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第2弾 ワインで巡る世界ツアー“カリフォルニア・ナパの魅力”全開リポート! [NHK文化センター青山教室]

9月12日、エクスペリエンス・ナパ・ヴァレー(ENV)の同行取材を反映させたナパ講座@NHKカルチャーを開催しました。世界を驚愕させたパリ・テイスティング、地球環境への取り組み、ワインと料理のペアリング等、たっぷりの内容で進めさせていただきました。

数字でみるナパヴァレー


・ナパヴァレーはロスまで579km、サンフランシスコまで77km、太平洋まで58km
・広さは仏ボルドーの8分の1
・細長い盆地形で、南北に約50km、東西に約8km
・世界の全ワイン生産量の0.4%、カリフォルニアワイン全生産量の4%
・ナパヴァレーAVA(アメリカ政府公認葡萄栽培地域)が認定されたのは1981年
・ナパヴァレーには33の土壌体系が存在し、土壌の種類は超100種
・ナパヴァレー・ヴィントナーズ(NVV)に加盟しているワイナリーの78%が年間10,000ケース以下の少量生産者
・ナパヴァレーの95%は家族経営
・1968年に成立したナパヴァレー農業用地保護法は、農場用地として用途を定めて土地を確保するという米国初の保護法
・700万ケース以上のワインはナパ・グリーン認定ワイナリーで生産
・NVVの2020年の目標:すべての対象ワイナリーがナパ・グリーンを取得すること!


供出したのは泡もの、白ワイン2、赤ワイン3の6アイテム

立体地図も使って

ナパヴァレー・ヴィントナーズ(NVV)作成のAVA(アメリカ政府公認栽培地域)地図
特別貸出の立体地図で山のエリアやヴァレーフロアも一目瞭然

ご参加くださった皆さまと

画像協力:Toshiaki HAKODA
NVVへの報告のための記念画像
ご一緒してくださった皆さま(全員揃わなかったのがちょっと残念)、ありがとうございます!

歴史あるスパークリングワインの生産者シュラムスバーグ

#1シュラムスバーグ ブラン・ド・ノワール ノース・コースト
19世紀半ばにヤコブ・シュラム氏によって設立したワイナリー。ブラン・ド・ノワールがリリースされたのは1967年で、アメリカ初のブラン・ド・ノ・ワールということで話題になりました。瓶内2次発酵による製法で、主たるぶどうはカーネロス(ナパ・ヴァレー)とアンダーソン・ヴァレー(ソノマ)のピノ・ノワール90%で、そこにフレッシュさを出すために10%のシャルドネをブレンドしています。フルーティーで軽快な味わい、グアヴァやアプリコットのような果実感、口中に心地良い酸が長く残ります。
輸入元:ワイン・イン・スタイル 参考小売価格5,300円(税別)


photo by Shizuka WAKASHITA
定員プラスの盛会、ありがとうございました!

白ワインはSBとCH比較
(左から)
#2:ホーニッグ ソーヴィニヨン・ブラン ナパ・ヴァレー2017
#3:ケークブレッド シャルドネ ナパ・ヴァレー2016



Honig ホーニッグはドイツ語で"蜂"の意味。表ラベルの中央に蜂が描かれています。1964年にラザフォードにあった牧場を購入してぶどう栽培を開始します。当初はぶどうをワイナリーに売るだけでしたが、1980年にワイン生産を開始。翌年ワインコンクールでソーヴィヨン・ブランが金メダルを受賞したことから、本格的なワイン造りに着手。カベルネ全盛のナパにありながら、ソーヴィニヨン・ブランの受賞経験が多いワイナリーです。自社畑はすべて環境保全型農法を採用。毎年何千ドルもの電気代が節約できる大規模太陽光発電や巣箱の設置など、環境保全の取り組みでは、リーダー的存在。現在NVV理事会の会長職を務めています。ホーニッグでは養蜂も行っており、蜂の巣箱には6万匹が生息、ワイナリーでは高品質な蜂蜜も生産しています、美味!


photo by Toshiaki HAKODA
裏ラベルにはオーナー宅から眺めたラザフォードのぶどう畑が描かれています。
透明ボトルならではの効果、これって江戸の粋に通じるものがありますね。
輸入元:(株)中川ワイン 参考小売価格:3,500円(税別)

3月に来日したブルース・ケークブレッドCEO

photo by Fumiko AOKI
来日時のセミナーでは、2016年と2017年のバレルサンプルを使って、畑や醸造の違いがワインの味わいにどのような変化をもたらすかを検証しました。2016年ヴィンテージのシャルドネが出てきて、機械摘みと手摘みの比較試飲をしました。
それから・・・3ヶ月後、ナパでブルースさんと再会できました!

ケークブレット・セラーズの創業は1973年、ラザフォードが拠点で現在ナパヴァレーとアンダーソン・ヴァレーを併せて約445㌶の自社畑を所有、うち、約224㌶にぶどうを植樹しています。ファミリー経営が95%を占めるナパらしく、、栽培から販売まで創業者のジャック夫妻と二組の息子夫妻が取り組み、緻密な作業を重ね、ワールドクラスのワイン造りで高評価を得ています。

シャルドネ2016はナパヴァレー91%、オークノール9%の畑のシャルドネをブレンド。醸造はすべて手摘み。全房で圧搾、フリーラン・ジュースをフレンチオークで発酵。アルコール発酵後、22%MLF、シュル・リーで8ヶ月熟成、フレンチオーク100%(新樽34%)で定期的に撹拌。イエローカラー、第1香に樽由来の風味、リンゴや白桃、アカシア、口中クリーミー、酸もソフトで、全体にまるみのある印象、熟成による変化が楽しみな魅力的なワイン。バターソースを使った料理に最適。
輸入元:ジェロボーム 参考小売価格:7,800円(税別)



熟成による変化が出ているジンファンデル、深みのある色調のメルロ、パープルカラーのCS


photo by Toshiaki HAKODA
(左から)
#4ガーギッチ・ヒルズ・エステート ジンファンデルエステート・グロウン ナパ・ヴァレー2012
アメリカを代表するジンファンデル、私の好きな品種です。なかでもガーギッチのそれはエレガントなので気に入っています。ラベルの左下にはワイナリーの創設者マイク・ガーギッチさんの故郷クロアチアの国旗が刷り込まれています。ENV2018のプロローグにも書きましたが、ガーギッチさんはワイン界に大旋風を巻き起こした1976年のパリ・テイスティングで、白ワインのトップに選ばれた『シャトー・モンテレーナ・シャルドネ1973』を手掛けたワインメーカーです!

