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カリフォルニア研修ツアー2014 ~ソノマからサンフランシスコまで(最終回) ~ [カリフォルニア・ドリーミング・ワインツアー]

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カリフォルニアワインテイスティング2015ですが、2日の大阪会場には約600名、4日の東京会場には1,000名弱の参加がありました。多くの店舗のエントリーに期待したいです。

ラストの訪問はソノマ・カウンティ
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最終日、5日目はソノマ・カウンティ・ヴィントナーズの合同テイスティングからスタートしました。同協会は1944年に創立、現在200名以上のメンバーが加盟しています。この日参加のワイナリー(楽しみにしていたアイアンホースは欠席)は16でした。


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Alexander Valley Vineyards/Cattleya ・ Shared Notes/Chateau St. Jean/Dutton Goldfield Winery/Ferrari Carano/Flowers Vineyard and Winery/Francis Ford Coppola Winery/Keller Estate/Kunde/Laurel Glen Vineyard/Migration ・ Decoy/Pedroncelli Winery/Ramey Wine Cellars/Rodney Strong Vineyards/Sivas Sonoma ・ Don & Sons/Silver Oak ・ Twomey Cellars
Iron Horse Vineyard (欠席)


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品の良いシャルドネとピノ・ノワール
エステート・ディレクターのグレッグさんから「来年、IPOBのメンバーと日本に行くよ」とのお話が。今年に入って4月中旬の具体的な日程も決まりました。IPOBはピノ・ノワールとシャルドネに特化し、バランスを重視しています。10月のワインのこころに書きましたので参考にしていただければ嬉しいです。

すべてに満足、さすがのケンダル・ジャクソン
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ケンダル・ジャクソンは1982年に故ジェス・ジャクソンさんが設立したワイナリー

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ランチにはジャクソン・エステートのヴィオニエとシラーが登場、数量限定のプレミアムワイン

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テーブルセッティングやお花のアレンジも素敵!

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一週間に4回だけ焼くスペシャルブレッド
カベルネの果皮を挽いて小麦粉に混ぜ込んだポリフェノールたっぷりのパン

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最後の晩餐ならぬツアーメンバーとの最後のランチ


地産地消をモットーにしたメニュー
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トマトは同ワイナリーにとって特別な作物です。きっかけは初代シェフとジェスさんが「何か面白いことをしよう」ということから始まりましたが、これはジェスさんの幼少時代の思い出とつながっているそうです。

トマトの植樹から18年、今では毎年9月にトマトフェスティバルも開催され、2500名以上の参加があるとのこと。トマトの数はなんと175種類、すべて種から栽培していて、種はワイナリーでも販売しています。

南カリフォルニアの冷涼なエリアに位置するアリソン・ヒルズ・ヴィンヤードはコート・デュ・ローヌに似た地形で、砂利の多い砂質ロームの土壌から豊かな酸を備えたぶどうが収穫できます。トマトのフレッシュなジューシーさとヴィオニエの青さがうまく調和していました。

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16,000エーカーの土地の3分の2は自然をそのままに残しています。
メインに出たラムも飼育場で育てたもので、ジューシーで柔らか、絶品。ソースは15年熟成させたバルサミコを使っていました。シラーも同じくアリソン・ヒルズ・ヴィンヤードで、果実ではブラックチェリーやカシス、スパイス系では黒胡椒や甘草の要素を感じました。スペシャルなゲストだけに出すシラー、嬉しいことです。

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シェフとパティシエのご両人、用意された食材は朝ガーデンから摘んだばかりで超フレッシュ!

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伝統的なアーモンドアップルタルト、シャルドネのキャラメルソースとホイップクリームはローズマリー。ここで使われたリンゴは16年前に植えられたものとか。今回ヘーゼルナッツだけが自家製ではなかったのですが、99.9%地産地消、素晴らしいです!


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案内役はワイン・エデュケーターのぺドロ・ラスクさん、笑顔がとってもイイです。
後方の卵型発酵タンクはテイスティングルームの訪問者に供出するワイン造りに使っています。今ツアーでは何軒かのワイナリーで卵型タンクを見かけました。タンク内の対流が良いこと、空気の微量な入り具合が木樽とは違う意味で効果があることが利点とか。容器自体の寿命は10年くらいだそうです。

前回のブログで触れたサステイナブルについて、ジャクソン・ファミリーでも熱心に取り組んでいます。ワイナリーの屋根はソーラーパネルです。これは自動車メーカーのテスラ製で、大きなバッテリーでチャージさせた電気はワイナリー全体に回しています。干ばつが続くカリフォルニアの目下の問題は水資源。水の再利用を含む同ワイナリーの地球環境への取り組みはワインのこころで紹介しました。

自社樽がもたらす効果
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ランチとは別に供出された同ワイナリーの売れ筋ワインたち
なかでも、右から2本目の『ヴィントナーズ・シャルドネ』は米国で22年間連続売上のトップを誇っています。日本ではエノテカが輸入(2800円・税別)しています。

ケンダルジャクソンではフレンチ、アメリカンそれとハンガリアンのオークを使用しています。品質の良いワインがリーズナブル価格で出せる理由は「自社で樽工場を持っているから」とペドロさん
フランスにある工場で、樽の木材を購入し、ケンダル・ジャクソン独自に製樽。内部の焼き加減については200通りもあるとか、びっくり!


サンプリングヴィンヤード&野菜ガーデン
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28のぶどう品種が植えられ、仕立て方の違いの工夫もしています。

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ウェザーステーションの機器で風の向きや風力、温度を観測

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フルーツゾーンの温度や湿度、地表の温度や地表から6フィート下の湿度の観測等も、5分ごとにヴィンヤードマネージャーにデータが送信されているそうです。

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ぶどうから連想できる植物のコーナー。たとえばシャルドネの場合、パイナップルセージが植えてあり、香りのレッスをすることができます。ケンダル・ジャクソン型学習ヴィンヤード


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ワイナリーの庭や畑すべてがサステイナブルかオーガニックです。セントラル・ヴァレーではぶどうだけでなく、多くの作物を生産しているエリアなので、ケンダル・ジャクソンでは知恵を生かし、それらをサポートしています。


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ケンダル・ジャクソンの野菜ガーデン担当のタッカー・テーラーさんは「収穫した作物はワイナリーだけでなく、サンフランシスコのトップレストランにも出荷しています。世界中の珍しい作物を持ってきて栽培していますが、フランスで見つけたオイスターリーフ(スコットランド産/噛んでいるとオイスターの味がする植物)やアフリカの海岸沿いで栽培されているアイスプラント(塩分を含み、ダイヤモンドのようにキラキラ光っているのが特徴)などもあります」と解説。手の上にあるのがアイスプラント

故ジェス・ジャクソンさんは畑もぶどうも動植物も、すべてバランス良く生かすことを大事にしていたようです。その教えはファミリー経営の同ワイナリーで正しく伝承されていることを感じました。素晴らしい時間でした。


フィリ―タイムはサンフランシスコ
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サンフランシスコの青い空、フェリービルディングの看板時計


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ホテルはThe Warwick Hotel San Francisco
お部屋は少し狭かったですが移動にはとても便利

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ホテル内のアヴェリーン・レストランはスタッフの対応も丁寧、サラダにも気遣いがありました。


サンフランシスコのおすすめスポット
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宿泊したホテルから数分のところにはナパバレー・ワイナリー・エクスチェンジ

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丁寧な接客の日本人スタッフ岩元美度里さんとカリフォルニアワインの生き字引ドン・ジレットさん
現地で頑張るヤマトナデシコとして岩元さんを紹介したワインのこころもご覧ください。

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穏やかなサンフランシスコ湾とアルカトラズ島

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8年ぶりにフェリービルディングにあるワインショップワインマークチャント
購入したワインはそのまま、隣接しているバーに持ち込むことができます!


