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半導体製造業からワイン業界に参入したMGVs(マグヴィス)ワイナリー [ワイン]

創業1周年を迎えたMGVs(マグヴィス)ワイナリーへ

(左から)袖山政一醸造責任者、松坂浩志代表取締役、前田健栽培ディレクター


勝沼に誕生したサイエンスのワイナリー

マグヴィスワイナリーの母体は半導体製造の塩山製作所。注目のワイナリーなので、お訪ねする2日前(20日)にも、NHK「ニュースチェック11」で取り上げられていました。

初訪問した22日は好天に恵まれ、松坂社長と前田氏の案内でぶどう畑を視察、ワイナリーに戻って袖山氏と共に施設を見学、テイスティングでは当日リリースされたばかりのワインを含む6アイテムを体験しました。

松坂社長への囲み取材で、
日本国内で行っていた半導体の生産はベトナムに移行したこと。明治時代から続く、ぶどう栽培農家の4代目で、所有するぶどう樹から収穫した甲州ぶどうを日川中央葡萄酒(タンクを1本レンタル)に委託してプライベートワインを造っていたこと。半導体の工場は元々ぶどう畑があった場所に建設したもので、ワイン事業にシフトするなら、土地の個性を反映させ、ローカルにこだわったものを造りたいというヴィジョンがあったこと等を伺いました。
半導体製造で使っていた窒素ガスのタンクを搾汁機に改造することで、酸化しやすい甲州対策に活用。半導体と同じく、ワインの品質に関しても徹底したこだわりを見せています。

印象的だったフレーズ
「ワイナリーでワインを造っていたのは芸術家だったが、芸術家だと失敗もある。でも、今ではペンフォールドは科学(サイエンス)を手に入れたので失敗がない」
前述の言葉は、お手本にしているというオーストラリアの名門ペンフォールド発のものだそうですが、これを引用して、「ワイン造りには失敗があるかも知れないけれど、サイエンスによって、一定の水準のものを出していかないと世界基準に通用しない」と松坂氏。
海外進出も視野に入れていますが、国際品種のカベルネやピノ・ノワール等の栽培ではなく、日本の固有品種甲州とマスカット・ベーリーA(MBA)に特化しているので、「まずは2品種の認知度を高めることが先決」と。ワイン愛飲者のすそ野を広げることも課題の1つになっています。将来的にはニュージーランド(条件として雨が降らないエリア)で、甲州とMBAを生産して、2品種の可能性を試したいとの考えもお持ちのようです。



手掛ける品種は白ぶどうの甲州と黒ぶどうのMBAのみ
ワイナリー内の畑には垣根式のMBA!

3月22日発売のシャルマ法の甲州スパークリング

差別化を考えてデザインされたボトルとユニークなラベル
泡もの全体の呼称は“ポシュPOSH”にしたいとのこと。発泡酒(はっぽうしゅ)の語呂に合わせた“ポシュ”は、英語では、豪華、素晴らしい、洒落た、贅沢な等の意味があります。
2020年をめどに瓶内2次発酵のスパークリングワインもリリース(1,000本)予定!

ワイン名の読み方レッスン

資料:MGVsワイナリー

マグヴィスワイナリーのラベルは極めてユニークです。
甲州はK、MBAはMで表示されています。さらに3桁の数字の一桁目は「ぶどうの収穫地」、2桁目は「仕込み、原料処理方法」、3桁目は「醸造方法」を意味しています。
K111のワインは、甲州、勝沼地区、フリーラン(一番果汁)、ステンレスタンク発酵で造られている、ということで、桁と数字を理解すれば、ワインの地域や造りがすべてわかる仕組みになっています。今までになかった斬新なアイデア、理系的発想! 2018年ヴィンテージからは耐水性のラベルに変わります。


視察したルートを辿って
甲府盆地が一望できる鳥居平

マグヴィスワイナリーのぶどう畑は日川沿いに点在。段丘の底辺部分にあり、砂地で水はけの良さが特徴。

松坂社長によると、ワイナリーに隣接する日川は大菩薩(最高2000m)から下流まで一気に流れてくる急流で、特に500mから下流までは川がまっすぐだったことから、昔から何度も洪水に悩まされており、ワイナリー(330m)のある場所も明治40年の大水害で、全部流された由。現在の土壌は河川の浸食によってできたもので、段丘上部の粘土質の栄養分が流れ込んでいる砂地とのことでした。


標高500mの鳥居平からは甲府盆地が見渡せます。


3年前に植樹された西田の畑の元気な甲州!