ナパ訪問初日、ガーギッチさんの愛娘バイオレットさんとお目にかかりました。その時に「クロアチア出身の父がナパに来て、初めての朝、目の前にあるぶどう樹(ジンファンデル)が、クロアチアのプラーヴァッツ・マリに似ていたので、父はこのぶどうがクロアチアの樹に違いないと思いました。その後、長い年月をかけて、UCデイビス校がDNA鑑定を行い、ジンファンデルのルーツがクロアチアであることが判明しました。ジンファンデルは私たち家族の思いが詰まったぶどう品種です」と語っていました。

ガーギッチのジンファンデルは軽やかでエレガント、酸もきれいで果実味があり、どのような料理にも合わせられるのが特徴なので、赤ワインが苦手と言う方にも勧められるワイン、というのがバイオレットさんのメッセージ! 今講座でファンが増えると本当に嬉しいです。

ちなみにUCデイビス校とザグレブ大学の調査団が、クロアチアのプラーヴァッツ・マリのDNA鑑定をした結果、プラーヴァッツ・マリはジンファンデルとクロアチアのドブリチェッチの子供であることがわかりました、親子の関係です。その後、2001年12月に、ジンファンデルと同じDNAを持つツュリエナック・カシュテランスキ種が発見され、ジンファンデルのルーツがクロアチアであることが証明されています。

ジンファンデル2012のぶどう品種はジンファンデル98%、プティ・シラー2%、フレンチ大樽15ヶ月熟成。ベリー系果実、白胡椒、ソフトな酸味。味わった後、果実の厚みと喉の奥が温かくなるほどのアルコール(15.5%)を感じますが、果実味、酸味とのバランスが良いので、おいしい着地となって完結するワインです。
輸入元:ワイン・イン・スタイル 参考小売価格:6,900円(税別)


#5:ダックホーン メルロ ナパ・ヴァレー2014
1976年にダン・ダックホーン&マーガレット・ダックホーンが設立したダックホーン・ヴィンヤーズ、四半世紀にわたり、ボルドー品種のワイン生産者としての地位を築いてきました。なかでもメルロに関してはカリフォルニアワインの第一人者として君臨。トップヴィンヤードのスリー・パームス・ヴィンヤーズ2014は昨年WS誌の年間TOP100ワインの第一位に選ばれています。ワインメーカーは2003年に入社して以来、醸造チームの元で修業を積んできたレネー・アリ女史で2014年から就任。

メルロ2014はメルロ88%、カベルネ・ソーヴィニヨン7%、プティ・ヴェルド3%、カベルネ・フラン2%のブレンド。フレンチオーク(新樽率40%、一年使用樽60%)で16ヶ月熟成。2014年はグッド・ヴィンテージ、深みのあるガーネット、黒系果実のプラムやダークチェリー、なめし皮、黒胡椒、モカ、ダークチョコレート、やさしい酸味とシームレスな口あたり、フェミニンな印象。
輸入元:(株)中川ワイン 希望小売価格:7,900円(税別)


#6:コリソン カベルネ・ソーヴィニヨン2014
コリソンはカリフォルニアを代表する女性醸造家キャシー・コリソン女史が1987年にセントヘレナに立ち上げたワイナリー。コリソン女史は2011年、サンフランシスコ・クロニクル紙のワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選出されています。トップレンジはコリソンの最上級畑クロノス・ヴィンヤードから造られる『ナパ クロノス ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン』

コリソン2014は土壌に由来する果実味が豊か、活き活きしたしなやかさがあります。ぶどうはラザフォードからセント・ヘレナまでの3つの畑のブレンド、なかでも自社畑のサンバスケットはナパの伝説的ワインメーカーであるアンドレ・チェリチェフが1950年代初頭にカベルネを植樹した歴史的な畑。同じく自社畑のクロノスは樹齢50年のカベルネがあり、ナパヴァレーで最古カベルネの畑と言われています。
ステンレスタンクでコールドソーク(10度程度で低温浸漬)させた後、温度をあげて自生酵母で発酵させ、フレンチオークで26ヶ月間(新樽率25%)熟成、瓶詰は2017年1月。
紫色を感じる若いワイン、ラズベリー、プラム、ブラックチェリー、ココア、スミレ、ローズマリー、甘草、スパイス、ダークチョコレート、タンニンは木目細やか、中盤以降酸のニュアンス、複雑味があり、味わいが層になって広がってくる印象、大きめのボルドーグラスで味わうのがお勧め。

女性醸造家&2014年ヴィンテージという共通点があったダックホーンのメルロとコリソンのCSの比較試飲は興味深く、ともにフィニッシュに独自に優しさ(フェミニンさ)があり、女性ワインメーカーならでは、と実感。
輸入元:JALUX 参考小売価格:14,000円(税別)


NVVが得意とするペアリング体験も

バジル、レモン、お塩、チョコレート、リンゴを準備

〝ワインを買う時はリンゴをかじりながら、売る時はチーズを勧めながら〟の体験!
レモンもお塩もワインをマイルドにしてくれる優れもののブリッジ(つなぎ役)食材です。
まず、リンゴをかじってから、#6を飲むと相性は最悪、口のなかは渋み&苦みの大洪水になります。そこで、テキーラを飲む要領で、手の甲にレモンを2~3滴たらし、そこにひとつまみの塩を加えて、再度、赤ワインと合わせてみると、なんと口中がさっぱり!
レモンと塩によって、苦みを増大させていたタンニンがきれいに緩和されたのです。

お次は、若下ディレクターのチョコ編!
「チョコをひと口味わった後、赤ワインを飲んでみてください。相性が今ひとつを思った時は、ひとつまみの塩をチョコに少し乗せて、同じことをしてみてください」との提案が。あらら、ここでも、皆さん、びっくりのお顔! 
チョコレートにも赤ワインにもポリフェノールが含まれているので、基本的に相性は良いのですが、タンニンの濃淡やワインの熟成具合によっても違うので、そんな時のお助け役としてお塩が重宝します!

