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人気バローロの造り手ルチアーノ・サンドローネの2代目バーバラ・サンドローネ初来日 [来日したワイン生産者&関係者]

創始者が孫に託した新たなネーミング ~カンヌビ・ボスキスからアレステに~


伊ピエモンテ州ランガ地区バローロ村が拠点のルチアーノ・サンドローネ
ガレージで自らのワインを造り始めてから、2017年で丸40年を迎えた創始者ルチアーノさんと、孫のアレッシアさん&ステファノさん。
サンドローネのフラッグシップワイン、バローロ『カンヌビ・ボスキス』は2013年ヴィンテージ(VT)から、孫たちの名に由来するバローロ『アレステ』に変わりました。


新VT 『アレステ2013』と『カンヌビ・ボスキス2007』


2代目当主のバーバラ・サンドローネ女史が語る40年の歩み


輸入元ジェロボームの招聘で、ルチアーノさんの娘バーバラさんが初来日。1994年からファミリー・ビジネスに加わり、コミュニケーションや広報などあらゆる業務に従事。世界を飛び回り、父親が手掛けるワインを紹介しています。次世代を担うふたりの子供たちアレッシアさん(19歳)とステファノさん(17歳)はワイン醸造等を学んでいます。
バーバラさんはワインメーカーズディナー等で日本のサンドローネファンと交流していましたが、来日の主たる目的である、カンヌビ・ボスキスの名称変更の経緯についてもしっかりと発信できたようです。

ルチアーノ・サンドローネの沿革
ルチアーノさんの父親は家具職人だったので、ワインとは無縁の家系でした。15歳の時に家業を離れ、ワイン業界に。最初はジャコモ・ボルゴーニョ、その後はマルケージ・ディ・バローロの元で働きました。

1977年バローロの中心部にあるカンヌビ・ボスキスに畑(1㌶弱)を購入、1978年にマルケージ・ディ・バローロで働きながら、自らのワインも手掛け、自宅のガレージ内で約1500本のワインを生産。1981年ヴィニタリーにワインを出展。それがアメリカのワイン商の目に留まり、アメリカへの輸出がスタートします。

1990年マルケージ・ディ・バローロを辞めて独立。アルバの醸造学校を卒業したルチアーノさんの弟ルカさんが1992年にワイナリーに参画。1995年バローロに新しい土地を見つけて、1999年グラヴィティシステム(地下1階、地上2階)のワイナリーが完成。
現在、27㌶の畑の管理、6つの畑(5つがバローロ、1つがロエロ)で、栽培している品種は「ドルチェット」、「バルベーラ」、「ネッビオーロ」
直近の話題として、世界的に高評価を得ている『カンヌビ・ボスキス』が2013VTから『アレステ』に名称変更。

カンヌビ・ボスキスからアレステに変わった経緯
ルチアーノさんは孫のステファノさんが生まれる17年前頃から、「家族のため、次世代のために何かを変えたい」との思いを抱いていたようです。10年間にわたり、家族で話合いが行われていて、その結果、バーバラさんのふたりの子供たちの名に由来する、"アレステ"にすることで全員が同意。2013年VTからワイン名が変更になりました。
40年前に初めてカンヌビ・ボスキスをラベルに表記したルチアーノさんなので、決断に至るまでには、かなり悩んだことと思います。でも、この行動はルチアーノ・サンドローネの歴史の伝承、創始者が大切にしている家族&大事なワインを次世代に託した形象化だと思うので、サンドローネファンは十分に理解できると思っています。

ちなみに、プレスランチョンで、数年前に起きたサブリージョン表記問題(ボスキスを表記するのは違法との訴訟)の質問が出ました。裁判の結果は、カンヌビでもカンヌビ・ボスキスでも、どちらの表記を選択しても良いとの判決が出て、一件落着しているので、今回のネーミング変更の直接の要因ではないようです。


プレスランチョンで8アイテムをテイスティング

#1:ドルチェット・ダルバ DOC2015 
最新VT、畑はモンフォルテ・ダルバ、ノヴェッロで標高350~450m、収穫は例年9月第2週、ステンレスタンクのみ使用(10ヶ月熟成)、10区画(2つの畑)のワインをブレンド、7月末に瓶詰、9月リリース。フレッシュ&チャーミング、色調はルビーやバイオレット、ベリー系果実、リコリス、辛口ながら余韻にドルチェット(ドルチェ)由来の甘やかさ。ワインだけでも料理と合せても万能。
#2:バルベーラ・ダルバ DOC2015
最新VT、畑はモンフォルテ・ダルバ、ノヴェッロで標高350~450m、風が強い区画、収穫は9月下旬から10月初旬。バルベーラは酸が高く、多産なので収量のコントロールが大事。溌剌とした酸味があり、タンニン分が少ないので、スランス産トノー500㍑(新樽30~35%)で12ヶ月熟成。7区画のワインをブレンド。深みのある濃紫色、黒系果実(ブラックベリー、プラム)、ココア、コーヒー、長熟な品種なので10~15年楽しめる。


タナロ川を越えたロエロ地区にあるヴァルマッジョーレ(大きな谷の意)は扇状の地形で東から西向きの畑、65~70度の急傾斜、土壌は砂質。6~8区画に分けて収穫を行うが、機械は入れないので全て手作業。ルチアーノさんは28人の畑の所有者に地道に交渉し、1990年畑を購入。現在3㌶を所有。
#3:ネッビオーロ・ダルバ ヴァルマッジョーレDOC2015
最新VT、ぶどう品種はネッビオーロ、畑はヴェツァダルバ(ロエロ地区)、明るいルビー色、砂質に由来するフィネス、赤系果実満載の香り、新鮮な摘みたてのストロベリーやラズベリー、タンニンはソフトでシルキー
#4:同 DOC 2010  (Sibi et Paucis)
ぶどう品種はネッビオーロ、畑はヴェツァダルバ、赤系果実が熟したニュアンス、スパイス、豊潤でエレガント

#5:バローロ レ・ヴィーニュDOCG 2013
最新VT 、収穫時期は10月10日頃、ぶどう品種はネッビオーロ、畑はバローロ、ノヴェッロ、新しく購入したカステリオーネ・ファレット&セッラルンガダルバ、4つの区画のワインをブレンド、500㍑のフレンチオークで18ヶ月熟成、粘土石灰質土壌で一部砂質混在、ドライフラワー、プラム、レザー、スパイス、上質な酸味、木目細やかながら存在感のあるタンニン、熟成による変化が楽しみなアレステの弟分的ワイン。
#6:同 DOCG 2007 (Sibi et Paucis)
ぶどう品種はネッビオーロ、畑はバローロ、ノヴェッロ、モンフォルデダルバ(2区画/契約畑)で、4つの区画のワインをブレンド、プラム、ブラックベリー、スパイス、ミント、溶け込んだタンニン、バランス良好

