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アサイ・ウスケ・ワールドを悠々自適にプレイバック! [ワイン]

先週末、『シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー』の生みの親である麻井宇介先生と、彼の思想を受け継ぎ、ワイン造りに人生をかけて突き進んでいく革命児たちを描いた映画『ウスケボーイズ』の試写を観たのがきっかけで、先生の書籍を読み返してみました。

ワインづくりの思想  ~銘醸地は動く~


着陸態勢に入るとアナウンスがあって間もなく、雲海の上の明るい空から乳白色の霧の中へ、機体は静かに沈み始めた。窓の外はたちまち光を失って、薄明の空間へすべりこむと、機内の空気は時が止まったように張りつめた。

麻井宇介先生(2002年6月1日逝去)が2001年に上梓した『ワインづくりの思想/中公新書』の冒頭部分が好きです。なぜなら、ワイン書とは思えない流麗な文体、そこから見えてくる情景描写が見事だからです。

生前、先生が各方面に寄稿された「酒論」を、醸造産業新聞社が一冊にまとめた『酒精の酔い、酒のたゆたい(2003年5月初版)』に、微笑みたくなる一文がありました。


麻井文体のルーツ
そこへ現れたのが『フランスの葡萄酒』であった。その時まで、私はこの本が昭和11年に限定500部で刊行されていたことなど全く知らなかった。
「仏蘭西で私の居た家には大きな酒倉があって、毎日飲む食卓酒の他に、日曜日や祭日には必ず良い酒を倉から出して飲む習慣であった。(中略) 此等の人達と共に見たり聞いたり或は味わったことを思い出すままに書き綴ったのが、此の本である」

このさりげない著者のはしがきの通り、一読して感じたなによりの魅力は、自分の言葉で語り、知識の請け売りに堕していないところ にあった。この著者はいかなる人物か、寡聞にして知らない。もちろん余技としての著述であろう。だが、その簡明な文章は、よく整理された知識の上に凝縮していて、なみの教養人のものではない。ワインのある暮らしを体得した強みだけで書いた文章とは違う。読んでいて、私もまたいつかはこの本のように自分の言葉でワインを語れるようになりたい、 そういう思いにかられたものであった。
日本人の手になる最初の「ワイン書」のページより抜粋


麻井先生はこの著者の名を記していなかったので、ネットで調べてみました。
経歴は不明ですが、「十和田一郎」なる人物であることがわかりました。
麻井先生の格調高い文体は、酒書彷徨三昧を重ねるうちに、十和田氏の書籍に出逢い、感化され、先生の文章力にさらに磨きがかかったものと思われます。麻井先生が形容している “自分の言葉で語り、知識の請け売りでない”、これこそウスケ・スタイルの真髄であり、多くの読み手を魅了している点に他なりません。

海外の古書を収集し、それもウイスキーを主になさっていた先生は、ワインにはなるべく近づくまいとしていた。ワイン書は底なし沼。溺れたら危ない。それに、海外の酒をその国の人以上に知ろうなど所詮徒労ではないかと書いています。
でも・・・『フランスの葡萄酒』を書架に加えた時を機に、蒐書の比重はウイスキーからワインに傾いていったようです。さらに、関心は日本のワイン書発掘に向って行きます。それは、前述の名著誕生や桔梗ヶ原メルロー造りに繋がり、はたまた、戦後を生きたひとりの酒造技術者の見聞と行動を資料として残す、語り部としてのお役目も。ここに先生の宿命を感じます。



自らが手掛けたプロヴィダンス1999

プロヴィダンスに感銘を受け、ヴルティッチ流のワインづくりを会得しようと、ニュージーランドまで出向き、ワインを醸造してきた麻井先生のイニシャル「UA (ラベルの右下)」が記された1999年ヴィンテージ

時を経たプロヴィダンス1999を試飲


我が家に保存してあったプロヴィダンス
底から4㎝ほどしか残っていませんが大事な記念のワインです。
思い立って、ワインをグラスに注いでみると・・・
細かな澱と一緒にまどろんでいたワインは、オレンジや琥珀の濃淡を纏(まと)い、濁りは帯びているものの、下に置いた印刷物の文字が楽に読めるほどの淡さになっていました。香りはシェリーのオロロソに似た甘やかな印象、口中を支配するのは直線的な酸味、なめらかなタンニンの存在、鼻腔にかすかに残る果実のニュアンス、喉の奥に広がる余韻、バキュバンすることなく置いてあったにもかかわらず、多くの時を経てきたとは思えない状態、雑味や不快感がないことに驚愕!

醸造の過程で無水亜硫酸をまったく添加していないプロヴィダンスに関して、麻井先生は、無添加であることに疑問を感じ、精密な化学分析を依頼なさったと書いています。でも、結果は、「見事に何も検出されなかった」と。

ビオディナミの教祖ニコラ・ジョリ氏が来日したセミナーで、麻井先生が隣席という幸運に恵まれたのですが、その時のジョリ氏のセミナーでは、当日に抜栓したワインと3日前に抜栓したワイン(コルク栓もしない)の利き比べを行いました。ワインは『クロ・ド・ラ・クレ・ド・セラン1996』、2つのグラスの開き具合に多少の時間差はありましたが、ともにパワフルだったことだけは覚えています。
私は先生に「このワインは如何ですか?」と質問してみました。
「凄いワインだと思いますが、私は次の一杯も飲みたいと思うワインが好きです」とのお言葉が返ってきました。これって、プロヴィダンスのブラインドで先生が書いている言葉と同じです。思えば、これも1999年の出来事でした。



『ワインづくりの思想』のプロローグに、1999年2月、プロヴィダンスのオーナー、ジェームス・ヴルティッチ氏が来日し、ボルドーのトップシャトーとプロヴィダンスのブラインドテイスティングが行なわれたこと。先生はそこで、おいしいと感銘し、次の一杯もこれを飲みたいと思うものを2点選ぶのですが、その2点ともがプロヴィダンスだったというくだりがあります。


未知の土地にぶどうを植え、たちまち頭角を現すというのは、偶然なのだろうか、それとも科学技術の進歩によるものなのか。この素朴な疑問は日本でワインをつくりつづけてきた私にとって、なんとしても答えを見出さなけれはならない宿題の1つであった。物語をもっと大きく設定するならば、「銘醸地は動くのか」ということである。
「ワインづくりの思想」より抜粋


宿命的風土論を超えて
ブドウ畑は、それぞれに個性を持つ。差異があるのは当たりまえなのである。これを「風土の違い」と表現したあたりで、、日本では銘醸地との差異が、追いつくことのできない宿命的な落差の意味を持つようになってしまった。そして、この逆もまたワインの世界では根強く蔓延した。名付けて「宿命的風土論」という。

銘醸地は人間がつくり出すものである。だから動く。一見、それが運命的に定まっているかのように、ここ150年ほど、動かずにいると見えるのは、人びとが「宿命的風土論」の呪縛から逃れられずにいたからだ。
「ワインづくりの思想」より抜粋


日本のワインづくりは、ブドウ農家と苦楽を分かち合う信頼関係を支えとしなければ存立しえないのである。桔梗ヶ原で、その問題と直面するのは、この時(昭和29年)から20年も後の事になる。
「酒・戦後・青春/世界文化社刊」より抜粋

この一文から20年後の塩尻で、メルローを栽培する決断が・・・

麻井宇介先生の信念
1976年1月、長野県塩尻市街にある桔梗ケ原の中央公民館で、100名を超す果樹栽培者を前に、「甘味果実酒の原料ぶどうを転換するなら、欧州系の本格的な品種に」と先生は提案。欧州系品種への改植、生ぶどう酒産地に生まれ変わる必要性を説き、桔梗ヶ原を熟知している林農園の林五一翁の後継者幹雄さんの「どうしてもやるのであれば・・・メルロー」という発言を受けて、栽培家にメルローへの取り組み(棚栽培)を促します。


シャトー・メルシャン桔梗ヶ原メルローの育ての親ポール・ポンタリエ氏
今秋 長野県塩尻市に待望の『シャトー・メルシャン桔梗ヶ原ワイナリー』がオープンします。9月初旬にはプレス向けの視察もあるので、今からとても楽しみです。


1976年から契約栽培を開始した長野県塩尻市桔梗ヶ原地区、標高700m、砂利質の水はけの良い土壌、画像は棚式栽培のメルロー(提供:メルシャン株式会社)


シャトー・マルゴー総支配人兼醸造責任者として活躍していたポール・ポンタリエ氏(2016年3月27日逝去)は1998年からシャトー・メルシャンの醸造アドバイザーに就任。以後、品質向上に向けてご尽力くださいました。

初めて、桔梗ヶ原メルローを試飲したポンタリエ氏は、ワインのポテンシャルを理解すると同時に、栽培上の欠点をも感じ取っていました。そこで、最初に提案したことは、“垣根式栽培の導入”でした。翌年(1999年)ポンタリエ氏のアドバイスに従い、同社では垣根式栽培の導入を決断。双方の努力により、シャトー・メルシャン桔梗ヶ原メルローはさらに素晴らしい進化を遂げています。



シャトー・メルシャンのラベルもチェンジします!

7月31日に発表された『Japan Wine Competition2018』で、桔梗ヶ原メルロー2014が金賞を受賞しました。発売は9月4日(火)なので、日本ワインファン、シャトー・メルシャンファンはお忘れなく!

桔梗ヶ原メルローの生み親 麻井先生と共にワイン造りに励み、ボルドー滞在中は子供同士がクラスメイトだったご縁で、ポンタリエ氏とメルシャンのつなぎ役をした藤野勝久氏が、『桔梗ヶ原メルロー30年の歩み』を同社のサイトに綴っています。一見の価値ありです!!!
http://www.chateaumercian.com/stories/special/kikyogahara_merlot/

尊敬する麻井宇介先生から、私がいただいたお言葉は
ワインを飲む楽しみは、知る楽しみによってさらに深まる
でした。同じように、映画を観る楽しみも、“知る楽しみ”によってさらに深まります。
日本ワインを世界レベルに引き上げたワイン業界屈指の有識者 麻井宇介先生の足跡&人となりを、映画をご覧になる前の“知る楽しみ”にしていただけると嬉しいです。


映画『ウスケボーイズ』


監督:柿崎ゆうじ
エグゼクティブプロデューサー:柿崎ゆうじ
プロデューサー:古谷健一 前田茂司
出演:渡辺大 出合正幸 内野謙太 竹島由夏 寿大聡ほか
原作:河合香織『ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち』小学館
企画・製作・配給:カートエンターテイメント
配給協力:REGENTS
10月20日(土)より新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
公式サイト:http://usukeboys.jp/

ニュースサイトワインのこころ でも紹介しているので、覗いてください!