ナパ到着初日のピザ作りを思い出しながら


現地で体験したピザペアリング・ウェルカムディナー@ガーギッチ・ヒルズ・エステート
ナパではガーギッチのジンファンデルをトマトソースベースのピザを作り、相性診断

今回皆さんに出来立てのピザを味わっていただきたかったので、講座初の宅配ピザ(同じ味で生地だけ異なる3枚)を用意しました。米国系のピザハットやドミノピザでなくてsorry



ピザに添えられていたバジルだけをかじって、その後に#2ホーニッグのソーヴィニヨン・ブランを味わうと、これが見事に相乗。ハーブ系のニュアンスと一体感を示してくれました。トマトソースベースのピザにバジルを添えると白系ワインに、ピザに同梱されていたレッドペッパーを添えると今度は赤系ワインに、という流れになることがわかり、2方向からマリアージュを楽しむことができました。ここでは当然チーズが活躍しています。

ちなみにピザーラはフォーシーズグループが運営しており、フレンチレストラン『ジョエル・ロブション』も同グループです。



最後にクイズ、出題者は若下ディレクターです!
2時間の講座で話した内容から一問。挙手により、一番早く正解した方にガーギッチの『ジンファンデル2012』をプレゼントさせていただきました。
今講座のためにご協力くださった輸入元各社さま、NVVの若下ディレクターにこころから感謝いたします。
ありがとうございました!!
ENV2018同行取材リポートはこの後、ブログに順次アップしていきますので、よろしくお願いします。


第3弾のワインで巡る世界ツアーはシャンパーニュへの現地ツアーです
お蔭さまで超定員になりました、ありがとうございました!!!
2019年に行う第4弾も、ワインラバーさんをワクワクさせる内容にしたいと思っています。
引き続き、よろしくお願いいたします!!

タグ:ENV2018 Napawine
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ちょっと寄り道! レオナール・フジタと宇野亞喜良さんの素敵な繋がり [気の向くままに]

楽しみにしていた番組 NHK Eテレの日曜美術館「知られざる藤田嗣治 ~天才画家の遺言~」
フジタが晩年住んでいた家から見つかった肉声のテープ、それはフジタが亡くなる2年前に自らが録音したもので、今回、番組で、その一部が紹介されました。
フジタの肉声、そして、その内容はとても興味深いものでした。



ゲストはイラストレーターの宇野亞喜良さんでした。
レオナール・フジタはシャンパンメゾン『G.H.マム』とのつながりが深いので、フジタについて学ぶ機会が多かったのですが、今回はフジタの内面を思いやりながら見ていました。
宇野亞喜良先生とは、映画とワインのコラム『ワインが光るワンシーン』を女性誌に連載していた時、挿絵を描いていただいていたというご縁があります。
その宇野先生が「フジタが好き!」とおっしゃっていたので、さらに好奇心がわきました。

冒頭、司会の小野正嗣さんの立ち位置がフジタの自画像の横だったので、巷に流れている噂フジタ似の風貌をチェック! ご本人もフジタがお好きなようで、「誕生日が同じですし、“嗣”の字が被っていますし」と語っていました。


      私の絵もこの私の声も永久に残るように思っております


連載は出版プロデューサーの久本勢津子さんの口利きでスタート。それが拙著『おいしい映画でワイン・レッスン(講談社刊)』、『映画でワイン・レッスン(エイ出版刊)』になりました!


宇野亞喜良先生は、端正な男優・女優さんが好みなので、色の使い方にそれが出ていたように思います。


映画『カサブランカ』のイングリッド・バーグマン、タッチにも気合を感じます。
ハンフリー・ボガートとの名シーンで飲むシャンパンはG.H.マムのコルドン・ルージュ!
左の挿絵は映画『ディスクロージャー』のデミ・ムーア


連載が完結し、単行本が完成した時に、先生にお願いして記念にいただいたジェラール・フィリップの挿絵、額も宇野好みです!
今朝の日曜美術館を見終わった後で、久々にイラストと対面、懐かしい時間に寄り道してしまいました!!!

藤田嗣治展 2018年7月31日~10月8日@東京都美術館
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第8回『日本で飲もう最高のワイン』、一般愛好家のエントリーにも期待しています! [日本で飲もう最高のワイン]

ベストワイン賞を受賞した皆さま

(前列 左から)
(株)サドヤ、(株)ファインズ、アコレード・ワインズ・ジャパン(株)、(株)高畠ワイナリー、(有)大浦葡萄酒、白百合醸造(株)、大和葡萄酒(株)
(後列左から)
ミスユニバース2017ファイナリスト、瀬川章社長、サッポルビール(株)、柳田藤寿審査員長、メルシャン(株)、和泉浩ホテル椿山荘東京 総支配人、ミスユニバース2017ファイナリスト

8回目を迎えた日本で飲もう最高のワイン


9月3日に藤田観光株式会社主催の『日本で飲もう最高のワイン』表彰式&テイスティング会が行われ、約500名が集合して、100種以上の受賞ワインを楽しみました。

初登場ベストワインメダル

口中に広がる凝縮感が魅力のワシントン州コロンビアヴァレーのシラー&ベストワインの受賞者に授与されたメダル


ナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンもベストワインを受賞!
料理は5枚綴りのチケット制で、軽快なオードブルから肉系までワインとの相性を考えたメニューが揃っていました。画像はAチケットのオードブル

AからEまでのチケット内容

椿山荘のまごころこもった味わい
参加費8,200円(web予約特別ご優待7,000円、審査員同伴専用6,000円)で100種以上のワインが試飲できるので、来年は是非!


7月1日&2日のワイン審査会、9月3日の受賞式&テイスティングはニュースサイト〝ワインのこころ〟に詳細をアップしましたので、ご笑覧いただけましたら幸いです。

[イベント]来年は、7月7日七夕にワイン審査会9月9日重陽の節句にテイスティング会が予定されています。ワインラバーの皆さまとお目にかかれますように!

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ワインアカデミー@ホテルオークラ 今期は2回連続で映画でワイン・レッスン! [映画でワイン・レッスン]



ホテルオークラ主催のワインスクール『ワインアカデミー』で、映画とワインの講座を担当しています。4月から始まった第25期生の皆さんとは、今週28日(火)と30日(木)の各講座でお目にかかりました。



講座では名画に登場するシャンパン&ワインを用意しています!
口開けはG.H.マムの『コルドン・ルージュ』
ここでは1939年から34年間にわたって同メゾンの経営で手腕を発揮したルネ・ラルーを紹介。その彼が生涯応援していた芸j術家が藤田嗣治(レオナール・フジタ)でした。
折しも、東京都美術館で藤田嗣治展が開催されているので、書籍では得られない、実物(本物)の素晴らしさを見ていただきたいとの思いから、皆さんには展覧会行きをおすすめしました。

30日の回に出席なさっていた受講生のおひとりから「昔、フジタの絵を所有していました」とのお話があり・・・一般家庭の温度管理では限界があり、絵画が乾いて傷んでしまう可能性があるという理由から、「泣く泣く絵を手放しました」と。画商から、「このままにしておくと絵の表面にひびが入ってしまう」と忠告されたそうです。
適切な温度と湿度が何より大事ということです。これは楽器でも同じですね。
その方は、「自分の管理でフジタの作品を損ねてしまってはいけない」と考え、「断腸の思いで、画商に委ねる決心をしました」と語っていました。

お話を伺いながら、私は東京都美術館で見たフジタの乳白色の裸婦像の絵画表面の色や艶、微細な色使いが美しく映えていた作品の数々を思い出していました。

藤田嗣治展は、絵画だけでなく、1つずつの額縁も素晴らしく、絵画との一体感が見事です。温度管理の話を伺ったことで、改めて名画を展示している世界の美術館の努力を感じました。
ワインの世界でも温度や湿度は大事ですが、絵画は視覚でチェックできる分、別の気遣いも必要なのですね。


ワインアカデミーでは10月から開講する第26期生募集に際して、9月8日~10月7日までの間の8回だけ体験講座を予定しています。渡部主任講師による丁寧なレッスンなので、おすすめです。私の講座はエキスパートクラス(最上級)になるので、受講生の皆さんとお会いするのは最後の最後になります。その分、心から楽しんいただける内容になっています!