#7:バローロ アレステ DOCG 2013
最新VT、単一畑、ぶどう品種はネッビオーロ、標高300mほどで畑がボール状、粘土石灰質の土壌、500㍑のフレンチオークでMLF後、24ヶ月熟成、赤系&黒系果実、甘草、レザー、ミネラル、凝縮感、複雑味、ポテンシャルあり、余韻も長い
#8:同 カンヌビ・ボスキス DOCG 2007 (Sibi et Paucis)
単一畑、ぶどう品種はネッビオーロ、果実とタンニンと酸味がワインに溶け込み、継ぎ目のないスムースな食感、アーシー、タバコ、レザー、きのこ、リキュール、旨味、時を経たネッビオーロが本領発揮した印象



ワインは手前から#1~ #4 、奥左から # 5~#8

エレガントな砂質土壌のネッビオーロ

左から#3#4
ヴァルマッジョーレは若い2015年VTのほうが色調も淡く、味わいは繊細でエレガント。得も言われぬ魅力があり、惹かれました。
色調の違いが何に由来しているのか、伺ったところ、ひとつは土壌、ひとつは醸造(新樽の使用)とのこと。「砂質土壌で育つネッビオーロは若いうちは色が淡く、熟成するにつれて、濃い色調になり、複雑味が出てきます。醸造面では新樽を使わず、2~3年の使用樽を用いています。バローロは熟成すればするほど深みを増し、茶色やレンガ色のトーンになるのですが、ヴァルマッジョーレは樽を使ってもバローロと違って新樽は一切使わないので、その特徴がより顕著に出ています」とのお返事でした。

2004年から導入したSibi et Paucis(熟成プロジェクト)

バーバラさんが手にしているボトルのラベル右下にご注目
熟成プロジェクト“シビ エ パウチ”のロゴがあります。

イタリア人の哲学者でワイン醸造家でもある友人の言葉からヒントを得たネーミングで、シビはラテン語で“私自身”、 パウチは“限定された友”を意味しています。
バーバラさんは「家族のためにワインを遺すこと。そして、限られた数量のワインを大事な人たちとわかちあうためのファミリーライブラリーで、構想は父がジャコモ・ボルゴーニョにいた時に、ネッビオーロの熟成プログラムの大事さを体験したことがベースになっています」と語っていました。

ネッビオーロの熟成の変化がわかる

対象のアイテムはネッビオーロのワイン『ヴァルマッジョーレ』、『レ・ヴィーニェ』、『カンヌビ・ボスキス』で、それぞれ生産量の10%だけストックしておきます。ヴァルマッジョーレは6年間、レ・ヴィーニェとカンヌビは10年間、セラーでさらに瓶熟させて、その後再リリースさせるプロジェクト。
余談ですが、バローロの規定は樽熟2年、瓶熟1年ですが、サンドローネでは瓶熟期間を2年にしているので計4年。いかに熟成期間を大事にしているかがわかります。

熟成プロジェクトに関して、「ネッビオーロは若いうちはタンニンが強く、飲みにくいことがあるのですが、熟成するとそれがまるくなり、アプローチしやすくなります。父には熟成したバローロを知って欲しいという思いがあり、ワイナリーが完成した時にスペース的にも余裕ができたので、実行しています」とバーバラさん。

バローロをOUTの黒トリュフパスタと合わせて
たっぷりの黒トリュフ、お部屋中に香りが広がりました!


土地のワインと土地の食材との言わずもがなのマリアージュ
#8のカンヌビ・ボスキスの枯葉的な要素、溶け込んだタンニンのまるみがトリュフと合わせると口中で渾然一体。シビエパウチの素晴らしさも実感できました!

バーバラさんはネッビオーロで造る3アイテムのワインについて、「同じ品種のワインですが、ヴァルマッジョーレは砂質土壌、レ・ヴィーニェは粘土石灰質に若干の砂質が混在、カンヌビは粘土石灰質なので同じ言語を話していますが、生まれた場所が違うので、それぞれ異なるアクセントで話しかけてくるワイン」と表現していました。何というお洒落な言い方!
イタリアの土着品種“ネッビオーロ”に対する強い愛を感じました。


ユニークなOUT


お店のコンセプトは、ひとつの料理(トリュフのパスタ)、ひとつのワイン(リッチな赤ワイン)、ひとつの音楽(レッド・ツェッペリンのサウンド)の三位一体感。来店者は販売機でチケットを購入するシステムになっています。
店舗構想を立ち上げたのは、豪州メルボルンでレストランを経営するデビッド・マッキントッシュさん、起業家のトム・クレイゴさん、東京でフードコンサルタントとして活躍するセーラ・クレイゴさんの3人。
私がお邪魔した時は、“ひとつのシャンパン(ポル・ロジェ)”も仲間に加わっていました。できれば、ウインストン・チャーチルを黒トリュフのパスタに合わせてみたいです!

■ワインについてのお問い合わせは輸入元ジェロボーム(株) ℡03-5786-3280

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トロワのシャンパンメゾン『ジャック・ラセーニュ』のクロ・サン・ソフィーと繋がる山梨・勝沼ヒストリー [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

『ジャック・ラセーニュ』のエマニュエル・ラセーニュ当主来日で初体験

昨夏の初来日でお披露目されたジャック・ラセーニュのシャンパン
エマニュエルさんは2代目。父親が生地シャンパーニュ地方オーブ県トロワ(パリの南東約150km) の西にあるモングー村にコート・デ・ブランと同じ石灰質土壌が隆起したシャンパン造りに格好の畑を見つけ、メゾン(ネゴシアン・マニュピラン)を立ち上げます。ゼロからのスタートでした。
シャンパーニュ地方の南に位置するトロワは、エペルネやランスより糖度が1~2度高く、ミネラル感にあふれるぶどうが収穫でき、9000万年前の魚介類が堆積するチョーク質土壌から生まれるシャンパンにはヨード香、塩味があるのが特徴です。

シャンパン講座で5アイテムをテイスティング

(左から)
#1:コトー・シャンプノワ・ブラン2010
ぶどう品種:シャルドネ100%
生産本数:1,600本
価格:11,000円(税別)

#2:ブラン・ド・ブラン レ・ヴィーニュ・デュ・モングゥNV
ぶどう品種:シャルドネ100%
デゴルジュマン:2016年6月
ドザージュ:0g/L
価格:7,500円(税別)

#3:ル・コテNV
ぶどう品種:シャルドネ100%
デゴルジュマン:2016年3月
ドザージュ:0g/L
価格:11,000円(税別)