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日比谷 松本楼創業115周年記念イベント ~シャンパン『クロ・サン・ソフィー』に繋がる山梨・勝沼ヒストリー~ [ワイン]

明治38(1903)年創業の日比谷 松本楼、115周年記念イベント開催


日本初の洋式公園とした誕生した日比谷公園のなかに、時を同じくして創業した松本楼は、明治のハイカラさん憧れのフレンチレストランとして人気を博していました。
それから115年! 
小坂文乃社長が、今回、記念のロゴとして採用したのは“シーラカンス”
きっかけは、ワイン界の権威大橋健一マスターワイン(MW)の「浮き沈みの多い飲食の世界で、100年以上継続していくことは凄いことであり、言うなれば、業界のシーラカンスですね」とのお言葉がヒントになって考案されたとのこと。みどり色のシーラカンスはとても可愛いですし、1階のテラスにある樹齢400年以上の銀杏の葉も描かれています。

梅屋庄吉と孫文の絆

創業当時の松本楼


小坂文乃社長の著書と梅屋庄吉氏と孫文の関係を記した文献




ひまわり色の装いの小坂社長とひまわりの花束!
第1弾の記念イベントとして、私は日本とフランスの素敵な繋がりをお話しさせていただきました。

副題には、日仏160年、日本ワイン140年(2017年で)、明治150年と表記しました。
フランスのシャンパーニュ地方と日本の山梨・勝沼を繋ぐ素敵なお話がテーマで、供出させていただいたワインもシャンパンと日本のワインでした。

新緑がまぶしい空間で

新装された2階バンケット・ルームに80名のお客さまをお迎えして


いつもながらの落ち着いたテーブルセッティング


フォーカスしたシャンパンメゾンは『ジャック・ラセーニュ』
1960年代に父親が畑を購入(自社畑は約6㌶)、エマニュエル・ラセーニュは2代目


エマニュエル当主から動画メッセージが到着したので開宴前にチェック作業





ワインは左から
#1:シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード ロゼ2016
産地は長野県上田市のマリコ・ヴィンヤード。シラー、メルロー、CF、CS。ステンレスタンクで約14日、約4,700本。香り華やか、赤系果実、ベリー風味、スパイス、タンニンの存在感、サーモンやエビチリ、餃子と相性◎
#2:ジャック・ラセーニュ レ・ヴィ―ニュ・ド・モングー ブラン・ド・ブランNV
白い花、レモングラス、アカシア、柑橘系果実の内果皮似のビター感、終盤まで持続する酸、時間の経過でソフトに
#3:シャトー・メルシャン 岩崎甲州2016
柑橘系アロマ、温度変化で樽由来の重厚感、上質な酸味、果皮由来のビター感、旨味のある甲州
#4:ジャック・ラセーニュ ラ・コリーヌ アンスピレNV
淡いイエロー、ミネラル、塩味、樽由来の複雑味、旨味、酸の余韻
#5:ジャック・ラセーニュ ミレジメ2008
秀逸な2008年ヴィンテージ、香りに熟成感、味わいはフレッシュ、切れのある酸味、他と違うニュアンス
#6:ジャック・ラセーニュ クロ・サン・ソフィー2010
黄色系果実(黄桃、カリン)、木香、蜂蜜、クミン、カルダモン、エスニックスパイス、余韻に甘やかさ

協賛:リーデル・ジャパン株式会社(リースリンググラス)
協力&一部協賛:メルシャン株式会社、藤原商店
輸入元(藤原商店)情報:http://fujiwara-shouten.co.jp/import/champagne.html



六川シェフの料理は初めてだったのでワクワクでした!


小坂社長からスタート当初から今に至るお話、ご挨拶


ウェルカムドリンクはロゼワイン、色合わせでサーモン登場
シラー由来のスパイシーさがピンクペッパーとマッチ、低温から徐々に温度を上げて楽しんで欲しいロゼ! 


ジャック・ラセーニュはすべて白ぶどう100%で、ノン・ドザージュ(糖分添加無し)、生の勝負!
リーデルのリースリンググラスを使い、白ワイン感覚で。余韻まで凛とした酸が残り、口中をきれいに洗い流してくれる印象、ピュア!


ノン・ドゼのシャンパンの後に登場した岩崎甲州、その評価は

昨年初リリースされた『シャトー・メルシャン 岩崎甲州2016』は発売後、即完売! 
メルシャンがこの日のために手配してくださったもので、フランスに渡った高野・土屋両家の生家で栽培している甲州から造られています。


甲州とシャルドネに合わせて、ホワイトアスパラガスのブラマンジェ&雲丹のクリーミーさ、絶妙

昨年、お寿司屋さんに持ち込んで体験し、惚れ込んだ甲州岩崎。
樽使いの絶妙さと、昨年より瓶熟期間を経ている分、趣きある味わいに。中盤以降、酸の広がりも好印象。嬉しかったのは、シャンパンの輸入元クロスロードの有馬さんからいただいた「この甲州、深みがあってイイね」というお言葉。さらにリーデルの庄司さんから「シャンパンの後に出すというのは、かなりの冒険であり、勇気もいると思いますが、青木さんが岩崎甲州をしっかり理解しているからできることだと思う」と言っていただいた時は\(^o^)/
生で勝負のノン・ドゼのシャンパンに正面から挑んで頑張っていた“ひと味”違う甲州。メルシャンの大谷さんも「他の甲州よりタンニン分が多い」とおっしゃっていました。2017年ヴィンテージのリリース、ご期待くださいませ。


シェフならではの見事な仕掛け
左から順にタチウオの昆布締め、中にマンゴーフルーツ、ハタは焼き塩、イサキはハーブ塩。
メニュー全般、素材の良さと新鮮さが持ち味でしたが、この一皿には美味しいの声、多々・・・
口中にタチウオを入れた時のギャップ(魚のぷりぷり感+旨味、マンゴーの柔らかさ+甘味)の面白さ、ラ・ヴィ―ニュ、岩崎甲州ともに楽しめました!



手長海老と帆立のポワレ、パッションフルーツのブールブランソース
アスパラソバージュとチーズのチュイル
果実の酸をワインの酸と相乗させた違和感のない相性


熟成香、ヘーゼルナッツ、蜂蜜等、熟成したブルゴーニュワイン的風味


六川シェフのメニュー解説


参加者を引き付ける話術お見事、リーデル・ジャパンの庄司大輔チーフ・ワイングラス・エデュケーター


シャルル・バルテが描いた菊の絵はクロ・サン・ソフィーのラベルに使われています。明治天皇から勲章を受勲し、そのお礼に、オリジナルの菊の花を作って献上したバルテ。


当日のハイライト!
クロ・サン・ソフィーの畑の現オーナーは、子供服のプティ・バトー一族です。
エマニュエル当主と同家が親しかったことから、『クロ・サン・ソフィー』造りを任され、誕生したシャンパン。2010年が初ヴィンテージ。



メゾンはシャンパーニュ地方オーブ県トロワに位置し、ブルゴーニュに近いエリアで、土壌はチョーク質。ランスやエペルネより南にあるので、ぶどうの糖度も1~2度高いものが収穫できます。
かつて、クロ・サン・ソフィーには農業試験場があり、この地で日本から来た2名の若者高野正誠と土屋龍憲がぶどう栽培とワイン造りを学んでいました。指導者はシャルル・バルテとピエール・デュポンで、バルテはぶどうの苗木作り、デュポンは土壌や醸造技術を伝授しました。



ワインは黄金色、樽使いの面白さもクロ・サン・ソフィーの特徴


フランス産ブレスチキンとブーシェ、松本楼伝統のレシピのパイとともに モリーユ茸のソース。温度があがることで重厚感と樽熟成の風味が増し、料理に寄り添って。


たまごの殻を使ったスペシャリテ、刻んだトリュフの香りほんのりのオムライス


マンゴーココナッツムース、南国のフルーツを散りばめ


果実の酸を生かすことで、シャンパンの酸とも相乗、ロゼとも◎

松本楼のフルメンバー


小坂文乃社長以下、スタッフ総出、壮観でした!
115周年を迎えられ、心からお祝い申し上げます!


クロ・サン・ソフィーと勝沼を繋ぐヒストリー


薩摩藩医の子供として生まれ、後に山梨県知事も務めた前田正名は、明治2年(1869年)から明治10年(1877年)まで渡仏。トロワのシャルル・バルテと親交があったことから、高野・土屋両名を伴い、帰国してわずか半年で再渡仏し、ふたりをサポートしました。



メルシャン資料館にある高野家のワインとクロ・サン・ソィ-のワイン

フランスと日本を繋ぐ絆のワイン

マスカット・ベーリーAの生みの親 川上善兵衛生誕150年


日本のワインを語る上で絶対にはずせないのが、新潟県岩の原葡萄園の創始者、日本のぶどうの父川上善兵衛です。明治元年(1868年)生まれなので、今年は生誕150年の記念年。高野正誠や土屋龍憲とも交流がありました。
江戸時代から続く、大地主の6代目として生まれた善兵衛は、殖産興業・農民救済という意思を持って、ぶどう栽培&ワイン造りを手掛けますが、このきっかけを作ったのは、あの勝海舟! 祖父の時代から勝家と交流があり、海舟から見聞したぶどうとワインの話に触発されたそうです。 (『岩の原葡萄園』の坂田敏元社長からの伝承)
「志は良いけどおこもさん(こじき)になるなよ」と海舟は助言しましたが、善兵衛は自分の意志を貫きます。結果として、全財産を失い、人生を終えることになりますが、善兵衛が開発した優良22品種のなかのマスカット・ベーリーAが、2013年、O.I.V(国際ブドウ・ワイン機構) にワイン用ぶどうとして登録されました。国際的に認められたことで、EUへの輸出の際、ラベルに品種名を表示することができるようになりました。
ここにも長い歴史がありました。

明治時代のワイン造りの黎明期を駆け抜けていった先人たち
現在の日本ワインの向上・躍進に、高い評価をくださると確信しています。


素晴らしい応援に支えられて

ジャック・ラセーニュの輸入元クロスロードの藤原秀三社長(後列中央)と有馬基さん(藤原社長の左隣)、リーデル・ジャパンの庄司大輔さん、メルシャン執行役員首都圏総括支社長大谷満さん(最右)
本当にありがとうございました!!


いつも温かな応援をしてくださるお仲間、有難く嬉しく思います。


昨春、ルイ・ジャドイベント@松本楼で共に活動したワインサロン『フミエール』の友原範士社長と宮川文子主任講師、ワイン仲間の鎌倉えりこさんと秋山青美さん


文乃さんとの糸を繋いでくれた親愛なる吉井君と愛妻利恵さん、ありがとねっ!
115周年記念イベントで素晴らしいワインをご提供くださったメルシャンの大谷支社長、感謝しております。


小坂文乃社長へのエール

歴史ある松本楼の代表としての新しい船出
順風満帆の日ばかりではなく、荒波を受ける日もあると思いますが、女性ならではの感性を生かして、上手な舵さばきを見せてください。参加させていただいたメンバー全員応援しております。
松本楼の120年、150年、そして230年・・・更なるご発展を祈願しております。
今回は、身に余る光栄なお役目をいただき、ありがとうございました!