和の世界が楽しめるPabu IZAKAYA
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リストには80種類ほどの日本酒が載っています。冷酒中心ですが熱燗もあります。ワインは50種類、グラスワインは14~15種類

帰国後、産経EXの食ぺージで西海岸で活躍する日本人を取り上げ、ジャパニーズマインドのタイトルでご紹介しました。その1つがPubu IZAKAYAです。2014年6月にオープンしたばかりの超人気店、予約は必須です。
私は自由行動日に関西組の優秀店、京都The doorの溝口店長と出かけました。唯一の日本人ソムリエール矢冨さんのホスピタリティーで心地良い時間を過ごすことができました。

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同店の人気メニュー〝魚介しゃぶしゃぶ(左)〟
富永シェフと矢冨ソムリエールから嬉しいサプライズ〝柚子風味のカクテル〟
和柑橘の香りと味わい最高


サンフランシスコ国際空港で
2014年の優秀店の皆さま、お疲れ様でした!
1週間の元気ツアーも無事完了、関西組、関東組もいよいよお別れです。

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関西組は溝口さんが見つからず・・・

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東京組の今後ますますのカリフォルニアワイン拡売、期待されていますよ!


ジャパニーズマインド番外編
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番外編として、日本在住でカリフォルニアワイン造りをしているワインライフ(株)の杉本隆英社長(愛称Napaさん)にインタヴューしたコラム(ワインのこころ)を載せておきます。


カリフォルニアワインテイスティング2015から(東京会場
50あまりの輸入元が参加した昨日4日の会場で、頑張っている日本人醸造家にフォーカス

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日本人醸造家の中村倫久(のりひさ)さんが造る『ノリア(スペイン語で水車の意味)』、ワインは2アイテム、シャルドネ2013とピノ・ノワール2012です。初ヴィンテージは2010年。サンフランシスコのホテル日航に赴任し、現地でカリフォルニアワインに魅了された彼は醸造家を目指して退職。UCデービス校で学びながらナパのワイナリーで働き、卒業後は著名な醸造家のもとで多くを体験

中村さんの原点ともいえるワインについて伺ってみました、「16年目、父の容体が悪化し、病院に駆けつけました。幸いなことに一命は取り留めたので、家族一同ホッとしました。その後、レストランで父の病状回復を祝い、ワインで祝杯をあげました。そのお店で飲んだエシェゾーがこころに深く残りました。ドメーヌやヴィンテージは覚えていませんが、そのエシェゾーの味わいがワインの原点です」とおっしゃっていました。中村さんのワイン造りのコンセプトは日本食に合うワインです。アルコール度数は共に14.2%あるのですが、口中でそれが気にならず、こころに優しく浸透してくる味わいです。


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輸入元デプトプランイング扱いのマボロシ・ワイン・エステートは日本人の和市(きさいち)友宏さんが1999年に興したワイナリーです。過去2回ほどインタビューしたことがありますが、凝縮した果実味と繊細さを備えたピノ・ノワールが印象的。ココだけの話ですが、近い将来、和市さんが造る〝Maboroshi〟スパークリングが登場予定とのこと!


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その和市さんがシンセサイザーの喜多郎さんのニューアルバム『ファイナルコール』の発売を記念してコラボしたスペシャルキュヴェが『KITARO ファイナル・コール・ノース・コースト ブリュット(参考価格6,000円)』、比率はシャルドネ60%、ピノ・ノワール40%、シャンパーニュ方式、メンドシーノのぶどうから造っています。輸入元は横浜君嶋屋です。

ふたりのご縁はカリフォルニアのセバストポールに住む和市さんのご近所に喜多郎さんがいらしたとか。このスパークリングは気泡繊細で口中クリーミー。白い花や白桃のニュアンス、バランスがとても良いです。和市さんの初泡ものがコレであればリリース予定のスパークリングが待ち遠しいです。


最後に・・・ワインインスティテュートの堀賢一日本代表、同所の松井花織さま、そして近藤さをりさま、大変お世話になりました。、2015年のプロモーションがより活発な動きになりますことを願っております。感謝を込めて!!


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カリフォルニア研修ツアー2014 ~ケイン・ヴィンヤードからブラック・スタリオンまで(5) ~ [カリフォルニア・ドリーミング・ワインツアー]

首都圏&関西圏のレストランを対象に、4月&5月の2か月間行われる〝カリフォルニア・バイ・ザ・グラス プロモーション〟。その一環であるカリフォルニアワインテイステイング2015が、明日2日には大阪で、4日には東京で開かれます。

このプロモーションで最優秀店に選ばれると、主催のワインインスティテュート(カリフォルニアワイン協会)から内容もりだくさんの〝カリフォルニア研修ツアー〟がプレゼントされます。拙ブログではカリフォルニア・ドリーミング・ワインツアーのカテゴリーに昨年の同行取材報告を載せています。これは4日目のリポートになります。エントリーなさる方々のやる気の一助、参考になれば嬉しいです。

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カリフォルニア研修4日目はナパの青い空に浮かぶ気球を見ながら移動

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午前中の訪問はケイン・ヴィンヤード&ワイナリー(ケイン)
ワインメーカー&ジェネラル・マネージャーのクリストファー・ハウエルさんの案内で山登りを兼ねたヴィンヤード散策。当日の平地の外気は18度、山地は25度、日照度の強さを感じます。


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収穫は9月第2週からスタートした由。画像の区画(カベルネ)もまもなくです!

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運動した後はワイナリーに戻り、ナパヴァレーについて学習しました。

ナパヴァレーはロスから579km、サンフランシスコから77km、太平洋から58kmの所にあります。広さはボルドーの8分の1程度。ナパヴァレー・ヴィンナーズ(NVV)のメンバーの78%は年間生産量10,000ケース以下とのことですが、ケインは15,000ケース。ナパヴァレーのワイン生産者の95%は家族経営です。

AVAの標高を見ると、ヴァレー・フロア(平坦地)は0~214m。ケインのクリストフさんは「欧州のワイン産地は斜面が多いのですが、カリフォルニアのヴァレー・フロアでぶどう栽培ができるのは収穫期に雨が降らないからです」とコメントしていました。スプリングマウンテン地区(海抜186m~806m)にあるケインの主要ぶどう品種はCS、CF、ME、ジンファンデル。ヴァレー・フロアの『ケイン・ファイブ』と斜面側の『ケイン・コンセプト』の2タイプを生産しています。

20ワイナリーが参加したナパ・ヴァレー合同試飲会
ワインインスティテュートが行う試飲会で馴染のあるワイナリーが数多く集合していました。
BRAND Napa Valley / Cain Vineyard & Winery / Corison Winery / Dariosh / Gallica / Honig Vineyard & Winery / Long Meadow Ranch Winery / PEJU / Pine Ridge Vineyards / Raymond Vineyards / Schramsberg Vineyards / Signorello Estate / Silenus Winery / Silver Oak Cellars / Spring Mountain Vineyards / Swanson Vineyards / TEXTBOOK / Twomey Cellars / Viadar Vineyards Winery / VinRoc Wine Caves


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『ダリオッシュ』のオーナー、ダリオッシュ・ハレディさんとも再会! 
イラン生まれの彼はロスでスーパーマーケットを経営し、事業拡大に成功した後、1997年に念願だったワインビジネスに参入。2004年に完成したゲストセンターは古代ペルシャ王朝をイメージした建造物で、力が入った豪華版。ここでの 試飲はグラスの底が見えない深い紅色で凝縮感があり、余韻の長いCSとアロマ豊かでスパイシーなヴィオニエ。後者に関して、「ローヌとは異なる個性」とハレディさん。


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『スプリング・マウンテン・ヴィンヤード』のディレクター、ケン・スコッティ・バーバーさんとも再会
会場内で一番気になったワインがボルドーブレンドの『Elivette2009』、まだまだ寝かせて置きたいワインですが、上品で厚みがあり、後ろ髪惹かれる味わい

ヴィアダー、コリソン、シルバー・オーク、カリフォルニアの泡の第一人者シュラムス・バーグなど、ナパワインの安定したバランスの良さを再認識。2004年創業のテキストブックもユニークでした。


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研修ツアーも後半ということで、参加メンバーの表情にもゆとりを感じます!