#4:ラ・コリーヌ・アンスピレNV
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:0g/L
価格:13,500円(税別)

#5:クロ・サン・ソフィー2010
ぶどう品種:シャルドネ100% (ぶどう樹は1968年から1975年に植樹)
ドザージュ:0g/L
生産本数:2,900本
価格:25,000円(税別)




#1はシャンパーニュ地方のスティルワイン。ブルゴーニュ樽(ピエス/228L)で発酵させてから、22ヶ月の樽熟成。1968年に植樹したぶどうで良年のみ生産。グレープフルーツや柚子似の和風柑橘果実、ナッツ、バター、蜂蜜、オリーブ、木香のニュアンス、溌剌としたピュアな酸味は舌の両側ではなく舌先に乗ってくる印象、余韻に膨らみ、旨味。


#5はフラッグシップ 『クロ・サン・ソフィー』で、2010年が初ヴィンテージ。サン・トーバン07に使ったピエス(228L)46%、マコン・ソリュトレ04に使った500Lの木樽25%、サヴァニャン97に使用した木樽11%、コニャック76に使った木樽18%を各6ヶ月発酵・熟成後、ステンレスタンクでブレンドして、さらに2ヶ月熟成させて瓶詰、瓶内2次発酵で瓶熟。気泡繊細、第1香には木香、カルダモン、黄桃、アンズ、アカシアの蜂蜜、酸味はスマートでシームレス、ドライでボリューム感あり、余韻の甘やかさが魅力!


左は#1のコトー・シャンプノワ・ブラン2010
右は#5のクロ・サン・ソフィー2010


(左から)#2#3#4


#2:2014年27%、2013年38%(うち18%はピエスで1年間熟成)2012年35%がベース、ステンレスタンクで発酵・熟成で瓶熟。グラス表面の泡沫も活発。第1香は控えめ、白い花、レモングラス、柑橘果実の内果皮似の軽いビター感、清涼感のある酸味、時間の経過で酸はより心地よくソフトに。素直に楽しめるシャンパン。

#3:2012年90%(うち78%はステンレスタンク、12%はピエスを使用)、10%は2009、2006、2004、2002の瓶詰してある4ヴィンテージ・シャンパンをブレンドして瓶熟。気泡は静か、香り華やか、口中クリーミー。黄色い花、アカシアの蜂蜜、木香、ナッツ、ミネラル、塩味、口中に広がる厚み、熟成感、バランス良好。マイベスト!

#4:2012年78%、2011年11%、2010年11%をピエスで発酵・熟成後、瓶詰し瓶熟。気泡はワインに溶け込み、樽のニュアンス、ミネラル、蜂蜜、旨味、複雑味、中盤以降長く続く酸の余韻、3アイテムの中での講座生人気No.1シャンパン!



トロワの農芸家シャルル・バルテ繋がりのクロ・サン・ソフィー
昨年の来日時、エマニュエル・ラセーニュ当主と輸入元クロスロードの有馬基さんは、勝沼のメルシャンワイン資料館を訪問しました。ここにはフランスワイン『クロ・サン・ソフィー』が展示してあります。
クロ・サン・ソフィーというのは、明治10年に勝沼の2名の若者、高野正誠(まさなり)と土屋龍憲がぶどう栽培と醸造技術を学ぶために渡仏していた折、滞在していた地トロワ市モングー村の農業試験場の農園名で、この試験場でトロワ出身の著名な農学者&園芸家シャルル・バルテが陣頭指揮を執っていました。
クロ・サン・ソフィーのぶどう畑の現オーナーは、子供服で有名なプティ・バトー一族で、今回登場したシャンパン『クロ・サン・ソフィー』はエマニュエルさんとのコラボレーションによって誕生したものです。

日本のワイン造りにおいて重要なつながりを持つトロワ&勝沼ヒストリーは、KIRINの『歴史人物伝』で詳しく紹介されています。以下、サイトをリンクしておきます。
折しも今年は明治150年、時代的にも非常に興味深いことです!

フランスへ留学して本場の知識を持ち帰った高野正誠と土屋龍憲
http://www.kirin.co.jp/entertainment/museum/person/wine/06.html
政府のブドウ栽培を主導した前田正名と、陰で支えたシャルル・バルテ
http://www.kirin.co.jp/entertainment/museum/person/wine/07.html


製品についてのお問い合わせは(有)クロスロード ℡03-3352-0911
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ヴィレッジ・セラーズ創業30周年記念:ルーウィンのCH&CSヴァーティカルテイスティング [ワイン]



今年前半にヴィレッジ・セラーズ(以後VC)創業30周年記念として、NZの『フェルトン・ロード』&『ノイドルフ』両醸造家によるランチセミナー報告をしました。
後半にはオーストラリアのルーウィン・エステート(以後ルーウィン)、チリのコイレ、シャンパーニュのデュヴァル・ルロワの来日があり、セミナーが行われました。ここでは30周年記念の第2弾として、ルーウィンのシャルドネ(CH)とカベルネ・ソーヴィニヨン(CS)のヴァーティカル・テイスティングの報告をしておきます。


(前列左から)蛯沢登茂子、シモーヌ・ホーガン=ファーロン、VC中村芳子専務の各氏
(後列左から)佐藤陽一、デニス・ホーガン、VCリチャード・コーエン社長の各氏

セミナーのスピーカーはシモーヌ・ホーガン=ファーロン共同最高経営責任者、ルーウィンについて精通しているヴィノテーク誌マネージング・エディター蛯沢登茂子氏、マクシヴァン オーナーソムリエ佐藤陽一氏がコメンテーターを務めました。
なお、ルーウィンの沿革、オールド・ヴィンテージに関しては2016年来日時の記録を参考になさってくださいませ。
 
アートシリーズのシャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨン

アートシリーズCH1981は、1982年に英国Decanter誌のブラインド・テイスティングで最高評価を得て、国際的な注目を集めました。(左から)
#1:シャルドネ2000
ぶどう品種:CH100%、手摘み収穫、発酵フレンチオーク100%、樽熟成11.5ヶ月、最終的に複数の樽をブレンド、コルク栓、Alc14.3%
#2:同2007
ぶどう品種:CH100%、手摘み収穫、発酵フレンチオーク(新樽100%)、樽熟成11ヶ月、樽を選別し、ブレンド、スクリュー・キャップ(SC)、Alc14.5%
#3:同2013
ぶどう品種:CH100%、手摘み収穫、発酵フレンチオーク(新樽100%)、樽熟成11ヶ月後、低温で清澄、瓶詰、SC、Alc13.5%