追記(6月6日)
日比谷 松本楼の代表取締役会長小坂哲瑯(本名 明)氏(享年86歳)が先月23日に他界なさったことが公表されました。小坂会長のご冥福を心からお祈り申しあげます。文乃さんはじめ、ご家族の皆さまの本日までのご心労は計り知れないものだったと思っております。

過去に何度も同店でのワインイベントでお世話になっている身として、今回の115周年の会は今まで以上に気合を込めて頑張らねばという思いで、務めさせていただきましたが、私にとりまして、生涯忘れられない出来事になりました。小坂会長に「あんたに任せて良かった」とおっしゃっていただきたい一心でおりました。
ご縁をいただきましたことにこころから感謝しております。
どうぞ、安らかにお眠りくださいませ。長い間お世話になり、本当にありがとうございました。
青木拝


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シャトー・メルシャン プリムール・テイスティング2018  ~思い出を重ね合わせながら~ [ワイン]

2017年産ワインの利き酒


大橋健一MWを迎えての『シャトー・メルシャン プリムール・テイスティング』
今年で2回目の開催です。昨年、私は出張中で参加できなかったので、今回は安蔵光弘チーフワインメーカー(左)によるミレジム(収穫年)とワインの造りについての解説、大橋健一MWによる各ワインの講評をしっかり拝聴させていただきました。



会の冒頭、館野敦常務執行役員営業本部長は、「ワイン市場は緩やかに成長しており、なかでも日本ワインは順調に推移。構成比は全体の5%程度ですが、好調な伸びを示しており、弊社では今年9月長野県塩尻市に桔梗ヶ原ワイナリー、来秋には長野県上田市に椀子ワイナリーを建設予定。品質を含め、さらなる成長していきたい」と述べました。

2017年のミレジムについて
下表はボルドーのプリムール・テイスティングを参考にして作成した城の平地区のメルローの生育記録です。通常は萌芽、開花、ヴェレゾン(ぶどう果実の着色)、収穫を記載しますが、日本ではぶどうの萌芽が早い時は桜の開花も早いとのことで、よりわかりやすさを示す意味で、桜の開花(ピンク)梅雨(空色)を挿入してあります。













画像はクリックで拡大


表をご覧いただくと、2015年の開花が早いことがわかります。例年より4~5日早かったようで、桜の開花とぶどうの萌芽に間があるのは寒さがぶり返し、その影響で萌芽が若干遅れたことを意味しています。2016年は2015年より、さらに4~5日早かったので、結果として10日ほど早い開花でした。

2017年の開花は例年並み。梅雨が短く、雨量も少なかったことで、晩腐病の一時感染が少なかったとのこと。8月は曇天と降雨で日照量は少なめ。9月以降は晴天が続き、生育の遅れを取り戻しました。10月中旬から気温が下がったので、晩熟のカベルネには酸が残り、最終的に、病気も少なく、糖度の高いぶどうが収穫できました。

シャトー・メルシャン テイスティングアイテム

(前列左から右)
#1:甲州きいろ香
#2:北信シャルドネRGC千曲川左岸収穫 
#3:北信シャルドネRDC千曲川右岸収穫
(後列左から右)
#4:穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィヤーズ Barrel sample
#5:城の平 Barrel sample
#6:桔梗ケ原メルローBarrel sample
#7:椀子オムニス Barrel sample

シャトー・メルシャンの各ワイン解説&講評
#1:甲州きいろ香

きいろ香のファーストヴィンテージは2004

大橋MWが「ピンクスキンのぶどうで、グリ系のゲヴェルツ等の品種とは異なる個性を持っている」と表現していた甲州
■産地は山梨県甲府市の南に位置する玉諸(たまもろ)地区、標高(約250m)は低く、砂地で熟すのが早いエリア。2004年の初VT以降、きいろ香に最適な産地を模索した結果、2010年頃から玉諸地区の甲州を使用。2017年は2016年より10日ほど遅い収穫になった。澱下げや冷却処理(酒石除去)は行わず、フィルター掛けも酵母等の大きな固まりを取り除く程度、できるだけ旨味を残す工夫をしている。

MW講評:甲州に関して、プロの間では確実に認知度があがっていると個人的には理解している。初期の甲州にはエステル香があり、酵母の力に頼っていた。2017年のきいろ香を昨年のものと比べると、テクスチュアがフェノリック(フェノール化合物由来の苦みの効いた)。良い意味でのビターさがあるので、ワイン全体のフィニッシュに奥行きを与えている。メルシャンチームの収穫時期の洞察、醸造技術を生かした個性的なヴィンテージと言える。

私感:きいろ香の生みの親、故富永敬俊博士のお言葉を辿りながら・・・・。
いつも、「きいろ香はリリース後、半年は静かにさせてから味わって」とおっしゃっていました。2005年ヴィンテージの発売後、博士からいただいたコメントに、「フグ刺にグレープフルーツを搾ることは躊躇しそうですが、バンペイユや日向夏等の和製柑橘なら合いそうですね。香りは果肉と皮ではかなり違います。きいろ香にみいだされる日向夏やバンペイユの香りは果皮に傷をつけて嗅ぐと良くわかります。柑橘の皮の持つビターさが連想できそうな、より複雑な香りが楽しめるはずです。きいろ香と和製柑橘で和食がもっと楽しくなりそうな気配です」というのがありました。2017年ヴィンテージを利き酒して、MWがコメントしていたビターな味わいは、柑橘果実の内果皮の苦みと重なり、料理との相性連想も楽しめました。
プリムール・テイスティングで供出された2017年VTから10年遡る2007年VTに関して、博士が寄稿してくださったアロマティック品種とノン・アロマティック品種も載せておきます。ご命日の6月8日、間もなくです。


#2;北信シャルドネRGC千曲川左岸 収穫
■産地は長野市豊野地区とその周辺。標高300~400m、粘土質土壌、収穫は10月上旬から中旬、右岸・左岸というテロワールを強調したワイン、ぶどうの果実味を大事にしているので、新樽(30%)の使用率は少なめ。すべて樽内発酵。

MW講評:北信シャルドネは左岸・右岸ということで、キャラクターの違うワインに仕上がっている。樽の乗り具合に幾分違いがあり、昨年はもう少しトースティ-でグリルした印象だったが、今年はクリーミー。ライトで酸がきれいに伸びているので、今の時点で完成度の高さを感じる。樽やMLF由来の滑らかさと、最後に和食に合うきれいな酸とかすかなフェノリックがテクスチュアを引き締める役割をしている美しいワイン。



#3:北信シャルドネRDC千曲川右岸
安蔵チーフワインメーカーは「熟したグレープフルーツ」、定点観測している大橋MWは「ソーヴィニヨン・ブランに感じるグァバやパッション・フルーツ様な香りがある面白いヴィンテージ」と表現した右岸のシャルドネ

■産地は長野県北信地区高山村と須坂地区。標高の最高位は650m、砂礫質土壌で日本でも有数の砂利が多いエリア、収穫は10月中旬、ブレント比率は須坂11%、高山89%、左岸同様新樽率は30% 

MW講評:ソーヴィニヨン・ブランに感じるような香りのニュアンスが出ることが今までと違うヴィテージの印象。収穫をギリギリまで伸ばしたことで、酸は昨年より高め。今際立って感じる酸味、樽の要素は今夏のリリース時までには落ち着いてくると予想

4種の赤ワイン


#4:穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィヤーズ Barrel sample
■産地は山梨県穂坂地区、同地区の2つの畑をセレクト、遅摘み。標高は450~550m、昼夜の温度差が大きいので、きれいな酸が残る。樽育成(20~24ヵ月)は長めにして、キャンディー香ではなく、苺(完熟した苺)の香りを前面に出したい。瓶詰は早くて2年後。

MW講評:フォクシーフレーバーは勝沼より穂坂のほうが控えめなので、海外市場で適応できる。アールグレーのような若干スパイシーな茶葉の香り。より複雑味を増して進化したMBA。余韻にきれいな酸が残る。品種特性として酸もタンニンは控えめなので、それを補正するために、もう少し退廃的(オールドリオハや昔のカリフォルニアワインに感じたダスティーなニュアンス)なワイン造りも選択肢のひとつ(?)

アメリカンオークの使用について安蔵チーフワインメーカーは「2005年に、初めてMBAを名乗った品種別のワイン『山梨マスカット・ベーリーA 2001』をリリースした時にはフレンチオークを使用していましたが、その後のバレルトライアルで、MBAの華やかな香り、イチゴやジャムのような香りがアメリカンオークと相性が良いことがわかり、取り入れています」とおっしゃっていました。

私感:今年は岩の原葡萄園の創始者、MBAの生みの親 川上善兵衛さん生誕150年!
岩の原葡萄園のMBAのぶどうは真ん中からカットすると切り口が羊羹状! 凝縮していて水分をあまり感じさせません。安蔵チーフワインメーカーによると、穂坂のぶどうはジューシーとのこと。MBAに関しては、ぶどう自体の違い、収穫のタイミング、直近で試飲した各社(メルシャン、岩の原葡萄園、サントリー、MGVs等)それぞれの樽使い(樽熟)にも非常に興味惹かれています。

#5: 城の平
※バレルサンプルのブレンド比率は最終決定ではないのでリリース時とは異なる可能性あり
■産地は山梨県甲府市城の平ヴィンヤード、勝沼にある自社管理畑、標高550~600m、ここ10年くらいでカベルネ・フランCF、メルローME、プティ・ヴェルドPV、カベルネ・ソーヴィニヨンCSを植樹。ブレンド比率はCS84%、ME11%、PV5%、新樽率は60%。早摘みぶどうのCFは、8月1日からの悪天候(日照が少なかった)のため、ピラジン(ピーマン臭)が出てしまい、ブレンドには使用しない。ちなみに収穫日はCF10月4日~、ME10月5日~、PVは10月9日~、CSは10月18日。

MW講評:シャトー・メルシャンのアイコンワインのひとつ。偉大なCSを生産していることが素晴らしい。昨年来日して試飲したサム・ハロップMWは「2016年VTをインターナショナルクラス」と評価。ボルドーのワインと比べるとテクスチュアはまるいが、全体的なシェープは細い、昨年は全体的にまとまっていた。昨年がサン・ジュリアンだとしたら、2017年はぺサック・レオニャン、メルローを加えることで、幾分か肉付けをしているスタイル。タンニンは桔梗ヶ原と比べるとグラベリー(ごつごつした小石を口にした味わい、まだタンニンのざらつきが前面に出る)、カベルネらしさが出ているワインと言える。

#6:桔梗ケ原メルローBarrel sample

■メルシャンのシグナチャーのワイン。産地は長野県塩尻市桔梗ヶ原地区、標高730m、礫層が基盤の火山灰層が堆積した水はけの良い土壌。垣根式栽培、遅くまで収穫を引っ張った年、10月10日から開始。健全で糖度が上がった年、十分な酸味もあり、バレルサンプルは比較的醸しの長いタイプのものをブレンド。

MW講評:堂々たる存在感のあるワイン、メルロー主体のグラン・ヴァンに必要な要素が完結している。違うのはテクスチュアで、ボルドーのものより幾分スリム、でも酸味がきれいに残る。香りや木目の細かいタンニンの完成度は、日本のメルローの代表選手としてインターナショナルなレベルまでこのワインを押し上げているメルシャンの技術力によるもの。

私感:1998年からメルシャンの醸造アドバイザーに就任した故ポール・ポンタリエさん。
2013年の来日時に行った桔梗ヶ原メルローの垂直試飲での言葉がとても印象的でした。
「ワイン造りの定義は国によって様々であり、テロワールも違うので、フランスやカリフォルニア等と同じものを造っていくのではなく、本当の意味での“日本ワインを造る”ことであり、そのためには日本の文化、食生活と常にリンクしていかなければならない」と。そのポンタリエさんが桔梗ヶ原メルローに求めていた“フィネス&エレガンス”。今回、大橋MWは講評で「ボルドーのものより幾分スリム、でも酸味がきれいに残る」と表現していていましたが、私はこのスリムながら最後に酸が残るスタイルこそが、ポンタリエさんが常々言っていた“日本ならではの清涼感”だと思っています。故ポンタリエさんがアドバイスしてくださった桔梗ヶ原メルローの完成形、期待しています!