ホテル・オークラは2019年の秋にThe Okura Tokyoとしてスタートします!
私もその時には、講座で新バージョンを披露したいと思っています。


『ウィンストン・チャーチル(原題:Darkest Hour)』のゲーリー・オールドマンは完璧!


映画に登場したのはチャーチルが愛したポル・ロジェの1928VT、ポル・ロジェではラベルも再現しました!



フランシス・フォード・コッポラ監督の奥様エレノア・コッポラさんの初監督作品『ボンジュール・アン(原題:Paris can wait)』


光栄にもエレノア監督とお話しするチャンスが!

テキスタイルに精通しているエレノア監督ですが、ワインについても相当な知識をおもちです。映画にはエレノアさん好みの自然派ワインが登場。講座ではそれらも揃えたいなぁと、今からワクワクしています。


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ぶどう栽培農家の心意気を感じるメゾン『マイィ グラン・クリュ』 刷新した3アイテムにもフォーカス! [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

協同組合マイィ グラン・クリュの底力

photo by Fumiko, 2010年訪問 
36年の歳月をかけ、組合員全員で掘削して完成させたセラー
壁の掘り跡を見ていると当時の彼らの熱い想いが伝わってきてじんわりと涙が・・・

創業は1929年! 
世界恐慌の年で、シャンパーニュ業界もご多聞にもれず、厳しい状況下にありました。そのようななか、大手メゾンに負けない高品質のシャンパンを造りあげようと栽培農家たちが結束して興したメゾンがMailly マイィ社で、協同組合(Coopérative de Manipulation 略CM)として独自の道を歩んでいます。

年間販売数量は50万本、比率は国内40%、海外60%で現在35ヶ国以上に輸出しています。全70㌶のぶどう畑はすべてグラン・クリュ(特級畑)マイィ村に位置し、それらは現在25家族(1929年から86のぶどう栽培者)の自社畑で、品種はピノ・ノワールとシャルドネのみ栽培しています。
ちなみに英国最古のワイン&スピリッツ商BB&Rでは『ベリーズ・ユナイテッド・キングダム・キュヴェ グランクリュ マイィ』、『ベリーズ・ユナイテッド・キングダム・キュヴェ グランクリュ マイィ』というオリジナルラベルを販売しています。マイィはマスターワインMWを多く抱えるBB&Rが認めるシャンパンメゾンと言えます!


photo by Fumiko, 2010年訪問
発酵は区画、品種ごとに小容量のステンレスタンクで


photo by Fumiko, 2010年訪問
リザーブワインはシャトー・マルゴーの使用樽で保存

シャンパーニュからの最新情報
今年は8月20日から収穫を開始し、最終収穫開始日は9月1日になります。
マイィ・シャンパーニュのエリアはピノ・ノワールもシャルドネも8月27日からです。CIVC(シャンパーニュ委員会)によると、ぶどうは高品質、収量も潤沢。今年は過去15年のなかで、8月中に収穫を開始した5番目のヴィンテージとのことでした。

20年以上にわたり、マイィの醸造責任者として高評価を得ていたエルヴェ・ダンタンさん(2013年からランソン)が映っているので、5年以上前の制作になると思いますが、マイィ社の収穫風景Harvest, the birth of a vintageの動画を添えておきますので、ご覧くださいませ。

2013年からマイィの醸造責任者に就任したセバスティアン・モンキュイさんはシャンパーニュ地方コート・デ・ブランのベルジェール=レ=ヴェルテュ生まれで、ご実家はぶどう栽培農家。1996年ランス大学で醸造学の学位を取得。1997年から2009年までエペルネのシャトー・マラコフで生産部長。2009年から2013年までエノリア・コンセイユ・シャンパーニュ(ぶどう栽培者に助言を与える機関)で研究室長を歴任し、2013年からエルヴェ・ダンタンさんの後任として活躍中。


NHK文化センター青山校ではリニューアルした3アイテムを加えて
マイィ・グラン・クリュの6アイテム

第1フライトは同品種、同比率、ドザージュ違い




#1:マイィ ブリュット・レゼルブ グラン・クリュNV
生産者:マイィ
ぶどう品種:ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%
ドザージュ:9g/L
価格:6,500円(税別)
淡いイエロー、レモンやグレープフルーツ、白桃、白い花、フレッシュバター、ブリオッシュ、切れがあり美味

#2:マイィ エクストラ・ブリュット・ミレジメ2011 グラン・クリュ 7月17日発売
生産者:マイィ
ぶどう品種:ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%
ドザージュ:0g/L
価格:7,300円(税別)
ゴールデンカラー、#1より控えめな香り、洋梨、マンダリンオレンジ、熟した果実のニュアンス、アーモンド、ヘーゼルナッツ、口中クリーミー、喉の奥に旨味、ぶどうの熟度を感じるアイテム、お薦め!

#3:マイィ レ・エシャンソン2007
生産者:マイィ
ぶどう品種:ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%
ドザージュ:6g/L
価格:19,260円(税別)
落ち着いたベージュカラー、泡沫元気、香りに熟成感、黄色系果実、リンゴのコンポート、蜂蜜、ココア、ロースト感、シームレス、複雑味があり、余韻の最後に塩味

リニューアルしたエクストラ・ブリュット

リニューアル化により、裏ラベルにあるQRコードから、様々な情報を読みとることができるようになりました。

第2フライトはロゼ


#4:マイィ ロゼ・ド・マイィ グラン・クリュ 8月7日発売
生産者:マイィ
ぶどう品種:ピノ・ノワール90%、シャルドネ10%
ドザージュ:8g/L
価格:8,100円(税別)
リニューアル発売したアイテム。従来のロゼ・ブリュットを『ロゼ・ド・マイィ』に変更。ピノ・ノワールをセミエで仕込み、シャルドネをブレンドして造ったロゼ。可愛いサーモンピンク、レッドカラント、ラズベリー、ピンクペッパー、講座生いわくトマト、ミネラル、中盤以降酸の広がり、軽快でバランスの良さを感じさせるロゼ