CSは2002年から赤ワイン向上プログラムを立ち上げ、アートシリーズCHと同格の質にすべく、すべての面での見直しを実施。2002年以前はユーカリのニュアンスがあったが、新しい取り組み以降、タンニンは柔らかく、熟した果実味が表現できるようになってきた。
#4:カベルネ・ソーヴィニヨン1993
ぶどう品種:CS87.5%、マルベック7%、PV3%、ME2.5%、機械収穫、発酵密閉タンク、樽熟成24.5ヶ月(新樽率30%)、MLF、コルク栓、Alc14.0%
#5:同2003
ぶどう品種:CS87%、マルベック10%、PV3%、機械収穫、密閉した発酵槽で発酵させ、樽熟成23ヶ月、MLF、コルク栓、Alc14.0%
#6:同2013
ぶどう品種:CS96%、マルベック4%、機械収穫、発酵は密閉タンクと開放タンクを併用、樽内MLF、樽熟成23ヶ月(新樽率50%)、SC、Alc13.5%


シャルドネ3ヴィンテージを利く


2000年
シモーヌ:スタイルは基本的には変わらないが、樹齢が古くなってきたので、直近のVTは、酸がしっかりしたものになっている。
佐藤:17年経た熟成感、深みのある色調、パンケーキやワッフル、トーストのような芳ばしい香り、ドライフルーツ的な甘やかな香り、スワリングでアカシアのハチミツ、樹脂や松ヤニ。酸の切れ味の良さやエレガントさは、ヨーロッパとは違ったマーガレット・リヴァーのCHの個性が出ている印象。ブルゴーニュグラスで香りの成分や味わいを感じて欲しい。
蛯沢:ジンジンクローン(ひとつの房に熟した果実と一部結実不良している実が混在したタイプ)は西豪州の検疫機関で増やしていた苗木をデニス氏が入手して栽培に成功したもので、同じクローンでもスワン・ヴァレーに植えると、マーガレット・リヴァーほどうまくいかない。ルーウィンのCHはopulent(華々しい)、エレガントでありながらしっかりとした果実味があり、近年は樹齢の古さやワインメーキングの経験も加わり、シェイプアップしたスタイルになってきた。
2007年
シモーヌ:2000年はMLF(37%)をしているが、2006年以降、MLFはしていない。2005年からはすべてのワインをスクリューキャップに変えた。
佐藤:落ち着きはあるが若々しい緑を残した色調、リンゴの芯の部分の甘さと酸を思わせる香りがあり、最後に清涼感。味わいは、わかりやすく、酸が残っているので、デキャンタ―ジュして温度を上げても面白いし、夏場は冷やし気味にして熟成感のあるCHとしてサービスしてもよい。#1をコルトン・シャルルマーニュとすると、#2はムルソー・ジュヌヴリエール。
2013年(現行VT)
佐藤:若々しい色合いで、果実の熟度、香りに清涼感、粘性もある。舌の中央にバランスよく味が乗ってきて滞在時間も長い。単体で飲んでも良いが、料理と合わせることでより楽しめる。MLFをしていない分、酸がしっかり表現されている。味わいのまとまり、滑らかさ、口中のバランスの良さがポイントになっている。
蛯沢:3つのVTに共通項があり、ルーウィンの品質に圧倒的な安定感がある。


カベルネ・ソーヴィニヨン3ヴィンテージを利く


1993年
佐藤:ひと昔前のルーウィンらしいCS、香りに複雑味があり、タジャスカオリーブのタプナード、木質の香り、果実も若いものから熟したもの、塩つけやジャムまで様々で、それらがスパイスのニュアンスを醸し出している。スパイスを利かせた料理と合わせて。
蛯沢:当時のオーストラリアの人が向いていたのはボルドーだった。使われているホートン・セレクションは南アフリカ経由で伝わってきたボルドー原産のクローンでほぼ西豪州に限定されている。93年の熟成感は懐かしく、アーシー、アニモル的なニュアンス。
2003年
佐藤:外観は落ち着きがあり 縁に若干オレンジの色調。香りのバランスが良く、溶け込んでいて、赤い果実や赤い花の特徴が出ている。丁寧にローストした木香のニュアンスが果実の甘い香りを引き締める役割をしていて、今飲んでおいしいワイン! 香りの方向性と味わいの方向性が同じなので、口中でも同じ印象。アルコールのボリューム感があるので、1時間くらい前に抜栓してサービスしたい。
蛯沢:赤ワイン向上プログラムの効果でフルーツ感が表現されている。新しい時代が始まった印象。
2013年
佐藤:色合いは若々しくチャーミング。グラスの縁に残る色素量も多く、粘性も十分。香りはミルティ―ユ(ブルーベリー)やカシスのような黒系果実、酸を思わせる要素やローストしたニュアンスは果実とともにあり、わかりやすく整った印象。柔らかな甘さがあるので料理に合わせたい。口中に甘味、舌の両側から酸味、細かい渋みが舌の上をふき取ってくれる印象。最後に鼻から抜ける甘い香り、角のとれた細かいタンニンを感じ、赤ワイン向上プログラムの効果が出ている。ただ、ゲストが望むルーウィンの華やかさは少し控えめなので、デキャンタージュして大きめのグラスでサービスを!
蛯沢:オーストラリアのワインの90%以上がSCであり、アートシリーズのような高額なワインもSCを使用している。熟成のスピードはコルクとSCでは違うが、一般的にSCのほうが緩やかと言われているので、その意味では2013年VTはまだまだ、これから長く熟成しそう。綺麗な酸味とシルキーなテクスチュアがある。



ルーウィン ART&WINEディナー

ワインを“アート”と捉え、アートのあるライフスタイルを追求しているルーウィン



アートラベルの発想はモンダヴィとのご縁でつながったロスチャイルド男爵との出会い。
そして・・・デニス氏はシドニー・ノーランとの逸話を紹介。「自分はコマーシャル・アーティストではないのでラベルの絵を頼まれても」と断ってきたノーランが、ルーウィンのワインを味わい、「このワインならラベルを書いても良い」と返事をしてきて完成した初ラベルがスクリーンの画像です!



アートラベルの一番手はリースリングでした。
オーストラリアのアーティスト、ジョン・オルセンに依頼して届いた4枚のラベルを、ルーウィンでは全て使用。1ケースに4絵柄が入っているそうです。アートシリーズは毎年変わりますが、リースリングだけは当初からの4種ラベル


ルーウィン・エステートのブリュット2013 (4,650円)、ぶどう品種はPN66%、CH34%で3年熟成。スマートな印象。野菜類、サーモンと合わせて!