#7:椀子オムニス
■産地は長野県上田市椀子ヴィンヤード、標高650m、強粘土質土壌、垣根式栽培、椀子ではメルローのタンニンをうまく熟させたいというのが課題、ゆえに長くハングタイムを取りたい、ただ糖分がどんどん上がってしまうので、そのタイミングが難しい。カリフォルニアやボルドー右岸の様な悩みを持つ年は初めて。オムニスは椀子ヴィンヤードの中で、その年のベストの品種をメインにしているワイン。2017年の主要品種はCF。城の平(500m)と椀子(650m)では収穫時期が1週間から10日しか違わず、天候も山梨、長野とも大差なかったが、椀子の標高の高さと10日間の差がCFにベストマッチ。ブレンド比率は暫定でCF45%、ME33%、CS18%、PV4%。収穫日はME9月27日~、CF10月4日~、PV10月5日~、CS10月13日

MW講評:毎年主要品種が変わるワイン。世界からフューチャーリングされているCFがメインになったVT。 CFの良さがしっかり出ているかどうか、他の品種がCFからのサポートを受けているかを見ると、本来のCFのキャラクター赤い果実ではなく、オムニスは黒い果実イメージ。ただ、余韻にCFの特性のスミレのフレーバー、トップノートに微量ながらバランスの取れた軽いピラジンがある。香りより味わいの統一感に時間をかけるべきで、口中に感じるタンニンの素性、樹から抽出されたタンニンがまだ残っているので、瓶詰めまでにより時間をかけてリリースして欲しい。

■シャトー・メルシャン情報 >>>http://www.chateaumercian.com/aboutus/
■メルシャン製品ついてのお問い合わせ先 お客様相談室(フリーダイヤル) 0120-676-757

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半導体製造業からワイン業界に参入したMGVs(マグヴィス)ワイナリー [ワイン]

創業1周年を迎えたMGVs(マグヴィス)ワイナリーへ

(左から)袖山政一醸造責任者、松坂浩志代表取締役、前田健栽培ディレクター


勝沼に誕生したサイエンスのワイナリー

マグヴィスワイナリーの母体は半導体製造の塩山製作所。注目のワイナリーなので、お訪ねする2日前(20日)にも、NHK「ニュースチェック11」で取り上げられていました。

初訪問した22日は好天に恵まれ、松坂社長と前田氏の案内でぶどう畑を視察、ワイナリーに戻って袖山氏と共に施設を見学、テイスティングでは当日リリースされたばかりのワインを含む6アイテムを体験しました。

松坂社長への囲み取材で、
日本国内で行っていた半導体の生産はベトナムに移行したこと。明治時代から続く、ぶどう栽培農家の4代目で、所有するぶどう樹から収穫した甲州ぶどうを日川中央葡萄酒(タンクを1本レンタル)に委託してプライベートワインを造っていたこと。半導体の工場は元々ぶどう畑があった場所に建設したもので、ワイン事業にシフトするなら、土地の個性を反映させ、ローカルにこだわったものを造りたいというヴィジョンがあったこと等を伺いました。
半導体製造で使っていた窒素ガスのタンクを搾汁機に改造することで、酸化しやすい甲州対策に活用。半導体と同じく、ワインの品質に関しても徹底したこだわりを見せています。

印象的だったフレーズ
「ワイナリーでワインを造っていたのは芸術家だったが、芸術家だと失敗もある。でも、今ではペンフォールドは科学(サイエンス)を手に入れたので失敗がない」
前述の言葉は、お手本にしているというオーストラリアの名門ペンフォールド発のものだそうですが、これを引用して、「ワイン造りには失敗があるかも知れないけれど、サイエンスによって、一定の水準のものを出していかないと世界基準に通用しない」と松坂氏。
海外進出も視野に入れていますが、国際品種のカベルネやピノ・ノワール等の栽培ではなく、日本の固有品種甲州とマスカット・ベーリーA(MBA)に特化しているので、「まずは2品種の認知度を高めることが先決」と。ワイン愛飲者のすそ野を広げることも課題の1つになっています。将来的にはニュージーランド(条件として雨が降らないエリア)で、甲州とMBAを生産して、2品種の可能性を試したいとの考えもお持ちのようです。



手掛ける品種は白ぶどうの甲州と黒ぶどうのMBAのみ
ワイナリー内の畑には垣根式のMBA!

3月22日発売のシャルマ法の甲州スパークリング

差別化を考えてデザインされたボトルとユニークなラベル
泡もの全体の呼称は“ポシュPOSH”にしたいとのこと。発泡酒(はっぽうしゅ)の語呂に合わせた“ポシュ”は、英語では、豪華、素晴らしい、洒落た、贅沢な等の意味があります。
2020年をめどに瓶内2次発酵のスパークリングワインもリリース(1,000本)予定!

ワイン名の読み方レッスン

資料:MGVsワイナリー

マグヴィスワイナリーのラベルは極めてユニークです。
甲州はK、MBAはMで表示されています。さらに3桁の数字の一桁目は「ぶどうの収穫地」、2桁目は「仕込み、原料処理方法」、3桁目は「醸造方法」を意味しています。
K111のワインは、甲州、勝沼地区、フリーラン(一番果汁)、ステンレスタンク発酵で造られている、ということで、桁と数字を理解すれば、ワインの地域や造りがすべてわかる仕組みになっています。今までになかった斬新なアイデア、理系的発想! 2018年ヴィンテージからは耐水性のラベルに変わります。


視察したルートを辿って
甲府盆地が一望できる鳥居平

マグヴィスワイナリーのぶどう畑は日川沿いに点在。段丘の底辺部分にあり、砂地で水はけの良さが特徴。

松坂社長によると、ワイナリーに隣接する日川は大菩薩(最高2000m)から下流まで一気に流れてくる急流で、特に500mから下流までは川がまっすぐだったことから、昔から何度も洪水に悩まされており、ワイナリー(330m)のある場所も明治40年の大水害で、全部流された由。現在の土壌は河川の浸食によってできたもので、段丘上部の粘土質の栄養分が流れ込んでいる砂地とのことでした。


標高500mの鳥居平からは甲府盆地が見渡せます。


3年前に植樹された西田の畑の元気な甲州!


勢いのあるマスカット・ベーリーA


温度管理について解説中の袖山醸造長


バレルテイスティングしたのは下川久保の遅摘み甲州2017


勝沼上岩崎引前のMBA(2017年10月収穫)、酒質がイイです!


樽はフレンチオークとアメリカンオークを併用

春の新ヴィンテージリリース

初のスパークリング
#1:K537 甲州NV GI YAMANASHI
4月22日ニューリリース
2015年と2016年に収穫した甲州。フリーランだけでなくプレスを使用しているにもかかわらず酒質ピュア、タンク内発酵(シャルマ法)が甲州のアロマを生かした印象。泡もクリーミー、ランチで一番使い勝手が良かったアイテム、1,002本、3,672円

遅摘甲州のヴィンテージ違い
#2:K131 甲州 勝沼町下川久保2017
4月22日ニューリリース
10月27日まで完熟させた甲州、フリーラン/プレスでステンレス発酵、2,464本、5,400円
#3:K131 同2016
2017年4月23日リリース
10月16日収穫、ワイナリーに隣接する単一畑の甲州、1年の熟成の違いが、香りに豊潤さ、味わいにまるみが出ていました。1,888本、5,400円

新生ロゼ
#4:B521 マスカット・ベーリーA 山梨2017 GI YAMANASHI
4月8日ニューリリース
淡い桜色、セニエ、ステンレスタンク発酵、MBAの果実風味、ライトな酸、全体におとなしい印象、2,328本、2,376円

樽の使い方、産地の違いを比較
#5:B553 マスカット・ベーリーA 山梨2016 GI YAMANASHI
4月22日ニューリリース
9月10日&27日収穫、甲州勝沼町&山梨牧丘町のぶどう、ステンレスタンクで発酵+8ヶ月樽熟、深紫色、キャンディアロマ、1,806本、3,240円
#6:B153 マスカット・ベーリーA 勝沼町下岩崎2016
2017年7月26リリース
10月3日の収穫、勝沼町下岩崎の単一畑、ステンレスタンク発酵+フレンチオークとアメリカンオークで6ヶ月熟成、赤紫色、赤系果実、アロマ芳醇、甘やかながら重厚感も備えた酒質、果粒コントロールの成果。1,481本、5,400円


#5#6の順
収穫のタイミングや酸化を防ぐ方法等で試行錯誤感のある甲州に比べて、MBAのほうが馴染み易く、品種の個性を感じました。個人的には果実風味に加え、重厚感のある#6に興味惹かれました。雨の多い日本ではぶどうの粒が大きくなってしまいがちなので、それを改善すべく、副梢果房栽培でMBA果房を30%小さくする努力を行っているとのこと。#6の凝縮感にその成果が出ている印象。
松坂社長は山梨大学岸本宗和准教授が研究している副梢果房のことを話していました。リンクした研究成果報告書を見ると、果房の変化が良くわかります。
すべてのステージを遅目(秋の長雨をやり過ごしてから収穫)にしているマグヴィスワイナリー。「健全果であればMBAは遅摘でも全然問題がなく、醸造に果梗も使える」との話も出ていたので、より深みのあるMBA誕生が楽しみです。


各畑の土壌サンプル


今回の視察を仕切ってくださった石井もと子氏


ランチ By ビストロ・ミル・プランタン、五味さんのお店のケータリング!