第3フライトにマイィ究極のピノ・ノワールを


#5:マイィ ブラン・ド・ピノ・ノワール グラン・クリュ 9月上旬発売
生産者:マイィ
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:8g/L
価格:7,800円(税別)/ 協賛
5月に来日したジャン=フランソワ・プレオ経営責任者は、マイィのプレスセミナーで、「今回ブラン・ド・ノワールを『ブラン・ド・ピノ・ノワール』に変更したのは、使用ぶどう品種がピノ・ノワール100%であることをよりわかりやすくアピールしたかった為」とコメントしていました。
深みのある黄金色、マンゴー、黄リンゴ、栗、スミレ、スパイス、ピンクグレープフルーツの内果皮似のビター感、酸味のまるさと黒ぶどうに由来する力強さ


2アイテムとも泡沫は活発、リズミカルで細やかな気泡

35のリュー・ディ

上記の地図にある35の小区画(リュー・ディ)の各々の特徴を示すため、35区画のワインを 小ステンレスタンクで別々に発酵させます。タンクには区画名、ぶどう品種名が明記されており、最終的に最適な組み合わせの区画のワインをブレンドしています。
  
マイィのトップキュヴェ『ラントンポレル』


#6:マイィ キュヴェ・ラントンポレル2011
生産者:マイィ
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
ドザージュ:8g/L
価格:13,000円(税別)
リニューアル前のアイテムの裏ラベルにはQRコードの記載はありません。
色調はゴールデンカラー、洋梨、アプリコット、すもも、石灰由来の酸味、ミネラル、ブリオッシュ、余韻に若干のビター感、複雑味と旨味、長い余韻


フェルミエのラングルと合わせて

素晴らしい熟成具合の #3 との相性に多くの票が集まりましたが、外皮とのマリアージュを推す声も多々。マイィ自慢の#5との組み合わせも楽しめました!


サプライヤーとして活動

画像提供:合同酒精株式会社
ポルシェのサプラーヤー、2016年にはUEFA EURO(欧州サッカー選手権)のパートナーに


[電話]マイィ・グラン・クリュのお問い合わせは合同酒精株式会社営業本部営業企画部
ワイングループ 03-3575-2724まで


[イベント]8月22日からNHK文化センター青山校の秋講座の受付を開始しました。
“オーダーメイドのシャンパンレッスン”への参加をお待ちしております!!

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NHK文化センター青山校〝オーダーメイドなシャンパンレッスン〟 秋講座募集開始!! [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

本日22日から秋講座(10月~3月)の募集を開始しました!


【案内】
講 座 名:オーダーメイドなシャンパンレッスン ~ 各メゾンの奥深さを愉しもう ~
開催日時:10月31日、11月21日、12月19日、1月23日、2月27日、3月27日
毎水曜日 19:00~21:00 
[NEW]詳細・お申込みはNHK文化センター青山校の秋講座募集のURLからよろしくお願いいたします。シャンパンラバーさんの参加をお待ちしております!!
満席御礼、ありがとうございました!

[わーい(嬉しい顔)]今年は11月に待望のシャンパーニュ研修ツアーもいたします!
http://www.nippo-tourist.co.jp/kaigai-tour/france_181105.html
募集受付終了、ありがとうございました!


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必見! 没後50年藤田嗣治展 レオナール・フジタの画業と生涯を通覧@東京都美術館  [インフォメーション]

東京都美術館で開催中の藤田嗣治展

東京都美術館 2018年7月31日~10月8日
京都国立近代美術館 2018年10月19日~12月16日

ハードカバーの公式図録

図録は2タイプあり、画像は展覧会場限定バージョン(表紙は『舞踏会の前』)

2016年12月に『生誕130年記念藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画』@府中市美術館に行きました。その時、初めて、『アッツ島玉砕』や乳白色の下地による裸婦、中南米旅行での絵画等を鑑賞しましたが、今回はスケールが違いました。約50ヶ所を超える国内所蔵先に加えて、フランス、スイス、ベルギー、アメリカ等、10ヶ所を超える海外の所蔵先から代表作を集めているので、見応え十分でした。
書籍では絶対に体験できない、本物ならではの凄さを感じる展覧会と言えます。
フジタ独自の技法ベビーパウダーを使った乳白色の色合いは、微妙な色の変化が素晴らしく、百聞は一見に如かずです。
そして、もう1つの魅力は“額縁”です。1つずつの作品の完成度をより鮮明にしていた額縁の存在感にも魅了されました。フジタ自身が手掛けた額も3点ありますよ。


フジタの薔薇

フジタと言うと、私はG.H.マムのロゼ・シャンパンのキャップシュールに描かれたバラを連想してしまうのですが、バラの絵は1922年制作の『バラ』だけ。花だけでなく、茎や枝も一緒に描いていました。

思わずにっこり 漫画家しりあがり寿さんとフジタのコラボ  
売店にはフジタグッズがたくさん並んでいましたが、しりあがり寿さんのイラストは可愛い過ぎ!


フジタが愛した“猫”たちの姿態が何とも言えずユニークで

8月中の金曜日は21時まで開室

通常は17時30分で閉室する美術館が、金曜日は20時まで時間を延長しています。
さらに8月中の金曜日(24日と31日)は21時までOKなので、これは絶対にお薦め!
私は17日に行ってきましたが、自分の好きなリズムで、時間を気にしないでゆっくりと鑑賞できました。


シャンパンメゾン『G.H.マム』とフジタ礼拝堂

photo by Fumiko, 2010年9月
シャンパーニュ地方ランスにあるノートル=ダム・ド・ラ・ぺ礼拝堂(フジタ礼拝堂)


photo by Fumiko, 2010年9月





ノートル=ダム・ド・ラ・ぺ礼拝堂はフジタが80歳の時に建設したチャペルです。1955年にフランス国籍を取得したフジタを生涯にわたり支援していたのが、芸術愛好家・収集家のルネ・ラルーでした。

マム社は、1827年、ドイツ出身のマム兄弟が興したメゾンですが、1876年に『コルドン・ルージュ・ブリュット』を発売して大ヒット。ところが、第1次世界大戦中に敵国資産としてフランスに没収された同社は 競売にかけられ、フランスのデュボネ社に落札されます。ここに新社長として赴任してきたのがデュボネ社の娘婿ルネ・ラルーでした。
ラルーは1939年から34年間にわたり、マム社の経営に尽力し、1945年に100万本だったシャンパンの販売量を1972年には600万本まで伸ばした辣腕家です。特にアメリカでの販売に成功しています。ちなみにコルドン・ルージュ・ブリュットは名画『カサブランカ』に登場するシャンパンとしても知られています。

売店にはG.H.マム『グラン コルドン』等が並んでいますので、泡好きさんは要チェック!


