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日比谷 松本楼創業115周年記念イベント ~シャンパン『クロ・サン・ソフィー』に繋がる山梨・勝沼ヒストリー~ [ワイン]

明治38(1903)年創業の日比谷 松本楼、115周年記念イベント開催


日本初の洋式公園とした誕生した日比谷公園のなかに、時を同じくして創業した松本楼は、明治のハイカラさん憧れのフレンチレストランとして人気を博していました。
それから115年! 
小坂文乃社長が、今回、記念のロゴとして採用したのは“シーラカンス”
きっかけは、ワイン界の権威大橋健一マスターワイン(MW)の「浮き沈みの多い飲食の世界で、100年以上継続していくことは凄いことであり、言うなれば、業界のシーラカンスですね」とのお言葉がヒントになって考案されたとのこと。みどり色のシーラカンスはとても可愛いですし、1階のテラスにある樹齢400年以上の銀杏の葉も描かれています。

梅屋庄吉と孫文の絆

創業当時の松本楼


小坂文乃社長の著書と梅屋庄吉氏と孫文の関係を記した文献




ひまわり色の装いの小坂社長とひまわりの花束!
第1弾の記念イベントとして、私は日本とフランスの素敵な繋がりをお話しさせていただきました。

副題には、日仏160年、日本ワイン140年(2017年で)、明治150年と表記しました。
フランスのシャンパーニュ地方と日本の山梨・勝沼を繋ぐ素敵なお話がテーマで、供出させていただいたワインもシャンパンと日本のワインでした。

新緑がまぶしい空間で

新装された2階バンケット・ルームに80名のお客さまをお迎えして


いつもながらの落ち着いたテーブルセッティング


フォーカスしたシャンパンメゾンは『ジャック・ラセーニュ』
1960年代に父親が畑を購入(自社畑は約6㌶)、エマニュエル・ラセーニュは2代目


エマニュエル当主から動画メッセージが到着したので開宴前にチェック作業





ワインは左から
#1:シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード ロゼ2016
産地は長野県上田市のマリコ・ヴィンヤード。シラー、メルロー、CF、CS。ステンレスタンクで約14日、約4,700本。香り華やか、赤系果実、ベリー風味、スパイス、タンニンの存在感、サーモンやエビチリ、餃子と相性◎
#2:ジャック・ラセーニュ レ・ヴィ―ニュ・ド・モングー ブラン・ド・ブランNV
白い花、レモングラス、アカシア、柑橘系果実の内果皮似のビター感、終盤まで持続する酸、時間の経過でソフトに
#3:シャトー・メルシャン 岩崎甲州2016
柑橘系アロマ、温度変化で樽由来の重厚感、上質な酸味、果皮由来のビター感、旨味のある甲州
#4:ジャック・ラセーニュ ラ・コリーヌ アンスピレNV
淡いイエロー、ミネラル、塩味、樽由来の複雑味、旨味、酸の余韻
#5:ジャック・ラセーニュ ミレジメ2008
秀逸な2008年ヴィンテージ、香りに熟成感、味わいはフレッシュ、切れのある酸味、他と違うニュアンス
#6:ジャック・ラセーニュ クロ・サン・ソフィー2010
黄色系果実(黄桃、カリン)、木香、蜂蜜、クミン、カルダモン、エスニックスパイス、余韻に甘やかさ

協賛:リーデル・ジャパン株式会社(リースリンググラス)
協力&一部協賛:メルシャン株式会社、藤原商店
輸入元(藤原商店)情報:http://fujiwara-shouten.co.jp/import/champagne.html



六川シェフの料理は初めてだったのでワクワクでした!


小坂社長からスタート当初から今に至るお話、ご挨拶


ウェルカムドリンクはロゼワイン、色合わせでサーモン登場
シラー由来のスパイシーさがピンクペッパーとマッチ、低温から徐々に温度を上げて楽しんで欲しいロゼ! 


ジャック・ラセーニュはすべて白ぶどう100%で、ノン・ドザージュ(糖分添加無し)、生の勝負!
リーデルのリースリンググラスを使い、白ワイン感覚で。余韻まで凛とした酸が残り、口中をきれいに洗い流してくれる印象、ピュア!