親しみやすい味わいのメニュー
K537のポシュは万能選手、B153の2016は鴨胸肉の軽い燻製と合わせて。

■日本ワイン探訪で、MGVsワイナリーにもお出かけください。新宿から塩山まで90分ほどです。https://mgvs.jp/

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世界に誇れるワイン造り、国内ワイン消費動向等 ~サントリーワインインターナショナル(株)の事業方針~ [ワイン]

2018年度のサントリーワインインターナショナル株式会社(SWI)事業方針

事業方針は山崎雄嗣社長、シャトー・ラグランジュの解説&テイスティングについては渡辺直樹登美の丘ワイナリー長が担当
人事(2018年4月1日付)】山崎雄嗣社長は、サントリー食品インターナショナル株式会社取締役専務執行役員経営戦略・管理本部長、渡辺直樹ワイナリー長は、SWI執行役員・生産研究本部長。



SWIはワインメーカー(日本、フランス、ドイツ)とディストリビューター(日本と中国が中心)としての2面性を有し、国・内外でグローバルな展開をしています。海外グループ会社に記載してあるバリエールはボルドーのネゴシアンとして事業を行っています。


2017年はカテゴリー、エリア別に見て、国内・海外ともに売上高は好調

登美の丘ワイナリーはすべてを自園で完結するシャトータイプ
開園から100年以上の歴史を持つワイナリー
敷地面積は150㌶、栽培面積は25㌶、世界に誇れるワイン造りに励んでいます。
直近では2017年に甲州を増殖し、5年後の2022年までに甲州を5倍に増やす取り組みを実施中。それにより、登美の丘全体の3分の1を甲州にして、テロワールを反映させた最高の甲州造りを目指す。植え付けは25㌶の栽培面積内での作業とのこと。

3月27日新発売『登美 レゼルヴスペシャル2005』

フラッグシップブランドの登美から、数量限定発売した2005年ヴィンテージ
ニュースサイト【ワインのこころ】で詳細を紹介しています。
ご笑覧いただけましたら幸いです。

長野県の塩尻ワイナリーは生産設備を増強

自社保有ワイナリーは登美の丘(山梨県)、岩の原(新潟県)、塩尻(長野県)にあります。昨年の『日本ワインコンクール』で“金賞を”受賞した塩尻ワイナリーの『塩尻マスカット・ベーリーAミズナラ樽熟成2013』、まるみのある味わい!
[ハートたち(複数ハート)]4月5日数量限定で新発売『塩尻マスカット・ベーリーA ミズナラ樽熟成2015』
▼サントリー“日本ワイン”についてはコチラ

ミズナラの樽


サントリーはウイスキー用の製樽工場を所有していて、ウイスキーに合うミズナラの樽を作っています。マスカット・ベーリーAがこのミズナラの樽と相性が良いということで、現在、フレンチオーク(容量225L/スギャン・モローをメインに4~5社)だけでなく、ミズナラ樽(容量258L)も使用しています。ただ、ウイスキーが好調なので、樽が思うように回ってこないことが悩みでもあるようです。

ソムリエ協会の機関誌編集長時代、樽についての特集を組み、その折、『樽とオークに魅せられて』の著者加藤定彦さんに樽材について寄稿していただきましたが、「樽はワインやウイスキーに独特の香味をつくるのに必要不可欠なものであり、世界中どこに行ってもオークが使われています。オークとはナラ、カシ類の属を表す英語で、学名はGuercus(クエルクス:ラテン語で「良質の木材」、「美しい樹」という意味)。日本ではミズナラ、カシワまたシラカシ、アラカシなどコナラ属(和名)を言います」とのことでした。


国内ワイン市場推移、ワイン消費動向


2017年の国内ワイン市場は数量ベースで前年比101%、金額ベースでは横ばい状態。
国産のカジュアルワインやチリワインを中心とする低価格ワインの動きが良い分、単価的には若干ダウン傾向。そのようななかで、SWIは数量ベースでは105%と好調な伸びを見せています。

国内のワイン消費動向については■価格帯の2極分化 ■消費者の高齢化を指摘(上表参照)。高価格帯のプレミアムカテゴリー、ファインワイン、シャンパン等が好調な一方で、デイリー、スタンダードカテゴリーの低価格化も進行しています。また、購買層の年齢については、主流となるのが50歳以上で全体の70%を占め、拡大傾向にあるとのこと。今後の消費拡大に向けては、20歳代、30歳代を中心にしたエントリーユーザーへの働きかけが急務との分析で、若年層に好評だった「氷と楽しむ」マーケティング強化や催事でのロゼワイン提案強化等で活性化を図る予定。

シャトー・ラグランジュからバレルサンプル到着


SWIは海外にシャトー・ラグランジュ(フランス)、ロバート・ヴァイル(ドイツ)、シャトー・ベイシュヴェル(仏カステル社と共同経営)、シャトー・ボーモン(仏カステル社と共同経営)の4シャトーを所有しています。

説明会で、ボルドープリムールで好評だった2016年のシャトー・ラグランジュ(94-96WA)のバレルサンプルがふるまわれました。渡辺ワイナリー長は、「開花から70日位までしっかり熟させ、区画も100以上に分けていて、区画内でも熟度によって一番良いタイミングで手摘み収穫をしています。また、区画ごとに小型のタンクを使用しています。凝縮感を大事にしているシャトーで、2016年はそれが見事に表現できたヴィンテージ」と解説。ちなみに、ワインアドヴォケイト(WA)のニール・マーティンは、シャトー・ラグランジュについて「投資家のワインではなく、ワイン愛好家のためのワイン」と形容!

渡辺2014年は8月中頃から収穫が終わる10月にかけて雨が少なく乾燥したヴィンテージ。フレンチオーク21ヶ月(新樽率60%)、濃くて若々しい赤紫色、赤・黒系果実、花のような華やかさ。ハーブ、自然な甘み、タンニンの質感は柔らかく、中盤以降の力強さ、エレガントさ。バランスが取れた気品あるサンジュリアンのワイン。2016年は2014年より、色調に深みがあり、きれいな紫色。熟したぶどうの質感、香りからはカシスのような黒系果実、甘草のようなスパイス、口あたりは柔らかく、緻密。複雑味、凝縮感。数量的には若干減少。

最後にひとこと
サントリーワインインターナショナル(株)の顔として、活躍なさってきた山崎雄嗣社長に心から御礼申し上げます。特にシャンパーニュのローラン・ペリエ社から温かな応援をいただいている私にとって、シャンパーニュ騎士団ガラ・ディナーでの山崎社長の細やかなお気遣いには感謝でいっぱいです。
4月1日からは食品が新たな活躍の場になるわけですが、ワインに関わっていらした3年3ヶ月、本当にお世話になりました。ありがとうございます、さらなるご活躍を願っております!!


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VINEXPO香港2018 快調なチリワイン&伸び続ける中国市場 from IWSR report [ワイン]

世界のワイン動向と日本のワイン市場

2018年5月29日~31日@香港で開催

VINEXPO ヴィネスクポは英国の調査会社The IWSR(The International Wine and Spirits Research)に依頼して、世界のワイン&スピリッツの状況調査をしています。毎年5年間予測(今回は2016年から2021年)をしていますが、今回はいつにも増して〝China〟連発でした。


ギョーム・ドゥグリーズ ヴィネクスポCEO(専務理事)が解説


まずは世界の動きから
2011年から2021年までのスティルワイン&スパークリングワインに関して大幅な増加はなく、横ばい状態。2013年に中国の低迷で市場が若干落ち込んだものの、現在市場は回復しています。
 
ワイン消費では欧州が57%を占めており、2021年の段階でも最大の市場ですが、その割合は徐々に減少し、今後5年間に毎年1%ずつ減少。その逆がアジア・太平洋地域で今後5年間で毎年2.8%ずつ上昇、米国市場は横ばい。スティルワインで一番伸びているのがプレミアムクラスで、2021年に向けて261~300ケース(9㍑/ケース)、年間18%増の予測

今後の消費のけん引役は中国

中国は2021年までの5年間で3.3%の伸び、3000万ケースまで拡大。米国の成長率は年間1%。中国は2020年には米国に次いで金額ベースで世界第2位に。日本は現在第9位で、2021年にはロシアに抜かれて第10位になるとのこと。多くの市場が成長していくなかで、フランスは縮小を続けるとの分析でした。

輸入トップ5

第1位ドイツ、第2位英国。両国は国内でのワイン生産量が限られているので、消費の多くを輸入に頼っています。第5位の中国は、ここ数年で第4位との予測。中国では国産より輸入ワインを多く消費しています。

ホットなカテゴリーはスパークリングワイン
世界のスパークリングワイン消費量は2016年から2021年で、2億5300万ケースから2億7900万ケースに。泡ものをけん引しているのはイタリアのプロセッコで、5年間で2700万ケースから4000万ケースまで拡大。シャンパンやカバはあまり伸びず、期待できるのはプロセッコやエントリーレベルのスパークリング。

ロゼのシェアは徐々に拡大
5年間で10.1%から10.6%増。数字的には大きくありませんが、ロゼが増えた分、赤ワインが減少傾向。


アジア・太平洋地域の動き
2016年のワイン消費量は2億9200万ケース、2021年は3億2900万ケース。中国は金額ベースでも拡大し、2021年には400億ドルに到達すると分析。
ワインの伸びの要因は・・・
■中国の中産階級の台頭/ワインをtrendyな飲料と考えているので、それが消費につながっている。
■女性層の拡大/ワインをstylishだと思っている。 
■若年層への浸透/伝統的なものより、モダンなものを好む傾向、それがワイン。
■健康志向/中国では酒からワインに移行。
■Eコマースの役割/中国で動きが顕著。 


ひとりあたりの消費量

第1位オーストラリア 28.9㍑、第2位NZ 26.8㍑。第3位 マカオ11.9㍑、第4位 香港5.6㍑、そして、第5位の日本は3.4㍑。中国は第7位でわずか1.4㍑。IWSRは「中国全体では大きな市場だが、ひとりあたりの消費量はまだ少ない。今後伸びていくであろうが、日本の消費量を超えることはない」と。

日本ワイン市場

スティルワインは2015年がピークで、それ以降、年間1.2%で縮小との予想。今後5年間で輸入ワインは約100万ケース減、2021年では2300万ケースになるとのこと。赤ワインは約70%で、ロゼワインは今後5年間で3.8%増の見込み。日本市場は他国と比べて白ワインの割合が多いのが特徴

若い世代は日本酒、焼酎、ビールから他の飲料を好む傾向にあり、RTD(開けてすぐ飲める低アルコール飲料)やワインが好まれています。

スティルワインとスパークリングワインの消費量
2016年にチリワインが輸入量No.1となり、現在に至っていますが、今後5年間で年間平均3.6%増の見込み。オーストラリアは0.7%増、ともにEPA(経済連携協定)の好影響。
スパークリングワインは今後伸びていくカテゴリーであり、日本は世界で最もスパークリングワインの成長が早い市場のひとつ。カバは大幅な伸びを示し、2016年には最大の利益を得ました。この成長は今後5年間にわたり、年平均の成長率8%で推移すると予測。日本ではシャンパンが最も消費されているカテゴリーで、スパークリング全体の15%以上を占めています。カバのシェアは6.7%、プロセッコは3.8%。