アートシリーズの妹版「プレリュード」と「シブリングス」はリーズナブルな価格で、早くから楽しめるワイン。シブリングスのソーヴィニヨン・ブランはセミヨン(34%)とのブレンド。柑橘系果実、青リンゴ、白桃のニュアンス、ピュアな酸味、口中滑らか



切り分ける前に、オーストラリアのトマホーク肉をプレゼンテーション




アートシリーズのシラーズ2013(4,600円)とシブリングス・シラーズ2014(3,200円)をトマホークと合わせて。前者は凝縮した果実味とローストしたコーヒー豆、後者はジューシーな果実感とエキゾチックスパイス、口中での肉との馴染みはシブリングス・シラーズ! 
お肉もボリューム満点、これでひとり分!




コーエン社長が『グラズマターズ』を初披露。これはレンタルグラスサービス にも力を入れている同社のニューアイテムで、グラスの洗浄・運搬・保管用ラック。グラスの破損を防ぐために開発を進めてきたもので、商品化のメドも立ったので、近々デビュー予定です。



セラー熟成セレクションについてのお問い合わせはヴィレッジ・セラーズ・ワインクラブ迄
℡:0120-106-876/Fax:0120-288-788

35周年、40周年に向けてのヴィレッジ・セラーズ様の発展を祈願しております!

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ワインで巡る世界ツアー ポルトガル編は芳醇な“マディラワイン”から [NHK文化センター青山教室]

2018年の新たな試み、それは世界のワイン探求
~もっと身近にマディラワインを~


快調なシャンパン講座に加え、今年から〝ワインで巡る世界ツアー〟と題した単発講座を2~3ヶ月に1回のペースで開催いたします。話題性を盛り込みながら、毎回数種類をテイスティングしていきます。初回は日本でも人気上昇中のポルトガルにフォーカス、皆さまをマディラ島にお誘いします。

世界三大アルコール強化ワインといえば、スペインのシェリー、ポルトガルのポート、そして“大西洋の真珠”と称されるポルトガル領マデイラ島で造られるマディラです。



講座前半でポルトガル&マディラワインについての基礎知識、後半のテイスティングでは芳醇な2アイテムと主要白ぶどう4種類(セルシアル、ヴェルデーニョ、ブアル、マルヴァジア)の各10年熟成タイプを利き比べながら、その奥深さを体感していただきます。
当日は、マディラのスペシャリスト、ゲストナビゲーターの輸入元木下インターナショナル(株)マーケティング本部の館農俊則次長がマディラ島およびワインの魅力を十分に披露してくださいますので、皆様には十分にご満足いただけるはずです。普段、味わう機会の少ないマディラを存分にお楽しみくださいませ。

日時:3月28日(水) 19時~21時
定員:20名
会員/受講料:4,492円、教材費:2,700円(税込)
一般 (入会不要) /受講料:5,173円、教材費:2,700円(税込)
[イベント]詳細はNHK文化センター青山校のポルトガル編 もっと身近にマディラワインを!

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初来日したノエリア・オーツが語るチリ最大の有機栽培ワイナリー『エミリアーナ・ヴィンヤーズ』 [チリ・アルゼンチン2017]

コンチャ・イ・トロを経営するギリサスティ家が設立した『エミリアーナ・ヴィンヤーズ』
昨年9月、4年ぶりにチリで再会したエミリアーナ・ヴィンヤーズ(以後エミリアーナ)のワインメーカーノエリア・オーツさん! 
訪問時、「秋に日本に行きます」と言っていたので、来日を楽しみにしていました。



スペイン出身のノエリアさんはヴァレンシア・ポリテクニック大学で栽培と醸造学の学位を取得。チリとのかかわりは2009年。収穫期のチリを訪れて、チリワインに魅了され、チリ大学大学院で栽培と醸造の修士学位を取得、2011年にエミリアーナに入社、現在、ビオディナミ農法の先駆者として知られているアルバロ・エスピノーサ氏とともに、『シグノス・デ・オリヘン』、『コヤム』等のワイン醸造を担当しています。

日本初上陸のシグノス・デ・オリヘンを紹介

7~8年前から生産 しているアイテムで、日本では2017年の秋から輸入元ワイン・イン・スタイルが取り扱いをを開始(左から)
#1:シグノス・デ・オリヘン ラ・ヴィーニャ ホワイト・ブレンド2016
#2:同 ラ・ケブラーダ シラー2014
#3:同 ロス・ロブレス カルメネール2015
#4:同 ロス・モロス カベルネ・ソーヴィニヨン2015
#5:コヤム2013


エミリアーナのワイン造り
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ノエリアさんが「スパゲッティカントリー」と表現するように、チリは南北4300km、東西の幅が177㎞という縦長の国。北にアタカマ砂漠、南に南氷洋、東にアンデス山脈、西に太平洋があり、四方を囲まれています。<br>
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エミリアーナはコンチャ・イ・トロを経営するギリサスティ家が1986年に設立したワイナリーでホセ・ギリサスティ氏(2015年逝去)が担当していました。
ぶどう畑1049㌶は有機栽培、538㌶はビオディナミ農法、157㌶は有機栽培に移行中。ビオディナミ農法では世界最大(仏最大のビオディナミワイン生産者は南仏のドメーヌ・カズで200㌶)の有機ワイン生産者。チリで初めてDemeter( ドイツ・バイオダイナミック農法認証機関)認定マークを受けたワイナリーです。


ビオディナミ農法を取り入れたきっかけは
創設当初、ホセ・ギリサスティ氏が畑作業をして帰宅した日は、必ずと言って良いほど体調がすぐれず、その原因は農薬にあると感じていました。役員会で、氏は「ぶどう畑を有機栽培に転換すべき」と主張。1997年、自社畑の一部(35㌶)を実験的に有機栽培に移行することにして、ビオディナミ農法の権威であるアルバロ・エスピノーサ氏をコンサルタントに招聘、指導を仰ぎます。結果、フラッグシップワイン『コヤム』が誕生。ワインズ・オブ・チリアワードで『赤ワインブレンド部門』および『ベストワイン』に選ばれ、これを機にエミリアーナではオーガニックに転換することに決めます。


熟成に使用する容器について

木樽 フレンチオーク225L ■木樽 フードル2000L
アロマはより複雑に
緩やかな酸化、タンニンはまろやかに
卵型コンクリートタンク
コンクリートの素材はローマ時代から存在していた
形状はコート・デュ・ローヌ地方のミシェル・シャプティエ氏の提案。卵はイースター(復活祭)の象徴、すべての生命の始まり


黄金比率はギリシャ語のΦ(ファイ)で表される


自然界、アート等で散見できます

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9月の訪問で印象的だった形状
ビオディナミ農法を導入している『Lapostolle ラポストール』の醸造所