ノン・ドゼのシャンパンの後に登場した岩崎甲州、その評価は

昨年初リリースされた『シャトー・メルシャン 岩崎甲州2016』は発売後、即完売! 
メルシャンがこの日のために手配してくださったもので、フランスに渡った高野・土屋両家の生家で栽培している甲州から造られています。


甲州とシャルドネに合わせて、ホワイトアスパラガスのブラマンジェ&雲丹のクリーミーさ、絶妙

昨年、お寿司屋さんに持ち込んで体験し、惚れ込んだ甲州岩崎。
樽使いの絶妙さと、昨年より瓶熟期間を経ている分、趣きある味わいに。中盤以降、酸の広がりも好印象。嬉しかったのは、シャンパンの輸入元クロスロードの有馬さんからいただいた「この甲州、深みがあってイイね」というお言葉。さらにリーデルの庄司さんから「シャンパンの後に出すというのは、かなりの冒険であり、勇気もいると思いますが、青木さんが岩崎甲州をしっかり理解しているからできることだと思う」と言っていただいた時は\(^o^)/
生で勝負のノン・ドゼのシャンパンに正面から挑んで頑張っていた“ひと味”違う甲州。メルシャンの大谷さんも「他の甲州よりタンニン分が多い」とおっしゃっていました。2017年ヴィンテージのリリース、ご期待くださいませ。


シェフならではの見事な仕掛け
左から順にタチウオの昆布締め、中にマンゴーフルーツ、ハタは焼き塩、イサキはハーブ塩。
メニュー全般、素材の良さと新鮮さが持ち味でしたが、この一皿には美味しいの声、多々・・・
口中にタチウオを入れた時のギャップ(魚のぷりぷり感+旨味、マンゴーの柔らかさ+甘味)の面白さ、ラ・ヴィ―ニュ、岩崎甲州ともに楽しめました!



手長海老と帆立のポワレ、パッションフルーツのブールブランソース
アスパラソバージュとチーズのチュイル
果実の酸をワインの酸と相乗させた違和感のない相性


熟成香、ヘーゼルナッツ、蜂蜜等、熟成したブルゴーニュワイン的風味


六川シェフのメニュー解説


参加者を引き付ける話術お見事、リーデル・ジャパンの庄司大輔チーフ・ワイングラス・エデュケーター


シャルル・バルテが描いた菊の絵はクロ・サン・ソフィーのラベルに使われています。明治天皇から勲章を受勲し、そのお礼に、オリジナルの菊の花を作って献上したバルテ。


当日のハイライト!
クロ・サン・ソフィーの畑の現オーナーは、子供服のプティ・バトー一族です。
エマニュエル当主と同家が親しかったことから、『クロ・サン・ソフィー』造りを任され、誕生したシャンパン。2010年が初ヴィンテージ。



メゾンはシャンパーニュ地方オーブ県トロワに位置し、ブルゴーニュに近いエリアで、土壌はチョーク質。ランスやエペルネより南にあるので、ぶどうの糖度も1~2度高いものが収穫できます。
かつて、クロ・サン・ソフィーには農業試験場があり、この地で日本から来た2名の若者高野正誠と土屋龍憲がぶどう栽培とワイン造りを学んでいました。指導者はシャルル・バルテとピエール・デュポンで、バルテはぶどうの苗木作り、デュポンは土壌や醸造技術を伝授しました。



ワインは黄金色、樽使いの面白さもクロ・サン・ソフィーの特徴


フランス産ブレスチキンとブーシェ、松本楼伝統のレシピのパイとともに モリーユ茸のソース。温度があがることで重厚感と樽熟成の風味が増し、料理に寄り添って。


たまごの殻を使ったスペシャリテ、刻んだトリュフの香りほんのりのオムライス


マンゴーココナッツムース、南国のフルーツを散りばめ


果実の酸を生かすことで、シャンパンの酸とも相乗、ロゼとも◎

松本楼のフルメンバー


小坂文乃社長以下、スタッフ総出、壮観でした!
115周年を迎えられ、心からお祝い申し上げます!