2016年のスティルワイン&スパークリングワインの消費量は3930万ケース、2021年は3830万ケースと減少傾向。内訳はスティルワインは3540万ケース(2016年)から3340万ケース(2021年)の減、一方スパークリングワインは390万ケースから490万ケースとなり、25%増の見込み。


チリ産スパークリングワインは16.8%増

日本における スパークリングワインのけん引役はチリ!
フランス、スペイン、イタリア、チリ、オーストラリアのトップ5なかで、 2016年から2021年の5年間の伸びは、フランス、スペイン、イタリアが約2~3%なのに対して、チリは16.8%増の予測。IWSRは、「日本の消費者はチリワインを価格だけでなく、品質面でも認めている。コスパのあるものを求める傾向にあり、チリワインには若さを感じさせるイメージもある」と分析

スピリッツ市場はウイスキーが元気
アジア・太平洋地域ではスコッチウィスキーが最も多く消費されているスピリッツで、輸入量の3分の1近くを占めています。
日本はスコッチウィスキーの消費量が2021年までに9%以上増加して156万ケース予測。また、日本はプレミアウィスキーの主要な生産国のひとつであると同時に米国産ウィスキーの消費国です。2021年までにはアジア・太平洋地域最大の米国産ウィスキー市場になる見込みで、2021年までに10%以上増え、超130万ケースと予測されています。ひとりあたりのスピリッツ消費量は韓国がトップで年間30㍑、日本は10.4㍑。



VINEXPO香港の主賓国はオーストラリア

香港、中国本土で人気のオーストラリアワイン
繁華街コーズウェイベイにあるハイサンプレイスの地下にあるスーパーマ-ケット『ジェイソンズ』で見かけた、中国語で〝奔富〟の意味を持つペンフォールドの陳列、存在感がありました!

ヴィネクスポは業界のプロフェッショナル向けにワイン&スピリッツのイベントを開催しています。既定の5都市(ボルドー、香港、東京、新しくニューヨーク(3月開催)、パリ(2020年1月予定))における展示会。さらに巡回展示会(ヴィネクスポ・エクスプローラー)も運営しており、今年は9月にカリフォルニア・ソノマで開催。VINEXPO香港の公式サイトはコチラです。


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ルイ・ジャド オリヴィエ・マスモンデ輸出部長によるブルゴーニュ最新情報と2016バレルテイスティング [ワイン]

ルイ・ジャド バレル・テイスティングのナビゲーターはオリヴィエ・マスモンデ輸出部長

「お気入りワインを赤・白それぞれ選んで」とお願いして、撮影時に持っていただきました。さて、オリヴィエさんが選んだワインは・・・

オリヴィエ・マスモンデさんのバレルテイスティングセミナーに初めて参加したのは2011年(2009年ヴィンテージ)でした。それ以降、毎回お目にかかっています。昨年は1996年にボージョレ地区のシャトー・デ・ジャックを取得して20年という節目を記念してメーカーズディナーをご一緒にやらせていただきました、感謝!
今年のオリヴィエさんは福岡、大阪、名古屋を巡回して東京に戻られたのですが、途中寒さで風邪気味に。いつものしゃべり過ぎキャラも控え目になっていました。

ルイ・ジャドについて
■所有畑 コート・ドール140㌶、シャトー・デ・ジャック87㌶、ドメーヌ・フェレ18㌶
 自社の所有および100%管理している畑99(そのうちGC12、PC55)
■ワイン造りの哲学は、畑や醸造において最低限の介入、除草剤無使用
■手摘み収穫、赤ワインの発酵期間は長め、99%天然酵母使用(時として発酵しない場合のみ培養酵母)、樽熟成は18ヶ月、新樽率30%、MLFは暑い年は短め(20%程度)、寒い時は長め(80%程度)でヴィンテージに因る。

ブルゴーニュの最新情報
■吉報として、2017年は良年だったので100%完璧な収穫、収量
■ブルゴーニュのグラン・クリュ、プルミエ・クリュは需要は多く、供給は少ない(6年連続の天候不順)
■1年間で15%の円安、2016年ヴィンテージの価格に影響が出ることは必須
■新AOC誕生、ブルゴーニュ コート・ドール(赤・白)/ヴェズレー村名
■新ネゴシアンの台頭
ぶどう畑の価格が高騰し、畑の入手が困難になっている現在、ドメーヌ(自社畑でワインを生産)の80%がネゴシアン(農家からぶどうを買付けてワインを生産)として活動を始めた。2012年から2017年までで新ネゴシアンが23%増。ミクロ・ネゴス(小さな組織のネゴシアン)誕生、著名なドメーヌもネゴスに。

2016年のヴィンテージ情報
12月と1月は暖かな気候、2月と3月は通常の寒さ、4月は3週間早めの生育で最終週に3日間寒波襲来。マイナスの気温になるが、晴天の時にその現象が起きるため、ぶどうの芽は凍ってしまい、翌朝太陽光を受けた芽は、瞬時に焼かれてしまう"黒い霜"状態になり、ブルゴーニュのマルサネからコート・シャロネーズまで被害を受けた。3週間経過して、2度目の新芽が出てきても、50%は葉になる可能性が強いので、実になるのは50%程度。5月と6月は涼しい気候で降雨もあった。シャブリでは雹害。夏は好天で7月、8月、9月は暑く乾燥。ぶどう樹は水不足に。ルイ・ジャドでは9月27日から収穫開始し、10日間で終了。


一番大きな被害を受けたのはサヴィニー・レ・ボーヌで95%減、ペルナン・ヴェルジュレスやシャブリもそれよりは軽いながら害を受けた。


フリーテイスティング前のセミナーではヴィンテージ違いを体験

バレルサンプルは赤ワイン12アイテム、白ワイン10アイテム供出@銀座アイコニック
2016年の白はまろやか&エレガント、MLFは80%。赤ワインはタンニンの存在感あり。

白はボーヌのPC グレーヴ


同社の経営にあたっているガジェ社長が1985年奥様のために購入した畑でビオディナミ農法を導入。“グレーヴ”は砂利まじりの土壌の意味。
#1:ボーヌ プルミエ・クリュ グレーヴ “ル・クロ・ブラン” ドメーヌ・ガジェ2016/#2:同2015
#1は白桃、白胡椒、アーモンド、溌剌とした酸味、ロースト風味、果実と酸味のバランスが好印象。#2には複雑味、厚み、旨味があり、果皮由来の軽いビターが食事に合わせやすいイメージ


2010年に購入した“ル・シャピトル”

ル・シャピトルはコート・ド・ニュイ地区の最北シュノーヴに位置し、畑の中心には修道院があり、僧侶が所有していたスピリチュアルな場所。初ヴィンテージは2011年、生産量は400~500ケース程度。ガジェ家所有の約1.5㌶の畑でラベルに畑名を併記することが許されています。ワインは粘土と泥灰土に由来する豊かな果実味と強すぎない酸が特徴。


#3:ブルゴーニュ ル・シャピトル ドメーヌ・ガジェ2016/#4:同2014

#3は明るいルビー色、スグリや木イチゴのような赤系果実、素直なタンニン。#4は下の文字が読める淡いルビー色、冷涼な気候に由来する酸の存在(最初から最後まで持続)、ミネラル、パウダー的なタンニン、ほんのりレザー、余韻に小さな赤い実。オリヴィエさんは「酸味もあり、ピュアでクリスタルな風味」と表現。
加えて、「マルサネとディジョンの間にあるル・シャピトルを、今、マルサネのプルミエ・クリュにしようという動きがあります。そうなると価格が上がる可能性もあるので、弊社としてはブルゴーニュの地域名のままが好ましいと思っています」と述べていました。

ガメイとは思えないムーラン・ア・ヴァン クロ・ド・ロシュグレ


約8㌶の畑でビオディナミ農法を導入。硬い花崗岩が地表にまで迫っている土壌で古樹。
「ピンク色の花崗岩と石英の土壌で、タンニンが洗練されていてベルべットのような食感」とオリヴィエさん。熟したベリー系果実、バラや牡丹、ザクロ似の酸味、深みがあり、舌の中央にしっかり乗ってくる凝縮感、味わい豊かで2016年のボージョレの出来の良さがわかります。


コルトン・プジェ グラン・クリュ


グラン・クリュでベストだったのはコルトン・プジェ。畑はシャルルマーニュに隣接、白亜質と鉄分を含む泥灰土が交じりあう土壌。赤・黒系果実風味、タンニンが緻密でエレガント。今、飲んでも美味ですが、しっかり熟成させて楽しみたいワイン。

冒頭に書いたオリヴィエさんの当日のベスト赤ワインはジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ クロ・サン・ジャックでした!
「数ヶ月前にテイスティングした時はシャイで閉じていましたが、2ヶ月くらい前にクロ・サン・ジャックらしいスタイルが出てきました。ミネラルは豊か、少しドライなタンニン、2016年はグラン・クリュに匹敵する味わいだと思います」とコメントしていました。


グラス協力はリーデル・ジャパン、ジンファンデル/リースリングを使用


シャブリのお気入りはモンテ・ド・トネール
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シャブリのグラン・クリュ&プルミエ・クリュのなかで一番好きなモンテ・ド・トネール!
スラン川の右岸に位置し、キメリジャン土壌と南西向き斜面の日照に恵まれた環境が強み。第1印象は石清水を連想させるミネラル&清涼感、グレープフルーツや蜜を含んだリンゴ、スパイス、心地良い長い余韻

白ワインのマイベスト!


ルイ・ジャドのテイスティングは赤ワインから白ワインの順なのですが、今回はサントネー クロ・ド・マルト ブランからスタートしました。美味、何より酸がきれいで、ミネラルや白胡椒、バランスの良さが秀逸。オリヴィエさんのベスト白ワインもサントネーでした!
「コート・ド・ボーヌの南にあり、7㌶の"クロ・ド・マルト"は弊社のモノポール(単独所有畑)で、シャルドネは1㌶(6㌶はピノ・ノワール)のみ。価格&品質が素晴らしく、きれいな酸味と旨味、まるみがあるワイン」とおっしゃっていました。

凛としたミネラル感のピュリニー・モンラッシェ


ピュリニー・モンラッシェ プルミエ・クリュ クロ・ド・ラ・ガレンヌ ドメーヌ・デュック・ド・マジェンタ
所有者はマジェンタ侯爵家で、ルイ・ジャドがすべてを管理しています。日照に恵まれた畑で、高地にあるぶどう樹の樹齢は100年、低地のほうは60年。ガレンヌは栗色のウサギ。白桃、白系スパイス、鉱物的なニュアンス、2016年VTらしい酸の広がり、好みの1本!