勢いのあるマスカット・ベーリーA


温度管理について解説中の袖山醸造長


バレルテイスティングしたのは下川久保の遅摘み甲州2017


勝沼上岩崎引前のMBA(2017年10月収穫)、酒質がイイです!


樽はフレンチオークとアメリカンオークを併用

春の新ヴィンテージリリース

初のスパークリング
#1:K537 甲州NV GI YAMANASHI
4月22日ニューリリース
2015年と2016年に収穫した甲州。フリーランだけでなくプレスを使用しているにもかかわらず酒質ピュア、タンク内発酵(シャルマ法)が甲州のアロマを生かした印象。泡もクリーミー、ランチで一番使い勝手が良かったアイテム、1,002本、3,672円

遅摘甲州のヴィンテージ違い
#2:K131 甲州 勝沼町下川久保2017
4月22日ニューリリース
10月27日まで完熟させた甲州、フリーラン/プレスでステンレス発酵、2,464本、5,400円
#3:K131 同2016
2017年4月23日リリース
10月16日収穫、ワイナリーに隣接する単一畑の甲州、1年の熟成の違いが、香りに豊潤さ、味わいにまるみが出ていました。1,888本、5,400円

新生ロゼ
#4:B521 マスカット・ベーリーA 山梨2017 GI YAMANASHI
4月8日ニューリリース
淡い桜色、セニエ、ステンレスタンク発酵、MBAの果実風味、ライトな酸、全体におとなしい印象、2,328本、2,376円

樽の使い方、産地の違いを比較
#5:B553 マスカット・ベーリーA 山梨2016 GI YAMANASHI
4月22日ニューリリース
9月10日&27日収穫、甲州勝沼町&山梨牧丘町のぶどう、ステンレスタンクで発酵+8ヶ月樽熟、深紫色、キャンディアロマ、1,806本、3,240円
#6:B153 マスカット・ベーリーA 勝沼町下岩崎2016
2017年7月26リリース
10月3日の収穫、勝沼町下岩崎の単一畑、ステンレスタンク発酵+フレンチオークとアメリカンオークで6ヶ月熟成、赤紫色、赤系果実、アロマ芳醇、甘やかながら重厚感も備えた酒質、果粒コントロールの成果。1,481本、5,400円


#5#6の順
収穫のタイミングや酸化を防ぐ方法等で試行錯誤感のある甲州に比べて、MBAのほうが馴染み易く、品種の個性を感じました。個人的には果実風味に加え、重厚感のある#6に興味惹かれました。雨の多い日本ではぶどうの粒が大きくなってしまいがちなので、それを改善すべく、副梢果房栽培でMBA果房を30%小さくする努力を行っているとのこと。#6の凝縮感にその成果が出ている印象。
松坂社長は山梨大学岸本宗和准教授が研究している副梢果房のことを話していました。リンクした研究成果報告書を見ると、果房の変化が良くわかります。
すべてのステージを遅目(秋の長雨をやり過ごしてから収穫)にしているマグヴィスワイナリー。「健全果であればMBAは遅摘でも全然問題がなく、醸造に果梗も使える」との話も出ていたので、より深みのあるMBA誕生が楽しみです。


各畑の土壌サンプル


今回の視察を仕切ってくださった石井もと子氏


ランチ By ビストロ・ミル・プランタン、五味さんのお店のケータリング!


親しみやすい味わいのメニュー
K537のポシュは万能選手、B153の2016は鴨胸肉の軽い燻製と合わせて。

■日本ワイン探訪で、MGVsワイナリーにもお出かけください。新宿から塩山まで90分ほどです。https://mgvs.jp/

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