ガロが所有するウィリアム・ヒルでランチ
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農業に従事していた家系のウィリアム・ヒル(オクラホマ出身)はスタンフォード大学を出てカリフォルニアに。ナパでの職場が農地をぶどう畑にする会社だったことから、土壌や日照度、適地適品種等について学び、自らのワイナリー『ウィリアム・ヒル・エステート・ワイナリー』を起ち上げることを決意。1978年に元牧場だった土地100エーカーを購入します。決め手になったのは貧しい土壌、高地、涼しいエリア(海から10マイル)の3点。南西向きなので長い日照度も得られます。主要品種はCS、CF、ME、PV、マルベック。ワイナリーの運営も順調でしたが、ヒルさんには農業に戻りたいとの思いがあり、1992年にワイナリーを売却。何人かのオーナーを経て、2007年にE. & J. ガロ社が所有者になりました(現在140エーカー)


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ウィリアム・ヒル独自のフレンチオークは265リットル
「なぜこの大きさに」との質問に「試行錯誤の結果、コスト的に一番効率が良い」とのお返事。ちなみに一樽の価格はフレンチオークで1,200ドル、アメリカンオークでは300~500ドルほどです。ゆえにフレンチオークは高級路線に、安価なワインはアメリカンとフレンチを併用して使うとのこと


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何度おかわりしたか、カリフォルニアの野菜は本当に美味!

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ワインインスティテュート副会長のリンズィ・ギャラガーさん(前列左から2人目)を囲んで


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ツアー開始後、初のメンバー全員集合写真

カリフォルニアの概要とサステイナブルについて
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ランチ後はギャラガー副会長がカリフォルニアの概要についてレクチャー

■カリフォルニアは全米のワイン生産量の90%を占め、一国としてとらえるならフランス・イタリア・スペインの3か国に次いで4番目。生産者は環境や歴史、革新、技術面等すべてをワインの生産に応用しています。
■カリフォルニアのぶどう栽培面積は23万1000ha、5,900以上のぶどう栽培農家があり、栽培されている品種は110に及びます。
■カリフォルニア全域には100を超える微気候fが存在し、58の全カウンティのうち、50のカウンティでぶどう栽培を行っています。
■アメリカ合衆国のワインの輸出量の90%はカリフォルニア産で、現在125か国以上に輸出。日本は第3位の市場で、金額ベースでは110億円になります。

環境保全型ワイン生産
サステイナブルのプログラムを担当したのはアリソン・ジョルダンさんで、1993年に福島県の小学校で1年間英語を教えた経験のある方でした。

サステイナブルの定義付けができたのは2000年のことで、ぶどう栽培者の多くが家族経営なので、次世代までつなげていくことを考えるとサステイナブルへの取り組みは重要です。それは結果として、カリフォルニアワインの品質向上にも反映していきます。カリフォルニア州は世界でも環境保全に厳しい州になっていて、2010年には第三者機関による認証制度もできました。

9月の訪問時、ギャラガー副会長が、「今、皆さんにお話している内容はまもなくサイトにアップします」とおっしゃっていました。このページがそうです。
3項目の『環境保全型ワイン生産(環境保護への決意)』をクリックしていただくと、サステイナブル、有機栽培(オーガニック)、バイオディナミの違いや、どのワイナ―のどの畑が認証を取得しているかがわかります。

カリフォルニアのワイン業界は環境保全とその透明性について強い決意をもち、自己採点法や認証プログラムを普及させています。カリフォルニア・サステイナブル・ワイングローイング・アライアンス(CSWA)、カリフォルニア環境保全型ワイン生産認証(CCSW)、地域プログラムと認証についても、Green Programsをクリックすると載っていますので、大いに活用できます。価値あるページだと思います!


ナパ最後の訪問はブラック・スタリオン
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ワイナリーの名を冠する美形ブラック・スタリオン(黒い牡馬)
1950年代、有名な乗馬場だったので、このように命名されたそうです。

デリカート・ファミリー・ヴィンヤード(DFV)のプレミアムナパワイナリー
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副社長のディビッド・デボアさんのお出迎え

ナパヴァレーの中心にある『ブラック・スタリオン・ワイナリー』は2010年5月にインデリカート家に買収されたプレミアムナパワイナリーで、インデリカート・ブランドの1つです。

イタリア移民シチリア出身のガスペアー・インデリカートは1912年に単身NYにわたり、その後、カリフォルニアでワイン造りの道を志します。サクラメントに近いローダイに初めてぶどう畑を購入。1924年のことなので、2014年はちょうど〝90年の記念年〟でした。
カリフォルニアのぶどう栽培やワイン造りのパイオニア的存在であるDFVは、現在、カリフォルニアワインのトップ10にランクされています。輸出に関しては4番目で、世界68カ国に出荷しています。〝量より質〟を重視し、価格帯によって様々なタイプのワインを生産しています。


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デボア副社長と案内役ワイン・エデュケーターのジョシュ・ウィードさん(前列中央)を交えて


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4,000個の樽が並ぶ壮観な貯蔵庫。樽業者は7~8で、メインとなるのはフランソワ・フレールとタランソー。基本的な焼き加減はミディアム・プラス


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アメリカ人によくわかるようにとの配慮からオーク樽の単位はガロン(=3.785リットル)表示。今ツアーでガロンを使っていたワイナリーはブラック・スタリオンだけ


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エステート前にあるぶどう畑には16品種が植えられています。ここは気候や土壌にどの品種が適合するか、および訪問者に実際に品種を味わってもらうことを目的にした実験的な畑です。DFVにとって重要な品種のひとつがジンファンデル。CSやシラーのように果皮が厚くない分、タンニンも穏やか


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DFVのキーとなる畑はローダイ、モントレー、ソノマ&ナパの4つです。
右は『ナーリー・ヘッド オールド・ヴァイン・ジンファンデル2012』で、創始者インデリカートがカリフォルニアで最初に購入したローダイの畑の古樹のジンファンデルから生産。アメリカで最も売れているアイテムで、リーズナブルな価格(輸入元モトックス/1,950円)も魅力

左の『デリカート・ファミリー・ヴィンヤーズ オールド・ヴァイン・ジンファンデル2012(右)』はアサヒビール/1,370円)扱いで、ノン・オークのフレンドリーなタイプ。メインの畑はローダイで、モントレーの畑のぶどうも使っています。同社のサイトにはDFVの説明が詳しく載っています。


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樽に囲まれながらのディナータイム

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アンゴス牛ショートリブのワイン煮にはナパヴァレーCS2011&リミテッド・リリース ナパヴァレー・シラー2012を合わせて


ナパでの温かなおもてなしにこころから感謝いたします。
参加者一同、ナパでのすべての日程を終え、心地良い香りがするMacArthur Place Hotel & Spa(ソノマ)に向かいました。翌日のソンマ・カウンティ・ヴィントナーズのプログラムを体験すると全プログラムが完了です!(次回は最終回)


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カリフォルニア研修ツアー2014 ~リヴァモアのウェンテからナパのモンダヴィまで(4) ~ [カリフォルニア・ドリーミング・ワインツアー]

カリフォルニア・ドリーミング・ワインツアー2014
ワイナリー訪問3日目は、モントレーから移動してサンフランシスコ・ベイエリアの内陸に位置するリヴァモア・ヴァレーのウェンテ・ファミリー・エステート(以後ウェンテ)から始まりました。

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130年以上の歴史があるウェンテはリヴァモア・ヴァレーに2000エーカー(1エーカー=0.4㌶)、モントレー郡のアロヨ・セコに1000エーカーの計3000エーカーの自社畑を所有。創始者カール・ウェンテさんから続く家族経営で、今は4代目と5代目が活躍中です。
禁酒法の時代には教会でのミサ用ワインも造っていましたが、それだけでは生計が成り立たないので、2代目は牧場経営に着手、現在でもウェンテ・ビーフとして知られています。飼育している牛には1日1本のワインを飲ませているとのこと。柔らかくて香り高い肉質はワインの効用!