2016年ヴィンテージは少量生産&高品質

■シュヴァリエ・モンラッシェ グラン・クリュ レ・ドゥモワゼル 2樽(通常12樽)
■モンラッシュ グラン・クリュ 4樽(通常12樽)
■ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ グラン・クリュ 2樽
■ミュジニー グラン・クリュ 2樽
■ボンヌ・マール グランクリュ 5樽
■クロ・ド・ベーズ グラン・クリュ 7樽
■クロ・ド・ヴージョ グラン・クリュ 15樽
※( )内は通常の生産量

ワインについてのお問い合わせは輸入販売元:日本リカー(株) ℡03-5643-9770
http://www/nlwine.com


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ヴィレッジ・セラーズ創業30周年記念:ルーウィンのCH&CSヴァーティカルテイスティング [ワイン]



今年前半にヴィレッジ・セラーズ(以後VC)創業30周年記念として、NZの『フェルトン・ロード』&『ノイドルフ』両醸造家によるランチセミナー報告をしました。
後半にはオーストラリアのルーウィン・エステート(以後ルーウィン)、チリのコイレ、シャンパーニュのデュヴァル・ルロワの来日があり、セミナーが行われました。ここでは30周年記念の第2弾として、ルーウィンのシャルドネ(CH)とカベルネ・ソーヴィニヨン(CS)のヴァーティカル・テイスティングの報告をしておきます。


(前列左から)蛯沢登茂子、シモーヌ・ホーガン=ファーロン、VC中村芳子専務の各氏
(後列左から)佐藤陽一、デニス・ホーガン、VCリチャード・コーエン社長の各氏

セミナーのスピーカーはシモーヌ・ホーガン=ファーロン共同最高経営責任者、ルーウィンについて精通しているヴィノテーク誌マネージング・エディター蛯沢登茂子氏、マクシヴァン オーナーソムリエ佐藤陽一氏がコメンテーターを務めました。
なお、ルーウィンの沿革、オールド・ヴィンテージに関しては2016年来日時の記録を参考になさってくださいませ。
 
アートシリーズのシャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨン

アートシリーズCH1981は、1982年に英国Decanter誌のブラインド・テイスティングで最高評価を得て、国際的な注目を集めました。(左から)
#1:シャルドネ2000
ぶどう品種:CH100%、手摘み収穫、発酵フレンチオーク100%、樽熟成11.5ヶ月、最終的に複数の樽をブレンド、コルク栓、Alc14.3%
#2:同2007
ぶどう品種:CH100%、手摘み収穫、発酵フレンチオーク(新樽100%)、樽熟成11ヶ月、樽を選別し、ブレンド、スクリュー・キャップ(SC)、Alc14.5%
#3:同2013
ぶどう品種:CH100%、手摘み収穫、発酵フレンチオーク(新樽100%)、樽熟成11ヶ月後、低温で清澄、瓶詰、SC、Alc13.5%


CSは2002年から赤ワイン向上プログラムを立ち上げ、アートシリーズCHと同格の質にすべく、すべての面での見直しを実施。2002年以前はユーカリのニュアンスがあったが、新しい取り組み以降、タンニンは柔らかく、熟した果実味が表現できるようになってきた。
#4:カベルネ・ソーヴィニヨン1993
ぶどう品種:CS87.5%、マルベック7%、PV3%、ME2.5%、機械収穫、発酵密閉タンク、樽熟成24.5ヶ月(新樽率30%)、MLF、コルク栓、Alc14.0%
#5:同2003
ぶどう品種:CS87%、マルベック10%、PV3%、機械収穫、密閉した発酵槽で発酵させ、樽熟成23ヶ月、MLF、コルク栓、Alc14.0%
#6:同2013
ぶどう品種:CS96%、マルベック4%、機械収穫、発酵は密閉タンクと開放タンクを併用、樽内MLF、樽熟成23ヶ月(新樽率50%)、SC、Alc13.5%


シャルドネ3ヴィンテージを利く


2000年
シモーヌ:スタイルは基本的には変わらないが、樹齢が古くなってきたので、直近のVTは、酸がしっかりしたものになっている。
佐藤:17年経た熟成感、深みのある色調、パンケーキやワッフル、トーストのような芳ばしい香り、ドライフルーツ的な甘やかな香り、スワリングでアカシアのハチミツ、樹脂や松ヤニ。酸の切れ味の良さやエレガントさは、ヨーロッパとは違ったマーガレット・リヴァーのCHの個性が出ている印象。ブルゴーニュグラスで香りの成分や味わいを感じて欲しい。
蛯沢:ジンジンクローン(ひとつの房に熟した果実と一部結実不良している実が混在したタイプ)は西豪州の検疫機関で増やしていた苗木をデニス氏が入手して栽培に成功したもので、同じクローンでもスワン・ヴァレーに植えると、マーガレット・リヴァーほどうまくいかない。ルーウィンのCHはopulent(華々しい)、エレガントでありながらしっかりとした果実味があり、近年は樹齢の古さやワインメーキングの経験も加わり、シェイプアップしたスタイルになってきた。
2007年
シモーヌ:2000年はMLF(37%)をしているが、2006年以降、MLFはしていない。2005年からはすべてのワインをスクリューキャップに変えた。
佐藤:落ち着きはあるが若々しい緑を残した色調、リンゴの芯の部分の甘さと酸を思わせる香りがあり、最後に清涼感。味わいは、わかりやすく、酸が残っているので、デキャンタ―ジュして温度を上げても面白いし、夏場は冷やし気味にして熟成感のあるCHとしてサービスしてもよい。#1をコルトン・シャルルマーニュとすると、#2はムルソー・ジュヌヴリエール。
2013年(現行VT)
佐藤:若々しい色合いで、果実の熟度、香りに清涼感、粘性もある。舌の中央にバランスよく味が乗ってきて滞在時間も長い。単体で飲んでも良いが、料理と合わせることでより楽しめる。MLFをしていない分、酸がしっかり表現されている。味わいのまとまり、滑らかさ、口中のバランスの良さがポイントになっている。
蛯沢:3つのVTに共通項があり、ルーウィンの品質に圧倒的な安定感がある。


カベルネ・ソーヴィニヨン3ヴィンテージを利く


1993年
佐藤:ひと昔前のルーウィンらしいCS、香りに複雑味があり、タジャスカオリーブのタプナード、木質の香り、果実も若いものから熟したもの、塩つけやジャムまで様々で、それらがスパイスのニュアンスを醸し出している。スパイスを利かせた料理と合わせて。
蛯沢:当時のオーストラリアの人が向いていたのはボルドーだった。使われているホートン・セレクションは南アフリカ経由で伝わってきたボルドー原産のクローンでほぼ西豪州に限定されている。93年の熟成感は懐かしく、アーシー、アニモル的なニュアンス。
2003年
佐藤:外観は落ち着きがあり 縁に若干オレンジの色調。香りのバランスが良く、溶け込んでいて、赤い果実や赤い花の特徴が出ている。丁寧にローストした木香のニュアンスが果実の甘い香りを引き締める役割をしていて、今飲んでおいしいワイン! 香りの方向性と味わいの方向性が同じなので、口中でも同じ印象。アルコールのボリューム感があるので、1時間くらい前に抜栓してサービスしたい。
蛯沢:赤ワイン向上プログラムの効果でフルーツ感が表現されている。新しい時代が始まった印象。
2013年
佐藤:色合いは若々しくチャーミング。グラスの縁に残る色素量も多く、粘性も十分。香りはミルティ―ユ(ブルーベリー)やカシスのような黒系果実、酸を思わせる要素やローストしたニュアンスは果実とともにあり、わかりやすく整った印象。柔らかな甘さがあるので料理に合わせたい。口中に甘味、舌の両側から酸味、細かい渋みが舌の上をふき取ってくれる印象。最後に鼻から抜ける甘い香り、角のとれた細かいタンニンを感じ、赤ワイン向上プログラムの効果が出ている。ただ、ゲストが望むルーウィンの華やかさは少し控えめなので、デキャンタージュして大きめのグラスでサービスを!
蛯沢:オーストラリアのワインの90%以上がSCであり、アートシリーズのような高額なワインもSCを使用している。熟成のスピードはコルクとSCでは違うが、一般的にSCのほうが緩やかと言われているので、その意味では2013年VTはまだまだ、これから長く熟成しそう。綺麗な酸味とシルキーなテクスチュアがある。



ルーウィン ART&WINEディナー

ワインを“アート”と捉え、アートのあるライフスタイルを追求しているルーウィン



アートラベルの発想はモンダヴィとのご縁でつながったロスチャイルド男爵との出会い。
そして・・・デニス氏はシドニー・ノーランとの逸話を紹介。「自分はコマーシャル・アーティストではないのでラベルの絵を頼まれても」と断ってきたノーランが、ルーウィンのワインを味わい、「このワインならラベルを書いても良い」と返事をしてきて完成した初ラベルがスクリーンの画像です!



アートラベルの一番手はリースリングでした。
オーストラリアのアーティスト、ジョン・オルセンに依頼して届いた4枚のラベルを、ルーウィンでは全て使用。1ケースに4絵柄が入っているそうです。アートシリーズは毎年変わりますが、リースリングだけは当初からの4種ラベル


ルーウィン・エステートのブリュット2013 (4,650円)、ぶどう品種はPN66%、CH34%で3年熟成。スマートな印象。野菜類、サーモンと合わせて!




アートシリーズの妹版「プレリュード」と「シブリングス」はリーズナブルな価格で、早くから楽しめるワイン。シブリングスのソーヴィニヨン・ブランはセミヨン(34%)とのブレンド。柑橘系果実、青リンゴ、白桃のニュアンス、ピュアな酸味、口中滑らか



切り分ける前に、オーストラリアのトマホーク肉をプレゼンテーション




アートシリーズのシラーズ2013(4,600円)とシブリングス・シラーズ2014(3,200円)をトマホークと合わせて。前者は凝縮した果実味とローストしたコーヒー豆、後者はジューシーな果実感とエキゾチックスパイス、口中での肉との馴染みはシブリングス・シラーズ! 
お肉もボリューム満点、これでひとり分!




コーエン社長が『グラズマターズ』を初披露。これはレンタルグラスサービス にも力を入れている同社のニューアイテムで、グラスの洗浄・運搬・保管用ラック。グラスの破損を防ぐために開発を進めてきたもので、商品化のメドも立ったので、近々デビュー予定です。



セラー熟成セレクションについてのお問い合わせはヴィレッジ・セラーズ・ワインクラブ迄
℡:0120-106-876/Fax:0120-288-788

35周年、40周年に向けてのヴィレッジ・セラーズ様の発展を祈願しております!

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恒例の新年会&誕生会は『ソルベニ2014』と『シャトー・ラグランジュ2010』で! [ワイン]


今日から仕事はじめですね。
今年もよろしくお願いいたします。

3日はNew Year's Party & Happy Birthday
Ado Akane.jpg
昨日は親愛なるAdo&Akane ご夫妻のお誕生日でした!


今年はガレット・デ・ロワでお祝い


陶製の人形フェーヴを当てたのはAdoさん、王様で良かった!