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アサイ・ウスケ・ワールドを悠々自適にプレイバック! [ワイン]

先週末、『シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー』の生みの親である麻井宇介先生と、彼の思想を受け継ぎ、ワイン造りに人生をかけて突き進んでいく革命児たちを描いた映画『ウスケボーイズ』の試写を観たのがきっかけで、先生の書籍を読み返してみました。

ワインづくりの思想  ~銘醸地は動く~


着陸態勢に入るとアナウンスがあって間もなく、雲海の上の明るい空から乳白色の霧の中へ、機体は静かに沈み始めた。窓の外はたちまち光を失って、薄明の空間へすべりこむと、機内の空気は時が止まったように張りつめた。

麻井宇介先生(2002年6月1日逝去)が2001年に上梓した『ワインづくりの思想/中公新書』の冒頭部分が好きです。なぜなら、ワイン書とは思えない流麗な文体、そこから見えてくる情景描写が見事だからです。

生前、先生が各方面に寄稿された「酒論」を、醸造産業新聞社が一冊にまとめた『酒精の酔い、酒のたゆたい(2003年5月初版)』に、微笑みたくなる一文がありました。


麻井文体のルーツ
そこへ現れたのが『フランスの葡萄酒』であった。その時まで、私はこの本が昭和11年に限定500部で刊行されていたことなど全く知らなかった。
「仏蘭西で私の居た家には大きな酒倉があって、毎日飲む食卓酒の他に、日曜日や祭日には必ず良い酒を倉から出して飲む習慣であった。(中略) 此等の人達と共に見たり聞いたり或は味わったことを思い出すままに書き綴ったのが、此の本である」

このさりげない著者のはしがきの通り、一読して感じたなによりの魅力は、自分の言葉で語り、知識の請け売りに堕していないところ にあった。この著者はいかなる人物か、寡聞にして知らない。もちろん余技としての著述であろう。だが、その簡明な文章は、よく整理された知識の上に凝縮していて、なみの教養人のものではない。ワインのある暮らしを体得した強みだけで書いた文章とは違う。読んでいて、私もまたいつかはこの本のように自分の言葉でワインを語れるようになりたい、 そういう思いにかられたものであった。
日本人の手になる最初の「ワイン書」のページより抜粋


麻井先生はこの著者の名を記していなかったので、ネットで調べてみました。
経歴は不明ですが、「十和田一郎」なる人物であることがわかりました。
麻井先生の格調高い文体は、酒書彷徨三昧を重ねるうちに、十和田氏の書籍に出逢い、感化され、先生の文章力にさらに磨きがかかったものと思われます。麻井先生が形容している “自分の言葉で語り、知識の請け売りでない”、これこそウスケ・スタイルの真髄であり、多くの読み手を魅了している点に他なりません。

海外の古書を収集し、それもウイスキーを主になさっていた先生は、ワインにはなるべく近づくまいとしていた。ワイン書は底なし沼。溺れたら危ない。それに、海外の酒をその国の人以上に知ろうなど所詮徒労ではないかと書いています。
でも・・・『フランスの葡萄酒』を書架に加えた時を機に、蒐書の比重はウイスキーからワインに傾いていったようです。さらに、関心は日本のワイン書発掘に向って行きます。それは、前述の名著誕生や桔梗ヶ原メルロー造りに繋がり、はたまた、戦後を生きたひとりの酒造技術者の見聞と行動を資料として残す、語り部としてのお役目も。ここに先生の宿命を感じます。



自らが手掛けたプロヴィダンス1999

プロヴィダンスに感銘を受け、ヴルティッチ流のワインづくりを会得しようと、ニュージーランドまで出向き、ワインを醸造してきた麻井先生のイニシャル「UA (ラベルの右下)」が記された1999年ヴィンテージ

時を経たプロヴィダンス1999を試飲


我が家に保存してあったプロヴィダンス
底から4㎝ほどしか残っていませんが大事な記念のワインです。
思い立って、ワインをグラスに注いでみると・・・
細かな澱と一緒にまどろんでいたワインは、オレンジや琥珀の濃淡を纏(まと)い、濁りは帯びているものの、下に置いた印刷物の文字が楽に読めるほどの淡さになっていました。香りはシェリーのオロロソに似た甘やかな印象、口中を支配するのは直線的な酸味、なめらかなタンニンの存在、鼻腔にかすかに残る果実のニュアンス、喉の奥に広がる余韻、バキュバンすることなく置いてあったにもかかわらず、多くの時を経てきたとは思えない状態、雑味や不快感がないことに驚愕!

醸造の過程で無水亜硫酸をまったく添加していないプロヴィダンスに関して、麻井先生は、無添加であることに疑問を感じ、精密な化学分析を依頼なさったと書いています。でも、結果は、「見事に何も検出されなかった」と。

ビオディナミの教祖ニコラ・ジョリ氏が来日したセミナーで、麻井先生が隣席という幸運に恵まれたのですが、その時のジョリ氏のセミナーでは、当日に抜栓したワインと3日前に抜栓したワイン(コルク栓もしない)の利き比べを行いました。ワインは『クロ・ド・ラ・クレ・ド・セラン1996』、2つのグラスの開き具合に多少の時間差はありましたが、ともにパワフルだったことだけは覚えています。
私は先生に「このワインは如何ですか?」と質問してみました。
「凄いワインだと思いますが、私は次の一杯も飲みたいと思うワインが好きです」とのお言葉が返ってきました。これって、プロヴィダンスのブラインドで先生が書いている言葉と同じです。思えば、これも1999年の出来事でした。



『ワインづくりの思想』のプロローグに、1999年2月、プロヴィダンスのオーナー、ジェームス・ヴルティッチ氏が来日し、ボルドーのトップシャトーとプロヴィダンスのブラインドテイスティングが行なわれたこと。先生はそこで、おいしいと感銘し、次の一杯もこれを飲みたいと思うものを2点選ぶのですが、その2点ともがプロヴィダンスだったというくだりがあります。


未知の土地にぶどうを植え、たちまち頭角を現すというのは、偶然なのだろうか、それとも科学技術の進歩によるものなのか。この素朴な疑問は日本でワインをつくりつづけてきた私にとって、なんとしても答えを見出さなけれはならない宿題の1つであった。物語をもっと大きく設定するならば、「銘醸地は動くのか」ということである。
「ワインづくりの思想」より抜粋