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4代目のキャロラインさんは食とワインの大事さに注目し、1986年にワイナリー内にレストランをオープンしました。5代目のカールさんはキャロラインさんの甥っ子でワインメーカー。すべて自社畑から産出するワインと同様、食材も畑からテーブルに直結する地産地消型、それがキャロラインさんの考え方です。

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レストランの遠景、敷地内にはグレッグ・ノーマンがデザインしたゴルフコースや170名が着席で楽しめるコンサートホールを併設。キャロラインさんは「ワインだけではなく、来訪者に多くの体験をしてもらうことでワインカントリーのライフスタイルを満喫して欲しい」と語っていました。

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キャロラインさんの曽祖父がドイツからリヴァモア・ヴァレーに移住。祖父(2代目)と親族がカリファルニアで初めてシャルドネCHのワインを発売(1936年ヴィンテージ) しました。「CH は祖父がフランスから持ち帰った苗木を増やしたもので〝ウェンテ・クローン〟と呼ばれています。カリフォルニアのワイナリーの80%がウェンテ・クローンを使っています」とキャロラインさん。父親(3代目)がアロヨ・セコにぶどう畑を購入したので、アロヨ・セコとリヴァモア・ヴァレーの2AVAでワインを生産。地球への配慮からサステイナブル(環境保全型)農法を導入しています。

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フレンチオークがメインで、アメリカンと東欧のオークの計3タイプを使用。毎年1万樽を購入し、2~2.5年ごとに買い替えているとのこと。樽貯蔵庫には25000樽が寝ています。

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曽祖父がドイツから持ってきた大樽は貴重な遺産

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カーヴは年間10~13度、自然のクーラー
内部の塗装はベースの砂質土壌に吹付けしたものとか

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古き良き時代を感じさせるカーヴの外観

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野菜、香草、草花など、一年を通して季節に合わせた種類を育て、自家製オリーブオイルも生産。益虫や蜂との共存で畑を健全に保っています。

フードフレンドリーなワインたち
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entwineエントワインはCATVの食チャンネル〝フードネットワーク〟とウェンテが組み、〝食事と合わせて〟をコンセプトに造り上げたアイテム。10年間で米国人に食の教育をしてきたフードネットワークの実績を生かし、ワインでも同様の試みをしています。具体的には同チャンネルのエグゼクティブシェフが年に4回ワイナリーに来て、ワインメーカーのカールさんと共同でトライアル。アルコール度数も程よく、料理に合わせやすいワインを開発しています。エントワインの日本での輸入元は日酒販です。

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左から
■ピノ・グリージョPG2012・・・グレープフルーツやリンゴ、爽快な酸、一般的なピノ・グリより重厚感、ボディがあるのはシェフが求めるスタイル、牡蠣や魚貝類と合わせて
■シャルドネ2012・・・60%ステンレス発酵、40%樽発酵のワインをブレンド 重すぎず、軽すぎずのミディアムボディ、フルーティでバランス良 
■メルロ2011・・・2~3空樽使用、ドライフラワー、柔らかなタンニン、芳醇な味わい
■カベルネ・ソーヴィニヨン2011・・・カシス、ダークチェリー、ヴァニラ、燻香、紅茶、ハーブ等、複雑味あり

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こちらのウェンテブランドは明治屋扱い。両社ともに業界では最古参。「日本でもっと知って欲しいワイン」だと思いました。全体の6割が白ワイン、4割が赤ワインですが、特に〝ウェンテ・クローン〟のシャルドネはアイコンワインにふさわしい存在感があります。

■SBルイ・メル・リヴァモア・ヴァレー2013・・・SB95%+SE5%、1932年に祖父と親族が初めて〝SB〟と明記してワインをリリース。小石を多く含んだ土壌由来のキレの良い酸、グレープフルーツ等の柑橘系果実、ミネラル感
■CHモーニング・フォグ・リヴァモア・ヴァレー2013・・・CH100%(ウェンテ・クローン)、樽発酵60%とステンレス発酵40%、MLF有 、蜜を含んだサンフジ、ヴァニラ、フルボディー&複雑味あり
■CHリヴァ・ランチ・アロヨ・セコ2013・・・樽発酵90%とステンレス発酵10%、アロマ豊かでエレガント、パイナップル等のトロピカルニュアンスも、MLF有、マイベストワイン!

ランチで
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チャールズ・ウェットモアの名を冠したCS。「リヴァモア・ヴァレーのカベルネは熟したニュアンスが特徴」とキャロラインさん。ウェットモアはカリフォルニア初の使節団団長で、彼が興したワイナリーをウェンテ・ファミリーが購入、現在に至っています。

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自営農場のポークチャップ、すごいボリューム!

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ウェンテのトップレンジのCS、生産量300ケース、日本ではJute Inc.が輸入しています。


すべての面において伝統に裏打ちされた家族の強い自信が伝わってきたウェンテ・ファミリー・エステート。今回の訪問ではリーズナブルな価格、身体に優しいアルコール度数、食事に合わせて楽しめるワインが多い点が気に入りました。


お気に入りのソノマのホテル
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ディナー前にソノマのマックアーサー・パレスホテル&スパにチェック・イン、ツアー初の連泊、お部屋を開けた途端、心地よい香りが・・・こころ癒されたホテル、ネット環境も迅速でした!

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清潔感のある施設の小道を抜けてお部屋に

ナパのロバート・モンダヴィ・ワイナリー
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ナパ・ヴァレーは東西1.6~8㎞、南北約50㎞の細長い地形で、サン・パブロ湾に近い南部は海風の影響を受けて涼しく、ヴァレーを北上につれ、海の影響は少なくなります。1966年創業のロバート・モンダヴィ・ワイナリーはカリフォルニアワイン業界のパイオニア的存在で、多大な貢献をしてきました。2008年に創始者モンダヴィさんは逝去、現在はコンステレーションのグループに属しています。ワイナリーのあるオークヴィルはナパの真ん中に位置し、銘醸畑ト・カロン・ヴィンヤード(180㌶)はワイナリーの背後にあります。・カベルネソーヴィニヨンCS(全体の70%)、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、メルロ、マルベック、ソーヴィニヨン・ブランSB、セミヨンが植樹されていて、畑にはオーパス・ワン用のぶどう樹もあります。ここで造られるCSは超高価(約35万円/トン)とか、SBも秀逸です。これら2品種は故モンダヴィさんが特に愛したぶどうです。

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クローン、台木、植樹年等、細かな情報を記載

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今年は干ばつの影響で例年より早い収穫でした。SB、PNからスタートし、10月初旬にはすべてが終わる予定(訪問は2004年9月10日)。収穫が一番遅い品種はカベルネ・ソーヴィニヨンで、過去一番早かった収穫年は1984年で9月14日には終了していたとのことです。


ト・カロン・ヴィンヤードで
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ウェルカム・ドリンクはロゼ・ワイン(CS60%、ME37%、CF3%のブレンド)、アセロラ色、柑橘系果実のアロマ、口中を洗い流す酸、イチゴやサクランボのニュアンス。バーベキューにお薦め

5時、6時から収穫作業をしている最中、我々のもとに駆けつけてくださったのがシニア・ワインメーカーのリチャード・アーノルドさん(画像なし)で、今回の案内役ワイン・エデュケーターのスーザン・フレンチさんのご主人。おふたり合わせるとモンダヴィでの勤務は70年間。アーノルドさんにとって2014年は記念すべき40回目の収穫とのことでした

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醸造施設内の階段脇に飾ってあったバッカスとモンダヴィさんの壁画

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カベルネの収穫はこれからなのでタンクは空、収穫時期には39基のタンクがフル稼働します。

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案内役スーザン・フレンチさんと醸造所でカベルネを味見、種は噛んでパリパリした感じ