旧知の金沢メンバーが集まって誕生会プラス新年会をするようになってから何年になるのかなぁ・・・


Akaneさんは何でも器用にこなす才女、特に御節は文句なしの腕前です。加えてAdoさんが作る栗きんとんも絶妙。ということで、私は毎年、ご夫妻にどっぷり甘えております。

ソルベニ2014との相性は

ソルベニは言わずと知れたサッカー元日本代表監督フィリップ・トルシエさんが手掛けているワインで2014年が初ヴィンテージ。メルロ80%とカベルネ・フラン20%のブレンド、新樽率100%
参加メンバーからは「飲みやすい」との意見が多く出ていました。ヨード感のある昆布巻、お出汁で味付けした煮物等と合わせて楽しめました。


ポン酢で食すローストビーフわさび添はソルベニと相性良好、質感でマッチ◎

昨年4月に日本初上陸したソルベニ2014(輸入元徳岡)
来日していたトルシエ監督は東急プラザ銀座店内にある徳岡さんの直販ショップでワインをPRしていました。その時にサインしていただいたボトルを約9ヶ月振りに抜栓。プラム、アメリカンチェリーのような黒系果実、口中滑らか、きめ細かなタンニン、控えめな酸、シームレス、全体的にフェミニンな印象


シャトー・ラグランジュ2010の登場も


Adoさんが用意していたワインのなかにシャトー・ラグランジュ(以後ラグランジュ)がありました。
2010年ヴィンテージはカベルネ・ソーヴィニヨン75%、メルロ25%、7月と8月(雨量は2ヶ月で30mm)は極度に乾燥していたので、果粒は小粒、果皮は厚めでアントシアンの含有が非常に高いヴィンテージ。ラグランジュでは“偉大なポテンシャルを秘めた正統なメドックスタイル”と形容しています。

7年経過したワインには、まだ十分に赤系果実の要素が残っていました。タンニンはまろやか、酸はワインに溶け込み、エレガントな味わい。小豆っぽさが、黒豆の軽い甘さと旨味と釣りあって好印象。ラグランジュのエレガントさと金箔をまぶした光沢ある黒豆は視覚的にも合っていました。

12月末に届いた椎名敬一副会長からのグリーティングカードに、2017年の作柄についての記述がありましたので、ここで、ご紹介しておきます。

「ボルドーでは<末尾が7の年は不作>とのジンクスがあり、世紀の偉大年1947年を例外に、それ以降繰り返されており、2017年も4月末に、1991年以来26年振りとなる大霜害に遭遇してしまいました。被害の範囲はフランス全土に及び、ボルドーの収量は過去5年平均を35%下回りました。(中略)。品質に関しては、その後の乾燥した暑い夏を経て<7の呪縛>から逃れられたように思います。霜に遭わなかった区画の生育は順調で、収穫は2003年以来の早い開始となりました。ラグランジュではぶどうの着色が始まるヴェレゾン期に、霜害に遭った一株ひと株をスプレーでマーキングして収穫のタイミングを分けるという対応を取りました。9月は気温も上がらず雨がちとなったものの、こうしたきめ細かな対応が功を奏し、良年と言われる2014年を超える可能性は十分あるように思われます」

波乱に満ちた一年だったようですが、リリースを楽しみに待ちたいと思います。


うさぎやのどらやき!

Takafumi&Reikoご夫妻が毎回持参してくださるのが、可愛いイラスト入りの阿佐ヶ谷店バージョン!


私はつぶあん派、うさぎやのどら焼きが大好きです!
いつも行くのは上野店で、手にした時に感じる温かなぬくもりにも癒されます。
紙袋もお気に入りです!
余談ですが、2010年に書いたつぶあん派、こしあん派話題、甘党の方にはお立ち寄りいただきたい気分です。


金沢のお正月の『紅鯛(べんだい)』のお飾り

普段は西暦で語ることが多いのですが、今年は区切りの良い平成30年!
“平成”の年号も来年には変わってしまうので、名残りを込めて、今年は〝平成〟を大いに使いたいと思います。実り多き一年でありますように!

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ジョルジュ・デュブッフ氏との昼餐会 太陽の恵みを受けた2017年のボジョレ・ヌーヴォー!! [ワイン]

ボジョレの帝王と形容されるジョルジュ・デュブッフ社のデュブッフ代表取締役社長と孫アドリアン・デュブッフ・ラコンブ輸出部長が来日し、今年も日本でボジョレ・ヌーヴォーの解禁を祝いました。


おふたりは、輸入元サントリーワインインターナショナル(株)主催の解禁イベント『解禁トウディ』に出席し、ゲストの春香クリスティーンさんとパーティに参加した20代、30代の若者たちと一緒にカウント・ダウンを行い、その様子は全国にSNS配信されました。

2017年の作柄状況
デュブッフ:2017年は太陽に恵まれた年でした。6月、7月、8月はボジョレ地区の過去の記録を打ち破る高温(毎日32度から35度の間)が続き、雨が降らなかったので、ぶどうは脱水症状のようになったと思います。結果として、ぶどうは粒が小さく、まんまる。ボジョレで基準にしている収量には達しませんでしたが、その分、品質は上等です。収穫は昨年より15日も早い、8月末からスタートしました。フランス国内・外から2万~2万5千人が作業を行い、ぶどうの健康状態は申し分ないものでした。

ワインは深いルビー、黒に近い色調です。香りは黒系果実のカシスやモカ、口中に入れるとボリューム感があり、豊かな風味、タンニンは優しい形で存在しています。今も美味しいですが、潜在性、ポテンシャルがあります。新酒としてはアルコール度数が少し高いのですが、タンニン、糖分 バランスが取れているので、熟成可能なワインです。例えて言えば、2009年や2015年と似ていると思います。




一方、年齢層が若干高い(笑)プレスメンバーは、解禁翌日、昼餐会という形でデュブッフ氏とお目にかかり、いつもの赤ワインではなく、新登場のボジョレのロゼ・ヌーヴォー『ボジョレ・パーティ2017』で乾杯しました!


(後列)山崎雄嗣社長、ワインのサービスを担当してくださった谷宣英ソムリエ
(前列)ジョルジュ・デュブッフ社長とアドリアン・デュブッフ・ラコンブ輸出部長


サントリーのリクエストに応えて誕生した飲み飽きしない日本限定ロゼ

昼餐会の冒頭、「市場全体は前年割れですが、弊社は前年並みです。ジョルジュ・デュブッフのブランド力を確信し、心強く思っています」と山崎社長

そのブランド力を最大限に発揮したのが、今年登場した『ボジョレ・パーティ』です。
解禁の6か月前、サントリーから「品質の高いロゼを造って欲しい」とのリクエストがデュブッフ社に届きました。同社には2名のエノログがいるので、彼らとサントリーの新村部長とで何度も話し合いを重ね、畑の段階からぶどう選びに注力、すべての工程でコントロールして、短時間&低温のマセレーションで造りあげました。
ボジョレ・パーティは日本市場だけの限定製品(ロゼのヌーヴォー3,000ケース、うち2,000ケースがボジョレ・パーティ)、日本人好みの色合いになっています。


会場はホテル・ニューオータニ内の上海料理『大観苑』

ウェルカムドリンクはクレマン・ド・ブルゴーニュ

ジョルジュ・デュブッフ社が50年以上前から生産しているクレマン・ド・ブルゴーニュ(ブルゴーニュ地方のスパークリングワイン/3,300円

3年前のボジョレ解禁日に初めて出会った泡もの(当時未輸入)だったので、とても懐かしく思いました。ピノ・ノワール100%で、ブリオッシュやナッツのニュアンス、あの時の印象そのままの美味しいスパークリング!

デュブッフ氏は「ボジョレの人たちはシャンパンやスパークリングワインはあまり飲みません。それゆえ、泡が大きいと、あれ! と思うので、気泡は細かくなければダメです。ただ、今年はぶどうの収量が少なかったので、思うような量ができないかも知れません」と語っていました。
先日来日していたブルゴーニュワイン委員会の情報によると、ブルゴーニュワインの輸出量は800万本、そのうち4%(32万本)が泡ものとのこと。シャンパンと同じ製法、ぶどう品種も同じなので、私はもっと人気が出て良い泡ものだと思っています。


前菜盛り合わせ


蟹肉入りフカヒレスープ × ロゼ・ボジョレ・パーティ
スープのこってりした味わい、甘さがロゼのなかに隠れていたタンニンと出会い、第3の新たな味わい登場!


利き酒の瞬間のデュブッフ氏


海老と季節野菜の炒めは業務用のボジョレ・プリムール2017と
色調&アロマとも魅力的、力強さとエレガントさが同居、果実味豊か、2年ほど熟成させて楽しめそうです。業務用、家庭用(花柄瓶)の価格は同じ、中味に若干の違いあり。
「プリム―ル(業務用)のほうが食事に合わせられることが多い事情を鑑み、家庭用NVより多少力強さを意識した造りになっています」というのがデュブッフ社の考え方です。


若鶏の揚げ物


真剣な表情の谷ソムリエとデュブッフ氏



スタイリッシュなボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー セレクション プリュス2017 × 牛肉と栗の煮込み
「料理は肉も柔らかいし、味付けもしっかりしているので、ワインの凝縮感と良く合います」とデュブッフ氏
お肉(ブッフ)なので、デュブッフのワインに良く合いました(笑)

セレクション プリュスは2年前に黒地に金字と白字のラベルにチェンジ!
400軒ある生産者のなかで、6~7軒の秀逸な農家のぶどうを選んで造っているデュブッフ最高峰のヌーヴォーです。


鮮魚(めだい)の蒸し料理


杏仁プリン、五目あんかけ塩焼きそば
塩焼きそばは黒酢(熟成させていないタイプ)をたっぷりかけて食すとロゼやボジョレ・ヌーヴォーとイイ相性

クレマン・ド・ブルゴーニュの爽快感、ロゼ・ボジョレ・パーティの包容力、ボジョレ・ヌーヴォーのバランス、ボジョレ・ヌーヴォー・プリュスの上質感と上海料理とは素直に美味しく楽しめました。

輸出国について(ジョルジュ・デュブッフ社の場合)
ボジョレ・ヌーヴォーを入れると
第1位:日本、第2位:米国、第3位:ロシア
ボジョレ・ヌーヴォーを入れないと
第1位:米国、第2:カナダ、第3位:英国、第4位:日本

今年のボジョレ・ヌーヴォーの輸入量は最盛期の半分の量になっていますが、依然として日本は世界第1位の市場。ジュルジュ・デュブッフ社とサントリーワインインターナショナル(株)との付き合いも今年で21年になります。長年、本国フランスではなく、毎年日本で解禁日を祝っているデュブッフ氏にとって、日本がいかに大事な存在かがよくわかります。
ここ数年、私はデュブッフ氏とカウント・ダウンを一緒にしてきましたが、来年もお元気なお姿を見せてくださることを願っています。大変お疲れ様でした!

■ボジョレ・ヌーヴォーについて
詳細 http://www.suntory.co.jp/wine/special/kaikin/
■商品に関するお問い合わせはサントリーお客様センター
℡0120-139-380

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