宿命的風土論を超えて
ブドウ畑は、それぞれに個性を持つ。差異があるのは当たりまえなのである。これを「風土の違い」と表現したあたりで、、日本では銘醸地との差異が、追いつくことのできない宿命的な落差の意味を持つようになってしまった。そして、この逆もまたワインの世界では根強く蔓延した。名付けて「宿命的風土論」という。

銘醸地は人間がつくり出すものである。だから動く。一見、それが運命的に定まっているかのように、ここ150年ほど、動かずにいると見えるのは、人びとが「宿命的風土論」の呪縛から逃れられずにいたからだ。
「ワインづくりの思想」より抜粋


日本のワインづくりは、ブドウ農家と苦楽を分かち合う信頼関係を支えとしなければ存立しえないのである。桔梗ヶ原で、その問題と直面するのは、この時(昭和29年)から20年も後の事になる。
「酒・戦後・青春/世界文化社刊」より抜粋

この一文から20年後の塩尻で、メルローを栽培する決断が・・・

麻井宇介先生の信念
1976年1月、長野県塩尻市街にある桔梗ケ原の中央公民館で、100名を超す果樹栽培者を前に、「甘味果実酒の原料ぶどうを転換するなら、欧州系の本格的な品種に」と先生は提案。欧州系品種への改植、生ぶどう酒産地に生まれ変わる必要性を説き、桔梗ヶ原を熟知している林農園の林五一翁の後継者幹雄さんの「どうしてもやるのであれば・・・メルロー」という発言を受けて、栽培家にメルローへの取り組み(棚栽培)を促します。


シャトー・メルシャン桔梗ヶ原メルローの育ての親ポール・ポンタリエ氏
今秋 長野県塩尻市に待望の『シャトー・メルシャン桔梗ヶ原ワイナリー』がオープンします。9月初旬にはプレス向けの視察もあるので、今からとても楽しみです。


1976年から契約栽培を開始した長野県塩尻市桔梗ヶ原地区、標高700m、砂利質の水はけの良い土壌、画像は棚式栽培のメルロー(提供:メルシャン株式会社)


シャトー・マルゴー総支配人兼醸造責任者として活躍していたポール・ポンタリエ氏(2016年3月27日逝去)は1998年からシャトー・メルシャンの醸造アドバイザーに就任。以後、品質向上に向けてご尽力くださいました。

初めて、桔梗ヶ原メルローを試飲したポンタリエ氏は、ワインのポテンシャルを理解すると同時に、栽培上の欠点をも感じ取っていました。そこで、最初に提案したことは、“垣根式栽培の導入”でした。翌年(1999年)ポンタリエ氏のアドバイスに従い、同社では垣根式栽培の導入を決断。双方の努力により、シャトー・メルシャン桔梗ヶ原メルローはさらに素晴らしい進化を遂げています。



シャトー・メルシャンのラベルもチェンジします!

7月31日に発表された『Japan Wine Competition2018』で、桔梗ヶ原メルロー2014が金賞を受賞しました。発売は9月4日(火)なので、日本ワインファン、シャトー・メルシャンファンはお忘れなく!

桔梗ヶ原メルローの生み親 麻井先生と共にワイン造りに励み、ボルドー滞在中は子供同士がクラスメイトだったご縁で、ポンタリエ氏とメルシャンのつなぎ役をした藤野勝久氏が、『桔梗ヶ原メルロー30年の歩み』を同社のサイトに綴っています。一見の価値ありです!!!
http://www.chateaumercian.com/stories/special/kikyogahara_merlot/

尊敬する麻井宇介先生から、私がいただいたお言葉は
ワインを飲む楽しみは、知る楽しみによってさらに深まる
でした。同じように、映画を観る楽しみも、“知る楽しみ”によってさらに深まります。
日本ワインを世界レベルに引き上げたワイン業界屈指の有識者 麻井宇介先生の足跡&人となりを、映画をご覧になる前の“知る楽しみ”にしていただけると嬉しいです。


映画『ウスケボーイズ』


監督:柿崎ゆうじ
エグゼクティブプロデューサー:柿崎ゆうじ
プロデューサー:古谷健一 前田茂司
出演:渡辺大 出合正幸 内野謙太 竹島由夏 寿大聡ほか
原作:河合香織『ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち』小学館
企画・製作・配給:カートエンターテイメント
配給協力:REGENTS
10月20日(土)より新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
公式サイト:http://usukeboys.jp/

ニュースサイトワインのこころ でも紹介しているので、覗いてください!


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NHK文化センターのシャンパン講座でマムRSRVとガズボーンの競演 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

7月最終週のシャンパン講座!
今回はシャンパンと英国産スパークリングワインを比較試飲しました。揃えたのは創業1827年の名門『G.H.Mumm マム』と2004年に誕生した『Gusborne ガズボーン』。ひとつ前のブログにガズボーンのリポートを載せていますが、その折、体験したブラン・ド・ブラン(BdeB)とロゼをセレクトしました。G.H.マムはディデイエ・マリオッティ最高醸造者が来日して披露してくださったRSRVシリーズのブラン・ド・ブランとロゼです。

供出した7アイテム

(供出順に左から)
#1:マム グラン コルドンNV
#2:ガズボーン ブラン・ド・ブラン2013
#3:マム RSRV ブラン・ド・ブラン2012
#4:マム RSRV ブラン・ド・ノワール2008
#5:マム グラン コルドン ロゼNV
#6:ガズボーン ロゼ2013
#7:マム RSRV ロゼフジタ


第1フライトのメインはブラン・ド・ブラン

#1:マム グラン コルドンNV
生産者:G.H.マム
ぶどう品種:ピノ・ノワール45%、シャルドネ30%、ムニエ25%、瓶熟20ヶ月
ドザージュ:8g/L
価格:6,150円(税別)
赤いリボンの『コルドン・ルージュ』が世界的デザイナー、ロス・ラブグローブの手によって革新的なデザインにチェンジ、ボトルは視覚&触覚で楽しめます。ネーミングも『マム グラン コルドン』になりました。大容量ボトルで飲めば魅力はさらに倍増!
黒系ぶどうを感じる色調、 フレッシュさが信条、種子の大きな果実(桃や杏)、トロピカルフルーツ、イースト、柑橘系果実の酸味、口中で果実味、チョーク、余韻に軽いビター感、バランス良好

#2:ガズボーン ブラン・ド・ブラン2013
生産者:ガズボーン・エステイト(英国)
ぶどう品種:シャルドネ100%、瓶熟36ヶ月以上
デゴルジュマン:2017年1月31日
ドザージュ:9g/L
価格:9,008円
サイモン・フィールドMWは2010年ヴィンテージ(VT)を試飲した特に「タルト・タタン、アーモンド、バターを塗ったトーストの風味を感じる」とコメントしていましたが、熟成したガズボーンのBdeBからは蜂蜜やバター、キャラメルやヘーゼルナッツのようなニュアンスを感じます。
最新VTの2013は輝きのある黄金色、フレッシュで溌剌、白系果実や白い花、塩味、ビスケット、口中クリーミー、冷涼年だった2013年は最初から最後まで続く凛とした“酸”が印象的。
講座生いわく「とうもろこしのニュアンス」と。5月のプレスランチで、ホワイトアスパラガスと合わせて絶妙だったBdeB、確かに白色系野菜や黄色系野菜に通じる要素あり