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壮観、出番を待つフレンチ・オーク。使用する時に樽の胴体中央部分に赤ワインを塗りますが、それは注ぎ足しの時にワインがこぼれることがあるので汚れ隠しの工夫

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収穫して1年目の樽は平積みにして並べます。2年目からの樽は別の部屋で保存。ナパの南端にあるバレルハウスにもリザーブワインをストックしています。

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1966年の創業当初から造っているシャルドネ。100%樽発酵、100%フレンチオーク(新樽70~90%)、MLF有、引き締まった酸が特徴。「カーネロスは冷涼地なので、MLFをしても豊かな自然の酸が残ります」とスーザンさん

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ワインと食のペアリングについても早くから取り組んでいたのがロバート・モンダヴィ

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1960年代、アメリカのSBは甘口でした。欧州視察をしたロバート・モンダヴィは食事にあうドライな味わいのSBの必要性を感じ、製品化します。リリースするにあたり、〝ソーヴィニヨン・ブラン〟と表記すると甘口と勘違いされるので、〝フュメ・ブラン〟というネーミングにして発売。醸造時、一部樽を使うと燻製(フュメ)的なニュアンスが出ることに由来した命名だったようです。

(左)今回2度目のリリースとなるオークヴィル・フュメ・ブラン2012。これはロバート・モンダヴィ生誕100周年を記念して2013年にデビューしたワインです。樹齢20年ほどの樹から穫れたぶどうを使用。ワイナリーあるいはアメリカ国外でのみ販売しています。
(右)フュメ・ブラン・リザーブ2012は1970年代からト・カロン・ウヴィンヤードの古樹(最古は1945年、多くは1960年代に植樹)から造った希少ワイン。今ディナーのための特別供出。口中に広がる凝縮感、ミネラル、優しく包み込むような長い余韻。モンダヴィさんの思いがこもったSBでした!

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スナッパー(フエダイの一種)のさしみ、ピクルス、水菜やチャイブを添えて
和の素材を感じさせる一品、SBのミネラルが食材の酸味とナイスマッチング

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リブアイステーキ(リブロース)、ラタトゥイユにはナパ・ヴァレーのCSリザーブ2010を合わせて
「力強いカベルネ・ソーヴィニヨンで、若い時は果実味が、熟成するにつれシダのニュアンスを感じるワインです。。リザーブワインは100%フレンチオークの新樽を使用します。100%樽熟にするのはボディのあるぶどうだからできることです」とスーザンさん。1983年生まれのお嬢さんの誕生日(30歳)にヴィンテージワインを開けてお祝いしたそうですが、ワインは見事な熟成状態だった由。長熟タイプの良きお手本といえるワイン

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マスカルポーネのアイスクリーム、リンゴのキャラメル風味、砕いたカラス麦添え
デザートワインはナパ・ヴァレー・マスカット・ドロ2013
故モンダヴィさんが〝マスカット・オブ・ゴールド〟の意味で命名、品種はマスカット・カネリ、溌剌とした酸、桃やライチ、ハチミツ、とろりとした食感でマスカルポーネとの相性良好

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「ワインカントリー料理をお出ししました」とクリス・スティルウェル・スー・シェフ
カリフォルニアで揃う食材&作られている食材を使った料理をそう表現しているそうです。

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前職はジャーナリストだったというスーザンさん、上品なマダムで素晴らしいお気遣いでした。

翌11日はナパのケイン・ヴィンヤードと合同試飲会、ウイリアム・ヒル・エステート・ワイナリー、ブラック・スタリオン・ワイナリーと、かなりハードなスケジュールが続きました。(次回で)


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カリフォルニア研修ツアー2014 ~サマーウッド、ハーン・エステートを中心に(3) ~ [カリフォルニア・ドリーミング・ワインツアー]

カリフォルニア・バイ・ザ・グラス・プロモーション2015のエントリーに向けて
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表記のプロモーションはカリフォルニアワインの生産者団体であるワインインスティテュート(本部:サンフランシスコ)が、1995年から実施しているもので、 参加レストランには覆面審査員が派遣され、顧客満足度の観点から各店舗を評価。優秀店に選ばれた10店には、カリフォルニアワイン研修旅行がプレゼントされます。

プロモーションは4月と5月の2か月間実施されますので、エントリー予定の首都圏&関西圏のレストランの皆さまはいまから、ウォーミングアップなさっていてくださいませ。
同行取材のリポートは昨10月の産経EXとブログで紹介していますが、後続部分については1月から随時アップしていきます。招待旅行の素晴らしさがお届けできれば嬉しいです。

パソ・ロブレスのサマーウッド・ワイナリーで
9月8日の午後はサンタ・バーバラからパソ・ロブレスに移動し、合同試飲会場のサマーウッド・ワイナリー・インに向かいました。パソ・ロブレスはPass of the Oaks のことで、オーク(樫)の木が多かったことに由来しているそうです。

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醸造責任者マウリッシオ・マーチャント(チリ出身)さんはコンチャ・イ・トロやサンタ・リタでも活躍

サマーウッド・ワイナリー・インが所有する9エーカーのぶどう畑にはシラー(3エーカー)とCS(6エーカー)を植えています。シラー畑を背景に「白ぶどうの収穫が終わり、黒ぶどうはこれからという段階です。2014年は温かな日が続いたので、ぶどうの生育が2週間くらい早まりました。2013年は2014年同様温暖、2011年は涼しかったので、年によって、ぶどうが熟すタイミング、収穫の時期は若干変わります」とマウリッシオさん
1エーカー=0.4㌶


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パソ・ロブレス・ワイン・カントリーのコミュニケーション・ディレクターのクリス・タラントさんも参加

「海から車で30分のところにパソ・ロブレスがあるので、海風が強く、気温はかなり涼しくなります。日中は暑いので、ぶどうの糖分は上がりますが、夜はかなり涼しくなるので、酸味とタンニンと糖分の均衡が取れたぶどうができます。パソ・ロブレスのワインのスタイルはフルーティーでバランスが取れていること。時としてアルコールの強さも感じますが、酸味とタンニンンがうまくつながる継ぎ目のないワインができます」とクリスさん


サマーウッド・ワイナリー・インは堺市で製造小売業を興したエクセル・ヒューマン・グループ(EHG)の深江今朝夫CEOが所有するB&Bで、彼が長年抱いていた夢を実現させたものです。当初、ナパやソノマでワイナリー探しをしていた深江CEOは「今後伸びる可能性があるエリア」ということで、パソ・ロブレスに注目。1998年から物件探しをして、2000年に正式に購入。パソ・ロブレスがAVAの承認を受けた1983年には約17のワイナリー、90年代には50のワイナリー、そして2000年から急激に増加。映画「サイドウエイ」の影響があったようです。リフォームしたB&Bには個性的な9ルームがあり、周囲には植樹したばかりのぶどう畑(25エーカー)が広がっています。


テイスティング会場で
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ウォ―ク・アラウンド・テイスティングにはパソ・ロブルス・ワイナリーズから10社が参加
会場となった■Summerwood の他、■Ancient Peaks Winery ■Barrel27 & McPrice Myers ■Cass Winery ■Eberle ■Hearst Ranch Winery ■J.Lohr Vineyards & Wines ■Justin Vineyards & Winery ■Peachy Canyon Winery ■Pomar Junction Vineyard & Winery

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引率の堀代表は、日本のワイン市場ではCS、PN、CHに続き、シラー等のローヌ系品種、ジンファンデルも人気があること。ナパやソノマ、サンタバーバラと比べると数量的にはまだ少ないものの、パソ・ロブレスのワインの知名度が上がってきていること、東京では毎年10月にグランド・テイスティングを行っていることについて触れました。

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セントラル・コーストは古くからジンファンデルの産地として知られています。ピーチキャニオン・ワイナリーのジンファンデル、『ウェストサイド2012』(右)に惹かれました。ユニークなキャラクターのオーナー、ダグ・ベケットさん。昼夜の温度差によるきれいな酸と凝縮したベリー系果実、なめし皮や黒系スパイス、なめらかでこなれたタンニン等、複雑味を備えたワインです。

1ヶ月後に東京で再会
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毎年恒例のグランドテイスティング@セルリアンタワーで懐かしい笑顔!
東京で改めてテイスティングしても感想は同じ、お薦めできるジンファンデルです。

サマーウッド・インでのディナー
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深江今朝夫CEOの秘書、萱間俊匡(かやま・としまさ)CFO(左から5人目)を交えて
夜が更けるにつれ、外気がどんどん下がり、心底冷えてきました。今ツアーで一番寒かったという記憶が・・・

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看板シェフのケリー・ワンガードさん
サマーウッド・ワイナリー・インについては10月のカリフォルニア特集〝米西海岸で展開されるジャパニーズ・マインドで紹介。TVの料理対決も勝利していました。SFのお薦め店Pabu Izakayaも載せています。

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この日はセントラル・コーストの中心部に位置するラ・キンタに宿泊。清潔感がある快適スペース!