卵型タンクの内部は冷たく、コンクリート素材には小さな穴があるので、緩やかな酸化が進み、ニュートラルなので香りがつかない。内部は常に対流、いつも循環

■ステンレスタンク
ステンレスは白ワインだけに使用
ワイン自体何の変化もない


5アイテムのテイスティング
コヤムを生んだエミリアーナ・ヴィンヤーズは、この地に古代の時代から自生していたオークの木(Roble)に因み、自社畑に広がるワイナリーに『ロス・ロブレス』と命名。畑はコルチャグア・ヴァレー全体に連なる山脈の麓の斜面に位置しています。
ロス・ロブレスのぶどう畑は152㌶、標高265m、南向き(北半球の北向き)なので、ぶどうをゆっくり熟させることで、アロマ豊かで、酸とアルコールのバランスが取れたワインを造ることができます。
標高の高いエリアは崩積土の石が多いので、シラーやカベルネ・ソーヴィニヨンに適しており、中程度の標高のエリアは粘土質で、養分も多く、保水性も高いので、熟すのが遅いカルメネールに最適。
シグノス・デ・オリヘンのラベルには各ワインを象徴する〝マーク〟があしらわれていて、すべてIMO(スイス有機栽培認証機関)認定ぶどうを使用


#1:ラ・ヴィーニャ ホワイト・ブレンド2016 ヴァレ・カサブランカ
シャルドネ72%、ヴィオニエ12%、マルサンヌ10%、ルーサンヌ6%
マークは〝風〟。コヤムの白ヴァージョン(ブレンドタイプ)、カサブランカを表現するワイン。
アルコール発酵はステンレスタンクで行い、熟成はフレンチオーク62%、フードル15%、卵型タンク19%、ステンレス4%の各容器使用で4ヶ月、生産量2775ケース、小売価格3000円(税別)
白い花、洋梨、アプリコット、スパイス、ソルティな余韻、時間の経過で甘やかさが広がる魅力あるワイン

#2:ラ・ケブラーダ シラー2014 ヴァレ・カサブランカ
冷涼エリアで育つシラーで太陽を必要としているので、マークは〝太陽。シラー96%、ヴィオニエ4%(年によって変わる)、フレンチオークの発酵槽を使い、アルコール発酵前に6日間低温浸漬(8度)、その後、天然酵母で発酵。ワインはフレンチオーク43%、フードル38%、卵型タンク19%で13ヶ月熟成、生産量1058ケース、小売価格3000円(税別)
バイオレットカラー、オリーブ、生ハム、ハーブ、スパイス、アーシーなニュアンス、中盤から酸のインパクト


#3:ロス・モロス カルメネール2015 ヴァレ・デ・コルチャグア
マークは〝月〟、コルチャグア・ヴァレーは最初にビオディナミをスタートさせたエリアなので、ビオの象徴である月を使用。畑は南向き斜面(北半球では北向き)、カルメネール100%、ぶどう樹はマサルセレクション、すべて自根ぶどう、ドライファーミング(灌漑なし)。カルメネールはタンニンがソフトなので、卵型タンクを多用。フレンチオーク59%、卵型タンク41%で13ヶ月熟成、生産量925ケース、小売価格3000円(税別)。
色調はルビーバイオレット、ヨーグルト似の甘やかな香り(MLF由来)、プラム、ブルーベリー、ゆで小豆、ソフトな酸、まるいタンニン、親しみやすいワイン

#4:ロス・モロス カベルネ・ソーヴィニヨン2015 ヴァレ・デル・マイポ
マークは〝アース(土地、大地)〟、アンデス山脈からの強い風の影響を受けている畑、カベルネ・ソーヴィニヨン100%、フレンチオーク48%、卵型タンク28%、フードル24%で12ヶ月熟成、生産量1578ケース、小売価格3000円(税別)
ルビーレッド、ブラックベリー、甘草、シダ、鉛筆の芯、若干青っぽさ、こなれたタンニン、余韻にボリューム感


#5:コヤム2013
エミリアーナのフラッグシップワイン。生産量18263ケースのうち、95%が海外に輸出されていますが、チリでも良く売れているワイン。
ホセ・ギリサスティ氏とアルバロ・エスピノーサ氏は7種のぶどうをブレンド。理由は「テロワールの表現」、エスピノーサ氏はフランスで醸造を学んだので〝ブレンド〟が基本。醸造・熟成には新樽と使用樽、フレンチオーク85%、アメリカンオーク15%で13ヶ月熟成。小売価格3500円(税別)、デメター認証ワイン
深みのあるバイオレットカラー、黒系果実、ヨーグルト似の香り、黒胡椒、ミント、レザー、フレッシュな酸味、熟度のある果実味、力強い余韻


[晴れ]昨秋に訪問したチリ&アルゼンチンの現地リポートは、アップした記事に続けて今月からまた書き進めてまいります。
昨年は日本・チリ外交締結120周年でしたし、本年は日本・アルゼンチン外交締結120周年。両国の現地情報をお伝えできることはとても光栄なことだと思っております。何卒よろしくお願いいたします。

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Arrivé au Japon Leroy45ans  髙島屋&≪ルロワ≫提携45周年記念テイスティング [来日したワイン生産者&関係者]

髙島屋とルロワ社

髙島屋のイメージフラワーは薔薇、1952年に包装紙に初登場したのが1本の薔薇でした!

ブルゴーニュの至宝ルロワ

(C)髙島屋
1868年、フランス中部オクセー・デュレスに創設され、ブルゴーニュの至宝と称されるルロワ

髙島屋がルロワの輸入・販売を開始したのは1972年。その16年後(1988年)には資本提携し、両社のつながりはより強固になりました。そして、昨年(2017年)11月21日、ルロワ日本登場45周年を記念した特別テイスティングセミナーが行われました。


赤いエチケット・ホルダーは2012年の40周年記念テイスティングの為に、マダム・ラルー・ビーズ・ルロワが用意してくださったもので、中には同日供出されたワインのラベルが入っています。この時はVTごとにマダムからのメッセージがあったので、お立ち寄りいただけると嬉しいです。


45周年はマダム厳選の12本
 
(左から)2007年から10年毎に遡ったVTで、1997年、1987年、1967年、1957年


マダムがセレクトした〝7〟に因んだワイン


ナビゲーターは40周年の時と同じく、今イベントの為だけに来日したフレデリック・ロメール取締役

第1フライトは2007年

#1:サヴィニレボーヌ プルミエ・クリュ レ・ナルバントン(ドメーヌ・ルロワ)


当日のベスト3だったサヴィニレボーヌ!
芳醇なアロマ、果実の凝縮感、ピュアな酸味、バランスの取れたエレガント系ワイン
#2:ヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ レ・ボーモン(ドメーヌ・ルロワ)
赤系果実の要素、果実由来の旨味、レザー、トリュフ、焙煎香、酸の広がり、長い余韻
#3:クロ・ド・ヴージョ グラン・クリュ(ドメーヌ・ルロワ)
香り閉じ気味で後半重厚&複雑味、カシス、ブラックチェリー、樹皮、黒蜜、芯のある酸、さらなる熟成に期待