(左から順に)#1~#4
#1(黒ぶどうの比率70%)、#2(白ぶどう100%)、#3(白ぶどう100%)、#4(黒ぶどう100%)の色調の微妙な変化がわかります。

RSRVとはメゾン マムが代々守り続けているスタイルを具現化した最高峰のシャンパーニュ
■使用するぶどうはグラン・クリュのみ
■特別なキュヴェであることを示す裏ラベルのボトリングとデゴルジュマンの年月、ロットナンバー
■ドザージュ量はすべて6g/L

#3:マム RSRV ブラン・ド・ブラン2012
生産者:G.H.マム
ぶどう品種:シャルドネ100%(クラマンGC)
瓶詰日:2013年2月
デゴルジュマン:2017年2月
ドザージュ:6g/L
価格:9,500円(税別)
気泡は細やか、香り控えめ(グラス内の温度の変化でふくらみ)、白い花、レモン、アカシア、トロピカルフルーツ、アーモンド、口中で香りが広がり、綺麗な酸の余韻、梅酒似のニュアンス、マムが誇るGCクラマン(白亜の意)の畑に由来するミネラル感、お薦めの料理は甲殻類!

#4:マム RSRV ブラン・ド・ノワール2008
生産者:G.H.マム
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%(ヴェルズネイGC)
瓶詰日:2009年6月
デゴルジュマン:2016年11月
ドザージュ:6g/L
価格:12,700円(税別)
2008年は糖分、酸味等において卓越したヴィンテージ。濃い目のベージュ、グラス表面の泡沫元気。第1香はおとなしめ、ブリオッシュ、スモークのアロマ、中盤から酸の広がり、野菜の旨味似のニュアンス、 ロースト、コーヒー、 乳酸、熟成したコンテチーズ、白身魚や白身肉に合わせて!


第2フライトはロゼの競演

#5:マム グラン コルドン ロゼNV 2018年6月22日発売
生産者:G.H.マム
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ22%、ムニエ18%、瓶熟24ヶ月
ドザージュ:6g/L
価格:7,400円(税別)
触って斬新、透明なボトルに“赤いたすき”のグラン コルドン ロゼ。透明感のあるオレンジ色、ストロベリーやさくらんぼのアロマ、ピンクグレープフルーツの味わいと内果皮似のビター感、ピンクペッパー、ミネラル感のあるフィニッシュ、エスニック料理や中華料理(餃子)等と合せて。


(左から順に)#5~#7
マムの最高醸造責任者ディデイエさんは「私にとってロゼは夏のイメージです。#5は日中、#7は夏でも空がピンクやオレンジに変わる夕暮れ時」と語っています。コルシカ島生まれのディデイエさんらしい表現。中央はガズボーンのロゼ、やさしいサーモンピンク色! 

#6:ガズボーン・ ロゼ2013
生産者:ガズボーン・エステイト(英国)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%、瓶j熟28ヶ月以上
デゴルジュマン:2016年5月20日
ドザージュ:8.2g/L
価格:8,284円
きれいなサーモンピンク色、気泡繊細、香りにも味わいにも赤系果実(イチゴやレッドカラント)のニュアンス、ミネラル感、塩味、#2同様、メリハリのある酸味

#7:マム RSRV ロゼ フジタ 2018年4月17日発売
生産者:G.H.マム
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
瓶詰日:2013年7月
デゴルジュマン:2016年7月
ドザージュ:6g/L
価格:12,700円(税別)
#5よりわずかに濃い目のオレンジ(夕焼け色)、ブリオッシュ、焼菓子、ベリー系果実のアロマ、ブラッドオレンジ、スパイス、サーモンマリネのように色で合わせるマリアージュがお薦め


裏ラベルの瓶詰め表示:2013年7月/デゴルジュマンの表示:2016年7月

レオナール・フジタ没50年のイベント

映画『Foujita』でレオナール・フジタを演じたオダギリジョー

没後50年 藤田嗣治展
Foujita:A Retrospective - Commemorating the 50th Anniversary of Death
2018年7月31日(火)~10月8日(月・祝)@東京都美術館


■輸入元:ペルノ・リカール・ジャパン ℡03-5802-2671
■輸入元:BB&R ℡03-3518-6730

8月のシャンパン講座にはまたまたスペシャルなアイテムを用意しましたので、お楽しみに!


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ワインジャーナリスト青木冨美子と行くシャンパーニュの旅 [NHK文化センター青山教室]

ワインで巡る世界ツアー”の第2弾ワイン界に変革をもたらしたカリフォルニア・ナパの魅力を探るもお陰様で満席になりました。ありがとうございます!
6月に現地取材してきたナパの最新情報、多様性に富んだナパの魅力を6種のワインを利き酒しながら、皆さまにご体感いただきたいと思っています。
9月12日、何卒よろしくお願いいたします。

第3弾はシャンパーニュの素晴らしいメゾンへ


本日はその第3弾をインフォメーションさせていただきます。
7月初旬から、企画していた案をメゾンや輸入元様に打診し、日放ツーリスト(NHKの外郭団体)の担当赤羽美和課長と打ち合わせを重ねることで、私のイメージを形にすることができました。
訪問するのは6メゾン 
~シャンパン界の次世代を担う旗頭レコルタン・マニピュランの『タルラン』、美しい女性当主の名を冠したロゼを産する『ローラン・ペリエ』、通好みのシャンパンハウス『ドゥーツ』、アール・ヌーヴォーの巨匠エミール・ガレの作品や19世紀末の芸術品に囲まれた優雅な『ペリエ・ジュエ』、英国の名宰相ウィンストン・チャーチルが愛した『ポル・ロジェ』、12世紀のセラーを所有し、独自性を貫く『ドラピエ』~
昨日、日放ツーリストのHPにもアップされました。

【御礼】 (追記2018年8月31日)
〝ワインジャーナリスト青木冨美子と行くシャンパーニュの旅〟の申込みは本日受付を終了いたしました。定員超につき、予定通り、ツアーを行います。ご応募くださったシャンパンラバーの皆さまに心から御礼申しあげます。200%の満足度を感じていただけるように私も頑張ります。
ありがとうざいました!

引き続き、よろしくお願いいたします!

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