日本がナンバーワンの市場
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翌日(9日)の訪問はサンタ・ルシア・ハイランズ(以後SLH)にある『ハーン・エステート(以後ハーン)』からスタート。1970年代のSLHは寒くてぶどう栽培には向かないと言われていたエリアですが、近年、CHやPNのような冷涼産地に適したぶどう栽培をしています。
ドリーミングツアーでは毎年ハーンを訪問しています。輸入元はワイン・イン・スタイル。輸出担当のエブリン・プール副社長から「Because they do a great job for us, Japan is a No.1 market!!」との嬉しいお言葉が。ワイナリーのメンバーはきわめて友好的、交流の密度が伝わってきました。

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栽培担当のアンディ・ミッチェルさん(中央)とエブリン副社長(右)

さらに、エブリンさんは「1979年にニッキー・ハーンがこの地を購入したので、2014 年で35周年になります。現在世代交代が進んでおり、息子フィリップは会長職、娘のキャロラインは実務を担当していますが、ここ3週間で嬉しい出来事が続きます。キャロライン・ハーンの結婚式と同じ日にハーン夫妻の金婚式があります」と。重ね重ね、おめでたいことです!

アンディさんはハーンで16年働いていますが、この間、大きく様変わりしたのが栽培するぶどう品種。当初はボルドー品種のCS、カベルネ・フラン(CF)、メルロ(ME)を植えていましたが、この地にはブルゴーニュ品種が合うことがわかり転換。現在4つの自社畑(スミスヴィンヤード、フック・ヴィンヤード、ドクターズ・ヴィンヤード、ローンオークヴィンヤード)を所有。AVAはSLHとアロヨ・セコ。全部で1100エーカーあり、うち、PNが350エーカー強、SLHでは一番大きな生産者です。

収穫期のピノ・ノワール畑で
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巨大なマシーンが実際に稼働している姿は壮観!
共同で機器を購入したり、レンタルすることはありますが、自社で4機所有するとはすごいです。

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マシーンがぶどうを収穫した後の状態、綺麗に刈られています。

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重労働! ワイナリーではピジャージュ(櫂入れ)の体験も

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前日届いたピノ・ノワールのチェック、薄すら可愛いピンク色

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貯蔵庫には1万樽、樽メーカーは5つでCHは3社(スギャン・モロー、フランソワ・フレール、メルキュレ)、PNはそれらに加えてナダリーとダルガンが入ります。

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SLHのシャルドネ2012とカリフォルニア沖で釣れたアルバコア(ツナ)のタルタルを合わせて
ローンオークヴィンヤードから穫れたCH、MLF実施、アボカドとグリーンペッパーは自園野菜。控えめな樽香、ミネラル、シルキーで舌の上に広がるねっとり感、ワインの酸がツナの脂分を洗い流してくれる印象

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SLHのピノ・ノワール2012とウオッカのソースのサーモンのサルテインボッカと合わせて
4つの自社畑のピノをブレンドして最高の畑を表現したワイン。クローンも113、115、667、777、2A、マウント・エデン、ポマール5、ジャクソン9のぶどうを使用。下記クローンのブローシャーが活用できそうです。

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ハーン・ワイナリーGSM2012と真空状態で4時間かけて低温処理したラム(モロッコ産のスパイス風味)にホワイトバルサミコのミント入ゼリーをかけて。上にある赤い色はバラの花びらのせん切。ワインはグルナッシュ主体、シラーとムールヴェードルのブレンド。双方のスパイシーさがナイスマリアージュ。スミス&フックのCSとの相性も良いと感じました。

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スミス&フックのカベルネ・ソーヴィニヨン2012(セントラルコースト)とヤギのチーズとアーモンドクッキー。ハーンではカベルネに関しては長期契約した栽培農家からぶどうを購入して生産しています。

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ワインメーカーのグレッグ・フリーマンさんは就業10年目、お好きな品種は当然ピノでした!

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ピノ・ノワールには20のクローンを使っています。「多くを使うことでブレンドの可能性が高まる」と。これはピノ・ノワールの16のクローンがどのようなワインになるかを一覧にしたブローシャーで、スワンクローンなら「beautiful bright fruit, balanced richness」というような感じです。

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ハーンに来て1年というエグゼクティブシェフのディオンJ・フォスターさん

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10月のグランドテイスティングで元気印のエブリンさんとも再会!
手にしているのはハーン・ファミリー・ワインズのルシエン、エレガントなピノです。
ハーンにとって、これからも日本市場がナンバーワンでありますように!


ツアー初のスパークリングと対面
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ホテルはポルトラ・プラザ、部屋数が多いのでホテル内を歩く時間+αが必要
フィッシャーマンズ・ワーフまで歩いていけるのは魅力、スパもあります!

ランチの後、ハーンを出発し、約1時間でモントレーへ
「モントレーは湾の沖が海溝になっていて、それが非常に深く、海底で冷たい海流が吹き上がっているために寒いです。モントレーの周囲がガスっぽいのは、夜の間に海上からの水蒸気が海風に運ばれてきたことによるものです」と堀代表から説明がありました。
 
ホテルで小休止、夕方まで自由時間の後、モントレー・カントリー・ヴィントナーズ(キム・スタムレーさんがナビゲート)のメンバー数名とのテイスティングディナーへ。カジュアルスタイルのJennini Kitchen + Wine Bar。56のワイナリーが所属しているそうです。

モントレーはぶどう栽培をしてナパに売っていた経緯がありますが、近年は販売量を減らして元詰めするところが増えています。新潮流の1つがスパークリングワインで、アルバリーニョから造るタイプもあるとのこと

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ツアーで初めてテイスティングしたスパークリング『カラッチオリ・ブリュット・キュヴェ2007』
瓶内ニ次発酵、CH60%とPN40%のブレンド、ドザージュ1.15g/L、2006年がファーストVTで現地価格は52ドル(日本未輸入)、生産量2500ケース、ワインメーカーは元ロデレール・エステートの醸造責任者。高級感あるスタイル

モントレーでは十分な試飲ができなかったことがとても残念、唯一の反省点です!
翌日は130年以上の歴史あるワイナリー『ウェンテ・ファミリー・エステート』と『ロバート・モンダヴィ・ワイナリー』を訪問予定 (次回に続きます)


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カリフォルニア研修ツアー2014 ~サンタ・バーバラを中心に(2) ~ [カリフォルニア・ドリーミング・ワインツアー]

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(C)Discover California Wines
カリフォルニア全体を見ていただいてから

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(C)Santa Barbara Vintners
セントラル・コーストにフォーカス、距離的にはロスから北に2時間、サンフランシスコから南に4時間半。ツアーはロスからソノマまで北上、連泊は1回(ソノマ)。あとは連日バスでの移動でした。

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帰国後、ワインインスティテュート日本事務所(代表:堀賢一)主催のグランドテイスティングがあり、サンタバーバラ・ヴィントナーズ(サンタ・バーバラ・ワイナリー協会)代表のモーガン・マクローリンさんが初来日。〝サンタ・バーバラの多様性〟と題するセミナーを行いました。