クロ・サン・ソフィーと勝沼を繋ぐヒストリー


薩摩藩医の子供として生まれ、後に山梨県知事も務めた前田正名は、明治2年(1869年)から明治10年(1877年)まで渡仏。トロワのシャルル・バルテと親交があったことから、高野・土屋両名を伴い、帰国してわずか半年で再渡仏し、ふたりをサポートしました。



メルシャン資料館にある高野家のワインとクロ・サン・ソィ-のワイン

フランスと日本を繋ぐ絆のワイン

マスカット・ベーリーAの生みの親 川上善兵衛生誕150年


日本のワインを語る上で絶対にはずせないのが、新潟県岩の原葡萄園の創始者、日本のぶどうの父川上善兵衛です。明治元年(1868年)生まれなので、今年は生誕150年の記念年。高野正誠や土屋龍憲とも交流がありました。
江戸時代から続く、大地主の6代目として生まれた善兵衛は、殖産興業・農民救済という意思を持って、ぶどう栽培&ワイン造りを手掛けますが、このきっかけを作ったのは、あの勝海舟! 祖父の時代から勝家と交流があり、海舟から見聞したぶどうとワインの話に触発されたそうです。 (『岩の原葡萄園』の坂田敏元社長からの伝承)
「志は良いけどおこもさん(こじき)になるなよ」と海舟は助言しましたが、善兵衛は自分の意志を貫きます。結果として、全財産を失い、人生を終えることになりますが、善兵衛が開発した優良22品種のなかのマスカット・ベーリーAが、2013年、O.I.V(国際ブドウ・ワイン機構) にワイン用ぶどうとして登録されました。国際的に認められたことで、EUへの輸出の際、ラベルに品種名を表示することができるようになりました。
ここにも長い歴史がありました。

明治時代のワイン造りの黎明期を駆け抜けていった先人たち
現在の日本ワインの向上・躍進に、高い評価をくださると確信しています。


素晴らしい応援に支えられて

ジャック・ラセーニュの輸入元クロスロードの藤原秀三社長(後列中央)と有馬基さん(藤原社長の左隣)、リーデル・ジャパンの庄司大輔さん、メルシャン執行役員首都圏総括支社長大谷満さん(最右)
本当にありがとうございました!!


いつも温かな応援をしてくださるお仲間、有難く嬉しく思います。


昨春、ルイ・ジャドイベント@松本楼で共に活動したワインサロン『フミエール』の友原範士社長と宮川文子主任講師、ワイン仲間の鎌倉えりこさんと秋山青美さん


文乃さんとの糸を繋いでくれた親愛なる吉井君と愛妻利恵さん、ありがとねっ!
115周年記念イベントで素晴らしいワインをご提供くださったメルシャンの大谷支社長、感謝しております。


小坂文乃社長へのエール

歴史ある松本楼の代表としての新しい船出
順風満帆の日ばかりではなく、荒波を受ける日もあると思いますが、女性ならではの感性を生かして、上手な舵さばきを見せてください。参加させていただいたメンバー全員応援しております。
松本楼の120年、150年、そして230年・・・更なるご発展を祈願しております。
今回は、身に余る光栄なお役目をいただき、ありがとうございました!



追記(6月6日)
日比谷 松本楼の代表取締役会長小坂哲瑯(本名 明)氏(享年86歳)が先月23日に他界なさったことが公表されました。小坂会長のご冥福を心からお祈り申しあげます。文乃さんはじめ、ご家族の皆さまの本日までのご心労は計り知れないものだったと思っております。

過去に何度も同店でのワインイベントでお世話になっている身として、今回の115周年の会は今まで以上に気合を込めて頑張らねばという思いで、務めさせていただきましたが、私にとりまして、生涯忘れられない出来事になりました。小坂会長に「あんたに任せて良かった」とおっしゃっていただきたい一心でおりました。
ご縁をいただきましたことにこころから感謝しております。
どうぞ、安らかにお眠りくださいませ。長い間お世話になり、本当にありがとうございました。
青木拝


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