ロメール:2007年はやや難しい年で、一部病害虫の発生もあったので収量は少な目。このヴィンテージ(VT)はバランス良く開いていて、この先30年、40年、50年の熟成に耐えることができます。2007年と前後するVTですが、2005年は強い凝縮感があり、2006年はポマールやサヴィニレヴォーヌとも今飲み頃。2008年は酸が強め、2009年は果実味、フルーティさがよく出ています。


ドメーヌ・ルロワの誕生は1988年。シャルル・ノエラが所有していたグラン・クリュ畑(リシュブール、ロマネ・サン・ヴィヴァン、クロ・ヴージョ、ヴォーヌ・ボー・モン、オー・ブリュレ等)、その後、ドメーヌ・フィリップ・レミーの畑(クロ・ドゥ・ラ・ロッシュ、ジュヴレ・シャンベルタン・レ・コンボット、ラトリシェール・シャンベルタン、シャンベルタン)を買収。
ビオディナミ農法への着手も1988年からで、当時ブルゴーニュで取り組んでいたのは1~2ヶ所だけでした。ビオディナミ農法を導入するとワインの品質については問題なしですが、収量は減ります。調剤は500(根に効果)、501(葉に効果)、マリアトゥーンの堆肥等を活用。1999年には完全に「芽かき」を止め、新芽はそのまま伸ばす。また、パリサージュ(枝の誘因・固定)をしないことで、樹は160~170cm の高さになり、これにより、ぶどう樹は地中からの養分をまっすぐに吸い上げることができるようになりました。
化学肥料を排除し、天体の動きを利用する自然農法。ルロワではこの農法が極めて有効な方法あると考えています。

醸造面では、2007年は18~19hl/ha、2008年はさらに少なく15~16hl/haで、過去最低の数字でしたが、作業は通常と同じ。すべて手摘みで、8~10kgの箱に入れて、温度調整した車で輸送。選別は17名が2組(34名)で行い、その際、ぶどうは除梗も破砕もせず、房のまま。重さが60kgになった段階で醸造所に搬入。アルコール発酵は15~20日間(年により異なる/天然酵母使用)。新樽で14~16ヶ月寝かせてから瓶詰。


第2フライトは1997年

#4:ポマール レ・ヴィーニョ(ドメーヌ・ルロワ)
97年のポマールにしては控えめでおとなしい印象、ブラックチェリー、アールグレイ、ダークチョコ、アーシーなニュアンス

#5:ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ レ・コンボット(ドメーヌ・ルロワ)
当日のベスト1、アメリカンチェリーやグリオットチェリー、ピンクペッパ―やレザー等、様々な香りの連鎖。中盤以降の酸とタンニンのナイスハーモニー、滑らかできめ細かい食感





#6:ラトリシエール・シャンベルタン グラン・クリュ(ドメーヌ・ルロワ) 
凝縮した赤系果実、香りにミント系ハーブ、アルコール由来の甘みが酸の存在を押し上げていく印象、持続性のある酸味、タンニンのストラクチュア、口中にボリューム感、今後の熟成が楽しみ!




ロメール:収穫は比較的遅かった年で、フルーティさが強めに出ています。少し前に飲んだ印象では、コート・ド・ニュイは最初は閉じ気味で時間の経過で開き、一方、コート・ド・ボ―ヌは早くから飲めると思っていましたが、今、味わってみると、双方ともにバランスが良くなったきた感じです。ポマールは四角ばったまじめな印象ですが、熟成と共に硬さが取れてくると思います。
#5、#6ともにシャンベルタンですが、シャンべルタンは隣の畑同士でも異なります。マダムが畑を購入する時にも、「周囲と違う印象」との思いがあり、ラトリシエールは優雅で上品、飲み比べると良くわかります。

第3フライトは1987年

#7:ボーヌ プルミエ・クリュ オー・クシュリア(メゾン・ルロワ)
#8:ジュブレシャンベルタン レ・グレーブ(メゾン・ルロワ)
#9:ジュヴレシャンベルタン プルミエ・クリュ レ・シャンポー(メゾン・ルロワ)

ロメール:1987年の収穫は9月半ばから下旬迄で、収量は多め。今、熟成を迎えている飲み頃のVTです。マダムは1955年から家業であるネゴシアンの仕事に関わっていますが、ぶどうやワインの買付にあたっては十分な選別をしてきました。良いものを選び続けるのはなかなか難しいのですが、ブラインドで自身の感覚だけで選び抜き、30年、40年という時を経たワインがカーブで眠っています。メゾン・ルロワが果たしてきた役割はとても重要だったと思っています。

ラストフライトは1967年と1957年

#10:ニュイ・サン・ジュルジュ PC レ・シャブッフ1967(メゾン・ルロワ)
(他メンバーのグラスと比べて)色調、香りが異なり、ボトル差があった印象。5年前に体験したNSGらしいミネラルを感じられなかったのが残念。

#11:シャルム・シャンベルタン グラン・クリュ1967(メゾン・ルロワ)

当日のベスト2、オレンジを含む色調なれど50年の歳月を感じさせない若さ、若干シェリー的アロマ、エスニックスパイスやハーブ、おだやかな酸、シームレスな味わい、層になって広がる余韻

#12:ジュヴレシャンベルタン PC レ・カズティエ1957(メゾン・ルロワ)
質量ともに平凡な年と言われる1957年ゆえに、ルロワの心意気が伝わってくる1本。スワリングでレザー、タバコ、アーシーな香り。ワインに溶け込んだ渋味と旨味のバランス、ぜい肉を取り去った余韻、貴重な体験!