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堀代表は「カリフォルニアというと輸出市場ではナパやソノマが主流ですが、実は日本市場ではサンタ・バーバラのワインが人気で、最大の輸出先は日本だと言われています。これは日本にはピノ・ノワール好きな方が多いので」とあいさつ。
ブルゴーニュは2011年から3年続きで収量減、価格も高騰しています。ピノラバーさんは、この機会に、サンタ・バーバラのピノに注目なさってみてはいかがですか。


9月の現地訪問では初日がサンタ・バーバラ。口開けのセミナーがモーガン代表だったので、このブログでは東京での要点を織り交ぜつつ、まとめます。

サンタバーバラの概論
歴史:1700年代、ワインは宗教と結びつき、修道会によってミッション種が植樹されていきました。1804年に商業的なワイナリーが設立され、ワイン販売が始まりますが、1900年代初期の禁酒法の施行によりアメリカ全体が大きなダメージを受けます。1933年禁酒法が廃止され、1964年にサンタ・マリア・ヴァレーで初めて商業的なワイン生産が開始します

気候:場所によって気候は異なります。北からのカリフォルニア海流(寒流)とメキシコからの暖流がぶつかることで、大量の霧が発生。海流も複雑な流れに変わります。霧は大きな山脈がないサンタ・バーバラに最初に入り込み、その後、山脈に沿って内陸部に進行。夜間は海からの霧が谷を遡上、昼間は海に押し戻され、昼夜の日較差が生じることでワインにアクセントがつきます。

地形:非常に複雑な地域で、大陸移動によって衝突や回転、分断を繰り返し、沈降したプレートの上に位置しています。約2千万年前~4千万年前に、東太平洋海嶺(太平洋の中央海嶺)がカリフォルニアの南岸に衝突したことがサンアンドレアス断層の発端になりました。海からの大陸棚が陸の大陸棚を押し上げたことで西から東に向かって山脈が形成され、サンタ・バーバラはサン・ディエゴの北にあった陸地の一部が断片となって離れ、回転したことで今の地形になりました。

土壌:数百万年前の地殻変動によってできた土地で、畑の多くは比較的新しい堆積土壌。主要な2タイプは、粘土ローム質と砂質(水はけがよく、ミネラル分が多い。低収量の傾向)で、これらを含む50種ほどの多様な土壌があります。畑はヴァレーフロアか斜面下部の扇状地

6種類のテイスティング@東京
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画像左から#1~#6

#1:バイロン ピノ・ノワール サンタ・マリア・ヴァレー2012/ファインズ輸入 3540円(税別)
ジャクソン・ファミリー・ワインズ所有、18の異なるPNを栽培、2012年は温暖だったことでワインには厚みとボディがあり、サンタ・マリア・ヴァレーの個性を反映した凝縮した果実味と綺麗な酸も

#2:ケネス・ヴォルク・ヴィンヤーズ ピノ・ノワール サンタ・マリア・ヴァレー2012/日本未輸入
2006年設立、夜間の手摘み収穫(涼しい時間の収穫により、高い酸が維持できます)、6つの畑のぶどうをブレンド、複雑味があり、フルボディ、樽はハンガリー産を使用

#3:ディアバーグ・ヴィンヤード ピノ・ノワール サンタ・マリア・ヴァレー2011/モトックス 5000円(同)
2011年ヴィンテージは冷涼年、低収量。ミズーリ州でワイン造りをしていたディアバーグさんがセントラル・コーストのサンタ・マリア・ヴァレーに移り住み、ワイン造りを開始。13の異なるPNを生産。Alc度数13.5%、15ヶ月樽熟、100%フレンチオーク(30%新樽)

#4:フェス・パーカー・ワイナリー シラー サンタ・バーバラ・カウンティ2012/ラ・ラングドシェン  3400円(同)
フェス・パーカーさんはその昔ハリウッドスターで、1950~60年代にかけて映画『デイビークロケット』で名を馳せた由。その番組のロゴをワインに使用。ホテルビジネスを手がけたあと、700エーカーの畑を入手し、サンタバーバラでワイン造りに関わっています。18か月樽熟でアメリカンオークとフレンチオークを併用(新樽60%)、シラー100%

#5:ストルプマン・ヴィンヤーズ エステイト・クローン・シラー バラード・キャニオン2012/日本未輸入
2013年10月に承認されたAVA(2012年の段階で、瓶詰め、樽熟成中だったワインもAVA表記可)。コンクリートタンクで発酵、SO2の使用はほとんど無。2012年の温暖な気候下で果実の色調は深みがあり、濃厚。綺麗な果実味も出ています。石灰質土壌から収穫したシラー100%(年によってはヴィオニエも使用/ローヌタイプ) 

#6:スター・レーン・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン ハッピー・キャニオン2009/モトックス 7000円(同)
カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロ等のボルドーブレンド。2009年は雨が少なく温暖な気候だったことで、ぶどうは完熟し、重厚なスタイル。20カ月樽熟成、2011年6月瓶詰

ディアバーグ/スターレーン訪問で
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ツアー研修初日の午前中に訪問したスターレーンはディアバーグのオーナー、ジム&マリー・ディアバーグ夫妻が所有するワイナリーで、2009年に重力による醸造施設が完成しました。最高品質のピノ・ノワール&シャルドネを造るディアバーグと高品質のボルドー品種を造るスターレーンの2極スタイル

AVAについて
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(C)Santa Barbara Vintners

冒頭にある2枚目の画像、オレンジ部分がサンタ・バーバラ・カウンティで、ここには5つのAVAがあります。ワイナリー数は200超(生産量は平均1万ケース以下)、栽培しているぶどう品種は50種類で、白ぶどうはシャルドネ(CH)、黒ぶどうはピノ・ノワール(PN)がメイン、 2003年以降はボルドー系品種やシラーが増えています。太平洋に沿って長い海岸線が続き、2つの山脈(サンタ・イネズ山脈とサン・ラファエル山脈)が東西に走っているので、山脈に沿って海からの冷たい空気が内陸部に引き込まれていきます。ゆえに海の影響を受ける冷涼なエリアではシャルドネやピノ・ノワールの栽培が可能となり、内陸部の奥深くまで冷たい空気が届きにくいこともあり、それらのエリアは温暖傾向になるので、シラーやカベルネを栽培することができます。

アメリカ政府公認ぶどう栽培地域を意味し、TTB(酒類・タバコ・税取引局)によって認可されています。2012年10月現在、全米のAVAは206。ラベルにAVAを表示する場合、ワインに使われる85%以上のぶどうがその地域から産出されたものでなければなりません

5つのAVA
■サンタ・マリア・ヴァレー(1981年認定 )
最初に認可されたAVAで最大。1981年の認定後、2006年に面積拡大、2つのカウンティ(サンタ・バーバラとサン・ルイ・オビスポ)にまたがっています。海に向かって開けた地形、霧の影響で冷涼、風が強い。良質のシャルドネとピノ・ノワール、東部でシラーやピノを生産
■サンタ・イネズ・ヴァレー(1983年認定)
3つのサブAVAがあり、一番西(冷涼)にサンタ・リタ・ヒルズ(2001年) 中央にバラード・キャニオン(2013 年)、一番東(温暖)にハッピー・キャニオン・オブ・サンタ・バーバラ(2008年)

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15度のカーブでAVAのレクチャー!

■サンタ・リタ・ヒルズ(2001年認定)
2005年に名称変更(チリにも同じ名があるので、Sta. Rita.Hills に) CH、PN
■バラード・キャニオン(2013 年認定)
水はけの良い砂や粘土ローム層、シラー、グルナッシュ
■ハッピー・キャニオン・オブ・サンタ・バーバラ(2008年認定)
夏は35度、ボルドー品種CS、ME、CS、 SB

17ワイナリーが集合したテイスティング
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サンタ・バーバラの17ワイナリーがスターレーンに集合して行った合同試飲会
Star Lane/ Au Bon Climat/ Fess Parker Winery & Vineyard/ Flying Goat Cellars/ Longoria Wines Margerum Wine Company/ Martian Ranch & Vineyard/ Melville Winery/ Pali Wine Company / Pence/ Presqu'ile Winery/ Qupe/ Sandi & Domaine de la Cote/ Sevtap Winery/ Silver Wines/ Stolpman Vineyards/ William James Cellars

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日本でも人気のオー・ボン・クリマ、酸のバランスとAlc度数13.5%の落ち着いたニュアンス!

