歴史
クームスヴィルにおけるワイン造りの歴史は1840年にスペイン人によって植樹されたところからスタートします。1849年からのゴールドラッシュで欧州から多くの移民がやってきますが、ぶどう栽培やワイン造りに関わる人たちも現れます。1868年にはウイリアム・ウッドワードによってマウント・ジョージの畑に初めてぶどう樹が植えられました。1880年代に醸造・栽培のパイオニアとして活躍していたヘンリー・ヘイゲンは銘醸畑〝シーダーノル〟から卓越したワインを生産。1889年にエッフェル塔建設を記念して開催されたパリ万博でのワイン品評会で、第2位の快挙を成し遂げます。あのパリ・テイスティングを遡ること87年前の出来事です。

クームスヴィルは1862年にヴィニフェラ種が最初に植えられた歴史ある産地で、禁酒法時代(1920年~33年)の後、畑は荒廃しますが、1987年にミラー夫妻がかの銘醸畑〝シーダーノル〟の大部分を購入し、今に至っています。ちなみに シルヴァラード近隣のワイナリー(スタッグスリープ・ワイン・セラーズ、シェーファー、ファニエンテ等)もかなり前からクームスヴィルに畑を所有していました。まさに知る人ぞ知るエリアだったと言えます。

■気候の独自性
夜中の2時くらいに霧が入り込み、11時くらいには晴れるカーネロスと似た気候。冷涼な産地で本拠地SLDより、2週間遅れの収穫。マウント・ジョージは山に囲まれている劇場型の地形で、高低により植樹する品種は異なり、高い斜面にカベルネ・ソーヴィヨン、その下にメルロとカベルネ・フラン、暖かなエリアにシラー、カーネロスに近い涼しい場所にはシャルドネとピノ・ノワールを栽培しています。高い場所は西日が、畑に散在する石ころを温めてくれるので、陽が落ちた後も、暖かさを保てます。雨季(11月から3月)には500ミリの降雨

「メルロは暖か過ぎるとフェノールの熟度があがる前に糖度があがり過ぎてしまう。涼しい環境下で育てることで糖分と同時に皮や種の熟度があがっていくのでメルロに最適」とワイス総支配人

■土壌の独自性
土壌はクームスヴィル・グラヴェリー・ロームと呼ばれる特殊なもので、カコウ岩&頁岩&ツーファ(石灰岩の一種。多孔質炭酸石灰の沈殿物)から構成されています。ツーファは水分をキープできる利点があるので、灌漑は不要。畑のぶどう樹はツーファのおかげで健全に育っています。

ギリシャ語で〝地球〟を意味するGEO
クームスヴィルのメルロはシングル・ヴィンヤードとしてリリースされています。年間3,000~4,000ケース。同エリアで栽培されているカベルネ・フラン、マルベック、プティ・ヴェルドはSLDのシルヴァラードのカベルネ・ソーヴィニヨンにスパイスを加えるような役割でブレンドされています。また、シルヴァラード・ヴィンヤーズではプレスワインはほとんど使わないのでワインに骨格を与える役割はプティ・ヴェルドが担っています。

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ヴィンテージの差がないと言われがちなカルフォルニアワインについて、ワイス総支配人は#1~#3を例に言及
#1:2009 メルロ マウント・ジョージ マグナム
メルロ97%、カベルネ・ソーヴィニヨン3%
クラシカルな年。パワフル、果実のキャラクター、凝縮感のあるワイン
#2:2011 同上 マグナム
メルロ100%
雨に悩まされた涼しい年。収穫は雨が降る前に終了したが生育期間が短かくなった分、黒系果実ではなく、赤系果実を連想させるワイン
#3:2012 同上 クームスヴィル
メルロ95%、カベルネ・ソーヴィニヨン5%
暖かな年。果実の旨味、味わい滑らかで、タンニンはソフト
ジューシーで親しみを感じさせるワイン


2011年に昇格した新AVAクームスヴィル。2012年ヴィンテージからラベルに表記しています。シングル・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニヨン『GEO』は1987年にクームスヴィルの畑を購入し、ちょうど20回目の収穫となることを記念して初リリースしたワイン。現行ヴィンテージの2013年は1月に日本上陸したばかり、ただ今、発売中(13,000円)
#4:2011 カベルネ・ソーヴィニヨン マウント・ジョージ マグナム
カベルネ・ソーヴィニヨン92%、プティ・ヴェルド8%
冷涼年。枯葉、タバコ、スパイス、繊細な酸、ハーブ的なニュアンス
#5:2012 GEO クームスヴィル マグナム
カベルネ・ソーヴィニヨン98%、カベルネ・フラン2%
暖かな年。カシス、ブラックベリー、甘草、木目細かなタンニン、丸みのある味わい
#6:2013 GEO クームスヴィル マグナム
カベルネ・ソーヴィニヨン88%、プティ・ヴェルド12%
スーパーストラクチュア、凝縮感、芯のある酸、長期熟成が期待できるワイン

ワイス総支配人は「クームスヴィルのワインの特徴は何と言っても酸のエネルギー。酸があるので果実が引き立ち、複雑味が出てきます。余韻にも綺麗な酸が出てきます」とコメントしていました。
ギリシャ語で〝地球〟を意味するGEO、マウント・ジョージ〝George〟にもかけたネーミング。故ダイアンさんが恋したナパ・ヴァレーのワイナリー『シルヴァラード・ヴィンヤーズ』の意気込みを感じます。

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セミナーの後のディナー会場はアマン東京33階のレストラン、スカイツリーも視界に
天井が高く、贅沢な造りの空間

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左から
■2015 ソーヴィニヨン・ブラン ミラー・ランチ ナパ・ヴァレー 3,300円
ソーヴィニヨン・ブラン93%、セミヨン7%
■2014 シャルドネ ヴァインバーグ・ヴィンヤード 4,300円
シャルドネ100%
■2013 ジンファンデル ソーダ・クリーク ナパ・ヴァレー 6,400円
ジンファンデル100%
■2012 カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 7,000円
カベルネ・ソーヴィニヨン81%、メルロ15%、プティ・ヴェルド4%
■2012 ソロ カベルネ・ソーヴィニヨン スタッグスリープ・ディストリクト 14,000円
カベルネ・ソーヴィニヨン100%
UCデイヴィス校の観察と研究の結果で、このカベルネ・ソーヴィニヨンはSLD唯一のヘリテージュ・クローンであることが判明。プラム、カシス、レッド・カラントの香りが特徴。複雑味のある果実としなやかな舌触り、厚みのある骨格のワイン。クームスヴィルのカベルネと双璧になるワイン


鰆のカルパッチョ チコリーとリンゴのサラダ オシェトラキャビア添え


バカラマンテカート ポレンタとグリーンアスパラガス


タイムが香るタリオリーニ ズワイ蟹とカリフラワー


糸撚魚と帆立と貝のソテー 茄子のフォンデンテと長芋 ペーストジェノベーゼ


山梨県中村農場産甲州頬落鶏のロースト ポルチーニ茸と根セロリのピュレ バルサミコ酢のアクセント


モンテビアンコ ロビオラチーズのジェラート



すべてが終わってロビーでラス・ワイス総支配人のワン・ショット

ロバート・モンダヴィでインターナショナル・マーケットを担当し、カリフォルニアのワイン産業を知り尽くしたワイス総支配人。新ワイン『GEO』にかける期待は大きいです。

シルヴァラード・ヴィンヤーズおよびGEO2013への問い合わせ
ワイン・イン・スタイル ℡03-5212-2271

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