ロメール:1967年の収穫は10月初めから半ばにかけて行いました。ぶどうがなかなか実らない年で、マダムいわく「人間と同じで、時間をかけて熟した方が味があるのよ」と。その甲斐あって、今、味わいがとても良く出ています。シャルム・シャンベルタンは馥郁(ふくいく)たるイメージがあり、#6のラトリシエール・シャンベルタンに似ています。

最後のジュブレ・シャンベルタンは60年を経たワインであり、ありきたりの言葉で説明しようという気持ちにはなれません。メゾンの畑や醸造所では多くの人が働いており、彼らの仕事の成果が60年の歳月を経て、我々に手渡され、残されていることを思うと、心からの感動を覚えます。

コルクに関して


1967年VTにリコルクしたものがあり、参加者から質問がありました。
ちなみに、リコルクした時期は「5年前」とのことでした。


ロメール:現在100万本を超える在庫があります。マダムと品質管理の4名が定期的に点検していて、2~3年周期で必要に応じてリコルクしています。その際は特殊な装置を使い、ボトル内の液体が空気にふれない形でコルクを取り換えることができます。補充する場合は同じクリュの同じワインです。ルロワでは1950年代以降、スペインのサングレラ地方のコルクを使用しているので、以前ほどリコルクする頻度は少ないのですが、それ以前のものはコルクが小さめの規格だったのでリコルクしています。

Hors d'oeuvres


すべてのテイスティングが終り、6種の料理とのマリア―ジュをチェック!
(1) フォアグラのソテーとブルオッシュ マルサラワインの香り
(2) キャビアと蟹のタルタル エクレア仕立て
(3) 青豆のムースに雲丹とイクラをあしらって
(4) 合鴨とオレンジのパイ包み コンソメジュレとトリュフ
(5) 白エビのフリット'
(6) 帝国ホテル伝統のビーフシチュー パルマンティエール風

甲殻類(蟹、白エビ)や魚卵系(キャビア)、ビーフシチューに寄り添っていた#7、クリーミーで脂分が口中に広がるフォアグラは #8、タンニンの存在感がある#9は青豆のムース&雲丹と好印象。いずれも第3フライトのワインたちで、単独で味わった時より、料理と合せると、一層精彩を放ち、マリアージュの本質を十分に感じ取ることができました。当日のベスト2だった#11 は白エビと合わせて良好。



3ヶ国語(仏・英・日)対応のルロワ本『Domaine LEROY, Domaine D'AUVENAY』


マダムからのお土産は≪ルロワ≫の真髄が詰まった書籍

40周年、45周年ともマダムは来日なさいませんでしたが、加齢(85歳)しても、エレガントで凛としたたたずまいは変わらない偉大な醸造家マダム・ラルー・ビーズ・ルロワ、これからも素晴らしいワインを造り続けて欲しいです。最後に、貴重な機会にお招きくださった髙島屋&グッドリブ様に御礼申し上げます。
ありがとうございました!

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恒例の新年会&誕生会は『ソルベニ2014』と『シャトー・ラグランジュ2010』で! [ワイン]


今日から仕事はじめですね。
今年もよろしくお願いいたします。

3日はNew Year's Party & Happy Birthday
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昨日は親愛なるAdo&Akane ご夫妻のお誕生日でした!


今年はガレット・デ・ロワでお祝い


陶製の人形フェーヴを当てたのはAdoさん、王様で良かった!


旧知の金沢メンバーが集まって誕生会プラス新年会をするようになってから何年になるのかなぁ・・・


Akaneさんは何でも器用にこなす才女、特に御節は文句なしの腕前です。加えてAdoさんが作る栗きんとんも絶妙。ということで、私は毎年、ご夫妻にどっぷり甘えております。

ソルベニ2014との相性は

ソルベニは言わずと知れたサッカー元日本代表監督フィリップ・トルシエさんが手掛けているワインで2014年が初ヴィンテージ。メルロ80%とカベルネ・フラン20%のブレンド、新樽率100%
参加メンバーからは「飲みやすい」との意見が多く出ていました。ヨード感のある昆布巻、お出汁で味付けした煮物等と合わせて楽しめました。


ポン酢で食すローストビーフわさび添はソルベニと相性良好、質感でマッチ◎

昨年4月に日本初上陸したソルベニ2014(輸入元徳岡)
来日していたトルシエ監督は東急プラザ銀座店内にある徳岡さんの直販ショップでワインをPRしていました。その時にサインしていただいたボトルを約9ヶ月振りに抜栓。プラム、アメリカンチェリーのような黒系果実、口中滑らか、きめ細かなタンニン、控えめな酸、シームレス、全体的にフェミニンな印象


シャトー・ラグランジュ2010の登場も


Adoさんが用意していたワインのなかにシャトー・ラグランジュ(以後ラグランジュ)がありました。
2010年ヴィンテージはカベルネ・ソーヴィニヨン75%、メルロ25%、7月と8月(雨量は2ヶ月で30mm)は極度に乾燥していたので、果粒は小粒、果皮は厚めでアントシアンの含有が非常に高いヴィンテージ。ラグランジュでは“偉大なポテンシャルを秘めた正統なメドックスタイル”と形容しています。

7年経過したワインには、まだ十分に赤系果実の要素が残っていました。タンニンはまろやか、酸はワインに溶け込み、エレガントな味わい。小豆っぽさが、黒豆の軽い甘さと旨味と釣りあって好印象。ラグランジュのエレガントさと金箔をまぶした光沢ある黒豆は視覚的にも合っていました。

12月末に届いた椎名敬一副会長からのグリーティングカードに、2017年の作柄についての記述がありましたので、ここで、ご紹介しておきます。

「ボルドーでは<末尾が7の年は不作>とのジンクスがあり、世紀の偉大年1947年を例外に、それ以降繰り返されており、2017年も4月末に、1991年以来26年振りとなる大霜害に遭遇してしまいました。被害の範囲はフランス全土に及び、ボルドーの収量は過去5年平均を35%下回りました。(中略)。品質に関しては、その後の乾燥した暑い夏を経て<7の呪縛>から逃れられたように思います。霜に遭わなかった区画の生育は順調で、収穫は2003年以来の早い開始となりました。ラグランジュではぶどうの着色が始まるヴェレゾン期に、霜害に遭った一株ひと株をスプレーでマーキングして収穫のタイミングを分けるという対応を取りました。9月は気温も上がらず雨がちとなったものの、こうしたきめ細かな対応が功を奏し、良年と言われる2014年を超える可能性は十分あるように思われます」

波乱に満ちた一年だったようですが、リリースを楽しみに待ちたいと思います。


うさぎやのどらやき!

Takafumi&Reikoご夫妻が毎回持参してくださるのが、可愛いイラスト入りの阿佐ヶ谷店バージョン!


私はつぶあん派、うさぎやのどら焼きが大好きです!
いつも行くのは上野店で、手にした時に感じる温かなぬくもりにも癒されます。
紙袋もお気に入りです!
余談ですが、2010年に書いたつぶあん派、こしあん派話題、甘党の方にはお立ち寄りいただきたい気分です。


金沢のお正月の『紅鯛(べんだい)』のお飾り

普段は西暦で語ることが多いのですが、今年は区切りの良い平成30年!
“平成”の年号も来年には変わってしまうので、名残りを込めて、今年は〝平成〟を大いに使いたいと思います。実り多き一年でありますように!

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Happy New Year 2018 [ごあいさつ]


昨年中は大変お世話になりました。
本年もよろしくお願いいたします!

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