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供出ロゼは2アイテムだけでしたが、エレガントで、和食に合わせやすいタイプ
Presqu'ile Wineryのサンタ・マリア・ヴァレー・ロゼ・ピノ・ノワール2013は上質感あり

収穫作業中のワイナリーで
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スターレーン・ヴィンヤードのワインメーキングディレクター、タイラー・トーマスさんが案内役。
メンバーが味わっているのは2時から4時までのナイトハーベストで収穫したばかりのカベルネ・フラン、しっかり糖分がのっていました。

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高速の選果機の見事な作業
カベルネ・ソ-ヴィニヨンの粒が大きな黒いキャビアに見えます

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カベルネ・ソーヴィニヨンの選果後の果梗
「ボルドー品種は梗を取り除き、ブルゴーニュ品種の場合は取らない場合もある」とタイラーさん

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重力による醸造では上の階から順に作業が進んでいきます

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今年、スターレーンではボルドー&ブルゴーニュ合わせて10社の樽メーカーを使っているそうです。タイラーさんの選択理由は「安定していること。赤ワインにとってテクスチュアがカリフォルニアを表現することになるので、それを反映してくれる樽が重要」

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トップレンジ、2013年のアストラル
最終ブレンドはまだですが、アストラルには85%の自根(台木なし)ワインを使っているとのこと。土壌はフィロキセラに強い砂質ではなく、チョーク質。樹齢は16年前後

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自然光の下でカジュアルランチ! テイスティングで飲んだワインも揃っていました

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気になった『Margerum Riviera2013 San Luis Obispo County』
美しい色と爽やかな酸味が食欲そそります

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タイラーさんからの台木の説明

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スターレーン・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニヨン(CS)
CSの標高は500m、ソーヴィニヨン・ブランは200m程度


サンタ・バーバラは映画『サイドウェイ』の舞台になったことで、ピノ・ノワール人気に拍車がかかり、話題のエリアになりました。映画公開から今年で10年ですが、ピノ人気は一過性のものではなく、今でも安定しています。海に近い冷涼エリアから産出されるシャルドネやピノ、内陸寄りの温暖なエリアから生産されるボルドースタイルのワイン、多様な個性が詰まったサンタ・バーバラの底力を実感しました。

加えて、太陽の光を感じながら食べるランチは最高!!!
サンタ・バーバラ・ヴィントナーズの皆さま、大変お世話になりました。

この後、一行はパソ・ロブレスに移動、次回はサマーウッド・ワイナリー&インからスタートします。


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カリフォルニア研修ツアー2014 ~成田から避暑地サンタバーバラまで (1)~ [カリフォルニア・ドリーミング・ワインツアー]

カリフォルニアワイン・バイ・ザ・グラス プロモーション受賞店の現地研修ツアー
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2014年4月&5月に実施したバイ・ザ・グラスプロモーション
今年度の参加店舗数は首都圏126店舗、関西圏99店舗、圏外(審査対象外)5店舗で、そのなかから優秀店10店(首都圏・関西圏)とグループ賞2社選ばれました。受賞店はコチラ
私は各店の代表が参加した研修ツアーに同行したのですが、9年前、ソムリエ協会の機関誌編集長をしていた時の同行と比べると、参加メンバーの平均年齢がぐっと下がった印象。朝から夜まで元気パワー充満で笑い声が絶えない8日間でした!

拙ブログで9月7日から14日までのリポートをしていきますが、ブログを書きながら思っていることは・・・料飲店の皆さまを、「このようなツアーに行けるなら来年は是非とも挑戦するぞ!」という気持ちにさせたいことです!

ノーベル賞でも注目のサンタバーバラ
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成田からユナイテッド航空でロサンゼルスへ。
東京は雨模様で少し肌寒さを感じました。出発は30分ほど遅れましたが、10時間のフライト後、荷物を受け取って到着ロビーで参加メンバーと合流

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バスでロスからサンタバーバラまでの道すがら、抜けるような空の青とふわふわの白い雲

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メインストリートを抜けてホテルに向かう途中から美しいビーチが見えてきました!

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ビーチ沿いにはアートの展示、思わず気持ちがルンルンしてしまう避暑地

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ヒルトンリゾートのフェス・パーカー・ダブルツリー・リゾート・サンタバーバラ
ロスから車で約2時間、無事ホテルに着きました。
先日、ノーベル物地学賞を受賞した中村修二さんはカリフォルニア大学サンタバーバラ校の教授でしたね。一級のリゾート地にある大学、なんとも贅沢な環境です!

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ヤシの木や南国の草花が植えられた散歩道を通ってお部屋へ

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机回りも使いやすく

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敷地の中央部には素敵なプール

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サンタバーバラのダウンタウンにある人気のワイン・カスクで長旅の疲れをいやすウエルカムディナー。ホストは堀賢一代表、ここで各自自己紹介。明日からはハードなスケジュール!

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かわいいテーブルセット、居心地の良い空間

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地元の新鮮な素材を使った視覚的にもきれいな料理
ワインはホリケン・セレクション

カリフォルニアのセントラル・コーストにあるサンタバーバラは映画『サイドウェイ』で脚光を浴びたエリアです。映画封切りから今年で10年! 映画効果でピノ・ノワールが飛ぶように売れていましたが、今でもピノ・ノワール人気は続いています。

今月7日に、ワインインスティテュート日本事務所主催のカリフォルニア・グランド・テイスティングがあり、その一環として『サンタバーバラの多様性』をテーマにしたセミナーが開催されました。次回のブログで、現地訪問1日目のサンタバーバラと併せて、報告させていただきます。



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現地から ~収穫真只中のカリフォルニア『ハーン・エステイト』でガンダムと再会~ [カリフォルニア・ドリーミング・ワインツアー]

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移動、移動のカリフォルニア!
ロサンゼルス到着後、バスで即、サンタ・バーバラへ。映画『サイドウェイ』でピノブームを起こしたエリアです。映画公開から今年は10年目になります。その後、パソ・ロブレスへ。ここではパワーのあるワインが多かったのですが、アメリカを代表する品種ジンファンデルから造られた魅力的なワインとの遭遇もありました。

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ハーン・エステイトの自社畑の広さは1100エーカー、標高300㍍のエリアから全景を見ると

パソ・ロブレスを離れ、さらに北上し、モントレー・カウンティのサンタ・ルチア・ハイランズにある『ハーン・エステイト』へ。ここで、懐かしいガンダムに再会、ぶどう自動収穫機(グレープ・ハーベスター/勝手にガンダムと呼んでいます)! ハーン・エステイトでは収穫期には4台のガンダムが働くそうです。

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8割が機械摘み、ホント凄い迫力、脚も早いのです!
ハーベスターは50人が8時間休みなしで作業する能力を備えていますよ

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ちなみに、この場所の畝の間隔は6×6フィート

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ガンダムが通ったあとは、梗だけが残って

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今日は朝から思い切り、砂ぼこりを浴びました。そして・・・未体験ゾーンへ。
今度は数台のカートに分乗してワイナリー内を見学、畑の畝の間も走りました!

只今、ワイナリーは収穫の作業で大忙しです。
でも、ドリーミングツアーを引率するカリフォルニアワインインスティテュートの堀代表とハーン・エステイトの長い友好関係をベースにしたおもてなしの心を感じましたし、日本市場がNo.1ということで、日本への熱い思いも感じました。
ブログからカリフォルニアのワイン産地の動きを感じていただければ幸いです。

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